ゲームソフトの「有害」指定
(2005年6月まで)


<愛知県−1>
 『東京新聞』2004年9月22日付「有害ゲーム規制検討 愛知県 暴力場面多いソフト」という記事によると、愛知県は21日までに県青少年保護育成条例を改定し、暴力シーンの多いテレビゲームソフトなどを規制する方針を固めたという。有識者の意見を参考に、青少年に適さないソフトを「有害図書類」に指定する方法などを検討するという。(2004/9/23 06:20)

<神奈川県−1>
 神奈川県は「神奈川県児童福祉審議会社会環境部会」を2005年2月7日(月)午前10時から開催する。会場はワークピア横浜2階(201号室)。傍聴の受付は、当日午前9時30分から9時45分まで会場において行われる(傍聴希望者が10人を超えた場合は抽選)。議題は「神奈川県青少年保護育成条例の見直しの概要について」など。(2005/1/26 06:40)
▼審議会等の会議開催予定
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/kaisai/index17-2.htm(神奈川県)

<神奈川県−2>
1.『朝日新聞』(大阪版)2004年10月5日付夕刊に掲載された「『有害』雑誌封印大阪も 府、条例改正へ ビニール包装義務化」という記事によると、東京都で施行され、大阪府も導入する方針を固めたという「有害図書類」の包装義務化について、ミニストップ(本社・千葉市)は、「東京以外でもこうした動きは出てくると予想していた。今後は規制に先回りし、他の地域での措置も検討したい」と話しているという。
2.横浜市が設置する
「有害図書の青少年への販売防止対策検討委員会」では、「コンビニエンスストア販売実態調査」の一環として、チェーン本部13社に対するヒアリングが行われた。チェーン店への指導方針などをまとめた調査結果は2004年9月7日の第2回会合で配布されている。
 また、第5回会合(2005年1月26日開催)で配布された「青少年育成に向けての12の提言 −有害図書の青少年への販売防止対策−」(案)を「有害」規制監視隊が入手したところ、「業界・店舗に向けての提案」として次のような提言が盛り込まれていた。

提言5 青少年の育成に配慮した経営

 各店舗においては、有害図書を置かない、販売しないということだけでなく、青少年が安心して利用できるよう、青少年の育成に配慮した経営方針を採るべきだ。
 有害図書を置いていない店舗であるということを表示することや、PRすることで、地域のつながり、信頼関係を築き、地域に愛される店舗をめざしていくべきだ。
 もし、有害図書の販売を行うとしても、区分陳列・販売の徹底を図り、グレーゾーン誌のシール止めをはがれにくく目立つようにする、紐かけやビニール包装にするなどの工夫をさらに行うべきだ。
 また、各店舗では、「青少年への販売禁止」の徹底を図るとともに、立ち読みしている青少年がいた場合には、より積極的な声かけを行うべきだ。

 委員会は今後、2月に提言(案)を公開して市民から意見を募り、3月の第6回検討委員会で提言を確定する予定。
【関連リンク】
▼横浜市青少年問題協議会
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/seishonen/seisyoukyou.html(横浜市)
▼「横浜市 グレーゾーン対策も検討へ 第2回販売防止対策検討委員会」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2004/36.htm(「有害」規制監視隊)

3.平成16年度第3回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会(2004年11月29日開催)で配布された「青少年の深夜外出防止対策と有害情報の効果的規制の考え方 (神奈川県青少年保護育成条例の改正に向けて)」(案)を「有害」規制監視隊が入手したところ、「有害図書類」については次のような取組等が盛り込まれていた。

・「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」
・「今後は、区分陳列の実効性をより徹底するための区分陳列の強化が求められている。また、罰則のあり方として公表などの検討も必要である」
・「被覆機能を強化するため、有害図書類については、ひも掛け、ビニール包装を基本とする」
・「
図書自動販売機そのものを社会環境阻害因子としてとらえ、遠隔監視システム付き自動販売機を明確に条例の規制対象とするとともに通学路等への設置を禁止する必要がある
・「『例示通知』を個別指定に準じた位置づけにするなど、東京都の条例と実質的に同一となる取組を行い、コンビニエンスストア等の『非取り扱い図書』として、業界全体にこうしたメッセージを発信していく必要がある」

 神奈川県は2月7日に開かれる予定の県児童福祉審議会社会環境部会を経て、2月定例会に県青少年保護育成条例改定案を提出する見通し。(2005/2/4 07:30)

<神奈川県−3>
 神奈川県が発表した審議速報によると、平成16年度第4回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会は県青少年保護育成条例の見直しなどについて協議したという。また、「残虐なゲームソフトの有害指定」について、「審議会の場で内容を確認する方法により審査することを確認した」という。条例改定案は2月15日に開会する平成17年2月定例会に提出され、3月23日に可決される見通し。(2005/2/9 07:15)
▼「審議速報」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/sokuhou/index17-2.htm(神奈川県)

<神奈川県−4>
 『東京新聞』2005年3月2日付「残虐ゲーム有害指定へ 神奈川県 少年への販売を禁止」という記事によると、神奈川県は残虐な描写が登場するテレビゲームソフトを「有害図書類」に指定する方針を固めたという。1日の県議会委員会で明らかにされたといい、今後は東京都、千葉県、埼玉県にも共同歩調を呼びかけるという。また、5月の県児童福祉審議会社会環境部会で数件のソフトを審査するという。(2005/3/2 07:10)

