ゲームソフトの「有害」指定
(2005年7月〜12月)
<神奈川県−23>
『東京新聞』(横浜版)2005年6月30日付27面に掲載された「「有害指定」性的内容濃いものも 知事 適用方法を検討」という記事によると、松沢知事は29日の県議会一般質問で、性的内容のあるゲームについても、「包括指定の適用方法を検討している」と述べたという。(2005/7/1 07:40)<神奈川県−24>
1.埼玉県は2004年10月に県青少年健全育成条例を改定したさい、包括指定の基準に「場面の数が20以上」を追加している。県が作成した「埼玉県青少年健全育成条例・同施行規則の改正について」というリーフレットでは、この「包括指定範囲の拡大」について次のように説明している。
青少年に有害な静止画が20場面以上あるゲームソフト、CD写真集などを包括指定の対象にし、包括指定の範囲を拡大します。
そこで、右のようなマークの付いたゲームソフトなどについては、条例による規制の対象となる可能性があります。「右のようなマーク」として例示されているのは、コンピュータソフトウェア倫理機構の「18歳未満お断り」マークと、特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)の「18歳以上対象」マークである。
2.包括指定は性的内容を規制対象としている。一方、団体指定は表現内容ではなく、指定団体が「成人指定」「18歳未満お断り」などとした図書類を規制対象としている。したがって、神奈川県が埼玉県のように包括指定範囲を拡大した場合には、マークの有無ではなく、規則で定める性的内容が基準を満たしているか否かが「有害」指定の基準となる。これに対し、団体指定を導入した場合には、性的内容か否かではなく、指定団体のマークの有無が「有害」指定の基準となる。(2005/7/1 07:40)<石川県−1>
『北國新聞』2005年6月23日付4面に掲載された「ゲームも有害図書指定 年度内にも」という記事によると、22日の石川県議会定例会において、木村博承・健康福祉部長は、盛本芳久県議の質問に対し、残虐性のあるゲームソフトを「有害」図書に指定する方向で検討する考えを示したという。早ければ年度内にも指定するという。(2005/7/12 06:00)<神奈川県−25>
『朝日新聞』(横浜版)2005年7月15日付31面に掲載された「残虐ゲームを「有害図書に」 知事会議で松沢知事」という記事によると、松沢成文・神奈川県知事は14日、徳島市内で開かれた全国知事会議で、残虐な内容を含むゲームソフトを各都道府県が「有害図書類」に指定するよう提案したという。松沢知事は「神奈川で指定しても他県で買えては意味がない。全国的にやることで効果が出る」と説明したといい、『読売新聞』(神奈川版)2005年7月15日付34面に掲載された「知事 残虐ゲームソフト規制 全国への拡大提案」という記事によると、「大変な反発を呼んでいるが、サイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)には支持されている」「全国知事会として、業界団体に自主規制の強化も求めていきたい」とも述べていたという。この提案を受け、全国知事会では、社会文教常任委員会(委員長=浅野史郎・宮城県知事)で規制方法などを検討することになったという。(2005/7/18 06:50)<神奈川県−26>
ゲームソフトに関する施策例として神奈川県は2005年5月、県児童福祉審議会社会環境部会において、1.条例に基づく「個別指定」、2.条例の見直しによる「包括指定」の可能性の検討、3.ゲームソフト製作会社や発売元等への勧告又は要望、4.八都県市による共同的な取組の検討――の4つを示している。しかしながら、規制に偏ったこれらの施策は、知事が言うところの「サイレントマジョリティー」が求めているものとは異なる可能性がある。たとえば、東京都が2002年3月に発表した『青少年をとりまくメディア環境調査報告書』には、暴力的なゲームへの対応策を小・中・高校生の保護者に問う項目が含まれていた。「とてもそう思う」あるいは「ややそう思う」と答えた割合は、どの学年の保護者も「子ども自身の判断力を育てる」が最も多く、「法的な規制をすべき」が最も少ない。
知事の言う「サイレントマジョリティー」とは一体どのような人々なのだろうか。神奈川県では、「子ども自身の判断力を育てる」ことより、規制が「支持されている」のだろうか? 規制については、研究者からその弊害が指摘されている。自らの活動をアピールするためだけに、「大変な反発を呼んでいる」規制を押し進めているとすれば、それこそ健全育成にとって最も有害なのではないだろうか。(2005/7/18 07:25)
【関連リンク】
▼ゲームソフトの「有害」指定 保護者は判断力の育成を重視
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/51.htm(「有害」規制監視隊)<ゲームソフト業界−6>
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2005年7月19日、「年齢別レーティング制度」に基づくゲームソフトの販売自主規制を実施すると発表した。特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構機構(CERO)により「18歳以上対象」と判定されたゲームソフトについては、明らかに18歳未満である場合には販売しない、年齢区分を認識しやすい陳列にする、店頭でのレーティング制度の告知を強化する――などを全国の販売店に要請していくという。また、レーティング制度への理解を広めるため、消費者や行政などへの情報発信を強化。パッケージ表記の改善も検討していくという。発表された資料はCESAのホームページで確認することができる。(2005/7/20 07:20)
▼社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
http://www.cesa.or.jp/index.html<その他−1>
『毎日新聞』2005年7月21日付29面に掲載された「もう“悪影響あるゲーム”させぬ Xbox新機種に視聴制限機能」という記事では、マイクロソフトが年末に発売を予定しているゲーム機「Xbox360」にゲームソフトの年齢制限に応じて視聴を制限できる機能が標準装備されるとして、「家庭用ゲーム機にこうした機能が付くのは初めて」と報じている。一方、ソニー・コンピュータエンタテイメントが発売しているゲーム機「PSP」には既に視聴年齢制限機能が装備されている。PSPの取扱説明書によると、1〜11段階の視聴レベルを設定することが可能で、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)により「18歳以上対象」と判定されたゲームソフトは、視聴レベル「9」に対応しているという。PSPの取扱説明書はPlayStation オフィシャルホームページからダウンロードすることができる。(2005/7/21 07:30)
▼PlayStation オフィシャルホームページ
http://www.playstation.jp/index.html<その他−2>
1.『朝日新聞』2005年7月22日付8面に掲載された「わいせつ画像、データに混入 米、人気ゲーム締め出し」という記事によると、アメリカで人気のゲームソフト「グランド・セフト・オート」シリーズの最新作は、特定のソフトをダウンロードすれば露骨な性交渉の場面を見ることができる状態だったという。このためアメリカの業界団体は20日、このソフトをアダルト指定したという。
2.田宮裕「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(一)(二)」(『ジュリスト』第477号、第478号、1971年)によると、アメリカ大統領の諮問委員会が1970年に発表した本報告書では、悪影響の証拠がないこと等を理由に、「同意のある成人に対する性的物件の販売、提示、配布を禁止する法はすべて廃止すべき」と勧告しているという。一方、未成年については、「成人よりも調査は不十分であり、デイタの信用性も低い。そればかりか、実験のためには性的刺激物を見せる必要があるが、そういう実験じたいが困難だという事情もある。また、世論調査の結果によると、多数は成人の制限の撤廃に賛成しつつ、青少年は別だという意見をもつ。これは無視できない。さらに、未成年者についてはその親が子供の監督上妥当かどうかを自己決定すべきであって、立法はそれを援助するという基本的態度を堅持するのがのぞましい。いくらこのような立法をしても、未成年者から隔離しおおせるかは疑問だし、見せることが利点になる場合もある。こうした事情を総合判断して自らコントロールする権利が親にはある」(田宮裕「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(二)」『ジュリスト』第478号、1971年、116頁)
といった理由から、「州は、一定の性的物件を未成年に対して商業的に販売しまたは販売のため陳列することを禁止する立法をすべきである」と勧告しているという。ただし、この勧告には、禁止される物について、「委員会としては写真や図画に限るのがよく、文章は除外すべきだと考えている。文章は性教育用に有用なものがあるばかりか、そのうち妥当なものとそうでないものを選別するのは至難のわざで、結局全面的禁止という不当な結果になるおそれもあるからである」というコメントがついているという。
3.湯浅俊彦「『青少年条例』規制その後各地で・・・」『総合ジャーナリズム研究』第149号(1994年)によると、宮崎県は1992年7月に全国で初めて性的内容を理由にゲームソフト「電脳学園1」を「有害」指定(個別指定)しているという。
4.神奈川県は2005年6月に全国で初めて残虐性を理由にゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を「有害」指定(個別指定)している。このゲームソフトを審査した審議会では、過去に『朝日新聞』2003年10月7日付22面に掲載された「過激シーン、即現実に ゲームソフト 販売規制へ母子ら活動」という記事が配布されたことがある。この記事では、アメリカで起きた乱射事件の容疑者が「グランド・セフト・オートV」をプレーしていたこと、同ソフトが日本でも発売されたことなどを報じている。県が諮問対象を選定した際には、この記事を参考にした可能性が高い。
5.「不健全図書類の効果的な規制のあり方等について」意見交換が行われた2003年11月の東京都青少年健全育成審議会では、会長代理の瀬戸純一毎日新聞社論説委員らが、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張。結果的に小委員会を常設とするなど、個別指定が強化されている。そして2004年11月の平成16年度第3回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会では、東京都のこうした動きを踏まえ、「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」という取り組みが提起されていた。なお、個別指定は包括指定と異なり、性表現に限らず、様々な表現を「有害(不健全)」指定することができる。また、文章をも規制対象としている。(2005/7/22 07:40)<神奈川県−27>
