ドキュメント『完全自殺マニュアル』規制騒動


1993年(平成5年)

7月4日
 『完全自殺マニュアル』発売。

 

1994年(平成6年)

2月18日
 『ぼくたちの「完全自殺マニュアル」』発売。

 

1996年(平成8年)

11月15日
 『人格改造マニュアル』発売。

 

1997年(平成9年)

3月
 群馬県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

10月17日
 岡山県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

1998年(平成10年)

7月27日
 岐阜県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

10月
 滋賀県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

1999年(平成11年)

1月25日
 岐阜県で『人格改造マニュアル』が「有害図書」に指定される。

7月13日
 『産経新聞』が「マニュアル本読み自殺? 都内中1女子、自宅で」という記事を掲載。記事によると、7月10日に都内で自殺した中1女子の部屋に『完全自殺マニュアル』があったという。
<参考>
 東京都青少年問題協議会は2000年12月、平成3年〜11年の青少年の自殺統計を示し、「この自殺マニュアル本が出版されたのが平成5(1993)年であるから、その影響で自殺者が増加したとはいえない」と認めている。

7月18日
 警視庁は『完全自殺マニュアル』を「不健全図書」に指定するよう東京都に通報。長岡義幸「『完全自殺マニュアル』悪書キャンペーンの陥穽」『創』1999年11月号によると、「警視庁による「不健全」図書類の通報自体はぜんぜん異例のことではない。警視庁は毎月、独自に収集した数十点から百数十点の雑誌やビデオの一覧を、条例を運用する都生活文化局女性青少年部青少年課に通知していて、いわば定例行事となっている」「『完全自殺マニュアル』は7月18日付で警視庁が通報したなかの1冊だった」という。

7月21日
 『産経新聞』夕刊に「自殺マニュアル本 「有害図書」指定を要請」という記事が掲載される。記事によると、警視庁少年育成課は今月10日に自殺した中1女子や今年4月に自殺した専門学校生の少年が『完全自殺マニュアル』を読んでいたことなどから、同書を少年への販売などを禁ずる「有害図書」に指定するよう東京都に要請したという。なお、少年の部屋には遺書があり、進学問題で悩んでいたという。

7月26日
 『東京新聞』が「「捜査現場無視」募るいら立ち 警視庁の「完全自殺マニュアル」通報」という特集記事を掲載。記事では、警視庁による『完全自殺マニュアル』の通報を「有害図書指定の現状に一石を投じようとする意欲の表われとも受け取れる」と評価。

8月10日
 秋田県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

8月18日
 和歌山県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

8月19日
 太田出版は東京都を訪問し、『完全自殺マニュアル』に18禁の帯を付け、ビニールパックして出荷すると説明。

8月26日
 第471回東京都青少年健全育成審議会(会長、石崎富江・日本善行会常務理事)が開催される。条例の拡大解釈になるとの判断から『完全自殺マニュアル』の「不健全図書」指定は見送られたが、以下の会長見解が発表された。

1 本審議会は、株式会社太田出版発行の「完全自殺マニュアル」について、自殺の手段・方法等を詳述し、自殺を誘発するおそれのある内容であり、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある不適切なものと考える。しかしながら、審議会としても現行条例及び認定基準の規定のもとでは、本書の不健全図書類指定は困難であるという、今回の東京都の判断は妥当なものと考える。

2 自殺を誘発するような記述・描写をしている図書類は、青少年の健全な成長を阻害するおそれのあるものであり、関係業界はもとより、東京都においても条例の見直しを含む適切な対応をとられるように要望するものである。

3 根本的には、このような図書類による青少年の問題が生じることのないように、条例等による規制のみならず、自他ともに人の命の大切さや生きる喜びの理解等、青少年の生きる力や判断力の育成・強化へ向けた、家庭や学校、地域等のより一層の取組みが何よりも重要であると考える。

8月27日
 『毎日新聞』に「「完全自殺マニュアル」を不健全図書と指摘」という記事が掲載される。『日本経済新聞』には「自殺マニュアル本 不健全指定見送り 都が決定、審議会は条例見直し要望」、『産経新聞』には「「完全自殺マニュアル」 有害図書指定 都が見送り」という記事が掲載された。