<神奈川県−5>
1.神奈川県が2005年2月8日に発表した平成16年度第4回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会の審議速報には、「残虐なゲームソフトの有害指定」について、「審議会の場で内容を確認する方法により審査することを確認した」とある。「審議会の場で内容を確認する方法」とは個別指定のことである。
▼「審議速報」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/sokuhou/index17-2.htm(神奈川県)
2.「有害」規制監視隊が平成16年度第4回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会で配布された資料を入手したところ、「特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)により『18歳以上対象』に区分されたゲームソフトの例」という資料が含まれていた。この資料では、PS2やXboxに対応したゲームソフト6本が紹介されており、5月の審議会ではこれらに類するソフトが個別指定されるのかもしれない。
3.
個別指定の定義については、「包括指定に比べより概括的」(淺野博宣「パソコンゲームソフトの有害図書類指定」『法学教室』第246号別冊付録(2001年)、8頁)という批判がある。実際、包括指定を導入している県は、「有害」規制監視隊の意見に対し、「包括指定の基準に至らない図書類については、従来どおり「個別指定」により行うこととしております」(秋田県)、「包括指定の基準は、個別指定の基準から、より限定して定められています」(鳥取県)と回答している。また、個別指定包括指定と異なり、写真や絵だけでなく、文章も規制できるほか、性表現に限らず、様々な表現を規制することが可能である。包括指定よりも強力な規制を行うことができる個別指定何らかの歯止めが設けられない限り、「有害図書類」の範囲は今後も拡大し続けるだろう。
4.神奈川県は1999年10月に鶴見済『完全自殺マニュアル』(太田出版、1993年)を個別指定している。このとき審査、判定を行った神奈川県児童福祉審議会文化財部会には、平松雄造・神奈川新聞社写真部長兼論説委員が委員として出席していた。指定の是非を外部からチェックすべきメディア関係者が、公的規制の一部に組み込まれていたのはなぜだろうか?(2005/3/2 07:10)

<東京都−1>
 『東京新聞』(東京版)2005年3月5日付25面に掲載された「残虐ゲームソフト規制 「東京都も協力したい」 4日発言」という記事によると、石原慎太郎・東京都知事は4日の記者会見で、神奈川県が残虐なゲームソフトの青少年への販売規制を首都圏サミットで呼びかけることについて、「非常に結構な提案だと思いますね。首都圏サミットでそれが出てくれば、反対する人はいないでしょう」「神奈川県の知事が提唱したことについては賛同を表しますよ。東京都も協力したいけど、どこまでできるかということになると、これは非常に先行き難しい問題があると思います」などと述べたという。(2005/3/5 06:30)

<神奈川県−6>
 松沢成文・神奈川県知事は2005年3月2日の定例記者会見で、ゲームソフトを規制することについて、「青少年課、あるいは県民部の中で青少年保護育成条例を見直す中で、こういう視点もあるのではないかと、さまざまな議論をしている中で出てきた」と説明している。また、「今度の首都圏サミットでは、その有害図書の中のゲームソフト類、ビデオ類もきっちりと規制の対象にして、できるだけ共同の基準を作っていこうと、こういう議論になると思います」と述べ、5月に開かれる予定の首都圏サミットで規制の共通化を呼びかける方針を示している。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/3/8 07:45)
▼「定例記者会見(2005.3.2)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050302.htm(神奈川県)

<埼玉県−1>
 埼玉県は「有害図書等」の審査などを行う埼玉県青少年健全育成審議会の委員を募集している。応募資格は、年5〜6回平日に開催される審議会に出席できる県内に在住、在勤または在学する2005年4月1日現在で満20歳以上の者。希望者は、「主な審議会委員歴」などを記入した所定の履歴書と「青少年の健全育成について」をテーマにした作文(800字程度)を埼玉県総務部青少年課企画・総務担当に提出する。募集期間は2005年3月1日(火)〜3月31日(木)。書類選考のあと、面接による第2次審査が行われ、5月中旬までに選考結果が通知される。詳しい応募要領は次のページで確認することができる。(2005/3/11 06:00)
▼「埼玉県/募集!!埼玉県青少年健全育成審議会委員」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A01/BR00/seisyounen/03sinngikai/bosyuu/bosyuu.html(埼玉県)

<埼玉県−2>
1.松沢成文・神奈川県知事は2005年3月2日の定例記者会見で、ゲームソフトを規制することについて、「今度の首都圏サミットでは、その有害図書の中のゲームソフト類、ビデオ類もきっちりと規制の対象にして、できるだけ共同の基準を作っていこうと、こういう議論になると思います」と述べ、東京都や埼玉県、千葉県に規制の共通化を呼びかける方針を示している。
▼「定例記者会見(2005.3.2)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050302.htm(神奈川県)
2.「有害」規制監視隊が入手した埼玉県青少年健全育成審議会の「平成15年度青少年健全育成審議会第1回全体会 第3部会」という資料には、次のような項目があった。

【有害個別指定の実績】
○図書  「悪のマニュアル」(昭和62年10月指定)
      「タイ夜の歩き方」(平成11年9月指定)
      「完全自殺マニュアル」(平成13年2月指定)
      「ザ・リベンジ」(平成13年2月指定)
○ホラービデオ
 3本(平成元年9月:昭和63年の連続幼女誘拐殺人事件に関連して)
 5本(平成9年9月:平成9年の神戸市の小学生殺人事件に関連して)
○バタフライナイフ(平成10年2月:栃木県の中学生による教師殺人事件に関連して)
○アダルト関連図書、ビデオ(平成8年7月まで、以後は包括指定)
 図書 9,964冊   ビデオ 1,539本

