すばらしいワタル紀行 1999年11月10日(水)

『創』プレゼンツ 有害指定と自主規制 「完全自殺マニュアル」と「放送禁止歌」


3.言やあいいんですよ

ワタル 「有害」指定のどこがおかしいかってオレが思ったときに、一つには青少年育成とか、青少年委員会って言葉が散見されると。あちこちに出てくる。青少年……ん? 青少年? なぜ全部青少年ってそういうのが付いてるんだろう? 彼らは青少年について考えるというフリをしながら、そういうことを全部やってる。うーんとー、でも、その委員会に参加してんのは青少年でもなんでもなく、実際諮問委員会とかで話し合われてる青少年に関する話は一切ないと。だったら、そこがおかしいんじゃねえかと。一つにはね。

 だからこの国で、この間の対談で宮台さんと話した※5のは、実は20歳未満の人間、未成年者っていう人たちの人権も自由も実は認められてないんですよ。日本人はね。そういう人たちに人権や自由、参政権、社会参加権、ま、少なくとも発言権、そういうものを許させることが最大のフィードバックじゃねえかと。だから諮問機関には、まあ少なくとも、えーと、例えばね、青少年とかを参加させたりとか、未成年者の意見をなんらかの形で、まあ、少なくとも、こうデータ的なこととか、まあ世論調査的なことでもやるなりなんなりして、考えりゃいいだけの話で。そういうことっつーのは盲点だったなあと私自身は思うんですが。

 だから、未成年者に限らずね、ここに来てるみなさん、そして私自身も何も言わねえからダメなんだと。言やあいいんですよ。それが、それが単純な、例えば国政という問題に関してのフィードバック機能。「オレ達はこうなんだ!」「イヤだ!」とか。「ざけんじゃねえ!!」とか。

 だいたい、こう近くでうんこもらした人っていうのはイヤじゃないですか。うんこもらした人が近くにいたら「オイ、くせえぞ!」とか「ざけんじゃねえ!!」とか言うのに、放射能もらした人(会場爆笑)、これもっとイヤでしょ? なんで、黙るなよ(笑)! 黙るなよ! もうボコボコでしょ普通だったら。うんこもらしたやつで(笑)、うんこよりヤだよ。放射能もらした方が。もらすなよ(笑)! でも、誰もなんも言わないのね。

 えーとねー、言わねえからダメなんです。言わねえからダメなんです! だから……でも、言わねえのは、誰も、考えてみたら別に止めてるわけじゃないんだよね。強制的に。テメエで勝手に言わねえだけ。だから、例えば未成年者とか執筆活動してない、別の活動……表現活動とかね、別の仕事についてる人っつーのは、自分の声を言う方法を、方法とか道筋を奪われているというか与えられてない、ってことなんですよ。

 だから、その場合はもうこれテメエでどういうふうにしてってやるか考えるしかねえ。そりゃテメエが幸福になるため。テメエの人権だの権利だの自由だのを守るためにそいうことするしかねえと。道で叫んだっていいんだから。実際鈴木邦男さんなんか昔道で叫んでた(会場笑)。単にね(笑)。「オレはこう思うんだー!」つって。そう考えれば別にそんなの笑っちゃうことでも何でもなくて。案外。「なんで電車の中で携帯電話使っちゃいけねえんだよ!」とかね。

 だいたいあんな官僚とか政治家なんつーのは公僕。公僕だから。オレらの税金で食ってるわけですから、オレらより下だと思うこと。だからちょっとね、ですます調とか使わなくてもいい。ざけんな。太ってたらデブ(会場爆笑)。年取ってるヤツはジジイ呼ばわりで。あと道なんかですれちがったら軽く頬なんか張ってやってもいいんじゃないんすか(会場爆笑)。鼻、ピーンってやってやったりとか。その程度のもんなんですから。「ほら、しっかりしろオラ!」「放射能もらすな!」とかね(会場笑)。「うんこもらしてんじゃねえのか?」とかね。「うんこだけはもらすなよ!」とか(笑)。そのぐらい言ってやってもいいんですよ。民主主義っつーのは。