『毎日新聞』2005年7月23日付夕刊8面に掲載された「神奈川・ゲームソフト有害指定 知事ブログに批判殺到 50日間でアクセス8万件」という記事は、松沢成文・神奈川県知事の「ブログ」にゲームソフトを「有害」指定したことへの批判が殺到していると報じている。規制を批判する意見が知事のブログに寄せられていることは、『東京新聞』(横浜版)2005年6月15日付23面「知事ブログで早速「ゲーム規制」論争」でも報じられている。
神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、個別指定を強化するよう主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。毎日新聞がこうした事実を報道しないのはなぜだろうか。ゲームソフトの「有害」指定は自分たちと関係がない、とでも思っているのだろうか。他人事のような記事を載せるより、ゲームソフトの「有害」指定と毎日新聞の関係を調査した検証記事を載せるべきだろう。(2005/7/23 20:00)<神奈川県−28>
公的規制とそれに反対する市民の活動については、次のような分析がある。「公的機関の制度化された規制活動に市民の反対運動が対抗するという構図では、ふつう、規制サイドは本職の職員が持続的に作業を進め、長期的な記録や方針、展望を持てるという有利な位置にいる。いっぽう、民間の運動は(少なくとも日本では)、数が集まることはあっても、基本的には「アフター5」にしろうととして活動を行なう。しかも、そうした運動(やメディア報道!)はどちらかといえば一過性の傾向が強く、「危機的状況」がすぎれば活動が消滅したり休眠したりしやすい。こうした活動とクレイム申し立ての官民格差のおかげで、行政組織は、長い目で見れば、官僚統制に「合理的」な規制手続き・規則の整備を(三節でみたように)着々と進められるのかもしれない」(中河伸俊・永井良和編著『子どもというレトリック』1993年、106頁)
この分析に従うと、ブログへの批判もマスコミ報道も一時的なもので終わる可能性が高い。神奈川県児童福祉審議会社会環境部会では2005年5月30日、平成17年度の重点的協議事項を「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」としている。また、埼玉県青少年健全育成審議会では2005年6月21日、審議会の会長が「行政の方に選んでいただいて我々が(ゲームソフトの「有害」指定について)審議するという方向性になると思う」と述べている。次回の審議会は両県とも9月に開かれる予定だが、このとき、どの程度の批判や報道が「持続」しているのだろうか。(2005/7/23 20:20)
<神奈川県−29>
松沢成文・神奈川県知事は2005年7月20日の定例記者会見で、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が公表した「年齢別レーティング制度」に基づくゲームソフトの販売自主規制について、「神奈川県の規制がですね、こういう形で業界の自主規制につながっていったということは、ある意味で神奈川県の示した方向が正しかったということを間接的に証明しているのではないか」などと語っている。さらに、全国知事会でゲームソフトの規制を呼びかけたことについては、「多くの知事さんに賛同いただきました」と報告。また、業界の自主規制が進まない場合には、「今後も規制するゲームソフトというのは検討していきたい」との考えを示した。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/7/28 07:05)
▼「定例記者会見(2005.7.20)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050720.htm(神奈川県)<神奈川県−30>
松沢知事は20日の定例記者会見で、「これまでは青少年にレーティングの高いものが渡らないようにするための販売なりの自主規制というか行動は取ってなかったんですね」「青少年にかなり影響があると思われるソフトが自由に渡ってしまうのは問題だという世論もだいぶ起きてきました」などと語っている。また、中田宏・横浜市長は2005年5月に開かれたシンポジウムで、ゲームソフトの規制と直接的な関連はないものの、「小学生や幼児も含め、誰もが利用するコンビニエンスストアがいわゆる『有害図書』を売る場として適切なのかどうか」「この議論について私は口火を切って散々批判されました。『販売の自由』とか『表現の自由』とか脅しもされました。だけど市民のみなさんも関心を持っていたからこそ、世論喚起、世論の皆さんの応援もあってシールが貼られるところまで前進しました」などと語っていた。
業界の自主規制を無視するとともに、規制強化に世論の追い風があるかのような情報を流す。そして自主規制が強化されると、それを自らの成果として誇示する――。自主規制の強化であれば神奈川県や横浜市がコストを負担するわけではない。一方、保護者の多くが求めている「子ども自身の判断力を育てる」ためには、神奈川県や横浜市も時間やカネを掛けなければならない。彼らはコストを掛けずに目先の成果だけ誇示しているのではないだろうか。彼らが活動実績をアピールするためだけに、健全育成が利用されているのではないだろうか。(2005/7/28 07:35)
【関連リンク】
▼ゲームソフトの「有害」指定 保護者は判断力の育成を重視
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/51.htm(「有害」規制監視隊)<東京都−2>
東京都が公表した2005年6月13日の第543回東京都青少年健全育成審議会の議事録によると、神奈川県によるゲームソフトの個別指定についてコメントを求められた青少年担当課長は、「指定そのものは、私どもの条例でも、今、DVDもご覧いただいて審査できるように、こうした電子媒体のものも指定することは可能です」と説明。さらに、「私ども東京都でも事務的に検討しようということは考えておりますので、今後ともまたご意見を伺いながら対応していきたい」などの考えを示している。審議会の議事録は次のページで確認することができる。(2005/8/2 06:15)
▼東京都青少年健全育成審議会 会議資料・議事録
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/index9files/singi_set.htm(東京都)<神奈川県−31>
第543回東京都青少年健全育成審議会の議事録によると、東京都の青少年担当課長は、ゲームソフトの個別指定について神奈川県から情報を得ていると述べ、「審査の方法としては、ゲームというのは、途中まで行ってゲームオーバになることがありますが、職員が実際にゲームをやってみたということでした。また、審査員の方にも実際にやってもらったり。実際の審査は、その部分の一部を、問題になるような画面をビデオに撮って、そのビデオを見せて審査をしたということでした」などと説明している。
「審査員の方にも実際にやってもらった」とはどういうことなのだろうか。たしかに「実際の審査」である5月30日の神奈川県児童福祉審議会社会環境部会では、「ビデオを見せて審査をした」が、「審査員の方にも実際にやってもら」うということはなかった。
審議会の翌日に開かれた県知事定例記者会見では、事前に情報が流れ予断を与えたのではないか、という質問が出ている。この指摘に対し、松沢成文・神奈川県知事は「その委員の方は、さまざま残虐物で問題ソフトがあるというのを聞いた中で、そのソフトも偶然見ていたわけなんです」などと答えている。
「審査員の方にも実際にやってもらった」のであれば、「偶然見ていた」という知事の説明とは矛盾することになる。また、「実際の審査」が形骸化していることを証明することにもなる。神奈川県は、東京都への説明(本音)と記者会見での説明(建前)を使い分けていたのだろうか。(2005/8/2 06:15)<神奈川県−32>
『朝日新聞』2005年8月3日付10面に松沢成文・神奈川県知事の「ゲームソフト 有害図書指定の輪を全国に」という意見が掲載される。ゲームソフトの青少年への影響は深刻であり、早急な対策が必要だと主張。「将来を担う子どもたちの健全な育成のため、ゲームソフトの規制について、国民的議論を展開し、社会全体で取り組んでいかなければならない」と結んでいる。
何らかの対策が必要だとしても、それが規制でなければならない理由はどこにもない。実際、東京都が2002年3月に発表した『青少年をとりまくメディア環境調査報告書』では、ゲームソフトへの対応策として、保護者の多くが「子ども自身の判断力を育てて、暴力的な表現による影響を防ぐ必要がある」と答えている。また、ゲームソフトの影響研究で知られる坂元章・お茶の水女子大教授は、『朝日新聞』(横浜版)2005年3月3日付で、「規制することで、ゲームを楽しむ自由を奪ったり、自分で善悪を考えなくなったりする弊害もある。まずは教育で対応するべきで、規制は最後の手段だ」と述べている。
「子ども自身の判断力を育て」るのではなく、弊害が指摘されている規制にこだわるのはなぜだろうか。規制するだけなら、コストを掛けずに自らの活動をアピールすることができる。知事が活動実績をアピールするためだけに、健全育成が利用されているのではないだろうか。(2005/8/3 22:05)<神奈川県−33>
松沢成文・神奈川県知事は2005年7月27日の定例記者会見で、ゲームソフト関係団体の自主規制に係る取組み状況などを確認するため、審議会委員とゲームソフト関係団体との間で懇談会を開催すると発表した。知事は、「有害」指定の前に意見交換を行なうべきだったのではないか、という記者の質問に対し、「関連の団体の方は、やはり当然、自分たちの業界団体の、ある意味では利益というか方向性がほとんど決まってますので、中立的な立場でその善しあしを議論していただくというのはなかなか難しい」などと答えている。定例記者会見の内容と懇談会の案内は次のページで確認することができる。(2005/8/10 07:30)
▼「定例記者会見(2005.7.27)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050727.htm(神奈川県)
▼「神奈川県児童福祉審議会社会環境部会懇談会の開催について」
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0507/27088/index.htm(神奈川県)<神奈川県−34>
