「有害」規制法案・条例の状況

宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例


<H18-1>
1.宮崎県は2006年10月2日、平成18年度宮崎県青少年健全育成審議会の審議概要を県ホームページに掲載した。これによると、事務局は2006年6月9日の第1回審議会では「家庭用ゲームソフトの販売に関する自主規制制度」の改正概要について、2006年9月7日の第2回審議会では「残虐性などが懸念される家庭用ゲームソフト」について説明したという。説明の具体的内容は不明。なお、審議会は「青少年に有害な図書類を指定するなどの特殊性により、審議会傍聴不可となっており、また、議事録については、発言委員が特定できない形での概要公開となっております」(宮崎県ホームページより)という。議事要旨と委員名簿は以下のページから確認することができる。
▼「宮崎県青少年健全育成審議会の概要」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/danjo/kenzenikusei/gijiroku01.html
▼「宮崎県の審議会」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/somu/jinji/shingikai/shingikai_gaiyo.html
2.湯浅俊彦「『青少年条例』規制その後各地で・・・」『総合ジャーナリズム研究』第149号によると、宮崎県は1992年7月に全国で初めて性的内容を理由にパソコンゲームソフト1本を個別指定しているという。(2006/10/3 07:40)

<H18-2>
 宮崎県は「「宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例」改正検討の骨子」を公表し、意見を募集している。公表された資料によると、図書類の流通量が増え、現行の個別指定と包括指定では的確な指定が困難となっていることから、(1)団体指定方式を条例に盛り込むことを検討しているという。また、ファッション感覚で社会に浸透しつつあるものの、青少年の心身の健全な発達を保護する観点から、(2)青少年に対する入れ墨の禁止も検討しているという。募集期間は平成18年10月10日(火)〜平成18年11月10日(金)。議案は平成19年2月県議会へ提案され、平成19年7月1日から施行される予定。意見の提出方法や関係資料などは次のページで確認することができる。
▼「「宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例」改正検討の骨子に関する意見募集」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/danjo/kenzenikusei/pablic.html
(2006/10/15 07:40)

H18-3>
1.団体指定の導入と青少年に対する入れ墨の禁止を検討している宮崎県は2006年11月30日、宮崎県青少年健全育成審議会の審議概要を県ホームページに掲載した。これによると2006年11月9日の平成18年度第3回審議会では、事務局が「「宮崎県青少年健全育成条例」の改正検討案の概要」について説明したという。
▼「宮崎県青少年健全育成審議会の概要」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/danjo/kenzenikusei/gijiroku01.html
2.『宮崎日日新聞』2006年10月11日付25面に掲載された「県条例改正検討へ意見を 青少年への入れ墨禁止 内容次第で逮捕」という記事によると、県は来年7月の条例施行を目指しているという。ここから逆算すると、条例案は平成19年2月定例会に提案されるものと思われる。(2006/12/1 07:00)

H18-4>
1.団体指定制度の追加や青少年に対する入れ墨の禁止を柱とする「宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」が平成19年2月定例県議会で可決されたことを受け、宮崎県は2007年4月2日、条例の新旧対照表などを県ホームページに掲載した。新条例は3月16日に公布されており、7月1日から施行される。
▼「「宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例」改正について」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/danjo/kenzenikusei/h18joureikaisei.html
(2007/4/3 07:40)

2.宮崎県は2006年12月18日の平成18年度宮崎県青少年問題協議会において、団体指定の概要を説明している。公表された議事録によると、指定を想定している団体として、「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)、「コンピュータソフトウェア倫理機構」(ソフ倫)、「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)が挙げられている。また、指定の手続きについては、「図書類の自主規制団体の審査基準を、条例などの基準と合致するかを十分に調べ、青少年健全育成審議会でその団体がよいかどうかも審議」し、「団体自体の了解も取り交わし、県の方で告示をして決めていく」という。
▼「平成18年度宮崎県青少年問題協議会及び幹事会合同会議議事録」
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/chiiki/danjo/seishonen_mondai_kyogikai/h18gijiroku.html

3.「自主規制団体の審査基準」と「条例などの基準」を比較することが重要な検討事項であることは間違いない。だが、両者の基準が「合致」すればよいのだろうか。
 「有害図書類」の指定方法としては個別指定、包括指定、団体指定がある。このうち最も厳密な方法で指定されるのは、審議会による審査を経て指定される個別指定である。これに対し、包括指定は審議会が審査せず、個別指定の基準を満たす図書類の一部を自動的に「有害図書類」とみなす制度である。
 審議会による厳密な審査を経ない包括指定の基準が「個別指定の基準から、より限定して定められています」(鳥取県)というのが当然だとすると、指定団体の審査基準も「個別指定の基準から、より限定」される必要があるだろう。この原則が守られないと、長崎県のように、審議会が個別指定を見送った図書類が団体指定によって「有害図書類」とみなされることにもなりかねない。これでは条例の指定基準と、その判断を担う審議会が何のために存在するのかわからなくなる。団体指定を行った県や審議会がこの点をどのくらい検討したかは不明だ。宮崎県でどのような審議が行われるのか注目される。(2007/4/4 07:25)

 

【関連報道】
(1)『宮崎日日新聞』2004年6月2日付2面「都青少年条例考 社会が血の汗流し取り組もう」※社説
(2)『宮崎日日新聞』2005年10月21日付22面「ネットカフェ、漫画喫茶 青少年の立ち入りを規制 有害図書類の閲覧禁止 県育成条例改正を検討」
(3)『宮崎日日新聞』2006年2月5日付2面「青少年の健全育成 県民運動の気概で対処しよう」※社説

【条例改定までの軌跡】
▼「宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例 ー平成16年6月改定ー」
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/data/kiseki/miyazaki/H16-6.htm


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