条例改定までの軌跡
群馬県青少年保護育成条例
ー平成15年12月改定ー
『上毛新聞』2003年9月10日付「「未成年者から古書買い取り禁止を」 条例改正を要請へ 県青少年保護育成審」という記事によると、群馬県青少年保護育成審議会は9日、現在は認められている未成年者からの古書買い取りを禁止するため、県青少年保護育成条例を改定するよう知事に求めていくことを決めたという。県青少年こども課は「条例改正については具体的にどうなるかは分からない」と慎重な姿勢だという。(2003/9/18)
★関連情報★
各地の書店組合は、書店での万引き増加の要因として、青少年が万引きした書籍を新古書店で簡単に現金化できるシステムに問題があると訴えている。
例えば、東京都書店商業組合は、2002年12月に都議会へ提出した「青少年の健全育成条例の一部改正等に関する請願」で、「近年、換金容易な中古品市場の拡大に伴い、コミック・写真集等を主力商品とするフランチャイズ方式の新古書店が各地に店舗展開し、持ち込まれる品が新しい物であれば、それだけ高く買い取ることから、書店の万引き被害を増大させる要因になっている」と指摘し、(1)古書を買い取る際には年齢や親の同意を確認するよう青少年条例で義務づける、(2)古書店・新古書店における書籍買取りの実態把握を行う、の2点を求めている(都議会は2003年3月7日、(2)の実態把握のみ採択した)。
また、鳥取県青少年問題協議会では、書店商業組合の委員が未成年者からの古書買い取り規制を提案していたが、2002年10月11日、青少年条例は改定せず、自主規制を強めるよう行政指導で対処することを決定している。古書店の実態調査を行ったところ、親の承諾書を取るなどの自主規制が既に行われているケースが多かったためだという。
ただ、一部の古書店では保護者の承諾なしに買い取りが行われているケースもあり、北海道では2002年8月、中学生から保護者の承諾なしにコミック本80冊を買い取ったとして、古書店店長が道青少年保護育成条例違反(古物等の買い受け制度違反)の疑いで書類送検されている。(2003/9/18)追加情報
『上毛新聞』2003年9月14日付「青少年からの古書買い取り 県が禁止の方針」という記事によると、群馬県青少年保護育成審議会は13日までに、県青少年保護育成条例を改定し、保護者の委託や同意がない場合は、青少年からの古書買い取りを禁止するよう知事に要請したという。県側は青少年の万引が社会問題化していることから禁止の方針を固めたが、条例改定の時期については決まっていないという。(2003/9/18)★関連情報−2★
群馬県青少年保護育成条例における「古物買受け等の制限」に係る規定は次の通りである。
【群馬県青少年保護育成条例】 (質受けの制限)
第9条 質屋営業法(昭和25年法律第158号)第1条第2項に規定する質屋は、青少年から物品(有価証券を含む。)を質に取ってはならない。ただし、青少年が保護者の委託を受け、又は同意を得たと認められる場合は、この限りでない。(古物買受け等の制限)
第10条 古物営業法(昭和24年法律第108号)第2条第3項に規定する古物商は、同条第1項に規定する古物(書籍を除く。)を青少年から買い受け、販売の委託を受け、又は青少年と交換してはならない。この場合において、前条ただし書の規定を準用する。(罰則)
第39条〜第43条 (省略)
第44条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第9条の規定に違反した者
(2) 第10条の規定に違反した者
(3)〜(5) (省略)
『上毛新聞』2003年9月14日付「青少年からの古書買い取り 県が禁止の方針」という記事によると、県青少年こども課は第10条の「書籍を除く」という除外規定を削除する考えだという。(2003/9/18)
追加情報−2
毎日新聞ホームページに2003年9月26日付で掲載された「本の万引きに歯止め 18歳未満からの買い取り、原則禁止に−−条例改正へ」という記事によると、群馬県は25日の県議会一般質問で、青少年からの書籍の買い取りを原則禁止にするため、県青少年保護育成条例を「できるだけ早い時期に改正する方向で検討したい」とする考えを明かにしたという。なお、県議会には県書店商業組合から条例改定を求める請願が提出されていたといい、条例は12月にも改定される見込みだという。(2003/9/29)
▼「本の万引きに歯止め 18歳未満からの買い取り、原則禁止に−−条例改正へ」
http://www.mainichi.co.jp/area/gunma/news/20030926k0000c010005000c.html(毎日新聞)※リンク切れ追加情報−3
『上毛新聞』2003年9月30日付「古書の除外規定 条例改正発議へ 県議会」という記事によると、県議会保健福祉常任委員会は29日、青少年からの古書買い取りを認めている県青少年保護育成条例の改定を求める請願を採択したという。10月7日の本会議でも採択される見通しで、県は12月定例会で条例を改定する考えだという。(2003/10/12)★関連情報−3★
