「有害」規制法案・条例の状況

香川県青少年保護育成条例


<H18−1>
1.『四国新聞』2006年6月27日付1面に掲載された「残虐ゲーム販売規制へ 県が18歳未満に 違反者には罰金」という記事によると、香川県は26日、県議会総務委員会において、残虐性の強いゲームソフトを「有害図書類」に指定する方針を明らかにしたという。「グランド・セフト・オートV」の個別指定を検討しており、県児童福祉審議会と指定に向けた協議を進めているという。また、団体指定の導入も検討するという。県は早期の指定に向けて県児童福祉審議会に近く諮問するという。

2.香川県は2005年2月、審議会の議事録等をホームページで公開すべきだという「有害」規制監視隊の意見に対し、次のように回答している。

 「審議会等の会議の公開に関する指針」で定める公開基準に基づき、児童福祉審議会は、その審議事案に応じて公開、非公開を決定しており、今回の条例の一部改正の審議については、公開することに決定しました。
 なお、議事録については、まとまりしだい公開する予定です。

 この回答にあるように、「今回の条例の一部改正の審議」“だけ”は県ホームページで公開された。しかしながら、それ以外の審議は議事内容はおろか、審議事案さえ不明である。一方、神奈川県は県児童福祉審議会社会環境部会で青少年条例に関する審議を進めているが、審議事案に係りなく、すべて公開で行われ、会議記録も県ホームページに掲載されている。香川県が審議会の透明性確保、情報提供の充実に消極的なのはなぜだろうか。今後もこの方針を維持し続けるのだろうか。
▼「香川県児童福祉審議会健全育成部会」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=10189(香川県)
▼「神奈川県児童福祉審議会社会環境部会」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/seisyonen/jihukusin/bunkazai/index.htm(神奈川県)

3.1999年4月に閣議決定された「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」では、国の審議会等について「会議又は議事録を速やかに公開することを原則とし、議事内容の透明性を確保する」とあるほか、議事録等を「一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータ・ネットワークへの掲載に努めるものとする」と具体的な公開方法まで示されている。また、総務副大臣主宰の「情報公開法の制度運営に関する検討会」は2005年3月にまとめた報告書で、「審議会等及び行政運営上の懇談会等については、各行政機関において、今後とも、その議事内容を始めとして情報提供の充実を図る必要がある」と指摘している。さらに経済産業省が設置した「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会」は2006年4月にまとめた報告書で、地方自治対に対し「条例に基づく有害図書類の指定にあたっては、引き続き、指定基準の明確化及び審査会の透明性確保に努める」ことなどを要望している。
▼「「情報公開法の制度運営に関する検討会」の報告」
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050329_1.html(総務省)
▼「青少年の健全な育成のためのコンテンツ流通研究会報告書について」
http://www.meti.go.jp/press/20060418003/20060418003.html(経済産業省)
(2006/7/11 07:40)

<H18−2>
 香川県は「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)」の概要を公表し、意見を募集している。公表された資料によると、残虐性の高いゲームソフトやわいせつなビデオ、DVD、ゲームソフトを迅速かつ効率的に規制するため、団体指定方式を導入するという。指定を予定しているのは、特定非営利活動法人コンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)、日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)の3団体。募集期間は平成18年9月21日(木)〜平成18年10月20日(金)消印有効。提出方法や関係資料などは次のページで確認することができる。
▼「香川県青少年保護育成条例の一部改正についてパブリック・コメント(意見公募)を実施します」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=15780(香川県)
▼「青少年保護育成条例の一部改正についてパブリックコメントを実施」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=15793(香川県)
(2006/9/21 07:00)

<H18−3>
1.『四国新聞』2006年10月4日付24面に掲載された「有害図書の規制強化 県、「団体指定」を規定 条例改正へ」という記事によると、香川県は県青少年保護育成条例に団体指定を追加する条例案を11月定例県議会に提案する方針だという。
2.1の記事には、香川県が「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)」の概要を公表し、意見を募集していることは書かれていない。そもそも意見募集の実施(募集期間:2006年9月21日〜2006年10月20日)や条例案の概要は9月19日に記者発表されている。10月4日掲載というタイミングは、たまたま紙面が空いていた、ということなのだろうか。なお、香川県では青少年条例に関する意見募集が2004年12月にも行われたことがある(募集期間:2004年12月1日〜2004年12月20日)。このとき『四国新聞』は意見募集の締切日である12月20日の1面で条例案について報じたが、やはり意見募集の件にはふれていない。1面で扱うほどのニュースを20日間も放置した理由は、あえて締切日まで掲載しなかった、ということも考えられる。(2006/10/12 07:35)

<H18−4>
 県青少年保護育成条例の見直し作業を進めている香川県は2006年10月12日、条例に関する調査審議などを担当する香川県児童福祉審議会健全育成部会の委員を発表した。香川県児童福祉審議会は任期満了により、2006年9月1日に新たな委員が選出されている。3つある部会の一つ健全育成部会では、部会長を除く委員7人が入れ替わり、三谷一司・NHK高松放送局長らが新メンバーに選ばれた。部会別の委員名簿は次のページで確認することができる。
▼「香川県児童福祉審議会児童家庭部会の開催」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=16050(香川県)
(2006/10/18 07:40)