 この資料からは、特定の事件が個別指定のきっかけになったことを読み取ることができる。首都圏サミットでゲームソフトの規制が呼びかけられた場合、「平成17年の大阪府の教師殺人事件に関連して」といった理由でゲームソフトが個別指定されるのかもしれない。
3.『朝日新聞』2004年10月18日付2面に掲載された「選任の透明化課題」という記事には、加藤寛千葉商科大学学長(元政府税制調査会会長)の「選ぶ理由公開を」というコメントが掲載されている。この中で加藤氏は、「委員の人選は役所が密室で決めている。正式決定する前にホームページなどで発表し、その人を選ぶ理由や経歴を公開するべきだ。一般の意見を募り、反対意見があれば反映する制度にして初めて、幅広く意見を聞くという審議会の本来の姿になる」と述べている。さらに、『読売新聞』2004年11月16日付夕刊1面「規制改革に慎重発言 内定委員を“解任”」という記事や、『朝日新聞』2005年2月27日付17面「審議会見えぬ人選」という記事では、役所の意に沿わない委員が辞任に追い込まれたケースが報じられている。
 埼玉県がゲームソフトを個別指定するとすれば、今回選ばれる委員が審査、判定に携わる可能性がある。「委員の人選は役所が密室で決めている」状況では、作文や面接で「残虐ゲームソフトは規制すべき」とアピールしない限り、委員にはなれないのだろうか? いずれにせよ、現在のような選任方法は「幅広く意見を聞くという審議会の本来の姿」にはほど遠い、といえるだろう。(2005/3/11 06:30)

<神奈川県−7>
 神奈川県は2005年3月16日、県青少年保護育成条例改定案や「残虐なゲームソフトの有害指定」について協議した平成16年度第4回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会の会議録を県ホームページに掲載した。会議録は次のページで確認することができる。
▼「神奈川県児童福祉審議会社会環境部会の概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/index.htm(神奈川県)
※「残虐なゲームソフトの有害指定」にかかわる主な動き
2003年7月25日
 平成15年度第2回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会において、青少年課長が「最近、ゲームソフトなどの中に残虐性のあるソフトがございます。これは、図書類ということで規制はできますけれども、包括指定ができませんので、著しい残虐性の認められる内容のものにつきましては、一件一件、有害図書類として個別指定することについて当部会でご審議をしていただくことも考えています」と述べる。
10月22日
 平成15年度第3回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会において、ゲームソフトの規制について意見交換が行われる。
2004年11月29日
 平成16年度第3回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会において、県民部青少年課のまとめた「青少年の深夜外出防止対策と有害情報の効果的規制の考え方(案)」が配布される。「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」などの取組みが提起される。
2005年2月7日
 平成16年度第4回神奈川県児童福祉審議会社会環境部会において、青少年課長から「ゲームソフトのうち残虐性等が認められるものを有害図書類として指定をしたい」という考えが示され、審議会の場で審査することが決まる。
3月2日
 松沢成文・神奈川県知事は定例記者会見で、ゲームソフトを規制することについて、「青少年課、あるいは県民部の中で青少年保護育成条例を見直す中で、こういう視点もあるのではないかと、さまざまな議論をしている中で出てきた」と説明。また、「今度の首都圏サミットでは、その有害図書の中のゲームソフト類、ビデオ類もきっちりと規制の対象にして、できるだけ共同の基準を作っていこうと、こういう議論になると思います」と述べ、5月に開かれる予定の首都圏サミットで規制の共通化を呼びかける方針を明らかにした。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。
▼「定例記者会見(2005.3.2)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050302.htm(神奈川県)
(2005/3/17 00:20)

<大阪府−1>
 『読売新聞』(大阪版)2005年3月8日付夕刊1面に掲載された「残虐ゲームソフト、大阪府が規制を検討」という記事によると、大阪府は8日、残虐なゲームソフトの青少年への販売などを規制する方向で検討を始めたという。(2005/3/10 05:50)

<大阪府−2>
 記事には「神奈川県も同様の規制を検討しているが、実現すれば全国初」とある一方、「府側で個々のゲームをチェックするのは難しいため、業界団体の「自主規制」に準じて「有害」性を定めたうえで、販売時の年齢確認の徹底を求める案などを検討する」とある。
 神奈川県が予定している規制方法は個別指定であり、この場合は現行条例でも「有害」指定することができる。実際、神奈川県は5月の審議会でゲームソフトの審査、判定を行う予定だ。
 これに対し、愛知県による規制方法は個別指定ではなく、団体指定である。『中日新聞』2005年1月13日付1面「ゲームソフトに有害指定 愛知県 青少年条例改正へ 全国初」という記事によると、愛知県は「個々のタイトルを指定する従来の方法では膨大なソフトの流通量に追いつかないため、特定の指定団体と連携し、その審査結果を採用する」という。
 一部の県では、ビデオソフトやパソコンソフトに対してこのような規制方法を既に導入している。例えば佐賀県は1996年に日本ビデオ倫理協会とコンピュータソフトウェア倫理機構を指定し、これらの団体が「青少年の視聴を不適当としたもの」には、個別指定、包括指定されたものと同等の規制を課している。

【佐賀県青少年健全育成条例より抜粋】
※第13条第1項が個別指定、第2項と第3項が包括指定、第4項が団体指定に係る規定である。

(有害図書等の指定及び販売等の制限)

第13条 知事は、図書等の内容の全部又は一部が前条第一項各号の一に該当すると認めるときは、当該図書等を青少年に有害な図書等として指定することができる。

2 書籍又は雑誌その他の印刷物で、全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態又は性交若しくはこれに類する行為を被写体とした写真又は描写した絵であつて別表で定める内容を有するものを掲載するページ(表紙を含む。以下同じ。)がその総ページの3分の1以上を占めるものは、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書等とする。

3 録画盤又は録画テープで、全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態若しくは性交若しくはこれに類する行為を描写した場面であつて別表で定める内容を有するものの描写の時間が連続して3分を超えるもの(映像は連続しないが、音声が連続する等実質的に当該描写が連続する場合において、当該描写の時間が三分を超えるものを含む。)又はその時間が合わせて5分を超えるものは、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書等とする。

4 図書等の製作又は販売を行うもので構成する団体で知事の指定するものが審査し、青少年の視聴を不適当としたものは、規則で定めるところにより、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書等とする。

