「有害」規制法案・条例の状況

長野県内の青少年条例

長野県青少年保護育成条例(仮称)


東御市青少年保護育成条例案

佐久市有害図書類等の規制に関する条例

長野市青少年保護育成条例


東御市青少年保護育成条例案

<東御市−6>
1.信濃毎日新聞ホームページに掲載された「淫行処罰規定盛ったまま可決 東御市会総務文教委」という記事によると、東御市議会総務文教委員会は12日、青少年健全育成条例案を一部修正の上、賛成多数で可決したという。
▼「淫行処罰規定盛ったまま可決 東御市会総務文教委」
http://www.shinmai.co.jp/news/20070613/KT070612ATI090007000022.htm

2.信濃毎日新聞は2007年6月9日の社説「青少年条例 これでは問題が多すぎる」で東御市の条例案を批判している。
▼「青少年条例 これでは問題が多すぎる」
http://www.shinmai.co.jp/news/20070609/KT070608ETI090004000022.htm

3.2の社説にはいくつもの問題がある。まず「「みだらな性行為」とは何を示すのか」という箇所だが、「淫行」が何を意味するかは昭和60年に最高裁で判断が示されている。社説を書いた人物がそのことを説明しないのはなぜだろうか。
 また「条例規制に頼るようでは、自販機撤去に取り組んできたこれまでの住民運動の成果をないがしろにする」というのも実に不思議だ。『朝日新聞』(静岡版)2006年3月7日付35面「通学路沿い成人向け自販機小屋 住民「自主撤去」を実現」という記事によると、袋井市議会は自販機撤去運動に取り組んできた自治会連合会の陳情を受け、規制強化を求める意見書を静岡県に提出したという。社説では住民運動の結果が条例規制に行きつくケースが完全に無視されている。
 最後の「行政や警察が、青少年の性的な行動に罰則をもって口をはさむべきか。自己決定や住民パワーを尊重するのか」という部分は条例規制と自己決定・住民運動が対立するかのように書かれている。だが、問題はそれほど単純ではない。たとえば田宮裕「わいせつに関するアメリカ大統領委員会の報告書について(二)」『ジュリスト』第478号によると、ポルノ規制について検討したアメリカ大統領の諮問委員会は1970年、「未成年者についてはその親が子供の監督上妥当かどうかを自己決定すべきであって、立法はそれを援助するという基本的態度を堅持するのがのぞましい。いくらこのような立法をしても、未成年者から隔離しおおせるかは疑問だし、見せることが利点になる場合もある。こうした事情を総合判断して自らコントロールする権利が親にはある」として、「州は、一定の性的物件を未成年に対して商業的に販売しまたは販売のため陳列することを禁止する立法をすべきである」と勧告したという。社説を書いた人物は、親の自己決定権を完全無視した議論が現在どれほどの重みを持つのか「もう一度考える」べきだろう。
 そしてさらに考えるべきなのは、この種の批判がどういう意味を持っているのか、ということだ。中身のない批判が繰り返されたところで、条例規制に批判的・懐疑的な人々は無力なままである。そのことこそ最も大きな問題といえるだろう。(2007.6.14 07:40)

<東御市−5>
 東御市は2007年5月31日に開会した平成19年6月市議会第2回定例会に「東御市青少年健全育成条例案」を提案した。土屋哲男市長は施政方針演説で「様々なご意見がある中で、本定例会に上程の運びとなりましたことは、議員各位、策定懇話会皆様はじめ市民皆様のご理解ご協力の賜物と心から感謝申しあげる次第であります」と述べ、条例制定への理解を求めた。第2回定例会は6月15日まで開かれる。
▼「平成19年6月/東御市議会第2回定例会施政方針」
http://www.city.tomi.nagano.jp/info_toumi/sityou_situ/1180672002_9534.html
(2007/6/5 07:40)


<東御市−1>
1.『信濃毎日新聞』2006年5月30日付3面に掲載された「青少年条例を「切望」 東御市研究委 市長、議案提出の意向」という記事によると、市青少年環境浄化研究委員会は29日、「市青少年保護育成条例の制定を切望する」とする報告書を土屋哲男・東御市長に提出したという。土屋市長は「早ければ年度内、遅くとも来年度当初」に条例案を市議会に提出する意向を示したという。
2.1の記事とともに掲載された解説によると、「佐久市や塩尻市でも条例制定を視野に入れた動きが広がりつつある」という。(2006/7/21 07:40)