審議会委員の人選については、「審議会委員の規定は非常に曖昧で、学識経験者とか有識者とか、つまりは誰でも政府の恣意で決められる。だから政府の方針に沿った人材が選ばれていることは疑う余地もない。そこから出た答申というのは政府の意向に沿っていないはずはないのだ」(天野勝文「政府審議会は記者のウバ捨て山か 記者クラブ同様これも一つの癒着ではないか」『文芸春秋』1993年11月号、300頁)といった批判がある。
神奈川県の方針に沿って選ばれた委員こそ、「ある意味では利益というか方向性がほとんど決まってますので、中立的な立場でその善しあしを議論していただくというのはなかなか難しい」はずである。公正な審議が行われているという印象を与えたいのであれば、審議会委員の選任方法を見直すなど、審議会の独立性が高まるよう努めるべきだろう。(2005/8/10 07:45)<埼玉県−10>
埼玉県は2005年9月9日に埼玉県青少年健全育成審議会を開催する。時間は1時30分から。会場は埼玉教育会館1階104会議室。議題の一つには、「有害な図書等の諮問について」が挙げられている。傍聴手続などは次のページで確認することができる。(2005/8/16 07:00)
▼「埼玉県青少年健全育成審議会の開催について」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A01/BR00/seisyounen/03sinngikai/kaisai/annaibun.html(埼玉県)<埼玉県−11>
1.埼玉県青少年健全育成審議会では2005年6月21日、ゲームソフトへの対応策を検討するとして、神奈川県が「有害」指定した「グランド・セフト・オートV」の映像などを録画したビデオが上映され、ゲームの実演も行なわれた。傍聴した方によると、審議会の会長は「行政の方に選んでいただいて我々が審議するという方向性になると思う」と述べていたという。9月9日の審議会には、ゲームソフトの「有害」指定が諮問されるのかもしれない。(2005/8/16 07:10)
2.6月21日の審議会については次のページで議事概要や資料が公開されている。ただし、実際の審議会ではこれら以外の資料も配布されている。たとえば資料4「有害なゲームソフトについて」には、2005年5月30日の神奈川県児童福祉審議会社会環境部会で配布された「諮問の対象のゲームソフトについて」が添付されていた。(2005/8/16 07:15)
▼「埼玉県青少年健全育成審議会議事録(平成17年度)」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A01/BR00/seisyounen/03sinngikai/gijiroku/h17-18/17-19gijiroku.html(埼玉県)<神奈川県−35>
神奈川県は2005年9月7日に神奈川県児童福祉審議会社会環境部会を開催する。時間は10時から。会場はワークピア横浜3階。議題は「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組み」について。傍聴申込方法などは次のページで確認することができる。(2005/8/16 07:30)
▼「審議会等の会議開催予定」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/kaisai/index17-9.htm(神奈川県)<岐阜県−1>
岐阜県が発表した岐阜県青少年育成審議会の議事要旨によると、2005年5月31日に開かれた平成17年度第1回審議会では、委員から「最近、青少年を取り巻く環境としてのネット社会とか、新しいゲームソフトとか、メディア環境というのが変わってきたので、今後の審議事項のなかで大いに考慮して、新しい項目として検討していく必要があると思う」などの発言があったという。議事要旨は次のページで確認することができる。(2005/8/18 07:00)
▼「平成17年度第1回岐阜県青少年育成審議会」
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11122/singi/17dai1kai.htm(岐阜県)<神奈川県−36>
『議会かながわ』第102号3面には、北井宏昭県議(民主党・かながわクラブ)が6月定例会で行なった「有害ゲーム対策には有害図書類の包括指定を強化すべき・・・」という一般質問の概要が掲載されている。これによると、「残虐性の強いものは基準を設けて包括指定とすべき」という質問に対し、松沢知事は「残虐なものは児童福祉審議会で包括指定の可能性をご協議いただき、県も制度導入の可能性や基準の在り方を検討していく」などと答えたという。
県児童福祉審議会社会環境部会は2005年5月、平成17年度の重点的協議事項を確認している。審議会で配布された資料によると、平成17年度は「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」協議するといい、事務局が示した「施策例等」には、「条例の見直しによる「包括指定」の可能性の検討」などが挙げられていた。したがって、この質問が行なわれる前からゲームソフトの包括指定を検討することは決まっていた。
『朝日新聞』(佐賀版)2005年7月10日付35面「情報公開や議会改革 実践例を交えて説く 片山・鳥取県知事が講演」という記事によると、片山善博・鳥取県知事は佐賀市で講演を行なったさい、議会について「私に言わせれば八百長と学芸会。議会が始まる前に執行部が根回しして、結論が決まってから議会を開く。本当に時間の無駄だ」と批判していたという。神奈川県は根回しして、結論が決まってから“質問してもらった”のだろうか。なお、一般質問の概要は次のページでも確認することができる。(2005/8/23 07:40)
▼「平成17年6月定例会一般質問」
http://www.pref.kanagawa.jp/gikai/pg/102/i_q.htm(神奈川県)<神奈川県−37>
『神奈川県青少年保護育成条例の解説』(2002年)によると、書籍または雑誌の包括指定の基準は、「指定の程度が過去の有害図書類の指定実績と大きな不均衡を生じない」ことなどを考慮して定められたという(22頁)。包括指定を検討する前にゲームソフトの個別指定を行なった理由は、「指定実績」を作ることが目的だったのかもしれない。(2005/8/23 07:45)<岩手県−1>
岩手県が発表した岩手県青少年環境浄化審議会の議事概要によると、2005年8月8日に開かれた第306回審議会では、県から「ゲームソフトの有害指定状況」について情報提供が行われたという。会議結果は次のページで確認することができる。(2005/8/24 07:45)
▼「審議会等の会議」
http://www.pref.iwate.jp/~hp020501/kaigi/(岩手県)<神奈川県−38>
神奈川県は2005年9月7日、「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」をテーマに平成17年度第2回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会を開催した。傍聴された方によると、神奈川県から「団体指定の妥当性について協議していただきたい」との提案があり、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)と「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)がそれぞれ成人向けと判定したパソコン用ゲームソフト1本とビデオ1本が上映され、団体指定を導入している愛知県青少年保護育成条例の説明もあったという。委員からは「家庭用ゲームソフトについても団体指定を視野に入れるのか」との質問があり、青少年課長は「現在のところはソフ倫とビデ倫(の指定を検討している)」と述べ、家庭用ゲームソフトの業界団体であるCESAとCEROについては、「業界の理解をえられない」と指定に慎重な姿勢を示す一方、「行政としてCESAとCEROにお願いをしていく」とも話していたという。このほか委員からは、「残虐性に関する審査をもっと意識してやっていく必要がある」などの意見があり、部会長は「団体指定も考えに入れながら、有害ソフトとして指定しなければならないものがあれば個別指定の必要がある」と話していたという。次回の審議会は11月下旬に開かれる予定。(2005/9/8 07:15)<神奈川県−39>
『日本経済新聞』(神奈川版)2005年8月5日付35面に掲載された「ゲームソフト規制じわり 有害図書指定で初会合」という記事によると、神奈川県はゲームソフトの規制について、秋の首都圏サミットで共通ルールの提案を予定しているといい、すでに「事務局が水面下で調整を進めている」という。ただ、9月7日の審議会ではこの件に関する話はなかったという。
このほか、他県との連携に関しては、2005年3月1日の神奈川県議会県民企業常任委員会で、青少年課長が「現在、愛知県と、具体的な審査対象ですとか、そういったものを実は事務レベルで相談させていただいている」などと話している。なお、この日の委員会では、北井宏昭委員(民主党・かながわクラブ)が後に個別指定されることとなるゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を名指しで批判している。(2005/9/8 07:40)<埼玉県−12>
埼玉県は2005年9月9日に開かれた埼玉県青少年健全育成審議会にゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を個別指定すべきか諮問した。傍聴された方によると、ゲームソフトの映像をテレビ画面に映し出し、実演も行われたという。会長が「指定すべきものとして知事に答申するものとして決定してよいか」と確認したところ、残りの委員全員(9人)が指定に賛同したという。「グランド・セフト・オートV」は2005年6月7日に神奈川県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。なお、審議の様子は10月下旬のNHK「クローズアップ現代」で放送される可能性があるという。(2005/9/9 21:30)<ゲームソフト業界−7>
1.社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は2005年9月17日(土)にパネルディスカッション「「CERO年齢別レーティング制度」の未来を考える」を開催する。時間は13時〜14時半。会場は幕張メッセ「東京ゲームショウ2005」会場第7ホール・イベントステージ。パネラーなどの詳細は次のページで確認することができる。
▼「「東京ゲームショウ2005」パネルディスカッション開催のご案内 」
http://research.cesa.or.jp/press/050902.html(CESA)
2.CESAは2005年9月6日には、販売店向けの年齢別レーティング制度に関する告知用ポスターなどを、9日には「テレビゲームへの正しい理解を 〜ゲーム研究者インタビュー〜」をホームページに掲載した。インタビューでは、坂元章・お茶の水女子大学教授がテレビゲーム研究の動向について語っている。
