2000年 熊本を さすらう強行軍
火の国・早春の息吹を求めて・・の筈だった・・

今回の旅は、さすらい仲間と宴会を催すために熊本まで集合!というもの。かなりアバウト、というかさすらい慣れた3人が集うこの企画は、『集合日3月11日・集合場所は熊本付近』という事だけを決めて、あとは幹事役の熊本在住K氏にお任せ・・・。

せっかくの熊本行き。だが、社会人にはお仕事が待っている! 本当は前後に休暇をいただいて少し九州をさまよいたいところ・・・・なーんて言ってはいられない。何とか前日の休暇を確保できたのみ!
さて、今回の旅は「九州」。福島からだと1000キロ以上も離れている九州へは、時間の都合もあって飛行機を使わざるを得ない。「さすらう」しゅわっちにとっては「飛行機」なんぞを使うのはもっての他!のはずだけど、時間短縮のためには仕方がない。
しかし、しゅわっちが使う飛行機は「なるべく安く」が身上。かくして、青春18+往復特割り羽田〜福岡線という「強行スケジュール」の始まり始まり〜!

■3月10日(金)
郡山〜福島〜仙台〜一ノ関〜北上〜横手〜新庄〜余目〜酒田〜村上〜ムーンライトえちご(車中泊)

北国経由(^^)熊本行き!
強行軍の出だしは青春18切符から。何故か東北本線を北へと向かう。羽田発が明日の朝早い便で「飛ぶ」ため、羽田周辺での宿泊をせずに青春18きっぷ+510円の指定券で快速「ムーンライトえちご」の客となって宿泊代を浮かそう、って魂胆なのだ。

どこを通っても今晩の「ムーンライトえちご」に間に合えば良い、ってのは気が楽。今回は暖かい九州の前に対照的な雪景色を見よう!と北へと向かった。

←北上線は雪・雪・雪
北上からは北上線。車体についた雪がこの先の雪の深さを物語っている。北上を出てからすぐに山間部へ。すると一面、雪雪雪。しかもどんどん雪が降り続いている。おまけに吹雪。ピュー、と音がしたと思ったらドアが一瞬浮いて、寒風が吹き込んできたのにはびっくり!このまま吹雪で立ち往生したら・・・とか、風で転倒するんじゃなかろうか・・・などと少々恐怖にかられる。
雪に慣れているはずの地元の人も、外を不安げに眺めているように見えるのは考えすぎか?途中駅ではラッセル車も待機していた。
ほっと湯田で反対列車との待ち時間に運転手に聞いてみた。「冬場はこんなモンだね。まあ、時期からすると1ヶ月遅いけど・・。あと20センチ積もったら動けないナ。浮き上がって脱線しちゃうガラ。」3月といってもまだまだ「冬」そのものである。
←15分遅れの快速/新庄も大雪だった(さまよえずに・・・残念!)
その後も雪一色の光景は続き、横手からの快速も15分遅れ、新庄では山形新幹線が2時間程度の遅れが出ているという豪雪。新庄で2時間の待ち時間は、雪にもマケズ、と駅前散歩に出かけるも、あまりの雪に3分で断念して駅へと引き返す。結局はおとなしく駅の蕎麦屋で暖かい蕎麦をすする。

幸い、陸羽西線は接続の関係で5分程度の遅れで運転。海岸沿いの余目では降雪量もたいした事がないようだ。一旦酒田まで出て、上り最終普通列車の客となる。北の方では雪がひどいのか、追い抜かれる特急列車やら反対列車やらが微妙に遅れている。が、なぜか村上到着は定刻だった。

村上からは新宿行きの快速「ムーンライトえちご」。村上ではキヨスク閉店のため、今宵のアルコール調達ができなかった! 10分止まる新潟では何としても・・・と気合を入れたが、やはり単線が多い羽越線ゆえか、北の雪による列車ダイヤの乱れの遠因で新潟到着がほぼ8分遅れてしまった。幸い勝手を知っている新潟駅。発車ベルが鳴り響く中、何とかおやすみビールを調達できたが・・やれやれ・・である。