 だからねえ、一番いけない言葉って仕方が、「仕方ない」って言わないこと。まず、仕方ある。「しょうがない」とか「仕方ない」……。だから前回の『創』のあれにも書いたんですけど※6、「しょうがない」って言うよりも少なくとも結果はどうあれ、「しょうがない」って言った時、言ったって言わなくったって結果っつーもんはそれに、それと、まあ結果っつーのはまた別に成功したり失敗したりするもんですけど。

 えー、例えば私なんか言ったけど失敗したと。今回ね。えー……でも、少なくとも黙ってたよりはよかったなぁとオレは思うんですよ。だから自分がね、その欲求っていう……欲求ね、言いたい欲求っつーのは欲求不満に終わらずに、その欲求が満足されたという時点で、そりゃ全然しょうがなくない。しょうがない……、仕方なくない。仕方ある。仕方あることなんすよ。言うっていうのは。ストレスたまるじゃないっすか。言いたいこと言わない……。だから言やあいいんすよ。ホントに。まったくもって。

 で、えー、そろそろシステム制に……つまり我々、ここに来ているみなさんのことで、自分の欲求をシステムにぶつけること。それは最良のフィードバック機能だと。それがうまくいっている限りシステムは、概ね自立したまんま行くでしょうと。

 だからねぇ、書店とか昔、書店が一番、えーと「有害」コミック、「有害」指定騒動で、もう法律なんか無視したような決まり……法律、決まりを無視した決まりによって「お前ら売ったら捕まえるぞ」「罰金とるぞ」なんて言ってんだったら、書店なんかもねぇ、そんなに弱腰とかじゃなくて「ざけんなよ」と。「なんでいけねえんだ」というふうに言やあいいんですよ。各段階がそうすりゃいい。太田出版だって「ざけんなよ」って言やあいいんです。オレらは別に悪いと思って……でも自主規制する。

 一般的にみなさんが別に言わないっていうのは、思っていることを自分でグッと押しとどめて大人ぶる。大人のような態度をとって誰かに誉められるんじゃない? そんなガタガタガタガタ言うと子どもじゃないかって、怒られるんじゃないかってビクビクしながら最終的に自分の意見を引っ込める、っていうのは、これもまた大きな自主規制。えー、言やあいいのに。それは別にあのー、なんか破壊的活動であるわけはなく、非常に建設的な行為であると。

 で、でもそんなこと簡単に言えば、民主主義って要するにそういうことなんですよ。で、民主主義の社会形態っていうのは、我々が長い歴史、ま、ずーっと長い間、階層社会、階級社会なんてもんが続いて、千年もね、千何百年もずーっとそんなことやってて、やっと民主・自由・平等っていう3原則にのっとった社会でやろうというふうに選んだんですから。「公共の福祉に反しない」なんつーのは、但し書きにすぎない。そんなのっつーのは、そんなこと大声で言う人は本末転倒な人たちですから無視していいんです。

 えーっとー……そうっすね、「ゴーマンかましてよかですか?」とか言って。「ゴーマンかましてよかですか?」って言いながら、公? 公共心、「公共を大事にしろ」なんて。「公を大事にしろ」って。すんげー矛盾してる。ゴーマン禁止法、ゴーマン禁止法とかになるのかな(会場笑)? 「ゴーマンかましてよかですか?」「よくない! バーロウ!!」(会場爆笑&拍手)。その時点でもう個人主義だっつーの。それがなんかねぇ、公共とか言ってるっていうその矛盾。

 とりあえずゴーマンかまさないことから、ゴーマンかますのいいけど、そのゴーマン……全員がゴーマンかましゃいいんだよね。だからそこで公共心がウンタラカンタラっつーのは、そんなの完全に矛盾してるのに誰もそんなこと指摘しないしね。だから民主主義を腐らせるもの……民主主義ってやっぱ大事です。大事っつーか、オレはこういう社会が、そういう民主主義社会っつーのが王制……王制とかやってるところ、北朝鮮とかね。なんか共産支配とかそういうのより非常にいいと思ってますから。それ腐らせると自分が幸福になれないと思うから。まあ、オレは自分なりに自分の意見を発してると。だからみなさんもドンドン発してください。えー、「民」「たみ」っつーのが要するに我々のこの……我々自身の、システムの構成員のね、民主主義を腐らせるのは民が自分の声を殺すことです。