▼社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
http://www.cesa.or.jp/index.html
(2005/9/10 07:00)<その他−3>
青少年保護を理由とした「有害」規制について報じるさい、メディアはどのような点に留意すべきか――。『新聞協会報』は2005年7月19日から4週連続で掲載した「青少年有害情報とメディア」でこの問題を取り上げている。ゲームソフトの「有害」指定や八都県市による条例共通化など、ここ1年ほどの「有害」規制に関する動きと、これらに対するマスコミ関係者、学者の意見を紹介。マスコミ関係者としては、広島市青少年問題協議会委員の田中聰司・中国新聞社編集局資料担当や、放送と青少年に関する委員会で委員長を務めていた原寿雄・元共同通信社編集主幹らが、学者としては、日本NIE学会会長で横浜市「有害図書の青少年への販売防止対策検討委員会」の委員である影山清四郎・横浜国立大学教授や、テレビゲームの研究で著名な坂元章・お茶の水女子大学教授らが登場している。(2005/9/10 07:20)<その他−4>
第44回衆院選が2005年9月11日に行なわれ、ゲームなどの規制強化を訴えていた候補も当選した。たとえば、東京14区で当選した元朝日新聞記者で自民前職の松島みどりさんは、「暴力シーンなどのあるコンピューターゲームやテレビ番組、漫画の子供への影響を調査し、規制強化に取り組みます」(「政党ビラ」より)という公約を掲げていた。(2005/9/12 07:25)<その他−5>
『婦人公論』2005年9月22日号45-47頁には「専門家は警告する テレビゲーム、ネット、ケータイの落とし穴は、ここに」という坂元章・お茶の水女子大学教授へのインタビュー記事が掲載されている。坂元教授は国内外で提案されているという「テレビゲームとのつきあい方12ヵ条」などを紹介している。(2005/9/14 07:10)<埼玉県−13>
埼玉県は県青少年健全育成審議会の答申に基づき2005年9月16日、ゲームソフト「グランド・セフト・オートV」の「有害」指定を告示した。「グランド・セフト・オートV」は2005年6月に神奈川県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。
9日の審議会を傍聴された方によると、事務局は、複数の自治体がゲームソフトの個別指定(「グランド・セフト・オートV」の指定かどうかは不明)を検討していると報告していたという。今後も個別指定が広がる可能性は高そうだ。(2005/9/16 23:40)<ゲームソフト業界−8>
2005年9月17日(土)に開かれたパネルディスカッション「「CERO年齢別レーティング制度」の未来を考える」に関連して、次のような報告があった(要旨)。
---------------------------------------------------
パネルディスカッションではレーティング制度の説明だけでなく、法的規制の問題点、教育などの規制以外の対応策、影響研究の概要などが紹介され、とてもいい内容だった。ただ、質疑応答の時間が設けられなかったので終了後にCESAのブースで質問をした。神奈川や埼玉が「18歳以上対象」のゲームソフトから審査対象を選び、規制したことについては、神奈川と埼玉が勝手にやったことだし、あとはメーカーの問題であると。ほかにも規制を検討している自治体があることについては、個別指定は審査に時間がかかるから大したことはない、団体指定は業界が納得しない限り指定されない……おおよそこんなことを話していた。パネルディスカッションでは、法的規制が行なわれると、教育が重要であるはずなのに規制で解決すべき問題となりかねない、などの話があった。そんな話を聞いた直後だけに、法的規制に対する意識の低さには驚いた。
---------------------------------------------------
また、「役所や審議会委員の方がよほど真剣に答えてくれ」ると、CESA関係者の対応にも不満が残ったという。
ここで示された見解は一職員の考えだと思われる。だが、2005年8月に行なわれた神奈川県児童福祉審議会委員との懇談会でもCESA関係者は、「先日の有害図書類指定については、決まってしまったことなので、これについては特にコメントはございませんが、できれば事前にこういった意見交換の機会を設けていただければ良かったかなと思います」(会議記録より)としか語っていない。個別指定であれば構わない、というのがCESAの方針なのだろうか。「18歳以上対象」のゲームソフトが18禁を意味する「有害図書類」に指定され続ければ、レーティング制度への信頼を揺るがしかねない。「コメントはございません」などと答えていてよいのだろうか。(2005/9/19 07:30)<東京都−3>
『東京新聞』(東京版)2005年9月21日付27面に掲載された「ゲームソフト販売に自主規制 都の協議会発足へ」という記事によると、石原慎太郎・東京都知事は20日の都議会定例会で、暴力的な内容のゲームソフトを子どもたちが入手できないようにするため、メーカーや販売店の関係者でつくる「テレビゲームと子どもに関する協議会」を来月設置すると表明したという。(2005/9/21 06:40)<東京都−4>
『朝日新聞』(東京版)2005年9月22日付30面に掲載された「残虐なゲームの規制を話し合う 都が協議会準備」という記事によると、東京都は10月に設置する「テレビゲームと子どもに関する協議会」を通じて、業界側による「18歳以上対象」の表示をたたき台にした「18歳未満は購入禁止」の仕組み作りを進めたい考えだという。都の健全育成課長は「自主規制が実効性を持つなら、有害図書の指定は必要ない」と話しているという。(2005/9/22 06:50)<東京都−5>
2005年9月に行なわれた「東京ゲームショウ2005」の「OFFICIAL GUIDE BOOK」には、CEROによる「18歳以上対象」というレーティングは「成人指定(18禁)」とは異なるという図解がある(91頁)。東京都の「テレビゲームと子どもに関する協議会」での議論によっては、「18歳以上対象」のレーティングが実質的には18禁と同じ扱いになるのかもしれない。なお、石原慎太郎・東京都知事が協議会の設置を表明した2005年9月20日の所信表明演説は次のページで確認することができる。(2005/9/22 07:20)
▼「平成17年第三回都議会定例会知事所信表明」
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/HATSUGEN/SHOUSAI/30f9k100.htm(東京都)<ゲームソフト業界−9>
1.『毎日新聞』2005年9月26日付朝刊9面に掲載された「ホラー映像入場「15歳未満の方は・・・」 東京ゲームショウ 展示に年齢制限 表現規制機運にメーカー配慮」という記事によると、9月16日〜18日に開かれた東京ゲームショウでは、映像展示や試遊台に年齢制限を設け、身分証の提示を求めるメーカーが目立ったという。
2.1の記事には、「メーカーの担当者も、ゲームショウでの配慮について「時節柄、当然」と冷静な意見が大半で、ゲームの表現規制についての論議を進める機運の高まりを感じさせるゲームショウだった」とある。
神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、さまざまな表現を規制することができる個別指定を強化するよう主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。
ゲームソフトの「有害」指定を誘発・助長したにもかかわらず、そうした事実を毎日新聞が報道しないのはなぜだろうか。ゲームソフトの「有害」指定は自分たちと関係がない、とでも思っているのだろうか。他人事のような記事を載せるより、ゲームソフトの「有害」指定と毎日新聞の関係を調査した検証記事を載せるべきだろう。
3.1の記事には、「業界団体のコンピュータエンターテイメント協会は、ゲームの年齢制限をテーマに専門家によるパネルディスカッションを開き、年齢制限とゲーム表現についての業界自身の対応の必要性を訴えた」とある。
このパネルディスカッションでは、法的規制には問題が多いこと、教育などの規制以外の対応策が重要であることなども話し合われた。毎日新聞がこうした部分を取り上げなかったのはなぜだろうか。法的規制の当事者として規制強化を訴えてきた以上、問題点や規制以外の対応策をいまさら言い出すわけにはいかないのだろうか。(2005/9/26 07:10)<埼玉県−14>
2005年10月13日(木)のNHK「クローズアップ現代」はゲームソフトの規制について特集する。NHKはゲームソフト「グランド・セフト・オートV」の「有害」指定を決めた9月9日の埼玉県青少年健全育成審議会を取材しており、審議の様子などが放送されるものと思われる。(2005/10/12 20:00)
▼クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/(NHK)<東京都−6>
暴力的なゲームソフトへの対応策を検討していた東京都は2005年10月12日、メーカー、販売店、業界団体、行政でつくる「テレビゲームと子どもに関する協議会」を10月19日(水)に開催すると発表した。同協議会の設置については、石原慎太郎・東京都知事が平成17年第3回都議会定例会で、「メーカーや販売店などに働きかけて、来月、「テレビゲームと子どもに関する協議会」を立ち上げ、業界による従来の自主規制をさらに強化するなど、実効性ある対策を検討してまいります」という方針を示していた。開催案内や知事の演説は次のページで確認することができる。(2005/10/13 07:15)
▼「第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2005/10/40fac300.htm(東京都)
▼「平成17年第三回都議会定例会知事所信表明」
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/HATSUGEN/SHOUSAI/30f9k100.htm(東京都)<東京都−7>
1.『読売新聞』2005年10月13日付夕刊1面に掲載された「残虐ゲームソフト 「18歳未満禁止」表示義務化 東京都 業界を指導へ」という記事によると、東京都は10月19日の「テレビゲームと子どもに関する協議会」では、業界が自主的に「18歳以上」としているソフトには「禁止」マークを表示するよう要請し、区分陳列や年齢確認の徹底を指導する方針だという。また、業界が「有害ソフト」を判断できるよう、「内容に1か所でも不適切な表現があれば有害図書とみなす」といった都作成の認定基準を配布することも検討しているという。2.2005年9月17日(土)に開かれたパネルディスカッション「「CERO年齢別レーティング制度」の未来を考える」では、CEROの理事長が「有害なソフトというものは認定していなかったが、これからはある程度、大人にとって有益であり、娯楽性があればそれを認めていく。しかしそのかわり18歳未満には売らない」「将来はそういうレーティングも議論しようかというのは現在CEROでも話している」と発言していた。一方、1の記事によれば、東京都の方針は「18歳以上」というレーティングを事実上「18禁」とするものである。「テレビゲームと子どもに関する協議会」では、「18歳以上」や「18禁」というレーティングについてどのような議論が行なわれるのか注目される。