8月28日
 『毎日新聞』が「「自殺マニュアル」自主規制」という記事を掲載。記事によると、太田出版は東京都青少年健全育成審議会で「不適切」とされた『完全自殺マニュアル』に対し、本をビニールで包み、帯に「18歳未満はご遠慮ください」と記載する対策をとったという。自主規制は23日から実施されているという。

9月3日
 『毎日新聞』に「東京都「有害図書」指定を見送り」という記事が掲載される。8月26日に行なわれた東京都青少年健全育成審議会の様子を報じるとともに、斎藤学氏(精神科医)の「流布させてはいけない」という話や鶴見済氏(『完全自殺マニュアル』著者)へのインタビュー「表現の自由おびやかされる」が掲載された。この中で鶴見氏は「なぜ、自殺が悪いのか。自殺をあおっていることはないはず。言論や出版の自由がおびやかされていると考えないのか。不健全図書にする根拠はない」と話している。

9月4日
 『朝日新聞』に「自主規制、自由に勝る? 完全自殺マニュアル 版元が「18禁」の帯」という記事が掲載される。記事によると、太田出版は8月20日の書店納入分から本をビニール袋でパックし、「十八歳未満の方の購入はご遠慮ください」という帯を付けたという。著者の鶴見済氏はこの自主規制を太田出版から一方的に伝えられ、承諾はしていないという。記事には以下のコメントも掲載されていた。

読者や世間を欺く行為
鶴見済さんの話 6年間にわたり、未成年者を含む100万人以上がこの本を買ったが、自殺の誘発性などなかったことは、自殺率などのデータを見れば明らかだろう。
 今回の出版社の措置はこれまでの姿勢を翻し、全く独自に本が「有害」だと認めている。著者の自分だけでなく、読者や世間までも広く欺いた行為で、許し難い。
流通させることが肝心
太田出版の話 有害・不健全図書に指定されると、実質的には一般の書店に並ばなくなり、18歳以上の人に買ってもらうことも難しくなる。
 今の時代に必要な本だという認識は変わっておらず、自主規制することで指定を避け、きちんと流通することを目指している。
出版社は信念を持って
 浜田純一・東京大学社会情報研究所教授(情報法)の話 青少年健全育成条例などで図書類を規制する場合、対象は出版そのものではなく、あくまでも売る側だ。出版の自由は憲法で保障されているのに、今回は出版社自らが、表現の自由を制約した形となっている。もっとも、帯をつけることで話題性を高めようとする判断があったのかもしれない。
 著者の承諾なしに、販売対象を限るのは問題だ。「いい物だ」と判断して本を世に出したのなら、出版社は信念をもって臨むべきではないか。

 『朝日新聞』(大阪版)には「出版社「18歳未満、買わないで」 ベストセラー「完全自殺マニュアル」  著者反発し「版権移動検討」」、『朝日新聞』(西部版)には「完全自殺マニュアル 18歳未満は禁 有害図書指定に「帯」つけて対抗 出版元 著者は版権引き揚げ検討も」という記事が掲載された。

9月11日
 『出版ニュース』1999年9月中旬号に、西尾肇「図書館の自由」という記事が掲載される。警視庁が『完全自殺マニュアル』を「有害図書」指定するよう都へ通報したことなどから、図書館における同書の取り扱いを論じている。

 『東京新聞』に「都審議会が条例見直し含む異例の注文 「完全自殺マニュアル」規制に動き」という特集記事が掲載される。記事によると、警視庁は太田出版による自主規制について「今回のマニュアル本のケースでは、帯紙やビニールパックは、逆に興味をそそらせる面があり効果は期待できない。条例改正による有害指定の法的な裏付けが望まれる」と話しているという。

9月21日
 『FOCUS』1999年9月29日号に、「trouble 「完全自殺マニュアル」著者が版権引上げ宣言!――ベストセラーの有害指定問題」という記事が掲載される。『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏が規制の経緯や『完全自殺マニュアル』を「有害」だとする人々への反論を語っている。

10月1日
 『出版ニュース』1999年10月上旬号に、野崎保志「『完全自殺マニュアル』自主規制について」という記事が掲載される。

10月5日
 『SPA!』1999年10月13日号の神足裕司「これは事件だ!」と鈴木邦男「夕刻のコペルニクス」で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。