『上毛新聞』2003年10月7日付「社長ら書類送検 親の承諾ないゲームソフト 中高生から購入 高崎署」という記事によると、県警少年課と高崎署は6日、親の承諾なしに中高生からゲームソフトを買い取ったとして、高崎市内のゲームソフト買い取り・販売会社と同社社長、アルバイトを県青少年保護育成条例違反の容疑で書類送検したという。同署は今年7月、大型書店などでゲームソフトなどの窃盗を繰り返していた男子生徒ら4人を逮捕。その供述から今回の事件が発覚したという。(2003/10/12)追加情報−4
小寺弘之・群馬県知事は2003年11月26日、平成15年11月定例会に提出した「群馬県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」について「青少年の健全育成を図るため、古物商が青少年からの買い受け等を制限されている古物に書籍を含めようとするものであります」と県議会で説明した。改定案は、12月15日の本会議で可決される見通し。(2003/12/5)
▼「平成15年11月定例県議会 知事提案説明」
http://www.pref.gunma.jp/a/04/seisaku/15-11tiji.htm(群馬県)★関連情報−4★
秋田県議会は2003年10月3日、平成15年9月定例県議会に上程されていた「秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例」一部改定案を原案通り可決した。改定により、包括指定や区分陳列規制が導入されたほか、青少年からの質受けおよび古物の買取り規制も新設された。新条例は2004年4月1日から施行される。(2003/12/5)
▼「秋田県における青少年条例の改定(平成15年10月改定)」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/taisyohyo/akita/H15-10.htm(「有害」規制監視隊)追加情報−5
群馬県議会は2003年12月15日、平成15年11月定例県議会に提出されていた「群馬県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」を可決した。改定により、青少年から古書を買い取る場合は、保護者の委託や同意の確認が必要となった。新条例は2004年4月1日から施行される。(2003/12/31)
▼「群馬県における青少年条例の改定(平成15年12月改定)」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/taisyohyo/gunma/H15-12.htm(「有害」規制監視隊)
【関連報道など】 ※「有害」規制監視隊が確認したもののみ。
(1)『北海道新聞』2002年8月3日付「保護者の同意なく生徒から買い取り 古書店長を書類送検」という記事によると、札幌厚別署は2日、中学生から保護者の承諾なしにコミック本80冊を16,700円で買い取ったとして、札幌市の古書店店長を道青少年保護育成条例違反(古物等の買い受け制度違反)の疑いで書類送検したという。
(2)『上毛新聞』2003年1月22日付「子ども相手に買い取り 人気カードゲームなど 古物商の男逮捕 大泉署」という記事によると、群馬県警少年課と大泉署は21日、昨年10月に中学生からゲームカードなど16点を3,300円で買い取ったとして、大泉町の古物商を県青少年保護育成条例(古物買い受け等の制限)違反の疑いで逮捕したという。
(3)『上毛新聞』2003年4月13日付「本の万引 深刻 新古書店で換金狙い 業界 対策も妙手なし」
(4)『日本経済新聞』2003年5月11日付「万引き防止 本棚の陰に目あり」
(5)『全国書店新聞』2003年7月1日付「県青少年条例一部改正の請願決議 群馬総会」という記事によると、群馬県書店商業組合は5月26日の総会で、群馬県青少年保護育成条例第10条の「書籍を除く」の改定について県議会へ請願することを満場一致で決議したという。
(6)『新文化』2003年7月10日付「国会で書店万引問題 「新古書店に行政指導」 谷垣公安委員長が答弁」
(7)『毎日新聞』2003年8月28日付「同じ本2冊買い取らない 18歳未満は全員身分確認 万引き対策 ブックオフなどが新ルール」
(8)『上毛新聞』2003年9月10日付「「未成年者から古書買い取り禁止を」 条例改正を要請へ 県青少年保護育成審」
(9)『上毛新聞』2003年9月14日付「青少年からの古書買い取り 県が禁止の方針」
(10)『上毛新聞』2003年9月30日付「古書の除外規定 条例改正発議へ 県議会」
(11)『上毛新聞』2003年10月7日付「社長ら書類送検 親の承諾ないゲームソフト 中高生から購入 高崎署」
(12)『全国書店新聞』2003年11月1日付「群馬県議会が青少年条例改正の請願採択」
(13)『新文化』2003年11月6日付「万引防止で条例改正を検討 群馬県」【関連リンク】
▼「万引き対策、ブックオフなどが新ルール−−「同じ本2冊買い取らない」など」
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200308/28m/081.html(毎日新聞)
▼群馬県青少年保護育成審議会
http://www.pref.gunma.jp/hpm/kodomo/00042.html(群馬県)