<H18−5>
1.団体指定の導入を検討していた香川県は2006年10月27日、県児童福祉審議会健全育成部会から導入が必要だとする答申を得たと発表した。答申書などは次のページから確認することができる。
▼香川県児童福祉審議会健全育成部会
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=16199(香川県)
▼「香川県青少年保護育成条例の一部改正について審議会の答申がありました」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=16204(香川県)
2.香川県が発表した資料では、団体指定の問題点が巧妙に隠されている。「包括指定の一つである「団体指定」」という表現から明らかなように、香川県は団体指定を包括指定の一種と位置付けている。だが、団体指定と包括指定はまったくの別の制度である。審査基準も異なれば、個別指定との関係も不明確なままだ。たとえば、性表現を規制対象としている包括指定に対し、団体指定は指定団体の審査基準によって、性表現以外も規制対象となる。また包括指定は個別指定の基準を満たす図書類の一部を自動的に「有害図書類」とみなす制度だが、団体指定はその運用によって個別指定の基準を満たさない図書類まで「有害図書類」とみなすことができる。実際、長崎県では、審議会が個別指定を見送ったゲームソフトがその後の団体指定により「有害図書類」とみなされている。これでは何のために審議会が設置され、個別指定の審査を担当しているのかわからない。
 香川県が発表した県児童福祉審議会健全育成部会の議事要録を読むと、こうした問題点を指摘した委員は一人もいない。県の説明を鵜呑みにする委員しかいないとすれば、答申書で述べられた「審査の独立性・中立性の確保など」は、県児童福祉審議会にこそ必要と言えるだろう。(2006/10/30 07:40)

<H18−6>
1.『四国新聞』2006年11月24日付1面に掲載された「県議会きょう開会 条例改正など18議案提案」という記事によると、24日に開会する11月定例県議会には「有害図書指定に「団体指定」の規定を追加する県青少年保護育成条例の改正案」が上程されるという。
2.平成18年11月定例県議会は12月15日まで開かれる。条例案は最終日の本会議で可決される見通し。(2006/12/8 07:40)

<H18−7>
1.団体指定の導入について定めた「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」が2007年2月1日から施行される。香川県の団体指定では、「図書等の審査を行う団体で知事の指定を受けたものが、青少年に販売等をし、閲覧させ、又は視聴させることが不適当であると認めた図書等で当該団体が定める方法によりその旨が表示されているもの」(第8条第1項第4号)は、すべて「有害図書等」とみなされる。また指定にあたっては、香川県児童福祉審議会または香川県教育委員会への諮問が行われ、指定されたときはその旨および指定団体の定める表示方法が県報で告示される。香川県が2006年9月に公表した「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)」の概要では、CERO、ソフ倫、ビデ倫を指定する案が示されている。

2.青少年の健全育成に関する事項は、県児童福祉審議会に設けられた健全育成部会が調査審議を担当している。団体指定についても同部会が審議するものと思われるが、香川県は2005年2月、審議会の議事録等をホームページで公開すべきだという「有害」規制監視隊の意見に対し、「「審議会等の会議の公開に関する指針」で定める公開基準に基づき、児童福祉審議会は、その審議事案に応じて公開、非公開を決定しており、今回の条例の一部改正の審議については、公開することに決定しました」と回答。「条例の一部改正の審議」以外は議事要録さえ公開されない状況が続いており、団体指定に関する審査の様子も明らかにされない可能性が高い。なお、健全育成部会の副部会長は三谷一司・NHK高松放送局長である。(2007/1/25 07:10)

<H18−8>
 香川県は平成18年度「青少年を取り巻く環境を考える会」を2007年2月16日に開催すると発表した。県教育委員会や県警等のほか、携帯電話会社や書店組合などの事業者が出席し、香川県青少年保護育成条例の施行状況や最近の青少年を取り巻く環境、各団体・事業所等における青少年に関する問題点とその対策などを話し合うという。会場は県庁本館12階大会議室。時間は午前10時から12時までの予定。
▼「平成18年度青少年を取り巻く環境を考える会開催」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=17062
(2007/2/15 07:30)

<H18−9>
 団体指定の導入に関する「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」が2007年2月1日から施行されたのを受け、香川県は2007年3月5日、「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)、「コンピュータソフトウェア倫理機構」(ソフ倫)、「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の3団体を指定すると発表した。団体の指定にあたっては2月23日の県児童福祉審議会健全育成部会で審議が行われたという。指定の告示は3月20日の予定だという。
▼「香川県青少年保護育成条例に基づき団体を指定しました。」
http://www.pref.kagawa.jp/seishonen/sitei/dantai/shiteidantai070305.htm
(2007/3/7 07:20)

<H18−10>
1.「特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構」(CERO)、「コンピュータソフトウェア倫理機構」(ソフ倫)、「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の3団体を指定すると発表していた香川県は2007年3月20日、団体指定の告示を行なった。これにより、CEROの<Z(18才以上のみ対象)>マーク、ソフ倫の<18才未満お断り>マーク、ビデ倫の<成人指定>マークの付いた図書類はすべて「有害図書類」とみなされる。(2007/3/22 07:40)

