「有害」規制に関する用語集

表示図書類


<表示図書類の概要>

 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では、図書類発行業者に対し、自主規制団体または自らが青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認める図書類について、「青少年が閲覧し、又は観覧することが適当でない旨の表示」をするよう努力義務を課している。この表示をした図書類のうち個別指定されたもの以外を「表示図書類」という。
【関連リンク】
▼条例・規則
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/jyourei.htm(東京都)
※東京都青少年の健全な育成に関する条例・同施行規則などを確認することができる。

<表示図書類の仕組み>

(1)図書類発行業者は、自主規制団体から表示の要請があった図書類と、自らが施行規則第15条の基準に照らして青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認める図書類について、「成年向け」「18歳未満お断り」など、「青少年が閲覧し、又は観覧することが適当でない旨の表示」を行うよう努めなければならない(第9条の2第1項)。この表示をした図書類のうち個別指定されたもの以外を「表示図書類」という。

(2)図書類発行業者は、「表示図書類」について、施行規則第18条で定める方法により包装するよう努めなければならない(第9条の2第3項)。

(3)図書類販売業者等は、「表示図書類」について、青少年への販売などを行なわないよう努めなければならず(第9条の2第2項)、また、施行規則第19条で定める方法により区分陳列を行うよう努めなければならない(第9条の2第4項)。

(4)東京都知事は、個別指定された図書類のうち定期的に刊行されるものについて、「表示図書類」とするよう自主規制団体または図書類発行業者に勧告することができる(第9条の3第1項)。

(5)東京都知事は、「表示図書類」について、(2)や(3)の努力義務が遵守されていないと認めるときは、図書類発行業者または図書類販売業者等に対し、必要な措置をとるよう勧告することができる(第9条の3第2項)。

(6)東京都青少年健全育成協力員は、個別指定された図書類だけでなく、「表示図書類」についても区分陳列状況や包装の有無について調査することができる(第9条の4)。

(7)自動販売機等業者は、「表示図書類」などを収納する自動販売機等について、青少年が「表示図書類」などを観覧、購入、借り受けることができないように施行規則第26条で定める措置をとらなければならない(第13条の5)。この措置をとらなかったときは、警告(第18条第2項)の対象となり、警告に従わないときは罰則の適用がある(第25条)。 

 

<表示図書類の特徴>

(1)東京都生活文化局都民生活部男女平等参画・青少年対策室編『東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説』(2005年)では、「表示図書類」制度の沿革について、次のように解説している(87頁)。
 本条で規定されている表示制度は、出版業界の自主規制のひとつとして実施されてきた。これまで、平成13年の条例改正で、図書類の区分陳列制度を取り入れ、区分陳列を効果的に推進していくことで、大人と子どもの世界の区分けをしてきたところである。しかし、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類か否かについて、出版業界と一般都民の認識が必ずしも共通ではないため、青少年の閲覧又は観覧を不適当とする旨が表示されない不健全図書類が、店頭に並ぶ結果を招き、さらに販売業者側も不健全図書類なのか否かの判断がつかず、区分陳列が徹底されないという事態を招いていた。
 そこで、平成16年の条例改正において、自主規制を一層徹底させる観点から、新たに図書類発行業者に対し、自主規制団体又は自らが青少年の健全な育成を阻害するおそれがあると認めた図書類に、その旨の表示及び包装をする努力義務を課すこととした。

(2)東京都が発行する「東京都青少年の健全な育成に関する条例のあらまし」というリーフレットには、「表示図書類識別マーク(例)」が示されている。書籍・雑誌については、出版倫理協議会の<成年向け雑誌>マークと<出版ゾーニングマーク>、ビデオについては、日本ビデオ倫理協会の<成人指定>マーク、パソコンソフトについては、コンピュータソフトウェア倫理機構の<18歳未満お断り>マークが例示されている。

(3)日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が作成した「『成人誌』取扱いガイドライン」では、「各都道府県の指定図書類及び出版倫理協議会の表示図書類は取扱わない」と定められている。