3.神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより個別指定を強化すべきだと主張していた(個別指定は包括指定と異なり、性表現に限らず、様々な表現を「有害(不健全)」指定することができる。また、分量による基準がないため、包括指定の基準に達していなくても「有害(不健全)」指定することができる)。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。さらに、ゲームソフトの個別指定を決めた2005年9月の埼玉県青少年健全育成審議会では細田孟・埼玉新聞社編集局次長が委員の一人として指定に賛成していた。規制の当事者であるマスコミがゲームソフトの規制について今後どのような報道を行なうのか注目される。(2005/10/14 07:30)
<京都府−1>
Yahoo!ニュースに2005年10月14日付で掲載された「残虐ゲームソフト、初の有害指定へ 京都府が方針」という記事によると、京都府は14日、家庭用ゲームソフトを「有害図書類」に指定する方針を明らかにしたという。31日の審議会に神奈川県と埼玉県が指定したゲームソフトを諮問する予定だという。
▼「残虐ゲームソフト、初の有害指定へ 京都府が方針」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051014-00000058-kyt-l26(Yahoo!ニュース)
京都府が公表した京都府青少年健全育成審議会営業対策部会の「議事要旨」によると、2005年6月21日の会合では委員から「テレビ(パソコン)ゲームについて、最近の事件等を見ていると、未熟な青少年への悪影響が心配される例も見られる。今後、議論の必要があるのではないか」という意見があったという。こうした意見がゲームソフトの規制に影響を与えたものと思われるが、具体的な議事内容は不明である。
審議会の運営については、たとえば総務副大臣主宰の「情報公開法の制度運営に関する検討会」は2005年3月にまとめた報告書で、「審議会等及び行政運営上の懇談会等については、各行政機関において、今後とも、その議事内容を始めとして情報提供の充実を図る必要がある」と指摘している。一方、府ホームページを通じた京都府青少年健全育成審議会の情報提供は、2002年の時点からまったく進歩していない。しかもその内容は神奈川県や埼玉県と比較しても極めて不十分である。また、「有害」規制監視隊は2004年11月、府ホームページにおける審議会の議事録・資料の公開などを求める意見を提出しているが、一向に改善されていない。
京都府はなぜ、「情報提供の充実」に消極的なのだろうか。なお、京都府青少年健全育成審議会の議事要旨は次のページで確認することができる。(2005/10/16 06:10)
▼「京都府青少年健全育成審議会(開催結果 概要一覧)」
http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/kekka/index.html(京都府)<京都府−2>
京都府が2005年10月14日付で発表した「家庭用ゲームソフトの有害指定について」という資料によると、10月31日の審議会では「家庭用ゲームソフトについて、有害指定する方向で、京都府青少年健全育成審議会の意見を聞」き、12月に開催する審議会を経てゲームソフトの「有害」指定を行なうという。また、31日の審議会では、「他府県指定ゲームの映写、テレビゲーム操作実演、指定運用基準の検討」を予定しているという。
2005年9月にゲームソフト1本を「有害」指定(個別指定)した埼玉県の場合も、6月の審議会で「ゲームの映写」「操作実演」などが行なわれている。傍聴された方によれば、事務局は映写したビデオについて、神奈川県が作成したものを借りたと説明していたという。京都府も神奈川県が作成したビデオを使用するのかもしれない。また、6月の審議会では、神奈川県が作成した「諮問の対象のゲームソフトについて」という資料が配られている。この資料には諮問対象の選定要件が列挙されており、9月の審議会ではこれを参考にしたと思われる「諮問の対象とする残虐なゲームソフトの選定要領」が配られている。京都府でも神奈川県や埼玉県の選定要領を参考に検討が進められるのかもしれない。(2005/10/18 00:00)
▼「平成17年10月14日知事会見項目 家庭用ゲームソフトの有害指定について」
http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/kaiken2005/051014/051014-koumoku03.html(京都府)<東京都−8>
東京都は2005年10月19日、ゲーム機やゲームソフトのメーカー、販売店などで構成する「テレビゲームと子どもに関する協議会」の第1回会合を開催した。傍聴された方によると、東京都からは次の提案がなされたという。
1 レーティングの見直しについて
東京都としては、家庭用テレビゲームについて、条例第9条の2の「表示図書類」としての表示を付すよう提案します。2 長時間ゲームに対する啓蒙啓発について
長時間ゲームをすることについて、子どもの健康面等に対する問題が考えられることから今後協議会で協議していくことを提案します。会議では、舟本馨・青少年治安対策本部長が「残虐なシーン等が含まれるテレビゲームに係る年齢別レーティング制度のあり方としては、購入の目安ということではなく、やはり18歳未満の者には販売しないという意味でのレーティング制度とされるべきではないか」などとあいさつし、これに続いてメーカー、販売店、業界団体がそれぞれの取り組みを説明したという。
「年齢別レーティング制度」については、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)の専務理事が「18歳以上の上にさらに禁止表現という領域を設けている。青少年に有害とされているいわゆるアダルト物等は当然この禁止表現に入るので、家庭用ゲームソフトにははじめから存在しない」と説明。レーティング制度に対する国民生活センターへの苦情はなく、レーティング結果に対する市場からのクレーム、要望もないとして、「(改善の余地はあると思うが)一応、現行の制度が概ね社会に受容されていると判断している」と述べていたという。一方、認知度の点については問題があると話していたという。このほか、メーカーや販売店からは、年齢別の視聴制限機能をハードウエアに搭載することや、販売のさいのガイドラインを作成する考えなどが示されたという。会議は予定よりも早く1時間ほどで終了。第2回の日程はまだ決まっていないという。(2005/10/20 07:40)<岡山県−4>
「粗暴、残虐なゲームソフトの販売規制」などを検討していた岡山県青少年問題協議会は2005年10月21日、団体指定の導入など求める答申を行なった。団体指定の導入については、ゲームソフトを「個別に審査して有害指定することは事実上困難」だとして、「別途、団体を指定し、その団体の審査を適用して、有害図書とすること」が適当だとした。県青少年問題協議会の答申は次のページで確認することができる。(2005/10/25 07:00)
▼「岡山県青少年保護育成条例の改正について(答申)」
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/seisyonen/toushin/toushin.htm(岡山県)<東京都−9>
『朝日新聞』(東京版)2005年10月25日付30面に掲載された「石原知事発言録」には、ゲーム業界に18禁表示を要請したことについて質問を受けた21日の記者会見でのやりとりがまとめられている。(2005/10/25 07:40)<東京都−10>
1.『読売新聞』(東京版)2005年10月30日付28面に掲載された「「残虐ゲーム」に線引きを」というコラムでは、東京都が業界に行った自主規制強化の提案について、「「残虐な表現をやめろ」ということではなく、「18歳未満禁止」のシールを張るなどして、業界自ら子どもに不適切なソフトを見極め、線引きするよう求めたものだ」と“解説”。また、「子どもに悪影響を与えるかもしれないものを遠ざけたいのは、親の当然の心情だ」などと主張している。
テレビゲーム業界は2002年10月から「年齢別レーティング制度」の運用を開始し、ソフトの格付けを行っている。既に「全年齢対象」「18歳以上対象」などの表示がパッケージに付されており、ソフトの線引きは行われている。したがって、この表示を参考に保護者は購入するソフトを選ぶことが可能だ。コラムの筆者は「年齢別レーティング制度」のことを知っているのだろうか。一方、東京都が2002年3月に発表した『青少年をとりまくメディア環境調査報告書』によると、暴力的なゲームへの対応策として、小・中・高校生の保護者の多くは「子ども自身の判断力を育てる」ことを望んでいた。こうした「心情」が無視されているのはなぜだろうか。(2005/10/31 07:40)2.1のコラムは、2005年10月の「テレビゲームと子どもに関する協議会」で東京都が行った提案について、「都は先ごろ、残虐シーンを含むゲームについて、青少年への販売禁止などの自主規制を強化するよう業界を指導した」と“解説”している。このコラムに限らず、読売新聞は「指導」という語を頻繁に使っている。たとえば「ゲームソフト業界に「18歳未満禁止」を表示するよう指導することを決めた」(2005年10月13日夕刊)、「「18歳未満禁止」の表示を行うよう業界団体や各メーカーの関係者に指導した」(2005年10月20日朝刊)がそうである。
ところが、東京都が協議会で配布した資料には、「東京都としては、家庭用テレビゲームについて、条例第9条の2の「表示図書類」としての表示を付すよう提案します」とあり、「指導」という言葉はどこにもない。また、「有害」規制監視隊が確認できた朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、日本経済新聞は「要請した」「理解を求めた」などの表現を用いている。
そもそも東京都には「「表示図書類」としての表示を付すよう」ゲームソフト業界を「指導」する条例上の権限はない。読売新聞が「指導」という語を多用するのはなぜだろうか。「指導」できない東京都にかわって、読売新聞が「指導」しているつもりなのだろうか。(2005/11/1 07:40)
【関連リンク】
▼「有害」規制に関する用語集 表示図書類