2.団体指定の適否を審査した2007年2月23日の香川県児童福祉審議会健全育成部会の議事録は次のページで確認することができる。
▼「香川県児童福祉審議会健全育成部会」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=16199

3.2の議事録によると、ある委員はCEROが審査基準を公表していないことについて、「基準が公表されないということは、どうにでもなるという余地があるのではないでしょうか」と指摘している。
 だが、具体的な基準を公表しないことで「どうにでもなるという余地」を利用してきたのは誰だろうか。例えば、指定の基準や審議会の公開/非公開の基準などは明らかだろうか?
 香川県は審議会の議事録等をホームページで公開すべきだという「有害」規制監視隊の意見に対し、「「審議会等の会議の公開に関する指針」で定める公開基準に基づき、児童福祉審議会は、その審議事案に応じて公開、非公開を決定しており、今回の条例の一部改正の審議については、公開することに決定しました」と回答したことがある。その後「条例の一部改正」に関する議事録はホームページに掲載されたが、それ以外が掲載されたのは今回が初めてである。
 もちろん公開対象が拡大されたことは評価できる。しかしながら、今まで限定されてきたのは「どうにでもなるという余地」があったからではないのか。そして今なお発言者名が伏せられているのも同じ理由からではないのか。
 さらに問題なのは団体指定によって「有害図書類」とみなされる図書類が個別指定の基準を満たしているのか、ということである。包括指定は個別指定の基準を満たす図書類の一部を自動的に「有害図書類」とみなす制度である。ゆえに個別指定の基準を満たさない図書類が包括指定されるということは論理的にはありえない。一方、長崎県では審議会が個別指定を見送ったゲームソフトがその後の団体指定により「有害図書類」とみなされたことがある。
 2の議事録を読む限り、香川県の審議会がこの問題を論じた形跡はない。そして個別指定と団体指定の関係が明らかにされないまま、団体指定が行われた。そのこと自体、指定基準と審議会には「どうにでもなるという余地」があることを示しているといえるだろう。(2007/3/23 07:40)

 


<1>
 香川県は「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)」について意見を募集している。条例案の概要によると、「有害図書等」の区分陳列規制を強化するとともに、表紙・パッケージに対する包括指定.を導入し、該当する図書等を「間仕切りされ、かつ内部を容易に見通すことができない場所に陳列する」または「背表紙のみが見えるようにして陳列する」よう定めるという。また、保護者らにフィルタリングソフトの活用を求めるほか、漫画喫茶・インターネットカフェの深夜入場制限施設への追加なども行うという。募集期間は平成16年12月1日(水)〜平成16年12月20日(月)。意見は氏名、住所、電話番号を記入し、郵送、持参、ファクス、電子メールいずれかの方法により提出する。提出先などは次のページで確認することができる。(2004/12/5 10:50)
▼「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)について」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=9734(香川県)

<2>
 『四国新聞』2004年12月20日付1面に掲載された「県青少年条例 8年ぶり改正へ まんが喫茶やネットカフェ 深夜立ち入り禁止 有害図書 区分陳列違反に罰金」という記事によると、香川県は県青少年保護育成条例改定案を2005年2月の定例県議会に提案するという。(2004/12/22 07:45)

<3>
 香川県総務部青少年・男女共同参画課青少年グループによると、県は条例見直しについて香川県児童福祉審議会に諮問を行い、12月16日と1月5日に審議が行われたという。同審議会は現在答申の取りまとめを行っているといい、議事要録や資料は近日中に県ホームページで公開されるという。なお、条例(案)は「2月議会への上程を目途に現在検討中」だという。(2005/1/12 23:45)

<4>
 香川県は県青少年問題協議会を2月3日(木)午後1時30分から開催する。会場は県庁本館21階特別会議室。傍聴の受付は先着順で行われ、定員(10人)になり次第終了。議題は「青少年健全育成のための有害環境の現状と対策について」など。(2005/1/30 06:30)
▼「香川県青少年問題協議会を開催します」
http://www.pref.kagawa.jp/pubsys/cgi/contents_view.cgi?cd=10043(香川県)

<5>
 香川県青少年保護育成条例改定案が2005年2月21日に開会した平成17年2月県議会定例会に提出された。条例案は3月24日に可決される見通し。(2005/2/25 06:05)

<6>
 香川県議会は2005年3月24日、平成17年2月県議会定例会に提出されていた「香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」を可決した。改定により、図書等の表紙・包装箱に対する包括指定が導入され、「有害図書等」の区分陳列基準が設定されることとなった。陳列方法等に対する勧告、命令制度も新設されており、命令に従わないときは30万円以下の罰金。また、青少年の深夜入場制限施設に漫画喫茶、インターネットカフェが追加され、フィルタリングソフトの利用に関する努力規定なども新設されている。新条例は2005年7月1日から施行される。ただし、フィルタリングソフトの利用に関する努力規定などは2005年3月29日から施行されている。(2005/4/4 07:00)


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