<東御市−2>
 「東御市青少年保護育成条例の制定を切望する」との提言をまとめた東御市青少年環境浄化研究委員会の調査結果などは『市報とうみ』2006年7月号にまとめられている。一方、『信濃毎日新聞』に2006年6月22日〜24日にかけて連載された「熟慮の時 青少年条例 東御市 制定への動き」(全3回)は、研究委員会の問題点や規制がもたらしかねない弊害など、『市報とうみ』とは異なる視点からこの問題を報じている。
▼「東御市ウェブサイト:市報とうみ(No27)7月号」
http://www.city.tomi.nagano.jp/magazine/2006_07/2006_07.html
(2007/1/10 07:25)

<東御市−3>
1.東御市が発行する『市報とうみ』2007年2月号には、「東御市青少年健全育成条例」の原々案が掲載されている。「有害」図書類・がん具類の規制については、売買・閲覧・視聴の制限、区分陳列や18禁の掲示、自販機への収納制限などを課す方針が示されている。一方、「有害」指定の方法や指定要件、罰則の有無などは明らかにされていない。また、青少年施策の詳細を定めるという「青少年健全育成審議会」の運営方法なども不明である。市では、2月15日から5回に分けて地区懇談会を開催し、「原々案」の詳細を説明するという。
▼「市報とうみ(No34) 2月号 2007年2月1日発行」
http://www.city.tomi.nagano.jp/magazine/2007_02/2007_02.html

2.1で示された規制の一部には「努めることとします」とあることから、これらについては罰則は課されず、努力義務になるものと思われる。(2007/2/5 07:30)

<東御市−4>
 東御市が2007年4月5日に発行した『市報とうみ』2007年4月号には「東御市青少年健全育成条例原々案骨子イメージについての懇談会アンケート結果」がまとめられている。アンケートは2007年1月25日〜2月28日に開かれた懇談会の参加者500人を対象に実施され、回収率は88%(346枚)だったという。「有害図書等自動販売機の中の商品を青少年に見せても良いか」という質問には96%が「見せたくない」と回答。また、条例の内容について「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えた割合は95%だったという。今後、東御市青少年健全育成条例策定懇話会がアンケート結果などをもとに「より良い社会環境整備が効果的に推進できる健全育成条例・健全育成計画をまとめていきます」という。なお、2007年4月1日から教育委員会生涯学習課に青少年の健全育成を担当する「青少年係」が新設されているという。
▼「市報とうみ(No36) 4月号 2007年4月5日発行」
http://www.city.tomi.nagano.jp/info_toumi/sihou/1175222797_5364.html
(2007/4/6 07:40)


佐久市有害図書類等の規制に関する条例

<佐久市−1>
1.『信濃毎日新聞』2006年6月2日付3面に掲載された「佐久市 「有害図書」条例提案へ 自販機への収納を禁止」という記事によると、三浦大助・佐久市長は1日の記者会見で、8日に開会する市議会6月定例会に「有害図書類等の規制に関する条例」案を提出する考えを明らかにしたという。「有害図書類」の自販機への収納を禁止し、書店には区分陳列の自主規制を求める内容だという。佐久市では住民団体が条例制定を求める請願を市議会に提出し、3月定例会で採択されていたという。
2.『信濃毎日新聞』2006年5月26日付17面に掲載された「佐久の「青少年保護条例」 「有害図書」指定で論議 育成団体」という記事によると、佐久市教委が条例案の内容をまとめた「たたき台」を約30団体に説明して意見を募ったところ、自販機規制を求める声がある一方、書店での区分陳列については、「たたき台」に記された「しなければならない」を「努めましょう」に改めるべきだという意見があったという。
3.『信濃毎日新聞』に2006年6月1日から4回にわたって掲載された「青少年条例その前に 佐久自販機問題を考える」は、市内4ヶ所の自販機について、地権者や周辺住民の話などを伝えている。(2006/6/27 07:40)

