線路の先の旅物語
旅の記録NO32


さよなら桃花台新交通システム

山万新交通システムにも乗車




桃花台新交通システムに乗車


平成18年9月末をもって廃線となる第三セクター鉄道がある。
「桃花台新交通システム」。名鉄小牧駅と桃花台ニュータウンを結ぶ7.4kの新交通システムである。
開業は、平成3年3月。まだ新しい鉄道にもかかわらず、開業からわずか15年で廃線となってしまうのである。
当然のこととして、わたしはこれまでこの新交通システムには乗車したことがない。
そこで、郡上八幡からの帰りに、初乗りとお別れ乗車を兼ねてやって来たのである。
名鉄小牧線は地下駅であるが、当然、桃花台新交通システムは高架駅である。
地上の駅舎で、「桃花台センター」までの乗車券と記念乗車券として限定発売されていた「一日乗車券(こども用)」を購入した。

桃花台全線一日乗車券

桃花台全線一日乗車券

一日乗車券は、あくまで、記念品として保存するため購入したもので、もちろん使うことは無い。
高架上の小牧駅に上がり、4両編成の電車に乗り込む。
帰宅時間前なので、各車両には数人の乗客しか乗っていない。
小牧駅を発車した電車は、続いて「小牧原駅」に停車する。ここ小牧原駅でも名鉄小牧線に接続している。
電車は、小牧線と別れ、右にカーブし、高架を進む。高架だけに眺めがいい。
廃止になれば、当然この眺めは出来なくなる。

桃花台新交通システムにて桃花台新交通システムにて

桃花台新交通システムは、ピーチライナーとも呼ばれている。
桃花台ニュータウン住民の足として開業したことから、愛称として呼ばれているのであるが、その桃花台ニュータウンが見えてきた。
電車は、桃花台センター駅に到着したが、このまま終着駅となる「桃花台東駅」まで行く。
桃花台新交通システムは全国的に例を見ない、路線終端ループ線形式のため、桃花台東駅で乗客を降ろした後、ぐるりと回って再度、桃花台東駅に停車するのである。
こんな光景は、全国でも、ここでしか見られないのである。

路線の終端はループ線路線の終端はループ線

桃花台東駅に続いて、桃花台センター駅に停車する。
桃花台センター駅は、桃花台ニュータウンの中心であり、新交通システムにとっては中心駅である。
わたしも、ここで途中下車をして見る。
さすがに、乗降客も多く、駅前は整備されている。
駅舎に併設するように、ショッピングセンターがあり、買い物客で賑わっている。
センター内には郵便局もあり、ここでも貯金をして置く。

桃花台センター駅にて桃花台センター駅にて

そもそも、桃花台新交通システムは日本車両が開発した新交通システムを導入したもので、路線設備や運行経費を大幅に節減できるシステムのはずであった。
全駅を島式の駅舎として、車両のドアは片側のみとした。このため、路線の終端はループ線形式となるのである。
当然、運転台は前部のみであり、軌条も中央案内形式である。しかも、電力消費は600vである。
しかし、高運賃と高架が嫌われ、利用者は増えなかった。しかも、各方面にバスが運行され乗客減に歯止めがかからなかったと言う。
当初は、JR高蔵寺駅までの延伸も計画されたが、そもそもこのシステムは延伸には向かないシステムなのである。結果として、延伸されることはなかった。
そして、ついに平成18年9月30日をもって廃止されることになったのである。
9月に入ると桃花台新交通システムも、さよなら乗車で訪れる人々も多くなるのであろう。
小牧からは、名鉄小牧線と名古屋市営地下鉄を経由して、名古屋駅に出た。
名古屋駅からは「ひかり424号」で帰京。


走行する桃花台新交通システム走行する桃花台新交通システム



番外編「山万新交通システム」に乗車

9月のある日、「京成上野駅」から特急電車に乗り、「ユーカリが丘駅」に向った。
山万新交通システムに乗車するためである。
山万は、不動産開発のデベロッパーで、京成ユーカリが丘駅付近の宅地造成やマンション販売を行っている会社である。
この会社が、マンション購入者の通勤・通学の足を確保するべく、団地内に新交通システムを建設したのである。
このシステムが、山万新交通システムである。

山万ユーカリが丘駅にて山万ユーカリが丘駅にて

実は、山万のシステムと桃花台のシステムは同一のシステムなのである。
日本車両が開発したこの新交通システムは、結果として「山万」と「桃花台」以外には導入されなかったのである。
桃花台新交通システムが廃止されたため、日本で唯一、山万のみが残ったのである。
ただし、同一システムとは言え、ハード面では仕様が異なる。
山万の車両には両端に運転席があり、ドアも両側に設置されている。
また、路線も「公園前駅」からは、円形に路線が引かれており、ラケット状の線形となっている。
山万ユーカリが丘駅から、桃花台をひとまわり小さくした車両に乗り込んだ。
この車両、エアコンの設置がなく、すべての窓が開け放たれている。
通勤通学時間帯ではないため、数人が乗り込んで発車となる。
ユーカリが丘駅から公園駅までは高架となっている。公園駅からは左周りとなり、列車は地上走行となる。
「女子大」という名の駅に停車する。しかし、駅周辺からは女子大の雰囲気は感じられない。

女子大駅女子大駅

開業時は、女子大の開校予定があったという。
女子大に続いて、「中学校」に停車する。それにしても、おもしろ駅が続く。
中学校を出ると、列車は地下トンネルを走行する。新交通システムの地下走行はめずらしい。
一周し、公園駅に戻る。わたしは、公園駅で下車し、山万の走行写真撮影ため、あちこちと移動する。

山万新交通システム

山万新交通システム

山万ユーカリが丘駅から公園駅は、駅間距離が1kmのため、そのまま山万ユーカリが丘駅に戻った。
山万ユーカリが丘線は、営業距離が4.6Km、所要時間が13分。運賃は、全線均一で200円である。
ここ山万新交通システムも今後の見通しは不明だ。


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