ドキュメント
『完全自殺マニュアル』規制騒動
1993年(平成5年)
7月4日
『完全自殺マニュアル』発売。
1994年(平成6年)
『ぼくたちの「完全自殺マニュアル」』発売。
1996年(平成8年)
11月24日
『人格改造マニュアル』発売。
1997年(平成9年)
3月
群馬県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。10月17日
岡山県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。
1998年(平成10年)
7月27日
岐阜県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。10月
滋賀県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。
1999年(平成11年)
1月25日
岐阜県で『人格改造マニュアル』が「有害図書」に指定される。7月13日
『産経新聞』が「マニュアル本読み自殺? 都内中1女子、自宅で」という記事を掲載。記事によると、7月10日に都内で自殺した中1女子の部屋に『完全自殺マニュアル』があったという。また、この女子生徒は小学校のころから『完全自殺マニュアル』を愛読していたという。
『毎日新聞』、『読売新聞』などにも同様の記事が掲載される。7月14日
『日刊スポーツ』が「中1女子が首つり そばに「自殺マニュアル」」という記事を掲載。
『報知新聞』、『スポーツニッポン』、毎日新聞ホームページなどにも同様の記事が掲載された。
▼「Teen dies after thinner-induced leap from school」
http://www.mainichi.co.jp/english/news/archive/199907/14/news04.html※リンク切れ
7月21日
『産経新聞』(夕刊)が「自殺マニュアル本 「有害図書」指定を要請 参考に中1女子ら死亡 警視庁都に通報」と報じる。記事によると、警視庁少年育成課は今月10日に自殺した中1女子や今年4月に自殺した専門学校生の少年が『完全自殺マニュアル』を読んでいたことなどから、同書を少年への販売などを禁ずる「有害図書」に指定するよう都に要請したという。
7月22日
『東京新聞』、『日刊スポーツ』なども、警視庁少年育成課が『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定するよう都に要請したと報じる。7月26日
『東京新聞』が「「捜査現場無視」募るいら立ち 警視庁の「完全自殺マニュアル」通報」という特集記事を掲載。記事では、警視庁による『完全自殺マニュアル』の通報を「有害図書指定の現状に一石を投じようとする意欲の表われとも受け取れる」と評価している。7月27日
『沖縄タイムス』が「有害図書の指定求める 「完全自殺マニュアル」」という記事を掲載。8月10日
秋田県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。8月18日
和歌山県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。8月26日
東京都庁第一本庁舎24階・審査室で東京都青少年健全育成審議会(会長、石崎富江・日本善行会常務理事)が開催される。条例の拡大解釈になるとの判断から『完全自殺マニュアル』の「不健全」指定は見送られたが、石崎会長は同書を「不適切」であるとし、条例の見直しも含めた対応を都に要望した。
▼「第471回東京都青少年健全育成審議会の審議結果」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/1999/08/4098R200.HTM※リンク切れ8月27日
『毎日新聞』が「「完全自殺マニュアル」を不健全図書と指摘」という記事を掲載。『日本経済新聞』、『産経新聞』にも同様の記事が掲載された。8月28日
『毎日新聞』が「「自殺マニュアル」自主規制」という記事を掲載。記事によると太田出版は、東京都青少年健全育成審議会で「不適切」とされた『完全自殺マニュアル』に対し、本をビニールで包み、帯に「18歳未満はご遠慮ください」と記載する自主規制をとったという。9月3日
『毎日新聞』が「東京都「有害図書」指定を見送り」という記事を掲載。先月26日に行なわれた東京都青少年健全育成審議会の様子を報じるとともに、斎藤学氏(精神科医)の「流布させてはいけない」という話や鶴見済氏(『完全自殺マニュアル』著者)へのインタビュー「表現の自由おびやかされる」が掲載されている。この中で鶴見氏は「なぜ、自殺が悪いのか。自殺をあおっていることはないはず。言論や出版の自由がおびやかされていると考えないのか。不健全図書にする根拠はない」と語っている。9月4日
『朝日新聞』が「自主規制、自由に勝る? 完全自殺マニュアル 版元が「18禁」の帯」という記事を掲載。版権引き揚げも検討しているという鶴見済氏(『完全自殺マニュアル』著者)の「自主規制する理由はない」「6年間にわたり、未成年者を含む100万人以上がこの本を買ったが、自殺の誘発性などなかったことは、自殺率などのデータを見れば明らかだろう。今回の出版社の措置はこれまでの姿勢を翻し、全く独自に本が「有害」だと認めている。著者の自分だけでなく、読者や世間までも広く欺いた行為で、許し難い」という意見に対し、太田出版の「有害・不健全図書に指定されると、実質的には一般の書店に並ばなくなり、18歳以上の人に買ってもらうことも難しくなる。今の時代に必要な本だという認識は変わっておらず、自主規制することで指定を避け、きちんと流通することを目指している」という話を紹介。また、浜田純一・東大社会情報研究所教授の「著者の承諾なしに、販売対象を限るのは問題だ。「いい物だ」と判断して本を世に出したのなら、出版社は信念をもって臨むべきではないか」という意見も掲載されている。
『朝日新聞』(大阪版)にも「ベストセラー「完全自殺マニュアル」 出版社「18歳未満、買わないで」 著者反発し「版権移動検討」」という記事が掲載された。