10月6日
 『GQ Japan』1999年11月号の大塚英志「小林よしのりの裁判」という記事で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。

10月7日
 『創』1999年11月号が「『完全自殺マニュアル』規制騒動の顛末」という特集記事を掲載。『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏や東京都青少年健全育成審議会委員・清水英夫氏へのインタビューのほか、警察や東京都の動きなどが詳しく書かれている。

10月15日
 『ほんコミニケート』1999年11月号に、長岡義幸「出版界・ホントのほんと 63 都青少年健全条例と「完全自殺マニュアル」」という記事が掲載される。

10月18日
 神奈川県児童福祉審議会文化財部会が開催され、『完全自殺マニュアル』を「有害図書類」に指定することを決定した。記者発表によると、出席した委員は上田滋(少年補導員連絡協議会会長)、内山絢子(科学警察研究所防犯少年部補導研究室長)、梅沢健治(委員長/神奈川県議会議員)、影山秀人(弁護士)、日浦美智江(知的障害者更生施設「朋」施設長) 平松雄造(神奈川新聞社写真部長兼論説委員)、渡部近司(部会長/県青少年指導員連絡協議会会長)の7人。

 『AERA』1999年10月25日号に、速水由紀子「仰天手引書の氾濫 『完全自殺マニュアル』騒ぎの陰で」という記事が掲載される。自主規制をめぐる『完全自殺マニュアル』著者・鶴見済氏と太田出版の対立、東京都による「不健全」指定への動き、復讐や殺人のマニュアル本といった「きわどい出版物」が増えていることなどを伝えている。

10月19日
 『神奈川新聞』に「「完全自殺マニュアル」県児童福審が答申 有害図書指定へ 県警「安易に死へ誘導」」という記事が掲載される。記事によると、神奈川県警少年課は県当局に『完全自殺マニュアル』を「有害図書」指定するよう要請していたという。なお、平松雄造・神奈川新聞社写真部長兼論説委員が指定を決めた県児童福祉審議会文化財部会に出席していたことは書かれていない。

10月20日
 『朝日新聞』(神奈川版)に「「完全自殺マニュアル」有害図書類指定へ 児童福祉審答申」という記事が掲載される。県警少年課や出版社などのほか、宮台真司・東京都立大助教授(社会学)の「自殺原因まず検証を」という話を伝えている。

 『中日新聞』朝刊(三重版)に、「自殺マニュアル本 県が有害図書指定」という記事が掲載される。記事によると、三重県は今年4月以降、都内で自殺した少女らのそばに『完全自殺マニュアル』があったことから、同書と自殺には因果関係があると判断。県青少年健全育成審議会に有害図書指定を諮問したという。諮問を受けた審議会では、同書の内容は県青少年健全育成条例の「著しく粗暴生もしくは残虐性を助長し、犯罪を誘発するおそれがある」に該当するとして指定を決めたという。

10月22日
 神奈川県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 三重県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

10月23日
 『神奈川新聞』に「完全自殺マニュアル 有害図書 県が指定」という記事が掲載される。

 『読売新聞』(横浜版)に「「完全自殺マニュアル」 県、有害図書に指定」という記事が掲載される。

10月26日
 『朝日新聞』(富山版)に「「完全自殺マニュアル」、県が有害図書に指定へ」という記事が掲載される。記事によると、県青少年保護育成審議会は25日、『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定することを決めたという。指定の理由は「青少年の粗暴性、残虐性を誘発、助長して健全な育成を阻害する」ためだという。県女性青少年課では、同書は福井・石川などこれまで全10県で「有害図書」に指定されており、「全国的な流れから指定を急いだ」と説明しているという。来月1日の県報で告示後、約200の書店、約380店のコンビニエンスストアに通知されるという。

11月1日
 『ロッキング・オン』1999年12月号に、梯一郎「二つの損失 クーラ・シェイカー解散と『完全自殺マニュアル』自主規制に寄せて」という記事が掲載される。

11月4日
 早稲田大学で「秋の大講演会 鶴見済−対談−宮台真司 in大隈講堂」が開催される。『完全自殺マニュアル』規制騒動を軸に安楽死や未成年者の人権について話し合われた。

