条例改定までの軌跡
広島県青少年健全育成条例
ー平成15年10月改定ー
『中国新聞』2003年9月17日付「有害図書許さぬ 育成条例県改正へ 自販機撤去や罰則 広島」という記事によると、広島県は県青少年健全育成条例を改定し、自動販売機に対する「有害」図書の販売規制を強化する方針であるという。「有害」図書の除去命令と自動販売機の撤去命令を新設するほか、撤去後に別の自販機で営業するケースに対処するため、全国でも初めて「常習者」に対する罰則を設けるという。除去命令違反の罰則は50万円以下の罰金、撤去命令違反および「常習者」に対する罰則は6月以下の懲役か50万円以下の罰金になるという。県は17日開会の県議会定例会に条例改定案を提出し、来年4月からの施行を目指すという。(2003/9/18)
★関連情報★
自動販売機での「有害」図書の販売違反については、山口県が2002年3月に県青少年健全育成条例を改定し、知事による営業停止命令に違反した場合の罰則として「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」を導入している。
【関連リンク】
▼「山口県青少年健全育成条例」
http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/kenmin/youth/jourei/jourei_0.htm(山口県)
▼「山口県 自販機規制を強化 命令違反には懲役刑も」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2002/14.htm(「有害」規制監視隊)
この他にも2002年中には、鹿児島県が12月に県青少年保護育成条例を改定し、自動販売機等に「有害」図書等を収納した場合の罰金を20万円から30万円に引き上げている。(2003/9/18)★関連情報−2★
福島県は、平成15年度内を目標に県青少年健全育成条例を改定し、自動販売機での「有害」図書の販売違反に懲役刑を導入するなど、罰則を強化することを検討中である。(2003/9/18)
【関連リンク】
▼「「有害」規制法案・条例の状況 ■福島県「青少年健全育成条例」」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyoukyou/fukushima.htm(「有害」規制監視隊)追加情報
『中国新聞』2003年9月18日付「補正予算など31議案を上程 広島県議会定例会」という記事によると、17日に開会した広島県議会9月定例会に、自動販売機規制の強化を盛り込んだ県青少年健全育成条例の一部改定案が上程されたという。(2003/9/18)追加情報−2
藤田雄山・広島県知事は2003年9月17日、平成15年9月定例会に提出した青少年条例改定案について「有害環境の象徴ともいえる有害図書類等の自動販売機を一掃するため、行政処分の導入や罰則強化などを盛り込んだ「広島県青少年健全育成条例」の改正案を提出しております」と県議会で説明した。(2003/9/19)
▼「県議会知事説明要旨 平成15年広島県議会9月定例会(平成15年9月17日)」
http://www.pref.hiroshima.jp/chiji/gikai/gikai1509.html(広島県)追加情報−3
広島県議会は2003年10月2日、平成15年9月定例県議会に上程されていた「広島県青少年健全育成条例」一部改定案を可決した。改定により、自動販売機、自動貸出機については、年齢識別装置や監視カメラの有無にかかわらず条例の規制対象となることが明確にされたほか、図書類の表紙や包装箱に対する包括指定なども導入された。新条例は2004年4月1日から施行される。(2003/10/8)
【関連リンク】
▼「広島県における青少年条例の改定(平成15年10月改定)」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/taisyohyo/hiroshima/H15-10.htm(「有害」規制監視隊)★関連情報−3★