5 図書等の販売又は貸付けを業とする者は、第一項の規定により指定された図書等及び前三項の規定により青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書等とされたもの(以下「有害図書等」という。)を、青少年に販売し、頒布し、貸し付け、閲覧させ、視聴させ、又は聴取させてはならない。

6 何人も、有害図書等を、青少年に販売し、贈与し、頒布し、貸し付け、閲覧させ、視聴させ、又は聴取させないようにしなければならない。


【佐賀県青少年健全育成条例施行規則より抜粋】

(知事が指定する団体等)

第2条の2 条例第13条第4項に規定する知事が指定するものが審査し、青少年の視聴を不適当としたものは、次に掲げる団体が18歳未満の者に対して販売し、又は貸出すことを禁止したもの(15歳未満の者に対してのみ販売し、又は貸出すことを禁止したものを除く。)とする。
(1) 日本ビデオ倫理協会
(2) コンピュータソフトウェア倫理機構

 愛知県は2005年2月23日に開会した平成17年2月定例議会に県青少年保護育成条例改定案を提出しており、3月18日に可決される見通し。大阪府は愛知県のような規制方法を導入するのかもしれない。(2005/3/10 05:50)

<愛知県−2>
 愛知県議会平成17年2月定例会で可決・成立した「愛知県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」が3月22日に公布された。改定により、「有害図書類」の指定事由に「自殺」が追加され、知事の指定した業界団体が青少年に不適当とした図書類を「有害図書類」とする団体指定方式も導入された。また、「有害図書類」の包装義務化や区分陳列基準の設定、カラオケボックスなどへの青少年の深夜入場の禁止、生セラ・スカウトの禁止、保護者の同意を得ない書籍・雑誌の買い受け行為の禁止などとともに、フィルタリングソフトの利用を求める努力規定も新設されている。新条例は2005年7月1日から施行される。(2005/3/23 18:45)
▼「愛知県における青少年条例の改定(平成17年3月改定)」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/taisyohyo/aichi/H17-3.htm(「有害」規制監視隊)

<岡山県−1>
 『朝日新聞』(岡山版)2005年3月11日付28面「残虐シーン含むゲームソフト規制強化 知事が検討示す」という記事によると、岡山県の知事は10日の県議会で残虐なゲームソフトの規制について検討する考えを示したという。(2005/3/30 07:25)

<愛知県−3>
 愛知県は2005年3月29日、3月の改定で新設された団体指定の規定に基づき、日本ビデオ倫理協会とコンピュータソフトウェア倫理機構を指定した。施行は7月1日。(2005/5/1 07:10)

<神奈川県−8>
 神奈川県は県児童福祉審議会社会環境部会を2005年5月30日(月)午前10時から開催する。会場はワークピア横浜3階(301号室)。傍聴の受付は、当日午前9時30分から9時45分まで会場において行われる。議題は「神奈川県青少年保護育成条例第7条第1項の規定に基づく有害図書類の指定について」など。(2005/5/10 07:15)
▼審議会等の会議開催予定
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/kaisai/index17-5.htm(神奈川県)

<神奈川県−9>
 「残虐なゲームソフトの有害指定」について検討していた神奈川県児童福祉審議会社会環境部会は2005年2月、(1)審議会の場で内容を確認する、(2)コンピュータエンターテインメント協会による年齢区分表示を参考に審査対象を選定する――などを確認している。
 「有害」規制監視隊がこの審議会で配布された「特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)により『18歳以上対象』に区分されたゲームソフトの例」という資料を入手したところ、PS2やXboxに対応したゲームソフト6本が掲載されていた。30日の審議会ではこれらに類するソフトが審査されるのかもしれない。(2005/5/10 07:15)

<神奈川県−10>
 『読売新聞』2005年5月26日付39面「残虐ゲームソフト規制 神奈川県来月にも 18歳未満販売禁止」という記事によると、神奈川県は30日の県児童福祉審議会にゲームソフト1本を諮問するという。(2005/5/26 06:00)

<神奈川県−11>
 松沢成文・神奈川県知事は5月25日の定例記者会見で、ゲームソフトを規制することについて、30日の県児童福祉審議会社会環境部会に「暴力性や残虐性が極めて高いものを、1本諮問したい」という方針を示した。また、「次の首都圏サミットで提起をしまして、できれば、一都三県の条例でそういう規定がありますので、それを利用して共通の規制にしていけるように提起をしていきたい」と述べ、3月の定例記者会見に続き、再度、ゲームソフトの規制共通化を首都圏サミットで呼び掛けたい考えを示した。次回の首都圏サミットは11月の予定。
 定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/5/27 06:40)
▼「定例記者会見(2005.5.25)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050525.htm(神奈川県)

<神奈川県−12>
 知事は25日の記者会見で「ゲームソフト名につきましては、審議に予断を与えかねないことから、ここでは差し控えさせていただきます」「暴力シーンとか残虐シーンがあるゲームソフトでありますけれども、これは、あくまでも審議会で規制するかどうかを審議して決まるわけで、まだそういう段階になっていませんので、ここで私が個別名を挙げますと、そのゲームソフト制作者にも迷惑が掛かってしまいますので、個別名は避けたいというふうに思います」と述べている。
 ところが、2005年2月7日の県児童福祉審議会社会環境部会で配布された「特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)により『18歳以上対象』に区分されたゲームソフトの例」という資料には、ゲームソフト6本分の個別名、メーカー名、対応機種、内容、そしてパッケージの写真が掲載されていた。
 青少年課長は記者会見で、「どこの量販店でも手に入る、かなり流通がされているというのと、それから雑誌、インターネット等で残虐性がうたわれているもの、そして、実際に量販店に行って、パッケージや説明文を見て、その中から6本を抽出しました」と述べていることから、30日の審議会では2月の時点で示されていた6本のうち1本が審査されるものと思われる。(2005/5/27 06:55)