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/terms/hyouji.htm(「有害」規制監視隊)<京都府−3>
1.『京都新聞』2005年11月1日付28面に掲載された「ゲームソフトの有害指定を議論 府健全育成審」という記事では、31日に開かれた京都府青少年健全育成審議会について報じている。
2.山田啓二・京都府知事は2005年10月14日の記者会見で、神奈川県と埼玉県が指定したゲームソフトについて、「私どももその資料を見ましたけれども、このゲームはたしかにひどい」とコメント。京都府も同じゲームソフトを12月の審議会に諮る方針だという。(2005/11/4 07:40)<その他−6>
1.『日本経済新聞』2005年11月6日付34面に掲載された「暴力的ゲーム「子供に有害」 米で広がる販売規制」という記事は、アメリカにおけるゲームソフト規制の動きを伝えている。
2.アメリカで行われている様々な取り組みについては、「青少年を取り巻く有害環境対策に関する調査研究協力者会議」が2004年3月にまとめた報告書『「子どもとテレビゲーム」に関するNPO等についての調査研究−米国を中心に−』がとても参考になる。この報告書は次のページで確認することができる。(2005/11/6 07:20)
▼「「子どもとテレビゲーム」に関するNPO等についての調査研究−米国を中心に−」
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/04033001.htm(文部科学省)<八都県市>
1.青少年条例の強化・共通化を進めてきた八都県市は2005年11月1日、第48回八都県市首脳会議(首都圏サミット)を11月16日に開催すると発表した。
▼「第48回八都県市首脳会議の開催について」
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0511/22003/index.htm(神奈川県)
松沢成文・神奈川県知事は2005年5月25日の定例記者会見で、ゲームソフトの規制について、「次の首都圏サミットで提起をしまして、できれば、一都三県の条例でそういう規定がありますので、それを利用して共通の規制にしていけるように提起をしていきたい」と述べている。また、『日本経済新聞』(神奈川版)2005年8月5日付35面に掲載された「ゲームソフト規制じわり 首都圏に拡大へ」という記事によると、神奈川県は「秋の首都圏サミットで共通ルールの導入を提案する。事務局が水面下で調整を進めている」という。16日の首都圏サミットでは、ゲームソフトの規制について何らかの提案があるのかもしれない。
2.八都県市では、神奈川県児童福祉審議会社会環境部会、埼玉県青少年健全育成審議会、東京都の「テレビゲームと子どもに関する協議会」がゲームソフトへの対応策を検討している。ただし、「有害」規制監視隊が確認できた範囲では、これらの会議で「共通ルール」に関する具体的な話は出ていない。
3.八都県市では、神奈川県が2005年6月、埼玉県が2005年9月にゲームソフトを「有害」指定(個別指定)している。指定を決めた審議会の議事内容は次のページで確認することができる。
▼「神奈川県児童福祉審議会社会環境部会の概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/index.htm(神奈川県)
▼「埼玉県青少年健全育成審議会議事録(平成17年度)」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A01/BR00/seisyounen/03sinngikai/gijiroku/h17-18/17-19gijiroku.html(埼玉県)
(2005/11/8 07:40)<全国知事会>
Yahoo!ニュースに2005年11月9日付で掲載された「有害ソフトの自主規制要請へ=ゲーム関係団体に−知事会」という記事によると、全国知事会の社会文教常任委員会は9日、ゲーム関係団体に対する要請書案をまとめたという。10日の知事会議で正式決定するという。
▼「有害ソフトの自主規制要請へ=ゲーム関係団体に−知事会」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051109-00000097-jij-pol(Yahoo!ニュース)
全国知事会でゲームソフトの規制を呼びかけた松沢成文・神奈川県知事は2005年7月20日の定例記者会見で、「多くの知事さんに賛同いただきました」と報告。「全国知事会の社会文教部会(社会文教常任委員会)でもこれを1回見て、またほかのゲームソフト等も勉強してですね、知事会全体で行動を起こすことができるのか、あるいは少なくとも知事会全体で業界団体に自主規制の強化を求めていくという方向も目指せると思います」と語っていた。なお、神奈川県が2003年10月に作成した資料によると、ゲーム関係団体に対する都道府県単位の要請には前例がある(例:平成10年埼玉県)。(2005/11/10 06:40)<千葉県−1>
千葉県は2005年11月10日、「千葉県青少年問題協議会指導育成部会」の開催概要を発表した。日時は11月17日(木)午後2時から。会場は千葉県庁本庁舎1階多目的ホール。問合せ先などは次のページで確認することができる。
▼「「千葉県青少年問題協議会指導育成部会」の開催について」
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/seimon2/kaisai.html(千葉県)
議題の一つには「諮問事項について(有害図書等の指定)」とあることから、神奈川県や埼玉県に続いて千葉県でも、ゲームソフトの個別指定が審議されるのかもしれない。(2005/11/11 06:25)<全国知事会−2>
『読売新聞』(横浜版)2005年11月11日付33面に掲載された「残虐ゲーム販売自主規制強化 業界団体に要請へ 全国知事会」という記事によると、全国知事会は10日、18歳以上対象の家庭用ゲームソフトの青少年への販売制限・区分陳列の徹底、各販売店での自主規制状況の検証などを業界団体に要請することを決めたという。松沢成文・神奈川県知事が団体を訪ね、要請文を手渡す予定だという。
神奈川県は2005年6月にゲームソフト1本を個別指定したさい、販売店向けの説明会を開催している。『読売新聞』(神奈川版)2005年6月18日付32面に掲載された「残虐ゲーム規制 業者に陳列方法など説明 県 案内の50社中、14社出席」という記事によると、このとき「有害図書類に指定されたゲームは、店内でデモ映像も流してはいけないのか」という質問があり、県青少年課は「デモ映像も流してはいけない」と答えていたという。
たしかに神奈川県が作成した『神奈川県青少年保護育成条例の解説』(2002年)には、「陳列」の定義について、「商品を不特定多数の人の目に触れる状態におくことをいう」「映画、ビデオをモニターやスクリーンに映し出すこと、パソコンソフトを起動してモニターに表示すること等がこれにあたる」とある。知事会の要請は、18歳以上対象の家庭用ゲームソフトについて、デモ映像の自主規制も含めた区分陳列を求めているのだろうか。デモ映像は広く利用されているだけに、区分陳列の範囲が注目される。(2005/11/14 07:40)<全国知事会−3>
松沢成文・神奈川県知事は2005年11月15日の定例記者会見で、「17日(木)に家庭用ゲームソフトの販売等に関する自主規制について、私が全国知事会を代表して業界団体、関係業界に対する要請活動を行う」と発表した。「全国知事会としても、テレビゲーム関係業界団体に対して自主規制の徹底を申し入れる」のだという。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/11/17 07:00)
▼「定例記者会見(2005.11.15)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/051115.htm(神奈川県)<全国知事会−4>
『日本経済新聞』2005年11月17日付夕刊23面に掲載された「残虐ゲーム「18禁」表示を 全国知事会 ソフト業界に自主規制要請」という記事によると、全国知事会は17日、テレビゲームの業界団体とソフトの審査を担当するNPO法人に対し、「18禁」表示の導入や販売店における区分陳列、年齢確認の検証などを要請したという。業界側は来年1月から「18禁」に該当する新区分を作る方針を明らかにしたという。
「18禁」のレーティングについては、東京都の青少年治安対策本部長が2005年10月の第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、「18歳未満の者には販売しないという意味でのレーティング制度とされるべきではないか」と述べるなど、行政から制度の見直しを求める声が出ていた。一方、ソフトの審査を行っている特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)の理事長は2005年9月に開かれたパネルディスカッションで、「有害なソフトというものは認定していなかったが、これからはある程度、大人にとって有益であり、娯楽性があればそれを認めていく。しかしそのかわり18歳未満には売らない」「将来はそういうレーティングも議論しようかというのは現在CEROでも話している」と発言。現行の制度を見直す可能性があることを示唆していた。(2005/11/17 20:00)<千葉県−2>
千葉県は2005年11月17日に開かれた千葉県青少年問題協議会指導育成部会にゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を個別指定すべきか諮問した。傍聴された方によると、ゲームソフトの映像をスクリーンに映し出し、ゲームの仕組みや認定基準に該当する場面の説明が行われたという。映写は30分ほど続いたものの、各委員が意見を述べたのは10分程度。議長が「指定をするということを答申したいと思いますがよろしいでしょうか」と確認すると、残りの委員全員(7人)が指定に賛同したという。「グランド・セフト・オートV」は2005年6月7日に神奈川県、9月16日に埼玉県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。指定の告示は約2週間後の予定だという。(2005/11/17 20:00)<全国知事会−5>
『東京新聞』2005年11月18日付3面に掲載された「ゲームソフト 販売禁じる新区分検討 業界団体、18歳未満対象」という記事によると、全国知事会から自主規制強化の要請を受けたCEROの理事長は17日に記者会見を開き、「現行の『十八歳以上』に区分されるソフトのほとんどは、条例に触れないと考えているが、禁止表現ぎりぎりで判断が分かれる限界事例はある。これらを新区分に入れ、条例指定対象とする方法を検討している」と述べたという。