久しぶりの「ムーンライトえちご」だが、列車の揺れをつまみにビールをいただいたあとは、素直におやすみ! 夜行での何となく窮屈な姿勢もどうって事無く、眠りについた。

■3月11日(土)
ムーンライトえちご(車中泊)〜新宿〜東京〜浜松町〜羽田空港〜福岡空港〜博多〜大牟田〜熊本〜平成
・・・以降、熊本県をさすらう・・・筋湯温泉(泊)


恐るべし航空運賃ーーー!
ぐっすり眠ったとはいえまだ眠気が残る朝の新宿駅。これから羽田へと向かい、朝7時40分のJALでいざ九州へ!!そうノンビリはしていられない、とすぐさま移動。6時前の東京駅でけっこうな人がいて、中でもファーストフードやらおにぎりのお弁当屋がえらく繁盛しているのにはビックリ!東京モノレールもこれまた大きな荷物を抱えた人々で予想外の賑わい。モノレールの面々はほぼ100パーセント「遠くへ行く」人なんだと思うと、それぞれの顔・荷物なんかを見ながら「どこ行く人だろう??」なーんて思いを馳せるのも楽しい。
←一夜を共に過ごしたムーンライトえちご/福岡まではJALの飛行機だ

羽田空港の出発ロビーは人でいっぱい!モノレールの混雑も納得である。考えてみれば、土曜の朝に東京を経つと午後からは目的地に着ける。週末を目いっぱい有効活用しようと思えば当然の事だ。しかし、その一方でスーツ姿のビジネスマンの姿もちらほら。お仕事ご苦労様!

さて、今回の往復特割りだが、何と往復で羽田〜福岡が32,000円!スカイマークとの対抗上、スカイマークの前後便だけ限定、というエゲツナイ運賃設定だが、ANKで福島〜福岡片道35,000円、新幹線で片道約27,000円ということを考えると、恐ろしい金額だ。東京までの新幹線を入れても福島空港から飛ぶより安くなってしまう。ちなみに、今回は空路往復以外に青春18切符3枚相当、ムーンライト指定券を合わせても4万円以内で済んでしまった!

エアー・ドウやスカイマークといった新規参入によって航空運賃が下がった、という見方もあるが、利用客が集中する路線への割引率競争が激化した結果、地方の航空路線の運賃割高感やそれに伴う不採算による減便などをもたらしている事は案外知られざるマイナス面だと思うのだが・・・・。(もっとも、離島以外は「おらが空港」なーんて作っている時代じゃなんだけどさっ。既存空港へのアクセス強化の方がより重要だったりする訳で・・)

安くても乗ってしまえば同じ飛行機。ちゃんと機内サービスもある。離陸してしまえば1時間45分で九州へ。さすがに飛行機は早い! 9時30分には博多駅に立っているのだから・・・・。

新潟車掌区の日付の入った青春18で福岡から!
博多からは「新潟車掌区3.11」の日付が入った青春18切符の再利用(?)。誰かこの面白さに気付いてくれるか?と思ったりもするが、さすがにそんなにまじまじと青春18を眺める改札氏もいなかった。
これからのスケジュールは全く白紙。熊本付近の温泉をK氏が出配している筈なので、遅くても夕方までに熊本に行けば良い・・・。とは言うものの、多少は気になるのでひとまず熊本を目指す。
外はあいにくの雨模様。ちぇっ、と思うが、昨日の大雪を思えばどうって事ない!と開き直る。大牟田から乗りかえたのは窓が長〜い、椅子はちゃちな電車だった。

←窓が長い電車。椅子はチャチだ!/熊本で停車中の列車の前面に白いものが・・・・えっ??

 「初めての阿蘇・・火の国じゃなかったの??」
さて、今日の宿は阿蘇方面らしい・・とは聞いていた。熊本に着いた時点で熊本在住K氏に連絡を入れれば迎えに参上!という手はずになっているが、そこはさすらい族(?)。駅名の「平成」に惹かれて豊肥本線を1駅進んだところでK氏を待ち構えることに決定し、急ぎ豊肥本線ホームへ。と、そこには前面に白いものが付いた特急「あそ」号の姿が! まあ、昨日の光景からすると「可愛いモン」かな、などと思っているところに、突然1週間の有給休暇を取得して九州内をさまよっていたS氏が現れた!!
昨日の余目からS氏に電話をした時には、今日は阿蘇周辺をさまよって午後に阿蘇駅ででも合流するつもり、なーんて話していたのだが・・・・。「どうせ飛行機を降りて熊本までまっすぐ来て、ちょっとマニアックな駅にでも降りるんだろうと思って待っていたのさっ!」とはS氏。。うむむ。。読まれて待つぶせされていたとは!!。まさか平成下車前にさすらい仲間と合流するとは思ってもみなかった。