<神奈川県−13>
 神奈川県は2005年5月30日に開かれた県児童福祉審議会社会環境部会にゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を個別指定すべきか諮問した。傍聴した方によると、審議会は「有害」指定すべきだとして、指定に向けた手続きが進められることとなったという。指定の告示は6月7日に予定されているという。(2005/5/30 20:00)

写真=当日の審議会会場の様子。写真左のスクリーンにゲームソフトの映像を映し出し審議が行われた。映写時間は10分程度。奥に並んでいる6人が審議会委員。

<神奈川県−14>
1.2005年2月7日の神奈川県児童福祉審議会社会環境部会で配布された「特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)により『18歳以上対象』に区分されたゲームソフトの例」という資料には、ゲームソフト6本分の個別名などが掲載されていた。ただし、「グランド・セフト・オートV」は含まれていなかった。
2.県児童福祉審議会社会環境部会では、条例に関する新聞記事が毎回配布されている。過去の審議会で配られたもののなかには、『朝日新聞』2003年10月7日付22面「過激シーン、即現実に ゲームソフト 販売規制へ母子ら活動」というものが含まれていた。この記事では、アメリカで起きた乱射事件の容疑者が「グランド・セフト・オートV」をプレーしていたこと、同ソフトが日本でも発売されたことなどを報じている。県が諮問対象を選定した際には、この記事も参考にしたものと思われる。
3.「グランド・セフト・オートV」は2004年9月21日の愛知県議会平成16年9月定例会でも取り上げられていた。こうした動きも神奈川県による諮問に影響を与えた可能性がある。
4.傍聴された方は、「一部の委員は『規制だけで問題は解決しない』などと話していたが、規制のことしか検討していない。『業界の方から直接お話を聞く機会があればいい』とも話していたが、話を聞く前に規制している」として、指定実績を作ること自体が目的になっていたと指摘。また、「規制が健全育成を達成するために有効な手段かどうかわからないが、規制する側からすればコストを掛けずに活動をアピールできるというメリットがある。神奈川県が規制に執着している理由もそんな所だろう。規制以外の方法がまったく検討されないのも時間やカネを惜しんでいるからだと思う」と話している。
5.CEROなどによる自主規制について、ある委員は「たいして公正を期していない」と話していたという。この発言には「有害」指定の必要性をアピールする意図があったと思われるが、ジャーナリストの原寿雄氏は『ジャーナリズムの思想』(岩波書店、1997年)で、「審議会は各界有識者の意見を広く政策作りに反映させる建前だが、実態を見れば人選から答申案作りまですべて官僚主導で進められている場合がほとんどのようで、民主主義の偽装といっても過言ではない」と批判している。自分の立場を棚に上げ、業界の自主規制を批判しているこの委員こそ滑稽だろう。(2005/5/30 20:30)

<神奈川県−15>
 30日の県児童福祉審議会社会環境部会では、ゲームソフトの審査だけでなく、平成17年度の重点的協議事項が確認された。審議会資料によると、平成17年度の県児童福祉審議会社会環境部会では、「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」協議するといい、事務局が示した「施策例等」としては、
-------------------------------
○条例に基づく「個別指定」
○条例の見直しによる「包括指定」の可能性の検討
○ゲームソフト製作会社や発売元等への勧告又は要望
○八都県市による共同的な取組の検討
-------------------------------
の4つが挙げられていた。(2005/5/31 07:30)

<神奈川県−16>
 ゲームソフトの影響研究で知られる坂元章・お茶の水女子大教授は、『朝日新聞』(横浜版)2005年3月3日付で、ゲームを規制することについて、「ゲームのリアルな描写が、子供を暴力に走らせる場合があるのは否定しない」としながらも次のように述べている。

「規制することで、ゲームを楽しむ自由を奪ったり、自分で善悪を考えなくなったりする弊害もある。まずは教育で対応するべきで、規制は最後の手段だ」

 教育による対応が可能であることは科学的にも証明されている。佐々木輝美・国際基督大学教授の『メディアと暴力』(勁草書房、1996年)によると、教育的介入や共同視聴によってメディア暴力に対する免疫力をつけることが可能だという。規制・勧告・要望などに依存することこそ、健全育成にとって最も有害なのではないだろうか。(2005/5/31 07:30)

<神奈川県−17>
 清水英夫・大条成昭「「暴力と犯罪と娯楽メディア」国際会議」『キネマ旬報』第1251号(1998年)は、オーストラリアの政府機関と犯罪学会が共同開催した国際会議について報じている。記事によると、学者による講演や、レイティング(格付け)機関の関係者によるパネルディスカッションなどが行われたといい、インターネットやゲームソフトの暴力表現、性表現については次のようなことが確認されたという。

(4)特に国境を超えてスーパー・ハイウェイに乗って侵入して来るインターネットの暴力表現、性表現に関する規制は手の施しようがないというのが、専門家全員の意見であった。
(5)そしてインターネットについては、メディア・リテラシイの普及を通じて、親および青少年にメディア全般に関する教育、啓蒙活動を根気よく続ける以外に方法はないというのが結論であった。
(6)映画、ビデオ、ゲーム・ソフトに関しても、規制を強めるというより、年齢別格付け制度(レイティングまたはクラシフィケイション)で親に情報を与え警告するというのが世界の趨勢である。国家機関でも担当官をセンサーとは言わず、クラシファイヤーと呼んでいる。

(清水英夫・大条成昭「「暴力と犯罪と娯楽メディア」国際会議」『キネマ旬報』第1251号(1998年)、173頁)