<佐久市−2>
1.信濃毎日新聞ホームページに2006年6月28日付で掲載された「佐久市会が有害図書規制条例案を可決 県内2例目」という記事によると、佐久市の「有害図書規制条例」案は27日の市議会本会議で可決されたという。(2006/6/29 07:40)
▼「佐久市会が有害図書規制条例案を可決 県内2例目」
http://www.shinmai.co.jp/news/20060628/KT060627ATI090031000022.htm(信濃毎日新聞)

2.「有害図書」の規制方法にはいくつかあるが、淺野博宣・神戸大助教授は、個別指定の定義について、「包括指定に比べより概括的」(淺野博宣「パソコンゲームソフトの有害図書類指定」『法学教室』第246号別冊付録、8頁)と指摘している。実際、包括指定を導入している県は、「有害」規制監視隊の意見に対し、「包括指定の基準に至らない図書類については、従来どおり『個別指定』により行うこととしております」(秋田県)、「包括指定の基準は、個別指定の基準から、より限定して定められています」(鳥取県)と回答している。したがって、個別指定よりも包括指定の方が規制対象は限定されているといえる。
 一方、鈴木秀美・大阪大教授(憲法学)は『信濃毎日新聞』2006年6月9日付3面に掲載されたインタビューで、佐久市の条例案について、「包括指定を導入しており、『表現の自由』抑制の許容範囲を超えている」と指摘している。ところが、同じインタビューのなかで「対象が不明確だと表現行為を萎縮させ、過剰規制につながる」とも述べている。これは一体どういうことなのだろうか。「対象が不明確だと表現行為を萎縮させ、過剰規制につながる」のであれば、包括指定よりも個別指定の方が問題ではないのか。
 鈴木教授に限らず、学者やマスコミなどは包括指定にばかり関心があるように思われる。こうした人々は規制の対象が「包括指定に比べより概括的」な個別指定をどのように評価しているのだろうか。なぜ、個別指定の問題には触れようとしないのだろうか。

3.曽根はじめ議員(共産党)は2004年3月19日の都議会文教委員会で、個別指定の基準が内規から規則に格上げされることに関連して、「私が一番心配しているのは、率直にいえば、ほかの県で決まっている包括指定のように、例えばわいせつな図画が冊子全体の半分とか六割とかを占めた場合、それは基準としてひっかかりますよという基準が、この基準の中に盛り込まれれば、事実上の包括指定になってしまうわけです」と述べている。
 しかしながら、2の秋田県の回答にあるように、包括指定されない図書類であっても指定できるのが個別指定の特徴である。2004年3月31日に公布された「東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則」では、“当然”、個別指定に分量基準は設けられず、個別指定の特徴を活かせる状態となっている。曽根議員は何のためにこのような懸念を表明したのだろうか。

4.神奈川県が残虐性を理由にゲームソフトの個別指定を検討していた当時、毎日新聞社の瀬戸純一論説委員は2003年11月の東京都青少年健全育成審議会において、包括指定を導入するより、個別指定を強化すべきだと主張していた。神奈川県は東京都が個別指定を強化したことから2004年11月、審議会で「本県においても書籍等の個別名称が公表できる個別指定のあり方も再検討の必要がある」と提起。2005年6月にはゲームソフト1本を個別指定している。なお、個別指定包括指定と異なり、性表現に限らず様々な表現を規制することができる。(2006/6/30 07:20)

<佐久市−3>
1.『広報佐久』2006年7月15日号に掲載された「有害図書類等を規制する条例が制定されました」という記事では、第2回定例市議会で制定された「佐久市有害図書類等の規制に関する条例」の内容が2ページにわたって解説されている。これによると、同条例は2006年10月1日から施行され、「有害図書類」「有害がん具類」の指定方法には個別指定(緊急指定を含む)と包括指定を採用。個別指定の基準は「粗暴性」「残虐性」「性的感情」の3つ、包括指定は他の道府県などと同じく性的内容を対象としている。「有害図書類」などの販売規制については、販売店等に区分陳列や18禁掲示の努力義務を課す一方、自販機業者等には罰則付きで設置の届出義務と収納禁止義務を課している。また、市長が指定した調査員による立入調査を拒否した場合などにも罰則が設定されている。『広報佐久』は佐久市ホームページで確認することができる。
▼佐久市ホームページ
http://www.city.saku.nagano.jp/