 で、今行われてる変な、変な制度は重要な民の一部、かなりの一部分を占めている未成年層っていう人の声を殺すことによって成り立ってる。未成年層の声を殺すとどうなるか? 「未成年者のために」っていう名目において、勝手なことをすることを、資格を誰かに与えることになる。そういう感じで行われてるのが……だからねぇ、「児童ポルノ法」とかホントはポルノ全体を禁止してるはずなのに「児童」をつけなきゃ気がすまん。「児童」をつけなきゃ成り立たない。

 それが、あのー、例えば日本国憲法っつーのがあって、そこでは「発禁」っつーことは完璧無理なんですよ。何の注釈もなく、えーとー、断り書き、但し公共の福祉に反……公共の福祉に反しない思想の自由なんてないですから。出版の自由とかね。で、従来、思想・発言……思想の自由、発言の自由っつーのは書物を通して行われてきたわけですから。これもう最大限に尊重されるべきものなのに。

 なぜそういうことを事実上ね、県だけとか。我々の県だけですよとか。そういう各々が……各々のいい訳を残したまま全体的に「発禁」にするっていう。憲法では絶対できないことをなんか変な矛盾した作戦によって「発禁」にするっていうようなことが行われちゃう理由、そんなこと可能である理由っつーのは要するにこの青少年ってところに、この法律の欠陥があるからなんすよ。青少年……そうそう未成年ね。でも、未成年は例外だろっていうふうに決めてあるんで、その例外に関して「ここだー!」っつって。「ここを利用しよう!」っつってやってるだけのことなんですよ。だからそんな未成年にいいか悪いかなんてこと全然検討されないでしょ。それ利用してるだけ。

 だからねぇ、未成年者が一番声を出すべきなんですよ。未成年者。前も言いましたが、中学生とかそういう人たちに人権を与えさえ……中学生以上の人たちとかに選挙権を与えさえすりゃあ、そういう社会っつーのは実現されてませんけども、イメージしてみるとなんか青少年に関する問題、青少年を勝手な拠り所として成立してるおかしなことがら、そういったものっつーのは、概ね解消されるんじゃねえかというような気がしますね。彼らが意見を言って、で、それで敢えてやっ……それでもやっぱりこういう本は、ふさわしくないっていうんであれば、オレも納得するしね。それだったら納得するでしょ。「そっか、オレの本やっぱ青少年によくなかったのか」っていうことでね。

 だけど納得いかねえのなぜかっつったら、変なねえ、国家的風紀委員みたいな……たぶんあの人たちって学校でもすげえ嫌われてたと思うんすよ(会場笑)。あのー、立候補して風紀委員なるバカいるでしょ(会場爆笑)。生徒会長とかね。んなもん全然我々の代表でもなんでもないのに。たぶんそういうガキが、そういうガキがああいう仕事にそのまま就いてんだとオレは思いますよ。

 で、あーいうバカが自分ではバカな……バカとも自覚せずにそういうことをやってるんで。それっつーのは未成年の人とくにムカツクっしょ。あんたたちの代弁なんか……あ、代弁ってうんこじゃないんですけど(会場笑)、あんたたちの意見……「あんたのためを思ってるのよ」っつってホント全然思ってないくせしやがって。ホントはそこんところに法律の、あの例外点を見つけて自分のやりたいようにやってるだけなのに。自分が買いたい本が勝手に取り上げられるとか、全然自分らの意見が押さえられちゃってる。で、自分らが「ふざけんじゃねえー!!」って言いたいところだけど、その声も全然押さえられ、殺される。圧殺されるんだね。だからとくに未成年者。そして自己規制。発言を、「うおー!」とか叫んだ発言を「やだー!」とかいう発言を押さえられる、押さえている我々がちゃんと発言することが一番大事であると。で、でもまあ……

篠田 鶴見さんちょっと悪いけどさあ、あと会場とのやりとりにも時間とるからね。

ワタル うん。

篠田 ちょっとそれを想定しながらやってください。

ワタル OKっす。OKっす。

篠田 せっかく来てるから。

ワタル わかってます。時間延長してでもオレはつきあいますから。えー……とりあえずちょっと……で、でも、じゃあどうすんだと。オレ自身どうすんだと。こりゃわかんないんで、今日はそれを篠田さんと考えようかなと。で、でもね、でもね、とりあえず考えるうえでさっきも一番最初にいった通り、やっぱり何を考えるべきかっつーことをはっきりさせて考えねえとダメだと。だからとりあえず前提として無法状態だっていうのを、とりあえず認めるということ。オウムの人なんかいまだにね、あのー他人の敷地に足を踏み込んだだけで、えーとー……そうそう不法侵入罪とかいって。もう全然デタラメでしょ。人権も何も……あのー電気とかガスとかそういうもんも通してもらえないんでしょ? そういうもん……国民の生存権つー最もね、基本の権利すら奪われちゃってるね。だから無法状態である。

