審議会等の運営改善


☆最新情報(過去1ヵ月分)☆

<岡山県>
 岡山県は青少年健全育成審議会と青少年問題協議会の委員名簿、開催状況を県ホームページに掲載した。青少年問題協議会の答申は以前から掲載されていたが、委員名簿や開催日などは不明だった。審議会・協議会の開催状況のうち最も古い2006年4月25日開催分の「登録・更新日」が2007年1月9日となっていることから、1月9日にまとめて掲載されたものと思われる。なお、掲載された資料から分かるのは開催日や議題などに限られ、具体的な議論はまったくわからない。
▼岡山県青少年健全育成審議会
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/seisyonen/singikai/gijiroku_4.htm
▼岡山県青少年問題協議会
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/seisyonen/kyougikai/top.htm
(2007/3/1 07:40)

 

<その他>
1.『読売新聞』2007年2月14日付13面の連載「時代の証言者」には、加藤寛氏の「審議会とはヤラセだな」という記事が掲載されている。さまざまな審議会で委員を務めた経験をもとに、その舞台裏について書いている。
2.1の記事には、「役人は必ず「会議でこういう発言をして下さい」と振り付けてる」という部分がある。この「振り付け」の実態を役所内から暴露したものとしては、宮本政於『お役所のご法度』(講談社、1995年)がある。同書によると、審議会における各委員の発言内容は事前に用意されており、しかも「役人が後ろで糸を引いているのが見え見え」とならないように、「シナリオの段取りは、反対意見も含んだいろいろな議論がされた形態を保つようにしなければならない」という(254頁)。ただし、すべての委員にシナリオの内容を知らせるわけではなく、力のある委員などを対象に「根回し」が行われるという。
3.加藤寛氏は『朝日新聞』2004年10月18日付朝刊で、審議会の運営改善策の一つとして、「委員の人選は役所が密室で決めている。正式決定する前にホームページなどで発表し、その人を選ぶ理由や経歴を公開するべきだ。一般の意見を募り、反対意見があれば反映する制度にして初めて、幅広く意見を聞くという審議会の本来の姿になる」とコメントしている。(2007/2/14 07:00)


☆注目情報☆

(1)「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」
 審議会等の運営改善を目的に1999年に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と、具体的な公開方法が示されている。
▼「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/990524singikai.html

(2)「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会」報告書
 経済産業省の「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会」(座長、佐々木輝美・国際基督大学教授)は2006年4月にまとめた報告書で、地方自治体に対し、「有害」指定の基準明確化や審査会の透明性確保に努めることなどを求めている。
▼「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会報告書について」
http://www.meti.go.jp/press/20060418003/20060418003.html


☆過去の情報☆

準備中

<大分県>
 大分県は県青少年健全育成審議会審議会の委員名簿をホームページに掲載した。「審議会等調書」のページには、これまで「会議開催のお知らせ」と「会議結果のお知らせ」はあったが、委員名簿はなかった。掲載時期は不明。ただし、2006年2月の時点で掲載されていなかったことは確認されている。
▼審議会等調書
http://www.pref.oita.jp/shingikai/ichiran/seikatu/j_1.htm
(2007/1/16 07:10)

<その他>
1.『東京新聞』2007年1月6日付1面に掲載された「首都圏の339区市町村 19教委、公開義務守らず 日程広報は半数以下」という記事は、東京新聞が2006年12月上旬に実施した教育委員会の透明性に関する調査について報じている。過半数の172市区町村が事前にHPや広報紙などで開催日程を知らせていなかったことや、HPで議事録を確認できたのが53教委だったことなどから、「その中身以前に、透明度に課題があることが浮き彫りとなった」と指摘している。「積極的情報提供を」というNPO法人「情報公開クリアリングハウス」室長、三木由希子氏の話も掲載されている。

2.教育委員会が抱える透明性の低さという問題点は、青少年条例にかかわる審議会についても当てはまる。HPに開催日程や議事録を掲載しない自治体はいくつもあるし、会議自体が非公開というケースも珍しくはない。これらはまさに「中身以前」の問題である。ただ、改善に向けた動きがないわけではない。秋田県は2006年9月の第323回秋田県青少年環境浄化審議会から、開催日時、開催場所、出席委員の数、指定結果の4つに加え、議事要旨も県HPに掲載している。また、ここ1、2年の間に兵庫県などでもHPに会議録が掲載されるようになっている。議論が要約されている点や会議資料がないなどの問題はあるものの、こうした取り組みの広がりが期待される。(2007/1/9 07:15)

<長野県佐久市>
1.『信濃毎日新聞』2006年10月11日付4面に掲載された「佐久市有害図書規制条例 非公開で初の審議会 透明性確保に課題残す」という記事によると、10日に開かれた青少年健全育成審議会の初会合は冒頭を除き、非公開だったという。会議では市教委の社会教育部長が「審議会は委員さんの会。委員以外の人は遠慮してもらってはどうか」と提案。審議会委員は1人を除き、非公開での開催に異を唱えなかったという。また、審議会の会長は会議後に「個人的には公開でいいと思うが、傍聴人がいると慣れていない委員は発言しにくいから」と述べたという。
2.神奈川県の「附属機関等の設置及び会議公開等運営に関する要綱の運用」には、附属機関の会議等の原則公開を徹底させるため、委員就任依頼時から会議公開への理解を得る必要性が明記されている。社会教育部長や会長の発言は、佐久市がこうした努力を怠たったことはもちろん、“原則非公開”を望んでいたことを示している。
▼「附属機関等の設置及び会議公開等運営に関する要綱の運用」
http://www.pref.kanagawa.jp/gyoukaku/fuzokukikanunyou.htm
(2006/10/17 07:00)

