■東京都
条例改定を答申 青少年問題協議会総会
青少年条例の改定について検討していた都青少年問題協議会は2004年1月19日、総会を開催し、専門部会がまとめた答申を竹花豊・都副知事に提出しました。答申を受け取った竹花副知事は「速やかに東京都青少年健全育成条例一部改正の作業に着手したい」と述べています。 答申には、青少年を深夜に外出させないよう保護者に努力義務を課すことや、インターネットカフェなどを深夜立入制限施設に追加すること、青少年からの古物の買受け等を規制することなどが盛り込まれています。また、図書などの「不健全」指定を迅速に行うため、小委員会を常設機関とする個別指定の強化も提言されました。
専門部会の部会長である加藤諦三・早大教授が竹花豊・都副知事(右)に答申を手渡した。この個別指定の強化については、答申のさい、酒井朗・お茶の水女子大教授が「異議申し立てのプロセスにより公平・適正を確保することが重要」と述べ、指定に対する異議申し立て制度の必要性を指摘しています。
【関連情報】
1.第25期東京都青少年問題協議会答申「青少年が安心して育つ環境を、大人が責任を持ってつくるために −有害情報の効果的な規制、青少年の深夜外出の防止策等について−」や専門部会の議事録(起草委員会を除く)は、次のページで確認できる。
▼「東京の青少年」
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm(東京都)2.酒井委員が指摘した「異議申し立て」制度は青森、福島、栃木、新潟、静岡、滋賀、福岡の各県で導入されている。一方、指定の申出は、東京都を含む28の道府県で導入されている(青少年条例に規定する各種申出制度はこちら)。
3.答申原案(主な内容はこちら)では、指定図書の包装義務などについて「罰則を設けて義務づけるべき」とされていた。ところが、拡大専門部会や起草委員会で「罰則については専門部会で議論していない」などの批判が出たことから、答申では「罰則を設けて」の部分は削除された。しかし、総会で答申の説明を行った専門部会副部会長の前田雅英・都立大教授は、「罰則をやめるという趣旨ではなく、議会等でご議論頂きたいということ」と述べている。
専門部会等で十分議論したとはいえない罰則について、青少年課がどのような条例改定案をまとめるのか注目される。4.答申で提言された個別指定の強化に関する部分は次の通りである。
3 緊急な指定への対応 @ 緊急指定制度とその問題点
緊急に不健全図書等を指定する必要がある場合に対応する制度として、東京、長野、鳥取以外の44道府県においては、審議会への諮問や第三者の意見聴取を経ずに、行政のみの判断で不健全図書等を個別指定し、事後に審議会に報告する、「緊急指定制度」が採用されている。
緊急指定制度は、迅速に指定できるという長所を持つ反面、事後に審議会に報告を行うにせよ行政職員のみで行うため、有識者で構成する審議会や審議会小委員会による指定に比較し公平・適正な指定手続きという点で劣るという短所も持つが、審議会の開催間隔が長い場合に、その間を補う上で、長所と欠点を比較考量して採用される制度と言えよう。A 小委員会制度とその問題点
東京都は、審議会を毎月開催しているが、緊急性など特別の必要性がある場合は、審議会の中に小委員会を設置し、そこで指定に係る審議を行うこととしている。小委員会制度は、指定の公平性と迅速性の両立を図る優れた制度であるが、現在は常設されていないため、緊急の必要性に対応できていない。B 提言
小委員会を常設機関とし、月に1回の審議会開催を待つことなく緊急に指定すべき不健全図書や危険な刃物の指定に対し、公平・適正かつ迅速に対応する体制を整備されたい。この部分について、前田副部会長は総会で、「通常の緊急指定ではなく、個別指定の延長」「都の職員だけで指定するのではなく、小委員会を設け、迅速に対応することを求める」と説明している(個別指定の問題点はこちら)。
5.個別指定を行う青少年健全育成審議会および小委員会の運営について定めた「東京都青少年健全育成審議会運営要領」と「東京都青少年健全育成審議会運営要領「会議」細目」は次の通りである。
東京都青少年健全育成審議会運営要領
昭和39年10月7日第 1回審議会決定
昭和60年1月22日第275回審議会決定
平成 4年3月31日第363回審議会決定
平成12年1月20日第476回審議会決定1 運営方針
審議会は、知事が東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づき、青少年を健全に育成することを目的として、図書類、映画等、がん具類及び広告物について推奨、指定又は措置命令をするに当たり、世論の代表として適切な審議を行いもって公正な意見を述べる。
2 審議会の任務
(1) 知事が、図書類、映画等及び、がん具類で、青少年を健全に育成するうえに有益であると認められるものを推奨するに際して、意見を述べる。
(2) 知事が、図書類、映画等及び、がん具類で、青少年の健全な育成を阻害すると求められるものを指定するに際して、意見を述べる。
(3) 知事が、広告物で、青少年の健全な成長を阻害すると認められるに対し、形態又は内容の変更その他必要な措置を命ずるに際して、意見を述べる。
3 審議の方法
(1) 図書類について
推奨、指定することが適当と考えられる図書類があったときは、当該図書類を審議会の当日提出して、委員の意見によって決定する。
(2) 映画等について
推奨、指定すことが適当と考えられる映画等があったときは、会議開催前に事務局職員が連絡に当り、委員に当該映画等の観覧を依頼し、審議会当日、委員に意見によって決定する。
(3) がん具類について
推奨、指定することが適当と考えられるがん具類があったときは、当該がん具類を審議会当日、提出して委員の意見によって決定する。
(4) 有害広告物について
形態又は内容の変更その他必要な措置を命ずることが適当と考えられる広告物があったときは、あらかじめ当該広告物を写真にとり、審議会当日、その写真を提出して委員の意見によって決定する。
4 会議
(1) 審議会は公開で行うものとする。ただし、審議会の決定により非公開とすることができる。
(2) 審議会の会議録等は、公開するものとする。ただし、東京都情報公開条例(平成11年東京都条例第5号)第7条の規定に該当する場合を除く。
5 開催
審議会は、原則としておおむね、月一回開催する.