 この状態を見てどうするか? で、まー私がとりあえずここら辺ぐらいは言えるんじゃないかと思うのは、規則を守らずに……ま、少なくとも規則がどうであるかっていうことにとらわれずに読むことであるかなと。それともう1個はケーサツが単なる暴力団であるってことをはっきりと自覚して、非常にこういう、これらの……例えばね、今いった「児童ポルノ法」だとか「有害図書」指定でも、一番ポイントになってんのはケーサツだと思うんで。こいつらにどう対処するのか? これ絶対考えなきゃいけない問題で、こいつらがいなきゃ、そんなにねえ、大した問題では、大したことにはならないハズなんですよ。

 こいつらが、あのー、その都度その都度、チョコチョコチョコチョコねえ、顔を見せる。なんか最初にね、言い出しっぺになってみたり、書店に張りこんだりとかね。こいつらへの対応策っていうのは非常に考えるの重要。こいつら、こいつらに出てくる口実を与えさせないこと。このケーサツ。「警察」なんて漢字で書くのはね、カタカナで書いてやりゃあいいと思うんですけど。警備員さんね。国家的警備員さんたちがエラそうにすることを押さえること。ま、このぐらいだなぁ。そんで、ま、ゲリラ戦だなぁと。少なくとも真正面から行ったら絶対にダメ。徒労に終わります。これは自分がよく知ってる。こんなもんかな。

 ここまでしか自分はねー、いま他に残された自分の本を守るためにも……ゲリラ戦っつーのは相手を自滅させる戦略でありますから。ホーチミンが書いた『ゲリラ戦について』って本スゲエいいんですけど、「相手を眠らせるな!」なんつってね。それしかないなと。

 決まりを破ってきた相手に対しては、決まりを破っても応えてもよい。それが平等だ! 未成年者が徹底的に人権を奪われ、自由を奪われ、人間としてすら扱われていない。ならばそれらを奪い返すためなら、どんなきまりを無視してもいい。それが平等だ! オレは人権と自由を侵害された。だから侵害されたヤツらの人権と自由も侵害する。それが平等だ! なーんて。なーんちゃって(会場笑&拍手)。でしょ? そうでしょ? だから、やられたらやり返さなきゃ。だってねえ、イヤじゃん! やってらんねえよ! ケーサツ、絶対に捕まるな! 関わらせるな! 遠ざけろ!

 ケーサツは単なる暴力団だから。あらゆる民間のトラブルは「裁判で決着を着ける」といえばすべて片付くハズなのに、民事訴訟って……あの、裁判が機能してないっていうのは、要するにオレらだけがマイナス点じゃなく、逆に利用することもできる。たいていのトラブルは、民間的トラブルは「じゃ、裁判で決着を着けましょう!」ですむはず。そういうところを逆利用すること。

会場から 裁判って信用できるの?

ワタル や、まったくできないです。そんなもん。そこをねえ、わかっておいたほうがいいと思います。刑事訴訟っつーのは、あれはもう、少なくともオレは覚醒剤の、えー判決を受けましたけど、ホントにおまけ。あれは、あれも行政府が決めてることですから。刑事訴訟がまったく芝居っつーのははっきりしてる。で、民事訴訟っつーのなんでか知んないけども、とりあえず長引かせることとカネを使わせること。で、ほとんど外国なんかすぐ訴訟起こして、「え! これが!?」っていうような、日本人的感覚からすると「え! これが有罪になるの!?」っていうようなセクハラ、セクハラ訴訟とかね。そういうのって完全に有罪になるんですよ。やっぱね。まともに機能、司法が機能してるんですけど、日本なんか、えーと、誰も裁判にやろうって、潜在的に裁判をやろうと、潜在的に思ってないでしょ。そもそも弁護士っつーの見つからないっつーのがおかしい。だから裁判っつーのは、最終的には裁判があると思ってるとダメなんですよ。負けるんです。だから底が抜けてるんだから、最終的に裁判でけっ……あのー、で、なんとかなるなんて思っちゃダメ。そこをわかっておくこと。

