ドキュメント
『完全自殺マニュアル』規制騒動


1999年以前

2000年(平成12年)

1月1日
 『まんぼうニュース』第32号に、にしかた公一氏の「『完全自殺マニュアル』不健全指定も」という文章が掲載される。

1月10日
 『クッキーシーン』第11号に、伊藤英嗣氏と『完全自殺マニュアル』著者の鶴見済氏による対談が掲載される。タイトルは「KNOW YOUR RIGHTS!」。『完全自殺マニュアル』規制騒動や「有害図書」問題などについて語っている。

 『みんなの図書館』2000年2月号で、「いま、図書館の自由を考える」という特集が組まれる。西河内靖泰氏の「「図書館の自由」について考える―最近の事例をもとに―」や三苫正勝氏の「資料提供制限に関する規定の問題」、豊田高広氏の「有害図書指定と「図書館の自由」についてのメモ 『タイ買春読本』『完全自殺マニュアル』そして『アン・アン』」などで、『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられている。図書館問題研究会東京支部が都知事へ提出した『完全自殺マニュアル』や『タイ買春読本』を「有害」指定しないよう求める要望書も掲載されている。

3月10日
 『みんなの図書館』2000年4月号に山家篤夫氏の「東京都の有害図書指定制度 自主的ゾーニングの普及をめざす」という記事が掲載される。

3月27日
 神奈川県児童福祉審議会で、県内の書店における『完全自殺マニュアル』の取扱状況が報告される。同県は昨年10月に『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定している。

5月11日
 第196回東京都青少年問題協議会が開催され、石原慎太郎・東京都知事は「不健全」図書類の指定事由追加や効果的な規制のあり方などを諮問。協議会は専門部会を設置し、深谷昌志・東京成徳短期大学教授を部会長に選任した。

5月12日
 『朝日新聞』に「不健全図書対策を諮問 協議会に都知事 条例改正含め検討」という記事が掲載される。記事によると、石原慎太郎・東京都知事は11日、東京都青少年問題協議会に「不健全図書類」の規制などを検討するよう諮問したという。知事は「私自身、物書きとして表現の自由を踏まえると(規制は)難しい問題。時代によって基準も変わる。文明論を論ずるつもりで活発に議論してほしい」と挨拶したという。都は11月の中間答申をもとに、来年2月の都議会に条例見直しを提案するという。『読売新聞』には「「有害図書規制強化を」 都 青少年問題協議会に諮問」、『毎日新聞』には「社会環境の変化と健全育成 青少年問題協総会に知事諮問」、『都政新報』には「不健全図書類の指定事由を追加へ 都、青少年問題協議会に諮問 メディア・リテラシーの育成を検討」という記事が掲載された。

6月5日
 『創』2000年7月号に、長岡義幸「少年犯罪続発で動き出したメディア規制法案」という記事が掲載される。自民党が準備する「青少年有害環境対策基本法案」や東京都青少年健全育成条例をめぐる動きについて報じている。

6月28日
 石原慎太郎・東京都知事は都議会定例会の所信表明で「メディアによる情報の氾濫が、青少年の意識や行動に様々な影響を与えています。有害な情報について効果的な規制を行うとともに、青少年自身の情報に対する主体性、自律性を高めていくことが重要であります」と説明。「今年度中に青少年の健全な育成に関する条例を改正し、健全なメディア環境づくりに向け、社会全体へ働きかけてまいります」との考えを示した。
▼「平成12年6月28日 平成12年第二回都議会定例会知事所信表明」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHIJI/SHOUSAI/30A6S100.HTM ※リンク切れ

7月1日
 『東京新聞』に「都、青少年条例を年度内改正へ 有害図書 『自殺』も指定対象 知事、所信表明で明らかに」という記事が掲載される。

7月7日
 『創』2000年8月号に「情報の焦点 始まった都条例の強化。マニュアル本規制には異論も」という記事が掲載される。

7月10日
 『みんなの図書館』2000年8月号に、田中邦子氏の「「YAサービスと有害図書を考える」パネルトーク報告」という記事が掲載される。記事によると2000年3月24日、「読んではいけない? 見せてもいけない? YAサービスと有害図書を考える」というパネルトークが開催されたという。パネリストは長岡義幸氏(フリーランス記者)、吉田倫子氏(横浜市中央図書館司書)、西河内靖泰氏(荒川区立南千住図書館)。

7月21日
 『出版ニュース』2000年7月下旬号に、橋本健午氏の「青少年有害環境対策基本法案(素案)の問題点」と題する記事が掲載される。

8月11日
 『出版ニュース』2000年8月中旬号に、清水英夫氏の「東京都青少年健全育成条例改正に関する意見 包括指定と緊急指定制度は都条例の変貌につながる」という意見書が掲載される。

8月17日
 『サイゾー』2000年9月号に、「これって検閲? 東京都がエロ本を排除する方法を公開 不明瞭な基準で「不健全図書指定」される出版社の不満が爆発」という記事が掲載される。
▼「これって検閲? 東京都がエロ本を排除する方法を公開」
http://www.ultracyzo.com/kasutori/0009/k091800_02.html ※リンク切れ