平成は、熊本市街地の外れにある典型的な郊外駅。コンクリートのホームがあるだけの殺風景な駅だが、平成の時代になってすぐに新しく作られたためにこうした駅名になったらしい。地名として「平成」があった訳でもないようだ。早速、S氏がK氏へ電話する。「いま、平成なんだけど・・」(どうやら、K氏は「ヘイセイ」にピンと来ないらしい・・)「平成駅、分かる?」(まだ、?のようだ)「熊本の隣の駅の・・・・」(何とか理解できたらしい)。さすらいの旅人は、地元民をも「?」の世界に陥れる恐怖の存在なのか(笑)

地元在住でありながらその存在をなかなか理解できない、という平成駅を裏付けるように、K氏が愛車で平成駅前に到着したのはそれから約20分後だった。「平成なんて行った事ないんで、結構戸惑っちゃって・・」。案外、そんなモンかもしれない。
早速、お勧めという蕎麦屋で昼食。熊本で蕎麦とは?と思ったが、これがなかなか美味かった。

今宵の宿は、「筋湯温泉」とのこと。位置関係も全く不明だが、あとはK氏のハンドルさばきにお任せ!なんだから気が楽だ。私もS氏も「阿蘇に行った事がない」ということで、阿蘇へのさすらいを決定。阿蘇山へと向かう。

やって来た阿蘇山有料道路は、一面の銀世界!おまけに凄い風が吹き付ける!!火口が見渡せる山頂付近なんぞ、積もった雪・たたきつけるみぞれ・強風で一同はびちゃびちゃに。おまけにK氏の傘が骨折をしてしまい、ロープウェイ山頂駅のゴミ箱でお別れとなってしまった。

←火の国じゃなかったの? 阿蘇山にて 赤い傘の似合うS氏・強風のため傘が壊れたK氏

草千里も同様の銀世界! 早春の息吹、なんてモンじゃない!! 早々に退散して山を降りる。
こんな天気ではどこをうろついても同じ、ってな訳で、めざすは今宵の宿となる温泉へ。さすがのさすらい隊3人でも、天候には勝てなかった。阿蘇から降りてさらに北へと車を進める。もちろんタイヤはノーマル。南国人のK氏のハンドルさばきに少々不安を覚えながらも、結構軽快に走る。九州で数箇所しかないスキー場の一つもこの付近らしく、どうりで雪景色なわけだ。

「筋湯温泉の夜」 うーん、社会人だなあ・・・・
たどり着いた筋湯温泉は朝日屋という旅館。小じんまりした感じで、部屋はまあこんなモンだろう。旅館も数件あるようなちょっとした温泉街だが、いかんせんこのみぞれのため、お出かけは断念。さすらいできなかったのは残念であった。
お出かけが×ならば、お楽しみは温泉。とばかりにいくつかあるお風呂へGo!洞窟風呂やら五右衛門風呂、石風呂に入ってみたが、屋外の洞窟風呂は湯の温度が低く、洗い場はお湯が出ず、屋内の浴場も何故かお湯が出ないというちょっと中途半端な内容だった。
ともあれ、一風呂浴びて夕食。この時期のこの山では特色ある食事も無理で、まあ一般的な夕食をいただきつつビールで乾杯!
学生時代のノリとは違って、お互いあまりガンガン飲むなーんて事もない。夕食を片付けてもらってからは、持ち込みの酒で二次会開始。九州「らしい」お酒ということでK氏が準備した「焼酎しろ」をストレートで飲む美味さに惚れながらも、程なくして徹夜明けだったK氏が居眠りモードに突入。準備した2本のうち1本をあけた時点で残る2人もお開き。風呂に出かけて夫婦が五右衛門風呂に入っているのを知らずに「ご対面」するなどハプニングもあったが、社会人らしくおとなしいまま眠りについたのだった。