「有害」図書類の収納禁止規定をめぐっては、埼玉県で自動販売機の年齢識別装置の有無により条例違反になるかが争われたことがある。一審の熊谷簡裁は平成11(1999)年6月9日、運転免許証を利用した年齢識別装置によって青少年が「有害」図書を購入するのは困難であり、可罰的違法性を欠くとして無罪とした(ただし、装置が作動していなかった自販機については有罪とした)。
検察官が控訴したところ、東京高裁は平成12(2000)年2月16日、「本条例一四条一項は、文面どおり、自動販売機への有害図書等の収納を一律に禁止しているものであって、年齢識別装置が取り付けられているか否か、その機能、特質等によって、規制の対象としたり、対象外とするように適用を異にする運用を容認し、予定しているものと解することはできない」ことなどを理由に原判決を破棄、有罪とした。(2003/11/19)
▼埼玉県青少年健全育成条例
http://www.pref.saitama.jp/A01/BR00/seisyounen/jyourei.htm(埼玉県)<この判決を考えるための参考文献>
(1)倉田原志「年齢識別装置付き自動販売機への有害図書収納行為と表現の自由」『法学セミナー』第553号(2001年)、106頁
(2)島田聡一郎「年齢識別装置つき自販機への有害図書類の収納と埼玉県青少年健全育成条例一四条一項の罪」『法学教室』第246号・別冊付録(2001年)、29頁
(3)野下智之「実務刑事判例評釈[83] 運転免許証による年齢識別装置を取り付けて作動させている自動販売機への有害図書等の収納行為について、埼玉県青少年健全育成条例一四条一項違反の処罰規定を適用するほどの可罰的違法性がなく、無罪とした原判断が是認できないとして破棄された事例」『警察公論』2001年6月号、55-60頁
なお、青少年条例違反事件の判例については、清水英夫・秋吉健次編『青少年条例 自由と規制の争点』(三省堂、1992年)にまとめられている。<自動販売機、自動貸出機をめぐる新聞報道(2003年1月〜11月分)>
※「有害」規制監視隊が確認したものだけです。
(1)『日本海新聞』2003年1月15日「わいせつビデオ、自販機に収納 県外の3業者逮捕 有害図書包括指定の導入後初 鳥取県警」
(2)『山陰中央新報』2003年1月15日「自販機に有害ビデオ 販売業者ら3人逮捕 鳥取県警など」
(3)『産経新聞』(大阪版)2003年2月8日「アダルトビデオ自販機 府警、初の摘発 牧方の男性書類送検へ」
(4)『毎日新聞』(大阪版)2003年2月8日「自販機の有害ビデオで古物商を容疑で検挙」
(5)『読売新聞』(大阪版)2003年2月8日「通学路にわいせつビデオ自販機設置 古物商を書類送検へ」
(6)『山陽新聞』2003年3月8日「有害図書で略式起訴」
(7)『山形新聞』2003年3月13日「自販機に有害図書納めた疑い、業者を書類送検」
(8)『中国新聞』2003年4月8日「自販機に有害図書置く」
(9)『山陽新聞』2003年6月6日「図書販売 無罪を主張」という記事によると、「有害」図書を岡山県内の自販機で販売したとして県青少年保護育成条例違反罪に問われた埼玉県川口市の男性の初公判が5日、岡山簡裁であったという。被告は、購入者を監視カメラでチェックし、青少年に売らないようにしているので、「県条例が定めた自販機にはあたらず無罪」と主張しているという。なお、被告はいったん起訴猶予となったが、検察審査会が起訴相当と議決したため起訴されたという。
(10)『神奈川新聞』(横浜版)2003年8月2日「無人ビデオ店でアダルトビデオ貸し出し容疑」
(11)『福島民報』2003年8月8日「有害ビデオを自販機に収納 福島署、男を逮捕」
(12)『読売新聞』(横浜版)2003年9月19日「わいせつビデオ類の自販機・貸出機 港南区内全廃 無人レンタル店 今月末閉店で 警察・行政・住民 協力の成果」
(13)『中国新聞』2003年10月6日「広島の有害図書追放 「厳罰」をステップに」(社説)
(14)『信濃毎日新聞』2003年10月16日「市条例違反容疑で逮捕 長野の店主 貸出機に有害図書」
(15)『信濃毎日新聞』2003年11月27日「有害図書ビデオ 自販機収納疑い 長野の業者書類送り」