6 小委員会
(1) 設置
小委員会は、次のいずれかに該当し、会長が必要と認める場合に設置することができる。
@ 通学路、コンビニエンスストア付近等青少年が集まりやすい場所において設置され、かつ、管理者名、連絡先等の表示のない自動販売機に、指定候補図書類が収納されている場合
A 指定直後の時期に特に集中して、青少年向けと認められる指定候補図書類が販売又は貸出に供されている状況にある場合
B 定期刊行物等で販売期間が比較的短期の指定候補図書類で、青少年向けと認められるものが、相当に販売又は貸出に供されている状況にある場合
C その他審議会を開催するいとまがないと認められる場合
(2) 委員の指名
小委員会の委員の指名は、条例第20条各号に掲げる区分ごとに、原則として順番に行う。
(3) 議決等
@ 小委員会の議決は、審議会の議決とする。
A 小委員会は、当該審議事項について、審議会で審議すべきである旨の決定を行うことができる。
B 前項の決定があったときは、会長は、速やかに知事にその旨を連絡する。
(4) 報告
会長は、小委員会の決議について、直近の時期に開催される審議会に報告し、その確認を受けなければならない。
7 事務
審議会の庶務は、生活文化局女性青少年部青少年課において行う。
附則
この要領は、平成4年7月23日から施行する。
附則
1 この要領は、平成12年1月20日から施行する。
2 東京都情報公開条例(平成11年東京都条例第5号)の公布の日前に開催された審議会の会議録等の取扱いについては、この要領による改正後の東京都青少年健全育成審議会運営要領4の(2)ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。
東京都青少年健全育成審議会運営要領「会議」細目
昭和 60 年 1 月 22 日
平成12年3月22日一部改正1 審議会の非公開
次の各号の一に該当する者に対しては、非公開とすることができる。
(1) 18歳未満の者
(2) 東京都議会傍聴規則(第11条)に定める傍聴席に入ることができない者
(3) その他審議会において非公開を決定したとき
2 会議録の非公開
「東京都情報公開条例」(第7条)に定める事項に該当するときは、非公開とすることができる。
3 公開の請求方法
(1) 公開(傍聴)の請求をしようとする者は、住所、氏名、年齢、連絡先その他必要事項を記載した書面を提出するものとする。
(2) 事務局は、公開(傍聴)の請求があったときは、審議に先だって、会長に報告し、会長は各委員にその旨連絡するものとする。
なお、審議会の議事録や委員名簿は次のページで確認できる。
▼「東京の青少年」
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9.htm(東京都)6.「不健全」指定の審査を行う東京都青少年健全育成審議会には、これまで朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞などの社員が委員として参加してきた。また、他県で「有害」図書の審査を行っている審議会にも、新聞社やテレビ局の社員が委員として参加してきた。
「不健全(有害)」指定の当事者ともいえる新聞・テレビが、「不健全(有害)」指定について公平・公正な報道を行えるのだろうか。また、メディアに依存する記者や文化人、さらにはメディアを敵に回したくない人々は、メディア関係者の審議会参加問題について発言できるのだろうか(メディア関係者の審議会参加の問題点はこちらやこちら)。
【関連リンク】
▼「有害」規制法案・条例の状況 ■東京都「青少年健全育成条例」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyoukyou/tokyo.htm(「有害」規制監視隊)