 で、書店さんは「有害図書」を未成年者に売れ。もういいんです。そんなメチャクチャな決まりなんか守んなくていいよ。もう。で、今までおそらく、そんなこと脅しなんですから、罰金までいくためにはケーサツがその物的証拠を、物的証拠……例えば検察庁では物的証拠がないと、さすがに裁判の法廷でも有罪判決が下らない。だからあのカレーのね、あの人たぶん無罪でしょ。もうこれ以上、あのー証拠ないですから。だけどあんなヒドイめにあっちゃうね。うーんとー……だから非常にケーサツの側からすると脅すのは簡単であるけれども、イザそれを売ったという書店が現れた場合でも、それを立証して、裁判にかけ、さらに裁判で罰金いくらいくらの刑に、なんとかに処す、なんて前例は少なくともありません。みんなただビビッてるだけ。だから……

篠田 いやいや、前例あんのよ。それ。多少。

ワタル ホントですか?

篠田 コミック規制の時。うん。

ワタル どういっ……書店ですよ。書店。

篠田 ええ。それねえ、警察が書店に張りこむんですよ。で、こいつは未成年者ってやつを捕まえて、本買って出てきたとこに聞くの。で、未成年者ってわかると「逮捕!」って入るんです。

ワタル 書店、書店員で逮捕されて、

篠田 うん。

ワタル 最終的に罰金刑までいった人っているんですか?

篠田 罰金は払ってるよねえ。うん。逮捕されちゃってんですから。払ってるって。

ワタル それじゃあ、公判までいったはずなんですね? 「罰金刑に処す」ってことですから。そうですね。条例ですからね。

篠田 いやあのー捕まったんで認めちゃうから。

ワタル ホントにあったの?

篠田 ホントにあったの。えーと、熊本で。うん。

ワタル だけどそのためには、ケーサツなんて実は人数すごい少ないですから、それずーっと張りこんでなきゃいけないわけでしょ?

篠田 うん。だけども、

ワタル 同時発生には……

篠田 いやいや、ですから目をつけんですよ。この書店で危ないらしいって目をつけんで、そこを集中的に張りこむんですよ。

ワタル どんなケーカンが張りこめるってことは、例えばデモ隊、デモ行進がある時にケーカンが警備するだけでも、ものすごい時間、あのー手間・ヒマ・労力があるんだから、同時多発的にみんなで売っちゃあいいんですね。全部張りこめないんだよね。いいの、いいの。いんだよ。もう、何やったっていいんだよ。こんなとこ(笑)。警備員さんなんですから。「邪魔だ、邪魔だ!」「何やってんだお前!」「そんなとこ立ってんじゃねえよ!」って撃っちゃうと。バーンってね(会場爆笑)。ケーカンを撃つ(笑)。

 だってさあ、ドイツのフーリガンだってさあ、あのー隣りのフランス行って「ケーサツ出てこーい!!」「ケーサツをやりに来た!!」って。実際ケーサツが出てくるとやっちゃうのね(笑)。そうやって堂々と帰ってくんだから、ホントに日本のケーサツ制度っつーのは異常なんですよ。それもわかっちゃう。わかっ……わかんないと。もうドイツのフーリガン並にケーサツこっちから乗り込んでって「おい! ケーサツ出て来い!!」つって、やって帰ってくるっていうね。堂々と。

会場から やってくださいよ!

ワタル え?

会場から やったら?

ワタル オレ? うーん。やってるよ。オレなりに。

篠田 ま、まあ、ちょっと最初のあれは後にして、ちょっとまとめましょう。鶴見さんの話。

ワタル ちょっと待って。ちょっと。もうすぐ終わりますから。

篠田 終わってから会場からの発言受けるんで。

ワタル そうだね……でも、そうだね。「やってみろ!」って言われちゃできないよね。だからそのぐらいの

篠田 や、いやあ、できないっていってもあれよ。

ワタル できない、できない! できない、できない! できない、できない!