 現在、テレビゲームについては、特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)がソフトの格付けを行っている。神奈川県が「有害」指定することとなったゲームソフト「グランド・セフト・オートV」もCEROによって「18歳以上対象」と判定され、その事実はソフトにも記載されている。「親に情報を与え警告」しているにもかかわらず、あえて規制する必要があったのだろうか。親の判断より、神奈川県や審議会委員の判断が優先されるということなのだろうか。なお、神奈川県青少年保護育成条例では、「何人も、青少年に対し、有害図書類を販売し、頒布し、交換し、贈与し、若しくは貸し付け、又は読ませ、聴かせ、若しくは見せてはならない」(第7条第5項)と定められている。(2005/6/1 07:15)

<神奈川県−18>
 松沢成文・神奈川県知事は2005年5月31日の定例記者会見で、30日に行われた青少年条例や青少年行政にかかわる八都県市の主管課長会議では、「神奈川県の方からこの残虐物のゲームソフトを規制対象にすると、ぜひとも、共同歩調を取っていただきたいという提案をいたしまして、メンバーの八都県市の皆さんからご賛同をいただきました」などと報告した。一方、記者からは、30日の審議会に諮問されたゲームソフトの「有害」指定について、指定の前に業界団体と意見交換すべきだったのではないか、事前に情報が流れ予断を与えたのではないか、いわゆるスケープゴートにされたのではないか――などの厳しい質問が飛んでいる。定例記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/6/3 07:00)
▼「定例記者会見(2005.5.31)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050531.htm(神奈川県)

<神奈川県−19>
 記者が指摘しているように、事前に情報が流れていた可能性は高い。傍聴した方のメモにもある委員が「先ほどのビデオのゲームソフト、実は『グランド・セフト・オートV』ほか数本我が家にもある」「長男の家に集まって試写をした」「長男も次男も『グランド・セフト・オートV』をそれぞれ別の家庭で持っていまして」などと話していたとある。おそらく事務局が審議を円滑に進めるため、あらかじめ根回しをしたのだろう。ところが委員の口が滑り、その事実が明らかとなってしまった――。
 知事は記者の指摘に対し、「その委員の方は、さまざま残虐物で問題ソフトがあるというのを聞いた中で、そのソフトも偶然見ていたわけなんです」などと答えている。偶然「試写」したり、持っていることを確認できるのだろうか。知事は25日の記者会見で「ゲームソフト名につきましては、審議に予断を与えかねないことから、ここでは差し控えさせていただきます」と述べていた。公正な審議が行われているという印象を与えるための演出がアダになったといえるだろう。(2005/6/3 07:30)

<ゲームソフト業界−1>
 神奈川県児童福祉審議会社会環境部会が「有害」指定すべきだと答申したゲームソフト「グランド・セフト・オートV」の国内版発売元である株式会社カプコンは2005年6月6日、「青少年の保護育成という本条例の目的自体には積極的に賛同するものでありますが、本ゲームの有害図書類の指定について、表現の自由の制限など重大な問題を伴う」として、神奈川県知事に対し、「厳正かつ慎重」な取り扱いを申し入れたと発表。(2005/6/8 06:40)
▼「神奈川県における「グランド・セフト・オートV」の有害図書類指定の答申について」
http://www.capcom.co.jp/ir/news/pdf_page/050606.html(株式会社カプコン)

<ゲームソフト業界−2>
 神奈川県が「有害」指定したゲームソフト「グランド・セフト・オートV」の国内版発売元である株式会社カプコンは2005年6月7日、特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)による「18歳以上対象」の審査結果を表示していたことや、小売店に区分陳列を依頼していたことなどを挙げ、「今回の指定は、このような取り組みを一顧だにされておらず、非常に残念」だとの認識を示した。さらに、指定に伴う問題点として、(1)青少年の保護育成は他の手段・方策によるべきであり、行きすぎた規制によって表現の自由を制約すべきではない、(2)指定のための要件・基準が明確ではない、(3)単なる印象や好悪による判断は無効ではないか――の3点を指摘した。また、自主規制の実効性を高めるとともに、「指定処分につきましては法的対応も視野に入れて検討してまいります」という方針を明らかにした。(2005/6/8 06:50)
▼「神奈川県における「グランド・セフト・オートV」の有害図書類指定について」
http://www.capcom.co.jp/ir/news/pdf_page/050607.html(株式会社カプコン)

<ゲームソフト業界−3>
『日本経済新聞』2005年6月8日付15面「残虐なゲームソフトなど SCE、自主規制 有害図書指定受け 年齢確認、小売店と協力」という記事によると、ソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)は7日、ゲームソフト販売の自主規制を強化する方針を固めたという。対象年齢に達しない顧客への販売自粛を小売店に求めていくという。(2005/6/8 07:30)

<ゲームソフト業界−4>
『日本経済新聞』2005年6月11日付13面「ゲームソフト販売自粛を検討 業界団体」という記事によると、コンピュータエンタテイメント協会は10日、ゲームソフトの販売自粛を検討すると発表したという。販売店などと協力し、対象年齢未満への販売自粛などの施策を1ヵ月程度の間に定めるという。(2005/6/12 06:45)

<埼玉県−3>
 埼玉県は2005年6月21日に埼玉県青少年健全育成審議会の委員委嘱式と第1回審議会を開催する。時間は1時30分から。会場は埼玉教育会館2階202会議室。審議会の議題の一つには、「有害な図書等について」が挙げられている。問い合わせ先などは次のページで確認することができる。(2005/6/16 07:30)
▼「埼玉県青少年健全育成審議会委員の委嘱式及び第1回審議会の実施について」
http://prosv.pref.saitama.lg.jp/scripts/news/news.exe?mode=ref&yy=2005&mm=6&seq=77(埼玉県)

<埼玉県−4>
 松沢成文・神奈川県知事は2005年5月31日の定例記者会見で、5月30日に行われた青少年条例や青少年行政にかかわる八都県市の主管課長会議では、「神奈川県の方からこの残虐物のゲームソフトを規制対象にすると、ぜひとも、共同歩調を取っていただきたいという提案をいたしまして、メンバーの八都県市の皆さんからご賛同をいただきました」などと報告している。また、神奈川県児童福祉審議会社会環境部会は、「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」を平成17年度の重点的協議事項に位置付けている。
 21日の第1回埼玉県青少年健全育成審議会でも、ゲームソフトについて何らかの審議が行われるのかもしれない。(2005/6/16 07:30)
▼残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/kiseki/game.htm(「有害」規制監視隊)