11月5日
 図書館問題研究会東京支部が石原慎太郎東京都知事宛に「書籍『完全自殺マニュアル』を有害図書に指定しないことを求める要請書」を提出。

11月9日
 『創』1999年12月号に、長岡義幸「『完全自殺マニュアル』拡大する規制の動き」という記事が掲載される。

11月10日
 新宿ロフトプラスワンで「『創』プレゼンツ 有害指定と自主規制 「完全自殺マニュアル」と「放送禁止歌」」が開催される。『完全自殺マニュアル』著者の鶴見済氏、『創』編集長の篠田博之氏らが出演。

 『クッキーシーン』第10号に掲載された、梯一郎氏の「クラブ“K”日記」、青木優氏、手塚るみ子氏、伊藤英嗣氏による鼎談「Complete control」で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。

11月11日
 『出版ニュース』1999年11月中旬号に掲載された西尾肇「図書館の自由・続」という記事で『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。

11月15日
 『ほんコミニケート』1999年12月号に、長岡義幸「出版界・ホントのほんと 64 続・都青少年健全条例と「完全自殺マニュアル」」という記事が掲載される。

12月3日
 『朝日新聞』(栃木版)に「「完全自殺マニュアル」、有害図書指定へ 県審議会答申」と題する記事が掲載される。記事によると、県青少年健全育成審議会は2日、『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定するよう、知事に答申したという。指定の理由は「自殺奨励を素材とし、描写、表現が著しく自殺を誘発、助長し、青少年の健全な育成を阻害するおそれがある」ためだという。また、県女性青少年課は「最近、他県でも有害図書に指定される例が多く、県内でも同書を購入できることが確認されたため」指定を決めたという。

12月7日
 『創』2000年1・2月合併号の「情報の焦点 青少年条例による図書規制強化に図書館界からも反対が・・・」と題する記事で、『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられる。

12月10日
 イギリスの新聞『Guardian』に「Tokyo urged to curb suicide book after spate of deaths」という記事が掲載される。
▼「Tokyo urged to curb suicide book after spate of deaths」
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,3940311,00.html

 BBC ONLINE HOMEPAGEに「Suicide manual could be banned」という記事が掲載される。
▼「BBC News | ASIA-PACIFIC | Suicide manual could be banned」
http://news.bbc.co.uk/hi/english/world/asia-pacific/newsid_558000/558798.stm

 

2000年(平成12年)

1月1日
 『まんぼうニュース』第32号に、にしかた公一「『完全自殺マニュアル』不健全指定も」という記事が掲載される。

1月10日
 『クッキーシーン』第11号に、伊藤英嗣氏と『完全自殺マニュアル』著者の鶴見済氏による対談が掲載される。タイトルは「KNOW YOUR RIGHTS!」。『完全自殺マニュアル』規制騒動や「有害図書」問題などについて語っている。

 『みんなの図書館』2000年2月号で「いま、図書館の自由を考える」という特集が組まれる。西河内靖泰「「図書館の自由」について考える―最近の事例をもとに―」や三苫正勝「資料提供制限に関する規定の問題」、豊田高広「有害図書指定と「図書館の自由」についてのメモ 『タイ買春読本』『完全自殺マニュアル』そして『アン・アン』」などで、『完全自殺マニュアル』規制騒動が取り上げられている。図書館問題研究会東京支部が都知事へ提出した『完全自殺マニュアル』や『タイ買春読本』を「有害」指定しないよう求める要望書も掲載されている。

3月10日
 『みんなの図書館』2000年4月号に、山家篤夫「東京都の有害図書指定制度 自主的ゾーニングの普及をめざす」という記事が掲載される。

3月27日
 神奈川県児童福祉審議会文化財部会で県内の書店における『完全自殺マニュアル』の取扱状況が報告される。同県は昨年10月に『完全自殺マニュアル』を「有害図書」に指定している。

5月11日
 第196回東京都青少年問題協議会が開催され、石原慎太郎・東京都知事は「不健全図書類」の指定事由追加や効果的な規制のあり方などを諮問した。協議会は専門部会を設置し、深谷昌志・東京成徳短期大学教授が部会長に選任された。