篠田 あの、鶴見さんは不言実行じゃなくて

ワタル そうそう。や、

篠田 実際逮捕されてんだよ。1回。あのー

ワタル だけど、や、

篠田 前歴あるからね。

ワタル だけど、できないから。できないけど、そんぐらいの……いま言ったのは、そんぐらいの気持ちでやっ、いってもいいんだということ。で、実際に、あのー言ってんのは、あれで、ケーサツに捕まっちゃダメだとか、ケーサツを関わらせるなとか。そういうのが大事だといってるんであって。有効なことはないっすよ。そうですね。そういうふうにいってもらえれば自分の論旨を逸脱したところを訂正してもらう意味で非常にありがたいと。

 で、やっぱゲリラ戦以外にはないと。正面から行くな! ぶっ壊して逃げろ! これまで先生とかね……先生とか名前のつくやつをやる。とくに集中してやれと。うーん。とくに未成年者。人間扱いされないんだったら最低限の自分の生存の権利ぐらいは力をもってでも確保すべきであると。教師をやれ! 精神科医をやれ! 政治家をやれ! PTAをやれ! 役人をやれ! 親をやれ! と。そしてパニックを起こせ! この国が一番恐れてるのはパニックです。

 えーとー、なぜ東海村の人たちを、あのー100m圏内かな? あの圏内の人たちを戒厳令状態に置かせたか? これパニックが恐いから。この国が……そーすっとどうなるのか? えーとー、為替相場が暴落。株相場、為替相場が暴落して、紙が紙き、あ、金が紙切れになる。だからそれを一番恐れてんですよ。各地で労働事故とか最近相次いでる。まあ、それもちょっと陰謀史観的にとれば、彼らは交通を押さえることをまず考えるでしょうと。うーん。だから……で、空港を封鎖するハズなんですよ。なんか国内でとんでもないことが起きちゃったら。パニックを起こさないためにね。株価……で、札束。全部いいんです。札束を紙切れに変えちまえ!

 だって死ぬんだもん。死ぬ……だって未成年者なんつーのは、例えば中学生の自殺。殺されてるんですよ。あれ。自分らの声にならない声を、声を、声にさえしてもらえないで殺す。声をまず殺す。殺させられて、結局自分らがどんなに悪劣な環境にいるかっつー社会に訴えられないがゆえに、自分で死ぬしか……もう生きてるぐらいだったら死んだ方がましだっつうような状況まで追いこめられちゃってる。殺されてるようなもんですから。

 えー……そうだな。国籍を捨てる自由。海外に逃げる自由。これ憲法22条かな? で、ちゃんと保証されてんのね。国籍離脱の自由ってのはみんな持ってるんすよ。だからこんな国とっとと逃げるっつーのも一つの手。もう、なんかヤな思いで忘れちゃう。名前もね、トムとかになっちゃったりね(会場爆笑)。「なんか昔そんなことあったけど、まあいいや」って感じでね。だって憲法で保証されてんのに誰も知らないもんね。まあ、えーっとね、オレが思いついたのはこんなぐらいかなぁってかんじですね。篠田さん。

篠田 はい。わかりました。ちょっと明るくしようかね。これもういい……

ワタル 休憩しましょうか? ちょっと休憩いれますか?

篠田 ここでまたいれるの? いいの?

ワタル いや、いい。うんうん。だって1時間くらいはやったでしょ?

篠田 いやいや……

ワタル オレが休憩したいんだなって(会場笑)

篠田 いやいや、そりゃあいいけど、なんか食べる? いいの? ご飯は? あの、ちょっと、ちょっと明かり点けてください。

ワタル ちょっと休憩したい。

篠田 じゃ、ちょっといれましょうか。じゃ。えー、じゃあ今度は5分でいきます。5分間休憩。

●注
※5 早稲田大学で1999年11月4日に開催された宮台真司・東京都立大学助教授との対談のこと。
※6 『創』1999年11月号に掲載された鶴見済「126万部ベストセラーの著者の激白! 『完全自殺マニュアル』のどこが「有害」なのか」(インタビュー記事)では、「最近正論に走ってるんですけど、イヤなことはイヤだって言います。「しょうがないだろ」なんて言うヤツには「命令すんなよ」で十分。自分がスカッとするだけでも、黙ってるよりははるかに「しょうがある」と思っているので」と話している。


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