<大阪府−3>
 「残虐な場面を含む図書類の規制」などを検討した大阪府青少年問題協議会第3回青少年育成環境問題特別委員会の質疑の概要が大阪府ホームページで公開された。
団体指定の内容をまとめた資料「青少年保護育成条例における図書類の団体指定について」などが公開されており、とても参考になる。なお、「提言に基づく具体的な検討内容」という資料には、団体指定を導入した場合に想定される指定団体の一つとして、コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)の名前が挙げられている。質疑の概要や資料は次のページから確認することができる。(2005/6/17 00:40)
▼大阪府青少年問題協議会の最近の開催状況
http://www.pref.osaka.jp/koseishonen/seimonkyo/saikin.html(大阪府)

<埼玉県−5>
 上田清司・埼玉県知事は2005年5月31日の記者会見で、暴力的なゲームソフトの規制について、「有害指定を視野に入れて、神奈川県の審議会で指定されたようなものについては、同じような対応をしていくことを視野に入れて研究したい」との方針を示している。記者会見の内容は次のページで確認することができる。(2005/6/19 06:40)
▼「埼玉県/知事記者会見テキスト版(平成17年5月31日)」
http://www.pref.saitama.lg.jp/room/kaiken/text050531.html(埼玉県)

<埼玉県−6>
 残虐性を理由にゲームソフトの個別指定を検討していた神奈川県は2003年9月、「有害指定実績の有無」「指定に係る根拠規程等」「審議会諮問の有無及び審議方法」「有害指定以外の取組」を各都道府県に照会し、その回答をもとに「各都道府県における有害ゲームソフトの指定等の状況一覧表」を作成している。この資料によると、埼玉県の欄には「県民等から有害指定の要望はない、関係業界(CESA)への要請(平成10年)」とある。
 関係業界の取り組みとしては、平成14年6月にコンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が設立され、同年10月から年齢別レーティング制度が運用されている。知事は31日の記者会見で、業界の取り組みについて何も語っていない。埼玉県は、こうした取り組みをどう評価しているのだろうか。(2005/6/19 07:20)

<岡山県−2>
 岡山県は2005年5月26日、県青少年問題協議会に「岡山県青少年保護育成条例」の改定について諮問すると発表した。検討項目(案)としては、「有害環境の規制」や「青少年に対する不健全行為の禁止」などが挙げられており、「インターネット利用に係る有害情報の閲覧防止」「粗暴、残虐なゲームソフトの販売規制」「古物(書籍)の買受制限」などの施策例も示されている。(2005/6/19 07:50)
▼「岡山県青少年保護育成条例の改正検討に係る「岡山県青少年問題協議会」への諮問について」
http://www.pref.okayama.jp/PressSystem/press/press_00001827.html(岡山県)

<神奈川県−20>
 『東京新聞』(横浜版)2005年6月18日付23面に掲載された「意見・質問「詳細は個別に」 有害ゲーム指定で説明会 県対応に販売店「不満」」という記事によると、県青少年課は17日、「グランド・セフト・オートV」を「有害」指定したことについて販売業者らを対象に説明会を開催したという。審議会への諮問基準や審査方法について説得力ある説明がなかったことから、参加者からは疑問の声が出ていたという。(2005/6/20 06:10)

<神奈川県−21>
 『読売新聞』(横浜版)2005年5月31日付27面に掲載された「残虐ゲーム有害指定へ 業界困惑 PTA歓迎 「法規制頼りすぎは判断力失う危険も」 研究者指摘」という記事によると、ゲームソフトと子どもの攻撃性の因果関係について研究している、坂元章・お茶の水女子大教授(メディア心理学)は、「ゲームが子供に悪影響をもたらすことは否定できない」としながらも、

「業界側の自主規制や、メディア教育が抑止力となってきたが、法規制が出来ると、それに頼って業界もユーザーも判断力を失ってしまう恐れがある」

と述べているという。
 ところが、ゲームの指定を決めた県児童福祉審議会社会環境部会の過去の会議記録や資料を読むと、規制に伴う弊害をまったく考慮していないことがわかる。
 さらに県児童福祉審議会社会環境部会は2005年5月30日、平成17年度の重点的協議事項を「「青少年に有害のおそれのあるゲームソフトに対する取組みについて」とし、神奈川県青少年保護育成条例に基づく有害図書類の指定を含め、より多面的な対応策について協議することとした」(審議速報より)という。だが、当日配布された資料には対応策の具体例として、1.条例に基づく「個別指定」、2.条例の見直しによる「包括指定」の可能性の検討、3.ゲームソフト製作会社や発売元等への勧告又は要望、4.八都県市による共同的な取組の検討――の4つが挙げられていた。つまり、「多面的」の中身は規制強化という意味でしかない。
 彼らはなぜ、規制に伴う弊害を考慮しないのだろうか。悪影響のあるものを規制するのは当然だ、と考えているとすれば、悪影響の有無と規制の是非を混同しているのではないだろうか。坂元教授が指摘しているように、悪影響を理由に規制することにも悪影響はある。だからこそ、本来の意味での「多面的」議論が必要なはずだが、神奈川県や審議会委員は規制にしか関心がないのかもしれない。諮問基準や審査方法だけでなく、規制に伴う弊害をどう考えているのか、規制以外の施策が検討されないのなぜなのか――などにも「説得力ある説明」をすべきではないだろうか。(2005/6/20 07:20)