8月22日
 『毎日新聞』に「性や暴力情報 規制の動き 強まる」という記事が掲載される。東京都が検討している青少年健全育成条例の改定について報じている。

9月13日
 新宿ロフトプラスワンで「「レイヴ力」発刊記念 「鶴見済×清野栄一のレイヴ力」」というイベントが行われる。鶴見氏の話によると、埼玉県は「自殺」に関する図書類も「有害図書」指定できるよう青少年条例を改定したという。

10月7日
 『創』2000年11月号に「情報の焦点 国会で動き出した「有害環境」規制法めぐる攻防」という記事が掲載される。

10月12日
 日本出版労働組合連合会が第94回大会・第1回中央委員会において「「個人情報保護基本法」制定/自民党による「青少年社会環境対策基本法案」提案/東京都による「青少年健全育成条例」強化の策動に対し−−−職場で地域で仲間のなかで、「言論・出版・表現の自由」について討論を深めよう」という特別決議を採択。東京都による条例強化については「出版労連は、青少年の深刻な危機の原因を、メディア状況等だけに特化して求め、警察の取締中心に対策をすすめる各自治体の杜撰さを厳しく批判するとともに、規制の強化には反対していく」としている。

10月27日
 毎日新聞ホームページに「ハッカー本規制も視野に 青少年育成条例改正を提言、都協議会」という記事が掲載される。
▼「ハッカー本規制も視野に 青少年育成条例改正を提言、都協議会」
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200010/27-2.html※リンク切れ

10月30日
 『Yomiuri Weekly』2000年11月5日号に、鈴木嘉一氏の「Why What How 「メディアの性・暴力表現」の研究」という記事が掲載される。『完全自殺マニュアル』規制騒動についても触れている。

11月8日
 『創』2000年12月号に、長岡義幸氏の「規制強化に出版界でも第三者機関構想浮上」という記事が掲載される。記事によると、青少年健全育成条例の一部改定について諮問された青少年問題協議会は先月24日、「不健全図書」の指定事由に「著しく自殺、犯罪を誘発するおそれがあり」を追加することや、成人向け図書類の区分陳列を明確に規定することなどを求める中間答申(素案)をまとめたという。自民党や民主党がそれぞれ準備しているという「有害情報」「有害環境」の規制を目的とした法律についても報じている。なお、出版業界ではこうした都条例や法律への防御として、第三者機関の設置を検討する準備も行なわれているという。

11月13日
 都庁第一本庁舎で青少年問題協議会拡大専門部会が開催される。会議終了後、「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議(仮称)による報告集会も行なわれた。

 毎日新聞ホームページに「自殺・犯罪マニュアルを不健全図書指定へ 都協議会が答申案」という記事が掲載される。
▼「自殺・犯罪マニュアルを不健全図書指定へ 都協議会が答申案」
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200011/13-4.html※リンク切れ

11月14日
 毎日新聞ホームページに、柴沼 均記者の「自殺マニュアル 有害図書にと中間答申=都青少年問題協議会」という記事が掲載される。
▼「自殺マニュアル 有害図書にと中間答申=都青少年問題協議会」
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200011/14/1114m039-400.html※リンク切れ

 『朝日新聞』に「青少年に「自殺マニュアル」販売 都が禁止へ 「自由な出版活動阻害」との批判も」という記事が掲載される。『毎日新聞』にも「「自殺本」を規制 都青少年協中間答申 不健全図書の対象」という記事が掲載された。

 テレビ朝日「Jチャンネル」が、13日の青少年問題協議会拡大専門部会を受け、「自殺防げるか? マニュアル販売禁止」と報じる。青山賢治・日本出版労連事務局長の「14歳であろうが16歳であろうがね、やはりその個々人によって、ものの理解度とか、それから知る機会度っていうのは違うわけですので。それを一律に18歳で区切るっていうこともですね、やはり問題があるんじゃないかと」という意見を紹介し、「出版規制の問題に加えて、そもそも個人の自由であるはずの「自殺」を規制することを疑問視する声も出ています」と報じる。

11月15日
 『ほんコミニケート』2000年12月号に、長岡義幸氏の「出版界・ホントのほんと 74 「青少年健全育成条例」の「怪」」という記事が掲載される。

11月27日
 『週刊レビュー』2000年11月27日号で、『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。タイトルは「自殺マニュアルは有害か」。
▼「自殺マニュアルは有害か」
http://www.ne.jp/asahi/weekly/review/news1127/news1127-3.htm(週刊レビュー)※リンク切れ