2.『信濃毎日新聞』2006年6月28日付2面に掲載された「有害図書規制 佐久市が条例可決 賛成多数 県内2例目10月施行」という記事は、佐久市の条例について、「市側は今後、条例の運用について新設される市青少年健全育成審議会などにきちんと説明し、審議会は恣意(しい)的な解釈がされないか、厳しくチェックしていく必要がある」と指摘。また、「市側は包括指定以外の「有害」審査や、図書の撤去命令をする際は「必ず審議会に諮り、答申を尊重する」方針を表明。条例運用上、審議会の役割の重みが増した」として、「審議会は公開して透明性を確保し、「有害」判断が妥当かどうか、市側と異なる角度から検討する役割が求められる」などの提言がなされている。

3.2の提言はその通りなのだが、不十分である。審議会が公開されたとしても、傍聴できる人数は限られている(傍聴定員の例:長野市青少年健全育成審議会=5人)。また、土日や夜間に審議会が開催されるわけでもない(日時の例:長野市青少年健全育成審議会=2006年2月27日(月)15:00〜17:00)。したがって実質的な透明性を確保するには、議事録や会議資料の公開とその公開方法が重要な意味をもつ。
 たとえば1999年4月に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と具体的な公開方法が示されている。
 こうした公開方法が採用されない場合、会議の公開によって“不透明さ”が覆い隠され、審議会が「「有害」判断が妥当かどうか、市側と異なる角度から検討する役割」を果たしているかどうかの検証も困難とならざるをえない。条例の運用に加えて、審議会の役割も「厳しくチェックしていく必要」がある以上、佐久市(に限らず全ての自治体)には、透明性を確保するための具体的取り組みが求められる。

4.審議会の透明性確保は、マスコミの報道内容をチェックする場合にも欠かせない。たとえば2005年12月16日に放送されたフジテレビ「LIVE2005ニュースJAPAN」では、神奈川県によるゲームソフトの「有害」指定や東京都によるゲーム業界への自主規制強化の要請などについて、「テレビゲームが犯罪を誘発しているという懸念の裏には青少年による凶悪犯罪増加への不安がある」と説明した。
 ところが、神奈川県が2003年10月に作成した資料には、「昨今の凶悪な少年事件については、有害(特に残虐性・粗暴性を甚だしく誘発・助長するおそれのある)ゲームソフトとの関連性がマスコミ等から指摘されている」ことから、「有害ゲームソフトの指定等に係る検討を行うに当たり、各都道府県における有害指定等の状況を把握するため調査を行」ったと記されている。また、2005年10月の第1回「テレビゲームと子どもに関する協議会」において、東京都の青少年・治安対策本部長は「近時の少年による特異、重大事件のなかには、残虐なシーンのあるテレビゲームの影響を受けた可能性があるといった報道がなされるなど、そうした事件の背景要因としてテレビゲームによる影響の可能性を指摘する声があるのも事実」と述べている。フジテレビが報じた「青少年による凶悪犯罪増加への不安」とは、いったい何を根拠にしていたのだろうか。
 審議会の透明性確保は、マスコミをチェックする手段としても重要な意味を持っている。(2006/8/1 07:40)

<佐久市−4>
 「佐久市有害図書類等の規制に関する条例」を制定した佐久市は広報やホームページで条例に関する情報を発信している。『広報佐久』2006年8月1日号では「有害図書類」を収納する自動販売機の設置状況や市民の声を、同8月15日号では「有害図書類」や「有害サイト」が青少年に与える影響などを取り上げている。また、市ホームページでは条例と施行規則の全文、近隣都県などの規制状況を公開。条例への意見も募集している。条例の施行は2006年10月1日。『広報佐久』は佐久市ホームページで確認することができる。
▼佐久市ホームページ
http://www.city.saku.nagano.jp/
(2006/8/30 07:40)