『朝日新聞』(西部版)にも「完全自殺マニュアル 18歳未満は禁 有害図書指定に「帯」つけて対抗 出版元 著者は版権引き揚げ検討も」という記事が掲載された。9月9日
香港の新聞『The South China Morning Post』に「SUICIDE AUTHOR TACKLES CENSOR'」という記事が掲載される。9月11日
『出版ニュース』1999年9月中旬号に、西尾肇氏の「図書館の自由」という記事が掲載される。警視庁が『完全自殺マニュアル』を「有害図書」指定するよう都へ通報したことなどから、図書館における同書の取り扱いを論じている。『東京新聞』に「都審議会が条例見直し含む異例の注文 「完全自殺マニュアル」規制に動き 都、業界に販売自粛を要請 声上げられぬ遺族も多数」という特集記事を掲載。
9月21日
『FOCUS』1999年9月29日号に、「trouble 「完全自殺マニュアル」著者が版権引上げ宣言!――ベストセラーの有害指定問題」という記事が掲載される。『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏が規制の経緯や『完全自殺マニュアル』を「有害」だとする人々への反論を語っている。『出版ニュース』1999年10月上旬号に、野崎保志氏の「『完全自殺マニュアル』自主規制について」という記事が掲載される。
10月5日
『SPA!』1999年10月13日号、神足裕司氏の連載「これは事件だ!」と鈴木邦男氏の連載「夕刻のコペルニクス」で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。10月6日
『GQ Japan』1999年11月号、大塚英志氏の「小林よしのりの裁判」という文章で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。10月7日
『創』1999年11月号が、「『完全自殺マニュアル』規制騒動の顛末」という特集記事を掲載。『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏や東京都青少年健全育成審議会委員・清水英夫氏へのインタビュー、警察や東京都の動きなど一連の騒動が詳しく書かれている。10月9日
インドの新聞『Indian Express』が「Furore in Japan over suicides due to book」という記事を掲載。
▼「Furore in Japan over suicides due to book」
http://www.expressindia.com/ie/daily/19991009/ige09010.html10月15日
『ほんコミニケート』1999年11月号に、長岡義幸氏の「出版界・ホントのほんと 63 都青少年健全条例と「完全自殺マニュアル」」という記事が掲載される。10月18日
神奈川県児童福祉審議会文化財部会は『完全自殺マニュアル』を「有害図書類」にすることを決定。記者発表によると、出席者は上田滋(少年補導員連絡協議会会長)、内山絢子(科学警察研究所防犯少年部補導研究室長)、梅沢健治(委員長/神奈川県議会議員)、影山秀人(弁護士)、日浦美智江(知的障害者更生施設「朋」施設長) 平松雄造(神奈川新聞社写真部長兼論説委員)、渡部近司(部会長/県青少年指導員連絡協議会会長)の7人。『AERA』1999年10月25日号に、速水由紀子氏の「仰天手引書の氾濫 『完全自殺マニュアル』騒ぎの陰で」という記事が掲載される。自主規制をめぐる『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏と太田出版の対立や東京都による「不健全」指定への動き、さらには復讐や殺人のマニュアル本といった「きわどい出版物」が増えていることなどが報じられている。
10月20日
『朝日新聞』(神奈川版)に、「「完全自殺マニュアル」有害図書類指定へ」という記事が掲載される。記事によると今年9月、県警少年課から指定を依頼された県児童福祉審議会は19日、『完全自殺マニュアル』を「有害」図書類に指定するよう、知事に答申したという。記事には、県少年課や出版社の話、さらには社会学者・宮台真司氏の「禁止する前に、自殺の原因は本当に本を読んだことなのか、逆に、ある種の安心感を感じた人はいなかったのか、といった検証が必要だ。規制で市民の知る権利が侵害されたり、本が地下に潜って、悩んで本を読んだ人が周りと話し合えなくなったりすることもありえる。子どもたちが親や教師と自殺について話し合える環境を行政がつくることが大切だ」という談話も掲載されている。
『読売新聞』朝刊(横浜版)にも同様の記事が掲載された。『中日新聞』朝刊(三重版)に、「自殺マニュアル本 県が有害図書指定」という記事が掲載される。記事によると、三重県は今年4月以降、都内で自殺した少女らのそばに『完全自殺マニュアル』があったことから、同書と自殺には因果関係があると判断。県青少年健全育成審議会に有害図書指定を諮問したという。諮問を受けた審議会では、同書の内容は県青少年健全育成条例の「著しく粗暴生もしくは残虐性を助長し、犯罪を誘発するおそれがある」に該当するとして、指定を決めたという。
『朝日新聞』朝刊(三重版)にも同様の記事が記載された。10月22日
神奈川県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。三重県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。
10月23日
『神奈川新聞』に「完全自殺マニュアル 有害図書 県が指定」という記事が掲載される。『読売新聞』(横浜版)に、「「完全自殺マニュアル」 県、有害図書に指定」という記事が掲載される。
10月26日
『朝日新聞』(富山版)に、「「完全自殺マニュアル」、県が有害図書に指定へ」という記事が掲載される。記事によると、県青少年保護育成審議会は25日、『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定することを決めたという。指定の理由は「青少年の粗暴性、残虐性を誘発、助長して健全な育成を阻害する」ためだという。県女性青少年課では、同書は福井・石川などこれまで全10県で「有害図書」に指定されており、「全国的な流れから指定を急いだ」と説明しているという。来月1日の県報で告示後、約200の書店、約380店のコンビニエンスストアに通知されるという。