■3月12日(日)
筋湯温泉・・・・日田経由・・・・鳥栖〜博多〜福岡空港〜羽田空港〜蒲田〜上野〜黒磯〜郡山

「裏やまなみハイウェー」をゆく!
明けて12日。明け方は冷え込んだらしく、外はうっすらと白い世界。宿の主人に聞くと、九州でもこの地域は雪も降るので、車のタイヤはスタッドレスなんだとか。うむ、確かに納得。
「積もっているのは朝のうちだけでしょう。気をつけて」という主人に見送られて、車の雪下ろしをしてから出発。
→ひなびた温泉街の筋湯温泉/一晩での積雪は御覧の通り

筋湯温泉はやまなみハイウェイから一つ奥に入ったところにある。これから昨日決めた解散地・鳥栖まで再びK氏の車にお世話になる。九重(ここのえ)町の中心まで山を降りる道は、結構景色も良い。K氏も「初めて通った」というが、天気の良い時には格好のドライブコースといえそうだ。ちなみに、やまなみハイウェイはシーズンともなれば車の列ができてしまうそうで、そんな時にも使えると喜ぶK氏。案外、地元に住んでいながら目がいかないというのも分かるような気がするな。
今日は福岡空港14:10発のJALに乗ればよい。S氏もあと2日九州内をさまようのでどうでもいい。かくして3人とも時間があるので、九重から高速には乗らずに国道を進むこととする。さすがに国道まで降りるとさっきまでの白い世界とは別世界。いつの間にか屋根に降り積もった雪も融けてしまったようだ。

久留米情報・鳥栖パープルサンガ
日田を過ぎて福岡県へ。田主丸だったかでは、町じゅうに観光客らしき人が散策している様子だった。さして由緒ある風情もなかったのだが、商人の町だかで散策コースとして売り出しているらしい。歩く、そしてとくに何かをわざとらしく「作る」のではない観光地づくりとして好感が持てる。時間の都合でじっくりと車を停めて散策できなかったのは残念だった。
途中トイレタイムで立ち寄ったコンビニでは「くるめシティー情報」なるタウン誌を発見!早速S氏が購入。さすらい隊はこんなモンで喜ぶのである。そんなこんなで途中渋滞もなく、無事に鳥栖駅前に到着。時間はちょうどお昼時。駅の裏には大きなスタジアムがあったのは、鳥栖を拠点とするサッカーチームのサガン鳥栖のためらしい。と、どうやら今日はサッカーの試合があるらしく駅にもそれらしきサポーター軍団の姿。S氏は「そうだ、サッカーでも見ようか」。
2日間車を運転したK氏はこのまま熊本へ帰るとの事。ご苦労様! こうして2人と別れた後はひたすら帰るのみ。一路福岡空港へと向かったのである。

やっぱり飛行機は速〜い!
福岡空港では出発ゲートでの手荷物チェックが大混雑!修学旅行生などが溢れていてびっくり。待つこと10分でやっと手荷物のチェックを終える事が出来た。発車1分前でもOKな新幹線とは違って時間に余裕が必要な飛行機。時間に余裕があって良かった〜!
駅で買ったお弁当を出発ロビーで広げ、缶ビールの九州バージョンで去りゆく九州に乾杯。「往復特割」効果なのか、この便も満席だった。家並みが迫る福岡空港を離陸。あとは1時間25分で羽田だ。偏西風に押される形なので帰りの所要時間はあっという間なのだ。一眠りして、飲み物をいただいて、あっという間に着陸態勢に。九州から1時間ちょっとで踏んだ東京の地はさすがに寒かった。

最後は鈍行乗り継ぎ(^^)
帰りは京浜急行を使い京急蒲田まで。JR蒲田までは細い路地を「信じる方向に」歩いて約10分。夕方時の京浜東北線に揺られて上野からは宇都宮線の各駅停車に乗り換え。鳥栖駅の改札印の入った青春18を有効活用すべく、郡山までは鈍行でのお帰りコースである。九州から東京までの1時間25分に比べて、東京から郡山までの区間に要した時間は4時間強なのだから思わず苦笑してしまう。黒磯で乗り換えて見慣れた455系に揺られ、無事に到着したのは午後9時46分だった。

→JALの可愛い「おやすみ中」案内/郡山に到着!お疲れ様でした〜

[熊本を さすらう強行軍 了]


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