5月12日
 『朝日新聞』に「不健全図書対策を諮問 協議会に都知事 条例改正含め検討」という記事が掲載される。記事によると、石原慎太郎・東京都知事は11日、東京都青少年問題協議会に「不健全図書類」の規制などを検討するよう諮問したという。知事は「私自身、物書きとして表現の自由を踏まえると(規制は)難しい問題。時代によって基準も変わる。文明論を論ずるつもりで活発に議論してほしい」と挨拶したという。都は11月の中間答申をもとに、来年2月の都議会に条例見直しを提案するという。『読売新聞』には「「有害図書規制強化を」 都 青少年問題協議会に諮問」、『毎日新聞』には「社会環境の変化と健全育成 青少年問題協総会に知事諮問」、『都政新報』には「不健全図書類の指定事由を追加へ 都、青少年問題協議会に諮問 メディア・リテラシーの育成を検討」という記事が掲載された。

6月5日
 『創』2000年7月号に、長岡義幸「少年犯罪続発で動き出したメディア規制法案」という記事が掲載される。自民党が準備する「青少年有害環境対策基本法案」や東京都青少年健全育成条例をめぐる動きについて伝えている。

6月28日
 石原慎太郎・東京都知事は都議会定例会の所信表明で「メディアによる情報の氾濫が、青少年の意識や行動に様々な影響を与えています。有害な情報について効果的な規制を行うとともに、青少年自身の情報に対する主体性、自律性を高めていくことが重要であります」と説明。「今年度中に青少年の健全な育成に関する条例を改正し、健全なメディア環境づくりに向け、社会全体へ働きかけてまいります」との方針を示した。
▼「平成12年6月28日 平成12年第二回都議会定例会知事所信表明」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHIJI/SHOUSAI/30A6S100.HTM ※リンク切れ

7月1日
 『東京新聞』に「都、青少年条例を年度内改正へ 有害図書 『自殺』も指定対象 知事、所信表明で明らかに」という記事が掲載される。

7月7日
 『創』2000年8月号に「情報の焦点 始まった都条例の強化。マニュアル本規制には異論も」という記事が掲載される。

8月11日
 『出版ニュース』2000年8月中旬号に、清水英夫「東京都青少年健全育成条例改正に関する意見 包括指定と緊急指定制度は都条例の変貌につながる」という意見書が掲載される。

8月17日
 『サイゾー』2000年9月号に、「これって検閲? 東京都がエロ本を排除する方法を公開 不明瞭な基準で「不健全図書指定」される出版社の不満が爆発」という記事が掲載される。

9月13日
 新宿ロフトプラスワンで「「レイヴ力」発刊記念 「鶴見済×清野栄一のレイヴ力」」というイベントが行われる。鶴見氏の話によると、埼玉県は「自殺」に関する図書類も「有害図書」指定できるよう青少年条例を改定したという。

10月12日
 日本出版労働組合連合会が第94回大会・第1回中央委員会において「「個人情報保護基本法」制定/自民党による「青少年社会環境対策基本法案」提案/東京都による「青少年健全育成条例」強化の策動に対し−−−職場で地域で仲間のなかで、「言論・出版・表現の自由」について討論を深めよう」という特別決議を採択。東京都による条例強化については「出版労連は、青少年の深刻な危機の原因を、メディア状況等だけに特化して求め、警察の取締中心に対策をすすめる各自治体の杜撰さを厳しく批判するとともに、規制の強化には反対していく」としている。

10月30日
 『Yomiuri Weekly』2000年11月5日号に、鈴木嘉一「Why What How 「メディアの性・暴力表現」の研究」という記事が掲載される。『完全自殺マニュアル』規制騒動についても触れている。

11月8日
 『創』2000年12月号に、長岡義幸「規制強化に出版界でも第三者機関構想浮上」という記事が掲載される。記事によると、東京都青少年問題協議会は先月24日、「不健全図書」の指定事由に「著しく自殺、犯罪を誘発するおそれがあり」を追加することや、成人向け図書類の区分陳列を明確に規定することなどを求める中間答申(素案)をまとめたという。出版業界ではこうした動きへの防御として第三者機関の設置を検討しているという。

11月13日
 都庁第一本庁舎で青少年問題協議会拡大専門部会が開催される。会議終了後、「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議(仮称)による報告集会も行なわれた。