<佐久市−5>
1.『信濃毎日新聞』2006年10月11日付4面に掲載された「佐久市有害図書規制条例 非公開で初の審議会 透明性確保に課題残す」という記事によると、10日に開かれた青少年健全育成審議会の初会合は冒頭を除き、非公開だったという。会議では市教委の社会教育部長が「審議会は委員さんの会。委員以外の人は遠慮してもらってはどうか」と提案。審議会委員は1人を除き、非公開での開催に異を唱えなかったという。また、審議会の会長は会議後に「個人的には公開でいいと思うが、傍聴人がいると慣れていない委員は発言しにくいから」と述べたという。
2.神奈川県の「附属機関等の設置及び会議公開等運営に関する要綱の運用」には、附属機関の会議等の原則公開を徹底させるため、委員就任依頼時から会議公開への理解を得る必要性が明記されている。社会教育部長や会長の発言は、佐久市がこうした努力を怠たったことはもちろん、“原則非公開”を望んでいたことを示している。
▼「附属機関等の設置及び会議公開等運営に関する要綱の運用」
http://www.pref.kanagawa.jp/gyoukaku/fuzokukikanunyou.htm(神奈川県)
3.1999年4月に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と具体的な公開方法まで示されている。
▼「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/990524singikai.html(首相官邸)
(2006/10/17 07:00)


長野市青少年保護育成条例

<長野市−1>
 『信濃毎日新聞』2002年4月27日付「有害図書包括指定を答申 長野市審議会 青少年条例で改正案」という記事によると、長野市青少年健全育成審議会(会長・川島一夫信大教授)は26日、包括指定の導入や罰金の引き上げなどを盛り込んだ市青少年保護育成条例改定案を鷲沢正一市長へ答申。改定案は早ければ9月にも、定例市議会へ提出されるという。

<長野市−2>
 Yahoo!ニュースに2002年8月28日付で掲載された「わいせつ図書の「包括指定」導入 長野市が青少年育成条例改正案を提出へ /長野」という記事によると、長野市は27日、9月定例市議会に市青少年保護育成条例改定案を提出すると発表したという。改定案には「包括指定」の導入などが盛り込まれているという。(2002/8/29)

<長野市−3>
 『信濃毎日新聞』2002年9月13日付「青少年保護条例改正案 長野市会委員会が可決」という記事によると、長野市の経済文教委員会は12日、市青少年保護育成条例改定案を審査し、賛成多数で可決したという。改定案は18日の市議会本会議で成立する見通し。(2002/9/17)

<長野市−4>
 『信濃毎日新聞』2002年9月19日付「守れるか「表現の自由」 長野市青少年保護条例改正案を可決 有害図書 行政が包括指定 チェック・異議 仕組みなく」という記事によると、長野市議会は18日、市青少年保護育成条例改定案を賛成多数で可決したという。これにより「包括指定」が導入され、青少年に「有害」とされる描写が一定の基準に達している図書類は、自動的に「有害」図書類とみなされることになった。新条例は2003年4月1日から施行される。(2002/9/20)

<長野市−5>
 『広報ながの』2002年10月15日号が「長野市青少年保護育成条例が改正になります」と題して、9月市議会定例会で改定・強化された青少年保護育成条例について解説。(2002/11/16)
▼参考リンク
「長野市青少年保護育成条例が改正になります」
http://www.city.nagano.nagano.jp/whatsnew/2002/021015a.html(長野市)

<長野市−6>
1.『信濃毎日新聞』2003年10月16日付「市条例違反容疑で逮捕 長野の店主 貸出機に有害図書」という記事によると、長野中央署と県警生活安全部は10月15日、包括指定に該当するビデオテープを自動貸出機に収納し、わいせつなビデオテープを貸し付けていたとして、市内の無人レンタルビデオ店経営者を長野市青少年保護育成条例違反(有害図書類の自動販売機などへの収納禁止)とわいせつ物頒布の容疑で逮捕したという。4月に施行された改定条例の違反適用は初めてだという。なお、市教委は立ち入り調査の際、包括指定に該当するビデオテープの撤去を指導していたが、経営者は従わなかったという。(2003/11/19)

