すばらしいワタル紀行 1999年11月10日(水)

『創』プレゼンツ 有害指定と自主規制 「完全自殺マニュアル」と「放送禁止歌」


6.質問コーナー(2)

篠田 はい、他にいらっしゃいますか? はい、ちょっ、ちょっとマイク回してあげて。

質問者7 さっきですけど、やられたらやり返すとか目には目をとか、そういう感じの話ありましたけれども、そしたら核ミサイル落ちてきたら落として、それで、ま、世の中おしまいみたいな。ま、それはそれで、僕も最近はまあ、それでいいかなって思うようになったんですけど。そういうものなんでしょうかっていうのかな……?

ワタル オレ個人としては、まったくそういう感じですが。

篠田 うん? ちがう……そうじゃないんじゃないかってわけだよね?

質問者7 いや、そうで……いや、最近なんかそういうふうに傾いてきちゃったのかなっていうか、まあ死んでもいいかなあっていう(笑)

篠田 身も蓋もないぞ。君の言い方じゃ(笑)

ワタル うーん。でもねえ……オレ自身の感想としてはなんかそうですね。実際にそういう目に遭ってどう思うかと……

質問者7 フィードバックの機能として作用するっていう発想、エスカレーション的に作用しちゃうっていう面と両方……たぶん価値の本位でもあって、

ワタル うん。

質問者7 全員自殺しちゃって、まあ、それでもいいんですけど。

ワタル あるいは全員、国籍離脱しちゃうとかね。

質問者7 うーん。そういう面もあって、フィードバックの作用が効かなくなるのが恐いっていうのは、ある程度っていうか、私もわかるんですけど、エスカレーションの機能ってのもある程度あるんじゃないかなっていう。

ワタル うーん。でも、自分の得になるように、エスカレーションするのが得だと思えばそうした方がいいと思うし、そうじゃなければあんまりバカな行動には走らない方がいいとは思いますね。ま、最初、この騒動からじっくり考えるっていうことじゃないでしょうか。

質問者7 ありがとうございました。

ワタル エスカレーション、結果的にするしないに関わらずにね。

質問者7 はい。

篠田 ちょっと……さっきほら、なんかあそこ

ワタル あ、じゃあ

質問者8 えー、裁判を見に行って、その先ほど鶴見さんがおっしゃられた、司法の制度的なスカスカ加減を目の当たりにしまして。ほんとに、

篠田 裁判って鶴見さんの裁判?

質問者8 『読売新聞』見まして、判決をちょうど傍聴に伺いました。

篠田 彼の裁判ね。あ、ちょっと知らない人いるかもしれないけど覚醒剤で逮捕されたのね(会場笑)。

質問者8 あの、当時は顔を隠されてましたけどここ最近顔を出されるようになりまして、非常にうれしい思いです。

篠田 (笑)

質問者8 僕は個人的に、勝手に、毎年10月20日を『完全自殺マニュアル』記念日だと決めてるんですけど、

ワタル 10月20日って何の日だっけ?

質問者8 まあ、富士吉田署で樹海の捜索が毎年行われるんですよね。だいたい。

篠田 あ!

ワタル あー。

質問者8 今年もルックルックは

篠田 なんかやってた、やってた!

質問者8 取材してましたけど。『完全自殺マニュアル』、

篠田 やってましたよね。

質問者8 毎年だいたいマニュアル本をちょこっと出すんです。

篠田 うんうん。

質問者8 必ず(会場笑)。あと今年はね、

篠田 うん。

質問者8 でかく出るかなと思ったら、なんか全然スカスカで。ほとんど無視されてて。

ワタル いや、だけどねえ、調べてみたら山梨県の方の地方版ではやっぱりねえ、出てました。

質問者8 あ、出てましたか。

ワタル いや、オレは今までにないほどに大きく取り上げられていて、まるでタイミングを見計らったかのようですね。

篠田 いや、その10月……その、そのキャンペーンの時に?