<岡山県−3>
 『山陽新聞』2005年6月1日付30面に掲載された「県青少年条例改正へ 問題協議会岡山で初会合 10月めどに答申」という記事によると、県青少年問題協議会の初会合が31日に開かれたという。協議会は10月ごろをめどに答申を出し、本年度中の条例改定を目指すという。(2005/6/22 06:00)

<埼玉県−7>
 埼玉県は2005年6月21日、第1回埼玉県青少年健全育成審議会を開催した。傍聴された方によると、多くの委員から親への支援が必要であるという意見が出たため、審議会のテーマは「地域で青少年を育てる取組みについて」に決まったという。また、ゲームソフトへの対応を検討するとして、神奈川県が「有害」指定した「グランド・セフト・オートV」の映像などを録画したビデオが上映され、ゲームの実演も行われたという。委員からは、「嫌悪感しかもたない」「早急に対応を考えないといけない」などの意見が出る一方、「全てが犯罪を犯すわけではない」「ゲーム感覚でやっている人がほとんどだと思う。今見てる範囲だと(規制するのは)どうか」などの発言があったという。また、「熱中すると洗脳されるのではないか」「長時間熱中するのが心配」など、ゲームのやり過ぎに注目した意見も多かったという。これらの意見を受け、審議会の会長は「行政の方に選んでいただいて我々が審議するという方向性になると思う」と述べたという。次回の審議会は9月上旬に開かれる予定。(2005/6/23 06:00)

<埼玉県−8>
 埼玉県職員がゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を実演した際には、人をはねると警察官に追われることや、一般人を倒すのではなく悪人を倒すことが目的である――などの説明があったという。「グランド・セフト・オートV」の指定を決めた神奈川県の審議会では、「残虐な」場面の説明に終始し、こうした説明はなかったという。委員全員が規制に賛成したという神奈川県の場合、県による情報操作が功を奏したのかもしれない。神奈川県も埼玉県のように、できるだけ多くの判断材料を委員に示すべきだったのではないだろうか。
 ただし、埼玉県の場合も説明をしていた職員を別の職員が制止していたという。埼玉県も特定の情報だけ委員に提示したいのかもしれない。(2005/6/23 06:15)

<埼玉県−9>
 21日の審議会では、行政の「横のつながり」を求める意見も出ていたという。たしかに、「横のつながり」がない状態では、青少年に関する取り組み=青少年課でできること、ということにもなりかねない。ゲームソフトへの対応が「有害」指定や条例強化に偏っているのも、青少年課という枠組みを反映した結果なのだろうか。行政組織に合わせて青少年に関する施策が決められるとすれば、本末転倒といわざるをえない。(2005/6/23 06:20)

<茨城県−1>
 『読売新聞』(茨城版)2005年6月16日付33面に掲載された「ゲームソフト 「有害」販売規制へ 県 指定方法巡り論議も」という記事によると、茨城県は、残虐な内容を含むゲームソフトを規制する方向で検討を始めたという。24日から県青少年健全育成審議会で具体的な協議に入るという。(2005/6/24 07:30)

<ゲームソフト業界−5>
 『読売新聞』2005年6月27日付38面に掲載された「年齢制限あるゲーム 身分証ないと売りません」という記事によると、コンピュータエンタテイメント協会(CESA)は26日、年齢制限のあるゲームソフトについては、購入者に身分証の提示を求める自主規制強化の方針を固めたという。陳列場所を区別する、年齢制限マークを目立つようにする――なども検討し、7月にも詳細な販売ルールを定めるという。(2005/6/27 06:50)

<神奈川県−22>
 『毎日新聞』2005年6月27日付26面に掲載された「「残虐ゲーム」販売自主規制へ 業界検討 身分証提示も」という記事には、「2月14日に大阪府寝屋川市の小学校で起きた教職員殺傷事件で、容疑者の少年がゾンビを倒すアクションゲームに熱中していたと報じられてから、各自治体でゲーム規制の動きが出てきた」などとある。6月にゲームソフト「グランド・セフト・オートV」を「有害」指定した神奈川県の場合、2003年7月からゲーム規制の動きがあった。毎日新聞はこうした事実を把握していないのだろうか。また、神奈川県がゲームソフトの個別指定を検討していた当時、東京都青少年健全育成審議会において、瀬戸純一・毎日新聞社論説委員は個別指定の強化を訴えていた。規制強化の当事者ともいえる毎日新聞はこうした事実をなぜ報道しないのだろうか。(2005/6/27 07:35)
▼「残虐な場面を含むゲームソフトの「有害」指定にかかわる主な動き
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/kiseki/game.htm(「有害」規制監視隊)
▼「愛知県・神奈川県等 ゲームソフトの「有害」指定 規制を誘発するマスコミ」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/news/archive/2005/49.htm(「有害」規制監視隊)

<大阪府−4>
 大阪府は「大阪府青少年健全育成条例の改正」について意見を募集している。公表された資料によるとによると、「有害図書類」の包装を義務化し、区分陳列違反者の公表制度や団体指定などを新設するという。また、複数の県で条例見直しの争点となっている遠隔監視装置付き自動販売機については、条例上の届出義務があることを明確にする一方、規則で定める監視装置を備えた自販機であれば「有害図書類」の収納禁止義務は免除するという。このほか、八都県市で共通化が進められていた青少年の深夜立入制限施設の設定や、生セラ・スカウトの禁止、保護者の同意を得ない古物の買い受け行為の禁止などを新設。さらにインターネット関連としては、保護者にフィルタリングソフトの活用を求める努力規定などを設けるという。募集期間は平成17年6月20日(月)〜平成17年7月19日(火)。提出方法や公表資料などは次のページで確認することができる。(2005/6/28 07:40)
▼「大阪府青少年健全育成条例の改正に対する府民意見の募集について」
http://www.pref.osaka.jp/koseishonen/jorei_public/public_comment.htm(大阪府)


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