11月1日
『ロッキング・オン』1999年12月号に、梯一郎氏の「二つの損失 クーラ・シェイカー解散と『完全自殺マニュアル』自主規制に寄せて」という記事が掲載される。『出版ニュース』1999年11月中旬号に掲載された、西尾肇氏の「図書館の自由・続」という記事で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。
11月4日
早稲田大学大隈講堂で『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏と社会学者・宮台真司氏の対談が行われる。鶴見氏の話によると、『完全自殺マニュアル』の「有害」指定、すなわち事実上の「発禁」は避けられないらしい。
▼当日配布された鶴見済氏作成のレジュメ
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/complete/wataruresume.htm
▼「秋の大講演会 鶴見済−対談−宮台真司 in 大隈講堂」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/talks/waseda/prohibition.htm11月5日
図書館問題研究会東京支部が石原慎太郎東京都知事宛に「書籍『完全自殺マニュアル』を有害図書に指定しないことを求める要請書」を提出。11月9日
『創』1999年12月号に、長岡義幸氏の「『完全自殺マニュアル』拡大する規制の動き」という記事が掲載される。11月10日
新宿ロフトプラスワンで「『創』プレゼンツ 有害指定と自主規制 「完全自殺マニュアル」と「放送禁止歌」」というイベントが行われる。出演は『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏、「マンガ防衛同盟」共同代表・にしかた公一氏、映画監督・森達也氏、そして『創』編集長の篠田博之氏。鶴見氏の話によると、『完全自殺マニュアル』の発禁は時間の問題であり、波及効果を防ぐことが大事、とのことである。
▼「『創』プレゼンツ 有害指定と自主規制 「完全自殺マニュアル」と「放送禁止歌」」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/talks/loftplusone-1/prohibition.htm『クッキーシーン』第10号に掲載された、梯一郎氏の「クラブ“K”日記」、青木優氏、手塚るみ子氏、伊藤英嗣氏による鼎談「Complete control」で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。
11月15日
『ほんコミニケート』1999年12月号に、長岡義幸氏の「出版界・ホントのほんと 64 続・都青少年健全条例と「完全自殺マニュアル」」という記事が掲載される。12月3日
『朝日新聞』(栃木版)に、「「完全自殺マニュアル」、有害図書指定へ 県審議会答申」と題する記事が掲載される。記事によると、県青少年健全育成審議会は2日、『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定するよう、知事に答申したという。指定の理由は「自殺奨励を素材とし、描写、表現が著しく自殺を誘発、助長し、青少年の健全な育成を阻害するおそれがある」ためだという。また、県女性青少年課は「最近、他県でも有害図書に指定される例が多く、県内でも同書を購入できることが確認されたため」指定を決めたという。12月7日
『創』2000年1・2月合併号の、「情報の焦点 青少年条例による図書規制強化に図書館界からも反対が・・・」と題する記事で、『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。12月10日
イギリスの新聞『Guardian』に「Tokyo urged to curb suicide book after spate of deaths」という記事が掲載される。
『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏の"I want people under the age of 18 to read this book,"、"They need it more than anyone"、"It is important that people realise that suicide is not wrong. It is the right of every individual to kill themselves and, no matter what laws you enact, you cannot stop it."といったコメントも紹介されている。
▼「Tokyo urged to curb suicide book after spate of deaths」
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,3940311,00.htmlBBC ONLINE HOMEPAGEに「Suicide manual could be banned」という記事が掲載される。
▼「BBC News | ASIA-PACIFIC | Suicide manual could be banned」
http://news.bbc.co.uk/hi/english/world/asia-pacific/newsid_558000/558798.stm12月15日
アメリカの新聞『Detroit News』が「Japan may ban suicide book」という記事を掲載。12月18日
フィリピンの新聞『Manila Bulletin』が「Tokyo clamps down on suicidebook」という記事を掲載。