ワタル そうです、そうです。全国的に「有害図書」指定が広がってる最初のまさにその時に、

篠田 うんうん。

ワタル で、この新聞の論調っつーのも面白くって。えーっと、県の方では、一応その関連性を認めてないんだって言ってんのに、新聞の書いてる記者は「そうであろうか?」なんつって。そういう論調含めてゆゆしい。

質問者8 地方のあれチェックしてないでした。動きは少しあったということですか。

ワタル オレの方がチェック力上だった。

質問者8 ああ

篠田 いやいや、そりゃいいけど、

ワタル まだまだだね。

篠田 (笑)今年の10月20日に、

質問者8 20日ごろですけどね。

篠田 20日ごろ。

質問者8 まあそのー、一番最初の年はインタビューも放映されたりとかしたんですけど。

篠田 ん? 最初って裁判……逮捕の?

質問者8 いや、本が出たころ。

篠田 本が出たころって、そういうことね。はいはい。

ワタル そういえば今回ワイドショーは騒がないね。全然ね。

質問者8 出版の話だから、ま、放送はあんまり入ってこない……

ワタル やっぱり事件性はないってことでしょ? 報道活動は、あれ何かが起きたわけじゃないのにってことでね。

篠田 だからワイドショー取り上げるのあれよ。自殺者が出てその人の枕もとに『完全自殺マニュアル』が置いてあったっていう、それじゃないとワイドショーなんないよ。今これ出版規制の話だからさ。

ワタル 要するに何も起きてないってことでね。具体的に。

篠田 あの出版規制の話だと視聴率とれない。

ワタル 番組なにやんの?

篠田 いやいや、それでさ、さっき……あの今年この青木ヶ原の写真集出たんですよ(会場笑)。

ワタル うん。はい。

篠田 やっぱりねぇ、あのー『完全自殺マニュアル』が出てくんの(笑)。だから、やっぱりこの種のテーマだと定番なんですよ。でー、これ自殺した、首つりしてるとこの写真とか出てきてるんですよね。あのー、腐乱してる。あ、ちょっと何か映しましょうかね。うん。これなんか週刊誌でけっこう話題になったんですよ。で、たぶんその10月20日にそのキャンペーンがあるんですよ。自殺防止キャンペーンってね。青木ヶ原をこうマスコミ連れ、引き連れて周るっていうキャンペーンやってんですけども(笑)。だからたぶん、それに合わせてこれ発売されたんだと思うんですよね。あー、できたらねえ『完全自殺マニュアル』って、その富士の樹海をすすめるうえで一つの風景になってんですよ。これが一点加えられてるっていう(笑)。あのー、死んだ人の傍らにこの古くなって朽ちた『完全自殺マニュアル』が、しかもこの死んだ人と同じページがちゃんと開けてあるんですね(笑)。

ワタル みんなあれ持ってピクニック行ったりとかするな!(会場爆笑) みんな行くんだからね。いや、オレも、オレもねえ、あのーオレは単なるコケの、コケのあれですから。日本全国的にみて珍しいコケを……

篠田 はい、はい、ちょっとこれを。これをね。

ワタル オレは単純にコケ見物に行ったら、食い残しのカップラーメンのあれとか捨てちゃいけませんよという行政……そういうのが勝手にさあ、かえてしまうってね。

篠田 で、まずその死体、死体をみして。あ、いいや、そこ映すけどさあ、ちょっと待って。あのー本、本がどういうものかちょっと……こういう首つり、首つり自殺なんですよ。で、あのーよくねえ、この種のキャンペーンっていうのは何を言おうとしてるかっていうと、要するに富士の樹海っていうのは自殺の名所なんだけども、死体が腐乱すんですよね。発見されないから。で、要するにうじ虫がわいたりして、自殺ってのはこういう悲惨なもんですよっていうのを訴えるっていうのがキャンペーンのポイントなんですね。で、これも、あのー説明見ると、要するに腐乱してうじ虫がわいてるってそういう見出しなんですね。じゃ、ま、いっか、