「条例指定対象とする方法」の詳細は不明だが、団体指定を想定しているものと思われる。団体指定では、知事の指定した業界団体が青少年に不適当とした図書類は「有害図書類」とみなされる。団体指定は2005年4月までに11府県が導入。2005年10月に大阪府が導入したほか、徳島県、兵庫県、岡山県などでも導入が予定されている。一方、岐阜県青少年育成審議会は2004年11月にまとめた答申で、「有害図書類の迅速な指定を行う方策のひとつとして、業界団体自体を指定して、業界が指定したものを有害図書類とする団体指定方式について審議したが、行政が罰則規定をともなう有害図書類の指定を行う以上は、基準が曖昧であってはならないことから、その採用については慎重な対応が必要である」と提言している。(2005/11/18 07:10)<京都府−4>
1.京都府は2005年11月17日までに家庭用テレビゲームへの対応を協議した京都府青少年健全育成審議会営業対策部会の「議事要旨」を公表した。議事要旨によると、2005年10月31日の会合では「京都府において購入、作成した神奈川県及び埼玉県指定テレビゲームソフト(GTAV)の録画映像の映写」などが行われ、「問題のあるテレビゲームソフトの有害指定について、次回以降に具体的な検討を行うこと」が確認されたという。
2.京都府が2005年10月14日に発表した「家庭用ゲームソフトの有害指定について」という資料には、「有害指定する方向で、京都府青少年健全育成審議会の意見を聞くこととしました」とある。したがって、京都府が作成した「テレビゲームソフト(GTAV)の録画映像」は、「有害指定する方向」で編集されていた可能性が高い。
もっとも、「京都府青少年健全育成審議会」自体が京都府の方針に従う人々で組織されている可能性もある。京都府の例ではないものの、『読売新聞』2004年11月16日付夕刊や『朝日新聞』2005年2月27日付朝刊は、審議会委員に内定していた人物が役所から意見を変えるよう求められ、従わなかったところ辞任を求められたケースを報じている。
3.議事要旨には「今後の対応について審議を行」ったとある。一方、2の資料には「12月中に審議会を開催し、家庭用ゲームソフトについて有害指定を行う」とある。既に決まっていた「今後の対応」について、どのような審議が行われたのか興味深いが、具体的な議事内容は不明である。
審議会の運営については、たとえば総務副大臣主宰の「情報公開法の制度運営に関する検討会」は2005年3月にまとめた報告書で、「審議会等及び行政運営上の懇談会等については、各行政機関において、今後とも、その議事内容を始めとして情報提供の充実を図る必要がある」と指摘している。一方、府ホームページを通じた京都府青少年健全育成審議会の情報提供は、2002年の時点からまったく進歩していない。しかもその内容はゲームソフトの指定を決めた神奈川県や埼玉県、千葉県と比較しても極めて不十分である。また、「有害」規制監視隊は2004年11月、府ホームページにおける審議会の議事録・資料の公開などを求める意見を提出しているが、一向に改善されていない。
京都府はなぜ、「情報提供の充実」に消極的なのだろうか。(2005/11/21 07:05)
【関連リンク】
▼「京都府青少年健全育成審議会(開催結果 概要一覧)」
http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/kekka/index.html(京都府)
▼「平成17年10月14日知事会見項目」
http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/kaiken2005/051014/051014-koumoku03.html(京都府)<広島県−1>
広島県が2005年11月21日までに発表した「広島県青少年環境整備審議会開催案内」によると、24日の会合では「青少年に有害な表現が含まれる家庭用ゲームソフトに係る青少年への販売等の規制について」などを協議するという。
▼「広島県青少年環境整備審議会開催案内」
http://www.pref.hiroshima.jp/kaigi/kankyou/seishounenkankyou/kaisai051124.html(広島県)
家庭用ゲームソフトについては、神奈川県が2005年6月7日、埼玉県が2005年9月16日にゲームソフト1本を個別指定している。また、千葉県では2005年11月17日に県青少年問題協議会指導育成部会がゲームソフト1本の個別指定を決定(告示は12月上旬ごろの予定)。京都府も2005年10月14日に「12月中に審議会を開催し、家庭用ゲームソフトについて有害指定を行う」という方針を明らかにしている。
一方、団体指定を導入する府県も増えている。団体指定は2005年4月までに11府県が導入。2005年10月に大阪府が導入したほか、徳島県、兵庫県、岡山県などでも導入が予定されている。青少年条例の強化を予定している広島県では、団体指定の導入が検討されるのかもしれない。(2005/11/22 07:15)<東京都−11>
東京都は2005年11月24日、第2回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催概要を発表した。日時は2005年12月1日(木)午前10時〜午前11時。会場は都庁第一本庁舎33階特別会議室N6。問い合わせ先などは次のページで確認することができる。
▼「第2回「テレビゲームと子どもに関する協議会」の開催について」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2005/11/40fbo200.htm(東京都)
10月19日に開かれた初会合で、東京都は「家庭用テレビゲームについて、条例第9条の2の「表示図書類」としての表示を付す」ことなどをテレビゲーム業界に提案。また、協議会の会長である舟本馨・都青少年治安対策本部長は「残虐なシーン等が含まれるテレビゲームに係る年齢別レーティング制度のあり方としては、購入の目安ということではなく、やはり18歳未満の者には販売しないという意味でのレーティング制度とされるべきではないか」と述べている。1日の会合では業界側がこうした要請に対する回答を示すものと思われる。(2005/11/25 07:45)<石川県−2>
1.『北國新聞』2005年11月24日付19面「青少年健全育成地域挙げて推進 金沢でフォーラム」という記事によると、青少年健全育成地域フォーラム石川大会が23日に金沢市内で開かれ、文科省参事官と県健康福祉部長があいさつ、坂元章お茶の水女子大教授が「ゲームやビデオが子どもに与える影響について」と題して講演したという。また、保護者や業界関係者らがゲームやビデオなどへの対応について話し合ったという。
2.『新聞協会報』2005年9月20日付3面「文科省、総合学習さらに推進 有害環境対策費54%増」という記事によると、文科省は2006年度予算として、「青少年と保護者を対象にしたメディア対応能力育成事業、有害な図書やビデオの区分陳列やノーテレビデー等のキャンペーン、全国フォーラムの開催など」の「青少年有害環境対策」に今年度当初予算比53.7%増の9千27万7千円を要求したという。(2005/11/28 07:35)
3.神奈川県の青少年課長は2005年3月1日の神奈川県議会県民企業常任委員会において北井宏昭委員からゲームソフトの規制について質問を受け、「ゲームソフトの及ぼす影響について調査をいたしておりますお茶の水女子大学教授ですとか、それから自主的に倫理規定などを設けまして取り組んでおりますコンピュータエンターテインメント協会の専務理事、こうした方々からも現状などをお伺いして、指導に向けての環境を整え、(中略)これから実際の有害指定の手続きに入っていきたい」と答えている。「ゲームソフトの及ぼす影響について調査をいたしておりますお茶の水女子大学教授」とは、坂元章・お茶の水女子大教授のことだと思われるが、やりとりの具体的内容は明らかにされていない。なお、神奈川県は2005年6月にゲームソフト1本を個別指定している。
4.2005年10月19日に東京都で開かれた第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」を傍聴された方によると、当日は文部科学省の関係者が来ていたという。ただ、発言はなく、座席表にも記載されていないという。第2回協議会は12月1日に予定されている。(2005/11/29 07:40)
<東京都−12>
テレビゲーム業界にレーティング制度の見直しなどを求めていた東京都は2005年12月1日、第2回「テレビゲームと子どもに関する協議会」を開催した。傍聴された方によると、ソフトの審査を担当しているNPO法人のCEROは、従来の年齢別の表記にかえ、「A」「B」「C」「D」「Z」という新区分を2006年2月から実施すると発表し、業界団体のCESAは「Z」の区分を「18歳未満販売禁止」の区分にする方針を示したという。これに対し東京都からは、「D」と「Z」の境界や、従来のレーティングとの対応関係などについて質問があったという。(2005/12/02 07:50)写真=区分の対応関係について説明を受ける舟本馨・青少年治安対策本部長(右端)。
<京都府−5>
1.『日本経済新聞』2005年12月5日付42面に掲載された「残虐ゲームどう規制」という記事によると、京都府は「年内に最新ソフトを含め複数を有害図書指定する方針」だという。藤川大祐・千葉大学教育学部助教授(メディア教育)の「自治体の規制は短絡的な解決策」という話も掲載されている。
2.1の記事は、家庭用テレビゲームの「有害図書」指定について、「雑誌やビデオと違い審査には膨大な労力と時間が必要」と解説している。ここで注意すべきなのは、「審査」という言葉が青少年課によるゲーム場面の録画・編集を意味している点である。ゲームソフトの指定を決めた2005年5月30日の神奈川県児童福祉審議会社会環境部会、9月9日の埼玉県青少年健全育成審議会、11月17日の千葉県青少年問題協議会指導育成部会では、審査にあたり、ゲーム場面を録画した映像が使われている。映写は10〜30分。委員が意見を述べた時間を含めても審査時間は1時間ほどである。記事で使われている表現は、実際の審査に「膨大な労力と時間」が掛けられているという印象を与えかねない。
3.1の記事によると、京都府は「コンピューター系専門学校に依頼、ゲームが進行する画像を録画してもらった」という。このことからも、録画や編集に手間がかかるだけであり、実際の審査は形骸化していることがわかる。そもそも実際の審査に「膨大な労力と時間が必要」だとすれば、「複数を有害図書指定」できるのだろうか。
4.京都府が2005年10月14日に発表した「家庭用ゲームソフトの有害指定について」という資料には、「有害指定する方向で、京都府青少年健全育成審議会の意見を聞くこととしました」とある。したがって、京都府が作成する録画映像は、「有害指定する方向」で編集される可能性が高い。
もっとも、「京都府青少年健全育成審議会」自体が京都府の方針に従う人々で組織されている可能性もある。京都府の例ではないものの、『読売新聞』2004年11月16日付夕刊や『朝日新聞』2005年2月27日付朝刊は、審議会委員に内定していた人物が役所から意見を変えるよう求められ、従わなかったところ辞任を求められたケースを報じている。