2.「有害」図書類の収納禁止規定をめぐっては、埼玉県で自動販売機の年齢識別装置の有無により条例違反になるかが争われたことがある。一審の熊谷簡裁は平成11(1999)年6月9日、運転免許証を利用した年齢識別装置によって青少年が「有害」図書を購入するのは困難であり、可罰的違法性を欠くとして無罪とした(ただし、装置が作動していなかった自販機については有罪とした)。
 検察官が控訴したところ、東京高裁は平成12(2000)年2月16日、「本条例一四条一項は、文面どおり、自動販売機への有害図書等の収納を一律に禁止しているものであって、年齢識別装置が取り付けられているか否か、その機能、特質等によって、規制の対象としたり、対象外とするように適用を異にする運用を容認し、予定しているものと解することはできない」ことなどを理由に原判決を破棄、有罪とした。(2003/11/19)
▼埼玉県青少年健全育成条例
http://www.pref.saitama.jp/A01/BR00/seisyounen/jyourei.htm(埼玉県)

<この判決を考えるための参考文献>
(1)倉田原志「年齢識別装置付き自動販売機への有害図書収納行為と表現の自由」『法学セミナー』第553号(2001年)、106頁
(2)島田聡一郎「年齢識別装置つき自販機への有害図書類の収納と埼玉県青少年健全育成条例一四条一項の罪」『法学教室』第246号・別冊付録(2001年)、29頁
(3)野下智之「実務刑事判例評釈[83] 運転免許証による年齢識別装置を取り付けて作動させている自動販売機への有害図書等の収納行為について、埼玉県青少年健全育成条例一四条一項違反の処罰規定を適用するほどの可罰的違法性がなく、無罪とした原判断が是認できないとして破棄された事例」『警察公論』2001年6月号、55-60頁
 なお、青少年条例違反事件の判例については、清水英夫・秋吉健次編『青少年条例 自由と規制の争点』(三省堂、1992年)にまとめられている。

3.広島県議会は2003年10月2日、平成15年9月定例県議会に上程されていた「広島県青少年健全育成条例」一部改定案を可決した。改定により、自動販売機、自動貸出機については、年齢識別装置や監視カメラの有無にかかわらず条例の規制対象となることが明確にされたほか、図書類の表紙や包装箱に対する包括指定も導入された。新条例は2004年4月1日から施行される。(2003/11/19)
▼「広島県における青少年条例の改定(平成15年10月改定)」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/jyourei/taisyohyo/hiroshima/H15-10.htm(「有害」規制監視隊)

4.「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」(座長、前田雅英東京都立大学教授)は2003年10月3日、「〜緊急提言〜子どもを犯罪に巻き込まないための方策」を竹花豊・都副知事に提出した。提言では、「有害」図書の規制について次のように指摘している。

○ 有害図書の子どもへの販売の防止を
 性的感情を刺激したり残虐性を助長する雑誌の不健全図書類指定については、大多数の道府県で包括指定、緊急指定制度を導入しているが、東京都では、現在、個別に指定されている。しかし、毎月1回の指定で、約10冊しか指定されず、また指定された時点では、店頭には並んでおらず、実効性は低い。指定図書でもなく、出版業界が自主規制で成人用であるとしている雑誌でなくても、子どもの健全育成に有害であると思われる雑誌が何らの制限もなく書店やコンビニエンスストア等で売られ、小中学生の目に触れることができるなど、憂慮にたえない状態である。
 有害指定でなくても子どもの健全育成上、有害な図書・ビデオ・コンピュータソフト等が書店、コンビニエンスストア、自動販売機等を通じて子どもの手に入らないようにするための何らかの方策を採ることが必要である。
 特に自動販売機については、青少年が有害な図書やビデオを容易に入手できるため、年齢識別機の設置を義務付ける必要がある。また、自動販売機の設置場所を規制すべきとの意見もあった。

 東京都はこの提言を具体化するため2003年10月28日、青少年健全育成条例の改定を青少年問題協議会に諮問している。(2003/11/19)

▼「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」
http://www.chijihonbu.metro.tokyo.jp/chian/kodomo/kodomo.htm(東京都)