ワタル だけど……

篠田 腐乱した後の写真もあんだけど。

ワタル だけどねえ……

篠田 で、何ページか、何ページか前見ると『完全自殺マニュアル』載ってんですよ。

ワタル 足も踏み入れないようなとこなのに、わざわざ自殺した人を引っ張り出してねえ……

篠田 うん。

ワタル そんな、そんなことする奴すげームカツクって思いますけどねえ……。かわいそうですね。そんなの一人で死にたいからこそ樹海に行くのに。

篠田 ちょっと引いて。あ、引いても……あれ? ちょっとアップすぎてわかんねえな。あのー、要するに『完全自殺マニュアル』が、要するに死体の側に置いてあったんだけども、これ自体あれでしょ。落ち葉に隠れてもうなんかこう……。そう、だからその死んだ人の方法が書いてあるページが開いたまんまずっと置きっぱなしになってるっていう、そういう写真なんですね。これ、なんか本かどうかわかんねえな。

ワタル 腐っちゃうけど、

篠田 あ!

ワタル あ!

篠田 これクスリが置いてあんです。クスリのページが置いてあるわけ。

ワタル もう、こんな、こんなもん完全にやらせに決まってる(会場爆笑)。そんでさあ、もう、あのー

篠田 ちょっとやらせっぽいよね(笑)。

ワタル 全然やらせに決まってる。こんなもん(笑)。『完全自殺マニュアル』も。これレキソタンだよ。レキソタンをさあ、置いてさあ。

篠田 これ、このクスリはちょっとやらせっぽいなあ。

ワタル だって完全になんかねえ、上にこんなの(会場爆笑)。だってあんなワイドショーのやつなんて笑っちゃうほどのやらせですよ。だって「撮影に来ています」なんていいながら「おっと、こんなところにこんな本が置いてあります!」(会場爆笑)。置いてあるわけないじゃんねえ、そんなもんねえ(笑)。だけどもうそれ伝統芸能化してきたんで(笑)。

篠田 確かに毎年それだからね(笑)。パターンが。で、死体が発見されるとその下に必ず『完全自殺マニュアル』が置いてあんだよね(笑)。で、そこの首つってる人は首つりっていうそのページが開いてあるっていう。そうなってんだよ。

ワタル 宮崎勤君の部屋のあれとかね。

篠田 や、でもほんとにあれだよね。その意味でいうと、その鶴見さんの本っての風景ですよね。自殺を語る時にもうそれを抜きには語れないっていうぐらいにね。はい、ちょっと他の質問受けましょうか?

ワタル いや、

篠田 でも、読売……

ワタル 最後にもう一回質問のコーナーを設けるんで、

篠田 いやそれ読売の人は今の話でいいの? それで? わかったの? 発言は?

ワタル いいよね? でー

篠田 だからその『読売新聞』は何?

ワタル いやいやいや。いいよ、いいよ。

篠田 その、取り上げないの? 規制の話は。規制の話は取り上げないの?

ワタル え? ええ。じゃあ、具体の話にじゃあいきますか。

篠田 うん。

ワタル いきましょうよ。もう終電、終電とかも危ないですね。みんな帰りだした。

篠田 はい。

ワタル にしかたさん来られます?

篠田 あ、具体ってそのね。

ワタル 具体的にこの、もうちょっと絞って。さっきオレの話は総論的なもんだったんで。じゃあ、ほんとに具体的に、

篠田 顔写ったほうが次の選挙出る時いいからさ(笑)。

(会場拍手)

ワタル うーん……こんなかにも、こんなかにもやっぱそういう問題で実質的に被害を受けてる人いると思うんで。

篠田 ちなみにこないだ民主党から立候補して落ちました(笑)。落ちるだろうなって思って(笑)。宮台さんが推薦だかんね。

ワタル じゃ、例えば、例えば、今これ以上の、

篠田 宮台さんが応援演説してる写真が載ってたけどね(笑)。

にしかた や、や、そんなことはないです。

篠田 あれ?

にしかた 応援演説はやってないです。

篠田 応援演説じゃないのあれ?

にしかた ええ。

篠田 ふーん。


7.「波及を食い止めるには?」へ

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