(4)一部の府県では、知事の指定した自主規制団体が青少年に「不適当」とした図書類を「有害図書類」とみなす団体指定方式を導入している。

 

【関連情報】
1.東京都は2005年10月19日、
ゲーム機やゲームソフトのメーカー、販売店などで構成する「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、「家庭用テレビゲームについて、条例第9条の2の「表示図書類」としての表示を付すよう提案」している。一方、家庭用テレビゲームソフトを審査し、格付け(レーティング)を行っている特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)の専務理事は、「18歳以上の上にさらに禁止表現という領域を設けている。青少年に有害とされているいわゆるアダルト物等は当然この禁止表現に入るので、家庭用ゲームソフトにははじめから存在しない」と説明。レーティング制度に対する国民生活センターへの苦情はなく、レーティング結果に対する市場からのクレーム、要望もないとして、「(改善の余地はあると思うが)一応、現行の制度が概ね社会に受容されていると判断している」と主張した。ただし認知度の点に問題があるとの認識が示されている。
【関連リンク】
▼残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/kiseki/game.htm(「有害」規制監視隊) 

2.東京都青少年健全育成協力員の運用について定めた「東京都青少年健全育成協力員設置要領」は次の通りである。

東京都青少年健全育成協力員設置要領

平成16年5月13日16生都参青第82号

 (目的)

第1条 この要領は、都民の協力を得て、東京都青少年の健全な育成に関する条例(以下「条例」という。)第9条及び第9条の2の規定による指定図書類及び表示図書類(以下「指定図書類等」という。)の陳列がより適切に行なわれるように、条例第9条の4の規定に基づき、東京都青少年健全育成協力員(以下「協力員」という。)を設置し、その制度の運営に関し必要な事項を定めることを目的とする。

 (地域)

第2条 協力員を配置する地域は、原則として東京都(以下「都」という。)全域とする。

 (業務)

第3条 協力員は、都の青少年健全育成施策に関する民間の協力者として、次の業務を行う。
(1) 新刊書店、古書店・貸本店、コンビニエンスストア等(以下「販売店等」という。)において、別に定めるところにより、指定図書類等が他の図書類(条例第2条第2号に定義する図書類をいう。)と明確に区分して陳列されているかを調査し、その結果を都に報告する。
(2) 都が行う研修会等に出席する。

2 協力員は、前項第1号の調査にあたって、販売店等に対する是正指示又はこれに類する行為を行ってはならない。

 (協力員の数)

第4条 協力員はおおむね、1,000人とする。

 (資格要件)

第5条 協力員は、都内に居住する年齢20歳以上の者で、本制度の主旨を理解し都に協力することができる者であり、かつ市区町村又は地域で青少年の健全育成活動や非行防止・犯罪防止活動を行う団体(以下「団体」という。)から推薦があった者とする。

 (委嘱)

第6条 東京都知事(以下「知事」という。)は、前条により推薦のあった者の中から、協力員を委嘱する。

2 協力員の委嘱は、委嘱状(別記様式)を交付して行うものとする。

 (委嘱期間)

第7条 協力員の委嘱期間は、委嘱の日の属する年度の末日までとする。ただし、再任を妨げない。

 (委嘱の取り消し)

第8条 協力員が次の各号のいずれかに該当するときは、委嘱を取り消すものとする。
(1) 第5条により当該協力員を推薦した市区町村又は団体の活動地域の外に転出したとき。
(2) 職務の遂行ができなくなったとき。
(3) 辞退の申出があったとき。
(4) その他、知事が委嘱を取り消す必要があると認めたとき。

 (報酬)

第9条 協力員は無報酬とする。

 (謝礼)

第10条 協力員の謝礼は別に定める支払基準により支払う。

 (研修会)

第11条 都は、協力員が調査に必要な知識を深めるための研修会を開催する。

 (事務局)

第12条 協力員に関する事務は、生活文化局都民生活部男女平等参画・青少年対策室において処理する。

 (その他)

第13条 この要領に定めるもののほか、協力員制度の運営に必要な事項は別に定める。

附則

 この要領は、平成16年5月13日から施行する。

(2005/10/31 07:00)


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