【関連報道】
※「有害」規制監視隊が原紙もしくはそのコピーを確認できたもののみ。

<長野市>
(1)『信濃毎日新聞』2001年12月26日「長野市青少年条例 有害図書の包括指定導入 年度内にも答申 審議会小委が方向確認」
(2)『信濃毎日新聞』2002年1月31日「長野市の青少年条例改正へ小委 「包括指定」条文を審議 「有害図書」の販売規制へ」
(3)『信濃毎日新聞』2002年3月16日「青少年条例 県会社会委、請願を採択 県「制定せず」姿勢を堅持」
(4)『信濃毎日新聞』2002年3月23日「「県青少年保護条例 議員提案で」 宮沢新議長が発言 「なぜ議長が」との批判も」
(5)『信濃毎日新聞』2002年3月23日「有害図書 「包括指定」の条例案 長野市小委 自販機収納禁止盛る」
(6)『信濃毎日新聞』2002年4月2日「青少年条例 問題の解決にならない」
※社説
(7)『信濃毎日新聞』2002年4月24日「長野市青少年条例 改正案を審議会了承 「包括指定」26日に答申」
※「基準の根拠は不明確」という初谷良彦・愛知淑徳大教授(憲法学)のコメントが掲載されている。
(8)『信濃毎日新聞』2002年4月27日「有害図書包括指定を答申 長野市審議会 青少年条例で改正案」
※「条例改正案2氏に聞く」と題して、川島一夫・信大教授(市青少年健全育成審議会議長)へのインタビュー「住民運動の流れに沿う」と、奥平康弘・東大名誉教授(憲法研究者)へのインタビュー「機械的な規制は安易だ」が掲載されている。
(9)『信濃毎日新聞』2002年6月21日「避妊具の自販機は学校から遠ざける? 青少年保護育成条例 規制外す提案で議論 長野市の審議会小委」
(10)『信濃毎日新聞』2002年7月12日「成人図書「自粛」で波紋 長野の青少年育成会議文書 書店「営業権の侵害」」
(11)『信濃毎日新聞』2002年9月13日「青少年保護条例改正案 長野市委員会が可決」
(12)『信濃毎日新聞』2002年9月19日「守れるか「表現の自由」 長野市青少年保護条例改正案を可決 有害図書 行政が包括指定 チェック・異議 仕組みなく」
(13)『朝日新聞』(長野版)2002年9月19日「有害図書規制 全面改正案を可決 長野市議会 来年4月施行 違反者に罰金も」
(14)『信濃毎日新聞』2002年9月20日「有害図書規制 根気強い取り組みこそ」
※社説
(15)『信濃毎日新聞』2002年10月17日「包括指定に「救済」明記 長野市青少年条例改正 審議終わる 審議会長「市民が議論を」」
(16)『信濃毎日新聞』2003年10月16日「市条例違反容疑で逮捕 長野の店主 貸出機に有害図書」
(17)『信濃毎日新聞』2003年11月27日「有害図書ビデオ 自販機収納疑い 長野の業者書類送り」
(18)準備中
【連載】
準備中