5.審議会の運営については、たとえば総務副大臣主宰の「情報公開法の制度運営に関する検討会」は2005年3月にまとめた報告書で、「審議会等及び行政運営上の懇談会等については、各行政機関において、今後とも、その議事内容を始めとして情報提供の充実を図る必要がある」と指摘している。一方、府ホームページを通じた京都府青少年健全育成審議会の情報提供は、2002年の時点からまったく進歩していない。しかもその内容はゲームソフトの指定を決めた神奈川県や埼玉県、千葉県と比較しても極めて不十分である。また、「有害」規制監視隊は2004年11月、府ホームページにおける審議会の議事録・資料の公開などを求める意見を提出しているが、一向に改善されていない。
京都府はなぜ、「情報提供の充実」に消極的なのだろうか。(2005/12/5 07:35)
【関連リンク】
▼「京都府青少年健全育成審議会(開催結果 概要一覧)」
http://www.pref.kyoto.jp/shingikai/gaiyou/seisyo-01/kekka/index.html(京都府)
▼「平成17年10月14日知事会見項目」
http://www.pref.kyoto.jp/koho/kaiken/kaiken2005/051014/051014-koumoku03.html(京都府)<栃木県−1>
上野通子議員は2005年9月28日の定例県議会において、「青少年に対するネット情報を含む有害情報への対応の強化や青少年の深夜外出の抑止、そして、非行につながる行為への対応強化などにかかわる条例の改正が必要」と述べ、「条例改正の進捗状況と今後の見通し」について質問した。これに対し、生活環境部長は「県としてはできる限り早い時期の改正を目指しまして、改正作業を進めてまいりたい」と答えている。
上野議員は「青少年に対する悪影響を考えると、栃木県でも残虐ゲームソフトの取り扱いにしても、何らかの早急な対応が必要」との認識を示したが、「条例による規制の強化が青少年の健全育成に最良の方法であるとは決して言い切れない」と指摘。「子供たちに対する周囲の大人や保護者の正しい判断力の育成やモラル教育の充実も重要」とも主張している。定例県議会の会議録は次のページで確認することができる。(2005/12/13 06:50)
▼栃木県議会
http://www.pref.tochigi.jp/gikai/index.html(栃木県)<千葉県−3>
1.千葉県は県青少年問題協議会指導育成部会の答申に基づき2005年12月13日、ゲームソフト「グランド・セフト・オートV」の「有害」指定を告示した。「グランド・セフト・オートV」は2005年6月に神奈川県、9月に埼玉県が「有害」指定したゲームソフトと同一タイトル。
▼「千葉青少年健全育成条例第10条第1項の規定による有害図書等(家庭用ゲームソフト)の指定について」
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/b_kenmin/seisyounen/seimon/gamesitei.html(千葉県)
2.藤川大祐・千葉大学教育学部助教授(メディア教育)は『日本経済新聞』2005年12月5日付42面に掲載された話のなかで「発達段階にある青少年の保護のためには残虐なゲームで遊ばせない努力が必要で、多少の規制はやむを得ない」としながらも次のように述べている。「ゲーム機が広く普及し、子どもの遊びの主役になっている以上、自治体による規制は短絡的な解決策にすぎない。家庭や学校でゲームとの付き合い方を子どもに指導することが重要だ」
なお、藤川助教授は千葉県青少年問題協議会の委員だが、所属する部会が異なるため、ゲームソフトの指定を決めた2005年11月17日の指導育成部会には出席していない。
3.菅谷明子『メディア・リテラシー』(岩波新書、2000年)には、イギリスの教育団体によるゲーム関連授業の具体例が紹介されている。この授業は、「ゲームを建設的に批評し、かつ技術面での理解を深めた上で、実際にゲームをデザインする」とともに、「ゲームと文化の関係についても検討していく」ものだという。詳しくは同書218-223頁を参照。(2005/12/14 07:20)<岩手県−2>
岩手県が2005年12月15日までに発表した岩手県青少年環境浄化審議会の議事概要によると、2005年12月12日に開かれた第310回審議会では、県から「ゲームソフト(グランドセフトオートV)の内容等」について情報提供が行われたという。会議結果は次のページで確認することができる。
▼「審議会等の会議」
http://www.pref.iwate.jp/~hp020501/kaigi/(岩手県)
「グランド・セフト・オートV」は2005年6月7日に神奈川県、9月16日に埼玉県、12月13日に千葉県で「有害図書類」に指定されている。(2005/12/16 07:00)<その他−7>
2005年12月16日(金)のフジテレビ「LIVE2005ニュースJAPAN」(23:58〜翌0:23)は「TVゲームと少年犯罪」を特集する。フジテレビは12月1日に都庁で開かれた第2回「テレビゲームと子どもに関する協議会」を取材していたことから、議論の様子などが放送されるのかもしれない。(2005/12/16 23:20)<その他−8>
1.フジテレビ「LIVE2005ニュースJAPAN」で2005年12月16日に放送された「TVゲームと少年犯罪」では、神奈川県によるゲームソフトの「有害」指定や東京都によるゲーム業界への自主規制強化の要請などについて、「テレビゲームが犯罪を誘発しているという懸念の裏には青少年による凶悪犯罪増加への不安がある」と説明。さらに少年による凶悪犯罪の統計を示し、「青少年による凶悪犯罪は長期的に見れば大幅に減少し、その後大きな変動は見られない。そしてゲームとのかかわりも未だ不明確なままだ。しかし、テレビゲームに青少年犯罪の原因を求める声は跡をたたない」とまとめている。2.「テレビゲームが犯罪を誘発しているという懸念の裏には青少年による凶悪犯罪増加への不安がある」という説明は妥当だろうか。ゲームソフトの規制を検討していた神奈川県が2003年10月に作成した資料には、「昨今の凶悪な少年事件については、有害(特に残虐性・粗暴性を甚だしく誘発・助長するおそれのある)ゲームソフトとの関連性がマスコミ等から指摘されている」ことから、「有害ゲームソフトの指定等に係る検討を行うに当たり、各都道府県における有害指定等の状況を把握するため調査を行」ったと記されている。
また、2005年10月の第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、東京都の青少年・治安対策本部長は「近時の少年による特異、重大事件のなかには、残虐なシーンのあるテレビゲームの影響を受けた可能性があるといった報道がなされるなど、そうした事件の背景要因としてテレビゲームによる影響の可能性を指摘する声があるのも事実」と述べている。
「テレビゲームが犯罪を誘発しているという懸念の裏」には、「青少年による凶悪犯罪増加への不安」ではなく、「テレビゲームに青少年犯罪の原因を求める」報道があるといえる。1の説明は十分な取材を行わず、制作者の先入観が強く反映されていた可能性がある。3.犯罪統計を基礎にメディアの影響を議論する方法は、犯罪の増減がいかなる原因によるものなのか特定できないという欠点がある。そして、悪影響に関する理論は犯罪統計を根拠にしているのではない。これらは20年以上前に出版されたアイゼンクらによる『性・暴力・メディア』で既に論じられているのだが、その後も犯罪統計を基礎に悪影響を否定するケースが“後をたたない”(例:福島章「性表現と青少年」清水英夫・秋吉健次編『青少年条例』、1992年)。
1のようなまとめ方になるのは、メディアの影響研究に関する知識が乏しい、あるいは意図的に無視した結果だと思われる。さらに、1のような説明にまったく疑いを持っていない結果とも考えられる。厳しい言い方をすれば、このような報道、論法は、規制の背景要因である「テレビゲームに青少年犯罪の原因を求める」報道を棚上げし、メディアの影響研究に関する誤解を広め、的外れな批判を“誘発”するだけである。また、悪影響の有無と規制の是非を混同させかねないともいえるだろう。4.メディアの影響研究については(1)〜(6)、VTRに登場していた長谷川眞理子・早大教授の主張については(7)が参考になる。なお、(2)にはメディア暴力への対応策として教育的介入など規制以外の取り組みが紹介されている。
(1)H.J.アイゼンク、D.K.B.ナイアス『性・暴力・メディア』岩脇三良訳(新曜社、1982年)
(2)佐々木輝美『メディアと暴力』(勁草書房、1996年)
(3)坂元章「テレビゲームは子どもの心にどう影響するか(2) テレビゲームは暴力性を高めるか」『児童心理』第53巻第2号(1999年)、105-112頁
(4)大渕憲一「子どもの攻撃性が暴力にかわるとき(3) マス・メディアの影響」『児童心理』第55巻第4号(2001年)、109-115頁
(5)佐々木輝美、坂元章「対談 メディアの暴力について考える 〜映画「バトル・ロワイアル」を手がかりに〜」『視聴覚教育』2001年5月号、30-39頁
(6)坂元章「10代の青少年と電子メディア ―心と体への影響―」『学術の動向』第6巻第9号(2001年)、22-25頁
(7)長谷川寿一、長谷川眞理子「戦後日本の殺人の動向 とくに嬰児殺しと男性の殺人について」『科学』2000年7月号、560−568頁
(2005/12/20 06:25)<広島県−2>
青少年条例の見直しを検討している広島県は2005年12月20日、平成17年度第6回広島県青少年環境整備審議会の議事録をホームページで公開した。これによると、11月24日の会合では、家庭用ゲームソフトへの対応策として事務局が団体指定の導入を提案したところ、「民間団体が刑罰対象となる案件の該当性を判断することには問題がある」「具体的にどういうタイプのゲームソフトが有害指定されるのか県で示すべきだ」などの意見があったという。これらの意見を受け、議長は「導入については適当と認めるが、県が指定基準を示すことや県の監督権限留保のあり方について、引き続き慎重に審議を進めて答申案をまとめることとしたい」と述べている。議事録は次のページで確認することができる。(2005/12/21 07:00)
▼「議事録一覧」
http://www.pref.hiroshima.jp/kaigi/gijirokuindex.html(広島県)<京都府−6>
ゲームソフトの規制を検討していた京都府は2005年12月20日、ゲームソフト2本の「有害」指定を告示した。指定されたのは「グランド・セフト・オート・バイスシティ」と「グランド・セフト・オートV」の2本。「グランド・セフト・オートV」については2005年6月に神奈川県、9月に埼玉県、12月に千葉県で「有害」指定されている。(2005/12/28 06:35)