11月29日
 宝島社は同社の雑誌『DOS/USER』と『遊ぶインターネット』が東京都により連続3回「不健全」指定を受けたことから、指定取り消しを求める訴えを東京地裁に提訴した。
【関連情報】
 出版業界には、東京都による「不健全」指定を連続3回、もしくは1年で5回受けた書籍に対し、「18禁」表示と仕入れ部数の変更を求める自主規制がある。この措置を適用された場合、販売部数の減少は避けられず、休刊(実質的な廃刊)を余儀なくされるのが通例だという。

12月7日
 『創』2001年1・2月号に、長岡義幸氏の「東京都「不健全」図書指定に宝島社の反撃」という記事が掲載される。

 『新文化』に「「自殺マニュアル本」も都の規制対象に 区分陳列「違反」には罰則も」という記事が掲載される。

12月9日
 『噂の真相』2001年1月号の連載「メディア裏最前線」に、山崎京次氏の「施行に向けて着々と進行中の青少年条例改定」という記事が掲載される。

12月13日
 日本出版労働組合連合会が「都青少年条例改悪反対と民主主義」という集会を開催。奥平康弘氏(憲法学者)による講演が行なわれた。

12月15日
 東京都ホームページで、青少年問題協議会総会の開催が告知される。
▼「第24期東京都青少年問題協議会総会(第2回)の開催」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2000/12/40ACE400.HTM※リンク切れ

12月17日
 『クイック・ジャパン』第34号に『完全自殺マニュアル』規制について書かれたぴんく姫氏の投稿が掲載される。

12月19日
 「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議が東京都へ「申入書」を提出。

12月20日
 都庁第一本庁舎で第197回東京都青少年問題協議会総会が開催される。学識経験者や都議で構成される青少年問題協議会(会長・石原慎太郎知事)は、1.「不健全図書」の指定事由に「著しく自殺、犯罪を誘発するおそれがあり」の文言を追加する 2.書店・コンビニにおける成人向け雑誌の区分陳列を明確に規定し、違反者には制裁措置を課す 3.雑誌自動販売機には届出制、距離規制等を採用し、指導に従わない業者は公表する――などの規制を青少年健全育成条例に盛り込むべきだとする中間答申をまとめ、都に提出した。なお、次年度の青少年問題協議会は、インターネットの「様々なサイト」にどう対応していくかを協議するという。当日の議事録および答申の全文は次のページで確認することができる。
東京都青少年問題協議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_seisyokyo.html

 出版流通対策協議会が日本基督教団・在日大韓基督教会と共同で、「東京都青少年条例一部改定に関する要望書」を発表。要望書では今回の条例強化を「青少年の健全な育成を錦の御旗にした、出版・表現規制の新たなシステムの構築」であるとし、「「不健全図書」という非常に恣意的かつ曖昧な表現を持ち込むような改定を行わないこと」、「業界の自主的な処置であるべき「区分陳列販売」を条例で義務化したり、それを口実とした制裁処置を導入した改定を行わないこと」などを求めている。

 NHKが「NHKニュース10」で、「都“自殺マニュアル本”など有害図書へ」と報じる。日本出版労働組合連合会の「有害図書の指定の基準が拡大されることは、表現・出版の自由を守る立場からは断じて容認できない」というコメントも紹介された。

 毎日新聞ホームページに「ハッカー本販売を条例規制へ 都協議会が答申」という記事が掲載される。
▼「ハッカー本販売を条例規制へ 都協議会が答申」
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200012/20-1.html※リンク切れ

12月21日
 『朝日新聞』に、「自殺指南書、不健全図書に 都条例改正案 来年2月提出」という記事が掲載される。『毎日新聞』、『読売新聞』、『日本経済新聞』、『産経新聞』、『東京新聞』、各局のニュース、ワイドショーでも都条例の改定を報じた。

 東京都ホームページに、東京都青少年問題協議会が都に提出した「中間答申」の概要が掲載される。
▼「第24期東京都青少年問題協議会中間答申について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2000/12/40ACK300.HTM※リンク切れ

 新宿ロフトプラスワンで「月刊『創』プレゼンツ TALK LIVE」が行われる。第1部の「「よど号」グループ帰国報告」には、山中幸男氏(救援連絡センター事務局長)、鈴木邦男氏(新右翼「一水会」顧問)が出演。そして第2部の「少年事件とメディア規制」には、にしかた公一氏(マンガ防衛同盟共同代表)、長岡義幸氏(フリーランス記者)、斎藤環氏(精神科医)、宮台真司氏(社会学者)が出演した。司会は篠田博之氏(『創』編集長)がつとめた。

12月22日
 『都政新報』に「不健全図書 「自殺」も指定対象へ 区分陳列の徹底と大人の説明責任強調」という記事が掲載される。
▼「都政新報:過去の記事 2000年12月22日付(4706号) ●不健全図書に「自殺」も指定対象へ」
http://www.toseishimpo.co.jp/news/bn00/bn001222.html※リンク切れ

 毎日新聞ホームページに「パソコン2誌を不健全図書指定 東京都」という記事が掲載される。
▼「パソコン2誌を不健全図書指定 東京都」
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200012/22-4.html※リンク切れ

2001年

2002年


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