<佐久市>
(1)『信濃毎日新聞』2006年4月8日付39面「佐久市 青少年保護条例を検討 成人向け自販機規制で」
(2)『信濃毎日新聞』2006年4月17日付16面「佐久市が検討 青少年保護条例 問題点冷静に論議を」
(3)『信濃毎日新聞』2006年5月13日付19面「佐久市の青少年条例 「包括指定」を盛る 「たたき台」自販機規制主体に」
(4)『信濃毎日新聞』2006年5月26日付17面「佐久の「青少年保護条例」 「有害図書」指定で論議 育成団体」
(5)『信濃毎日新聞』2006年6月2日付3面「佐久市 「有害図書」条例提案へ 自販機への収納を禁止」
(6)『信濃毎日新聞』2006年6月8日付3面「有害図書規制 佐久市 包括指定を導入 条例案 書店は自主規制」
(7)『信濃毎日新聞』2006年6月9日付3面「なぜ条例化 慎重審議を 佐久市「有害図書」規制を提案」
※鈴木秀美・大阪大教授(憲法学)へのインタビュー「不明確な規制の対象 専門家萎縮の恐れ指摘」が掲載されている。
(8)『信濃毎日新聞』2006年6月9日付5面「自販機規制 地域の力と大人の良識で」
※社説
(9)『信濃毎日新聞』2006年6月16日付19面「有害図書規制 「表現の自由」配慮ただす 佐久市会一般質問 市長「無制限でない」」
(10)『信濃毎日新聞』2006年6月20日付12面「表現奪う「多数派の正義」 「有害図書」規制前提に死角はないか」
(11)『信濃毎日新聞』2006年6月21日付4面「図書規制条例案 有害の基準「難しい」 運用「規則で定める」 佐久市教委市会で答弁」
(12)『信濃毎日新聞』2006年6月23日付4面「有害図書規制条例案 佐久市会文教委が可決 27日本会議成立見通し 論議は深まらず」
(13)『信濃毎日新聞』2006年6月28日付2面「有害図書規制 佐久市が条例可決 賛成多数 県内2例目10月施行」
(14)『信濃毎日新聞』2006年10月11日付4面「佐久市有害図書規制条例 非公開で初の審議会 透明性確保に課題残す」
(15)『信濃毎日新聞』2006年11月1日付21面「佐久市 成人向けの自販機 2ヵ所の計10台に 条例期限までの届け出4台」
【連載】
1.「青少年条例なぜ今 佐久市の成人自販機規制」(全3回)
(1)『信濃毎日新聞』2006年5月16日付17面「請願採択2ヵ月余で提案へ 幅広く議論予定せず」
(2)『信濃毎日新聞』2006年5月17日付17面「書店の「自主規制」条文化 包括指定に危うさも」
(3)『信濃毎日新聞』2006年5月18日付19面「奥平康弘・東大名誉教授に聞く 行政任せの風潮懸念」

2.「青少年条例その前に 佐久自販機問題を考える」(全4回)
(1)『信濃毎日新聞』2006年6月1日付19面「岸野地区 10月撤去にめど 従来の住民運動で成果」
(2)『信濃毎日新聞』2006年6月2日付17面「内山地区 郊外の国道沿い 撤去運動盛り上がらず」
(3)『信濃毎日新聞』2006年6月3日付19面「臼田地区 契約解除後も稼動 地権者は自費撤去検討」
(4)『信濃毎日新聞』2006年6月6日付19面「浅科地区 無人貸出機が放置 撤去負担できぬ業者も」

<東御市>
(1)『信濃毎日新聞』2006年5月30日付3面「青少年条例を「切望」 東御市研究委 市長、議案提出の意向」
(2)『信濃毎日新聞』2006年8月22日付3面「青少年条例「議論を」 東御の有志「考える会」 市民サイド新たな試み 29日に初集会」
(3)『信濃毎日新聞』2006年9月6日付3面「東御市青少年条例求める請願 3団体「賛同」見送り 「慎重に考えるべきだ」
(4)『信濃毎日新聞』2006年9月22日付3面「青少年条例制定求める請願 東御市会委が採択」
(5)『信濃毎日新聞』2006年11月25日付19面「いじめ問題や青少年保護条例 東御で来月2日に集い」
(6)『信濃毎日新聞』2006年11月29日付3面「東御市青少年条例の制定 「年度内こだわらず」 市長 議論する時間が必要」
(7)『信濃毎日新聞』2006年12月4日付16面「「青少年条例は疑問」 東御「市民のつどい」意見相次ぐ」
(8)『信濃毎日新聞』2006年12月20日付3面「東御市「青少年健全育成条例」 原案策定へ懇話会設置 初会合 来年3月末を目標に」
【連載】
「熟慮の時 青少年条例 東御市 制定への動き」(全3回)
(1)『信濃毎日新聞』2006年6月22日付21面「「切望する」研究委の報告書 賛否ぶつけ合う議論を」
(2)『信濃毎日新聞』2006年6月23日付19面「「有害」自販機撤去の有効性 「携帯で簡単に見られる」」
(3)『信濃毎日新聞』2006年6月24日付21面「あふれる性情報どう対処 価値判断培う手助けを」

<その他>
(1)『信濃毎日新聞』2006年10月19日付30面「飯島の成人向け自販機撤去 業者の賠償請求棄却 伊那簡裁「公序良俗に反する」」


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