<長野県佐久市>
1.『信濃毎日新聞』2006年6月28日付2面に掲載された「有害図書規制 佐久市が条例可決 賛成多数 県内2例目10月施行」という記事は、佐久市の条例について、「市側は今後、条例の運用について新設される市青少年健全育成審議会などにきちんと説明し、審議会は恣意(しい)的な解釈がされないか、厳しくチェックしていく必要がある」と指摘。また、「市側は包括指定以外の「有害」審査や、図書の撤去命令をする際は「必ず審議会に諮り、答申を尊重する」方針を表明。条例運用上、審議会の役割の重みが増した」として、「審議会は公開して透明性を確保し、「有害」判断が妥当かどうか、市側と異なる角度から検討する役割が求められる」などの提言がなされている。
2.1の提言はその通りなのだが、不十分である。審議会が公開されたとしても、傍聴できる人数は限られている(傍聴定員の例:長野市青少年健全育成審議会=5人)。また、土日や夜間に審議会が開催されるわけでもない(日時の例:長野市青少年健全育成審議会=2006年2月27日(月)15:00〜17:00)。したがって実質的な透明性を確保するには、議事録や会議資料の公開とその公開方法が重要な意味をもつ。
 たとえば1999年4月に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と具体的な公開方法が示されている。
 こうした公開方法が採用されない場合、会議の公開によって“不透明さ”が覆い隠され、審議会が「「有害」判断が妥当かどうか、市側と異なる角度から検討する役割」を果たしているかどうかの検証も困難とならざるをえない。条例の運用に加えて、審議会の役割も「厳しくチェックしていく必要」がある以上、佐久市(に限らず全ての自治体)には、透明性を確保するための具体的取り組みが求められる。(2006/8/1 07:40)

<その他>
 審議会の透明性確保は、マスコミの報道内容をチェックする場合にも欠かせない。たとえば2005年12月16日に放送されたフジテレビ「LIVE2005ニュースJAPAN」では、神奈川県によるゲームソフトの「有害」指定や東京都によるゲーム業界への自主規制強化の要請などについて、「テレビゲームが犯罪を誘発しているという懸念の裏には青少年による凶悪犯罪増加への不安がある」と説明した。
 ところが、神奈川県が2003年10月に作成した資料には、「昨今の凶悪な少年事件については、有害(特に残虐性・粗暴性を甚だしく誘発・助長するおそれのある)ゲームソフトとの関連性がマスコミ等から指摘されている」ことから、「有害ゲームソフトの指定等に係る検討を行うに当たり、各都道府県における有害指定等の状況を把握するため調査を行」ったと記されている。また、2005年10月の第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、東京都の青少年・治安対策本部長は「近時の少年による特異、重大事件のなかには、残虐なシーンのあるテレビゲームの影響を受けた可能性があるといった報道がなされるなど、そうした事件の背景要因としてテレビゲームによる影響の可能性を指摘する声があるのも事実」と述べている。フジテレビが報じた「青少年による凶悪犯罪増加への不安」とは、いったい何を根拠にしていたのだろうか。
 審議会の透明性確保は、マスコミをチェックする手段としても重要な意味を持っている。(2006/8/1 07:40)


【審議会リテラシーを高めるために】
 審議会などの諮問機関における議論を読み解くには、ニュースなどを読み解く「メディアリテラシー」だけでなく、「審議会リテラシー」を高める必要がある。「メディアリテラシー」と「審議会リテラシー」を高めるには次の文献が参考になる。
(1)天野勝文「「取り込まれる」ジャーナリスト」『総合ジャーナリズム研究』第128号(1989年)、46-52頁
(2)天野勝文「「取り込まれる」マスコミ人 全国版」『総合ジャーナリズム研究』第144号(1993年)、72-79頁
(3)天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号、296-303頁
(4)天野勝文「新聞人の各種審議会への参加について」新聞労連編『新聞記者を考える』(晩聲社、1994年)、187-211頁
(5)宮本政於『お役所のご法度』(講談社、1995年)
(6)草野厚『日本の論争 ――既得権益の功罪』(東洋経済新報社、1995年)
(7)梅崎正直「官僚の隠れ蓑「諮問機関」のカラクリ」『週刊読売』1996年6月30日号、38−41頁
 さらに、朝日新聞の平山亜理、杉原里美両記者による一連の調査報道はとても参考になる。
(1)『朝日新聞』2004年10月18日付朝刊「審議会委員の33%兼職 省庁設置非常勤「4つ以上」が15人」
(2)『朝日新聞』2005年2月27日付朝刊「中央省庁 審議会に863下部機関 本社調査 再編後も姿変え存続」
(3)『朝日新聞』2005年4月1日付朝刊「審議会委員 元官僚、常勤の4割 本社調査 月給100万円以上
(2005/4/2 07:05)


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