11月14日
 『朝日新聞』に「青少年に「自殺マニュアル」販売 都が禁止へ 「自由な出版活動阻害」との批判も」という記事が掲載される。記事によると、東京都は青少年問題協議会が13日にまとめた中間答申案を受け、指定対象に「著しく自殺、犯罪を誘発するおそれ」を加える方針を固めたという。『毎日新聞』には「「自殺本」を規制 都青少年協中間答申 不健全図書の対象」という記事が掲載された。

 テレビ朝日「Jチャンネル」が13日の青少年問題協議会拡大専門部会を受け、「自殺防げるか? マニュアル販売禁止」と報じる。青山賢治・日本出版労連事務局長の「14歳であろうが16歳であろうがね、やはりその個々人によって、ものの理解度とか、それから知る機会度っていうのは違うわけですので。それを一律に18歳で区切るっていうこともですね、やはり問題があるんじゃないかと」という意見を紹介し、「出版規制の問題に加えて、そもそも個人の自由であるはずの「自殺」を規制することを疑問視する声も出ています」と報じる。

11月15日
 『ほんコミニケート』2000年12月号に、長岡義幸「出版界・ホントのほんと 74 「青少年健全育成条例」の「怪」」という記事が掲載される。

12月7日
 『新文化』に「「自殺マニュアル本」も都の規制対象に 区分陳列「違反」には罰則も」という記事が掲載される。

12月9日
 『噂の真相』2001年1月号の連載「メディア裏最前線」に、山崎京次「施行に向けて着々と進行中の青少年条例改定」という記事が掲載される。

12月13日
 日本出版労働組合連合会が「都青少年条例改悪反対と民主主義」という集会を開催。奥平康弘氏(憲法学者)による講演が行なわれた。

12月17日
 『クイック・ジャパン』第34号に『完全自殺マニュアル』規制騒動に関する投稿が掲載される。

12月19日
 「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議が東京都へ「申入書」を提出。

12月20日
 第197回東京都青少年問題協議会総会が開催され、中間答申が東京都に提出された。『完全自殺マニュアル』をめぐっては、青少年の自殺統計を示し「その影響で自殺者が増加したとはいえない」と認める一方、「不健全図書の指定対象に自殺マニュアル本を含めることで、青少年に対し、自殺はいけないという大人からのメッセージを伝える効果がある」などと主張。「健全育成条例に「著しく自殺、犯罪を誘発するおそれがあり」の文言を追加することが望ましい」と提言した。

東京都青少年問題協議会
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_seisyokyo.html

写真=東京都青少年問題協議会の会場で撮影。

 出版流通対策協議会は日本基督教団・在日大韓基督教会と共同で「東京都青少年条例一部改定に関する要望書」を発表。要望書では今回の条例強化を「青少年の健全な育成を錦の御旗にした、出版・表現規制の新たなシステムの構築」であるとし、「「不健全図書」という非常に恣意的かつ曖昧な表現を持ち込むような改定を行わないこと」「業界の自主的な処置であるべき「区分陳列販売」を条例で義務化したり、それを口実とした制裁処置を導入した改定を行わないこと」などを求めている。

 NHKが「NHKニュース10」で、「都“自殺マニュアル本”など有害図書へ」と報じる。日本出版労働組合連合会の「有害図書の指定の基準が拡大されることは、表現・出版の自由を守る立場からは断じて容認できない」というコメントが紹介された。

12月21日
 『東京新聞』に「18歳未満には売れません 自殺・犯罪本 都青少年問題協 条例改正案提案へ」という記事が掲載される。記事によると、東京都青少年問題協議会は20日、自殺や犯罪を誘発するおそれの強い本を規制できるよう提言したという。昨年4月と7月に自殺した専門学校生と中学生の部屋で自殺マニュアル本が見つかり「警視庁が都に十八歳未満への販売を禁じる有害図書に指定するよう通報したが、現行条例が対象を「性」と「暴力」に限定していたため、指定は見送られ、問題となっていた」ことへの対策だという。「問題の自殺本は既に神奈川県など十二県が有害図書指定」しており、都は提言に沿った青少年健全育成条例見直し案を来年2月の都議会に提出するという。『朝日新聞』には「自殺指南書、不健全図書に 都条例改正案 来年2月提出」、『読売新聞』には「「自殺本、有害図書に」 都青少年問題審が中間答申 都、条例改正案提出へ」、『毎日新聞』には「青少年条例の一部改正答申 都協議会」、『産経新聞』には「自殺本 都不健全指定へ」、『日本経済新聞』には「自殺マニュアル本規制 都、条例改正へ」という記事が掲載された。

