■東京都
諮問のあり方見直しへ 文教委員会
東京都議会文教委員会は2004年3月19日、東京都青少年健全育成条例改定案など、生活文化局関係の付託議案を審査しました。改定案は22日の同委員会で採決されたあと、30日の本会議で可決される見通しです。
会議では、青少年健全育成審議会の委員でもある山本賢太郎議員(東京都議会自由民主党)が、「指定図書は1回に10冊程度であり、指定すべき図書がもれている。諮問の仕方を見直すべき」と指摘。これに対し、高島茂樹都民協働部長は「諮問図書選定の指針」を定める方針を明らかにしました。
この「指針」については、2004年1月15日開催の第526回青少年健全育成審議会で、水野達雄青少年課長が「指定図書の選定基準はあるが候補図書の基準はない。それを具体的にして、積極的に諮問をしていきたい」と述べています。審議会への諮問図書が増えれば、指定図書も増えることが予想されます。
<議事録等について>
東京都青少年健全育成審議会の議事録や指定図書の選定基準(認定基準)は次のページで確認できる。ただし、第526回東京都青少年健全育成審議会の議事録については、まだ掲載されていないようである(2004年3月20日現在)。
▼東京の青少年
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm(東京都)<指定図書の増加について>
1.出版界の業界団体・出版倫理協議会(日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会の4団体で構成)には、東京都の「不健全」図書指定を連続3回または1年で5回受けた雑誌に対し、次の号から「18歳未満の方々には販売できません」という帯紙をつけるよう通知する自主規制(帯紙措置)がある。帯紙をつけない雑誌は取次で扱われず、たとえ帯紙がついていても書店から注文がない限り送品されない。この帯紙措置を適用されると、「流通部数が極端に減ってしまうために、休刊(実質的な廃刊)を余儀なくされてしまうのが通例」(長岡義幸「東京都「不健全」図書指定に宝島社の反撃」『創』2001年1-2月号、115頁)だという。
したがって、指定図書が増えれば、3回連続または1年で5回「不健全」指定を受け、「休刊(実質的な廃刊)」となる雑誌が増える可能性がある。なお、最近の例では、コアマガジン発行の雑誌『お宝ワイドショー』(隔月刊)が、2003年8月、10月、12月の東京都青少年健全育成審議会で連続3回「不健全」指定を受け、休刊している。
▼東京都「不健全」指定状況一覧
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/sitei/tokyo.htm(「有害」規制監視隊)2.他の道府県が導入している包括指定では、「卑わいな姿態等」を被写体とした写真または描写した絵が一定の分量に達していた場合、自動的に「有害」図書とみなされる。
これに対し、個別指定では、1点1点審議会で審査を行うものの、性表現に限らず、暴力や犯罪、さらには自殺に関する表現も規制できる。また、写真や絵だけでなく、文章表現も規制の対象に含まれる(個別指定の規制対象はこちら。包括指定の規制対象はこちら)。また、秋田県は2003年10月に包括指定を導入しているが、「有害」規制監視隊の意見に対し、「包括指定の基準に至らない図書類については、従来どおり「個別指定」により行う」と回答している。つまり、個別指定は包括指定と比較してより厳しい規制を行うことが可能なのである。
諮問方法が見直され、個別指定される図書が増えることとなれば、条例改定の有無にかかわらず、さまざまな表現への規制が強まる可能性がある。