12月22日
 『都政新報』に「不健全図書 「自殺」も指定対象へ 区分陳列の徹底と大人の説明責任強調」という記事が掲載される。記事によると、東京都青少年問題協議会が20日に提出した中間答申について、生活文化局女性青少年部青少年課は「自殺を不健全指定事由に追加するにあたり、写真やビデオ、絵などと異なり、淡々と文字で表現されている内容をどう判断するかという難しさはある」と話しているという。

 

2001年(平成13年)

1月1日
 『新文化』に「不健全図書の対象に 自殺・犯罪誘発本も追加へ 都青少年問題協議会」という記事が掲載される。

1月19日
 別冊ぱふ『コミック・ファン』11号に、青少年社会環境対策基本法案や東京都青少年条例の問題点を指摘したにしかた公一「「まんが」に対する規制が強まっている!?」という記事が掲載される。

1月21日
 『出版ニュース』2001年1月下旬号に深田卓「「青少年の健全な育成」という嘘」と題する記事が掲載される。

1月28日
 イギリスの新聞『Independent』にTokuko Hashimoto「Suicide manual rocks Japanese society」という記事が掲載される。
▼「Suicide manual rocks Japanese society」
http://www.independent.co.uk/story.jsp?story=52939※リンク切れ

1月31日
 日本出版労働組合連合会が「個人情報保護基本法・青少年社会環境対策基本法・東京都青少年条例 二法一条例に対する連続反対集会2 青少年社会環境保護基本法をどうみるか 何が「有害」か、何が「無害」か 青少年・「有害情報」・法」を開催。宮台真司氏(都立大学助教授)による講演が行われた。

2月
 埼玉県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

2月10日
 『噂の真相』2001年3月号に山崎京次「気になる「青少年健全育成」条例の行方」という記事が掲載される。

2月15日
 『日本経済新聞』が「自殺マニュアル本規制 都が条例改正へ」という記事を掲載。

2月20日
 「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議が東京都へ「陳情書」を提出。

2月21日
 東京都は「不健全」図書の指定事由に「自殺」と「犯罪」を追加することや区分陳列の義務化などを盛り込んだ「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」を平成13年第1回定例都議会に提出した。
▼「条例案概要(平成13年第1回都議会定例会)」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2001/02/60B2G200.HTM※リンク切れ

2月23日
 ヤングアダルト・サービス研究会が「青少年に対する有害情報規制の法制化を考える」という勉強会を開催。長岡義幸氏(フリーランス記者)を講師に、東京都青少年条例の問題点などが話し合われた。

3月2日
 東京都書店商業組合が都議会各派と文教委員に「東京都青少年健全育成条例改正案に関する要望書」を提出。要望書では「これまでの自主規制と異なり、厳しい警告・処罰を前提とする都条例の区分陳列の義務化については、大きな疑問と不安を感じざるをえません」「不健全図書指定図書類の指定事由を拡大して、「著しく自殺又は犯罪を誘発するおそれのあるもの」を追加していますが、いったいどのような書籍や雑誌がその範疇に入るのか、極めて漠然・曖昧」などと指摘。議会での慎重な審議を求めた。

3月7日
 『創』2001年4月号に「情報の焦点 『R18指定』構想を先取り!? 上程された都条例改定案」という記事が掲載される。

 『全国書店新聞』が「中小書店への配慮望む 青少年条例改正で要望書」という記事を掲載。

3月8日
 『ハッカージャパン21』VOL.4に大谷卓史「セキュリティ本が都内の書店からなくなる日!?」という記事が掲載される。

 『新文化』が「「自殺本」など追加 区分陳列違反には罰則 都青少年条例改正案」という記事を掲載。「「区分陳列、物理的に無理」 東京組合は猛反対 “自殺本”も「極めて漠然・曖昧」」という記事も掲載された。

3月13日
 『民間放送』が「青少年健全育成条例改正案を上程 東京都」という記事を掲載。

3月15日
 『ほんコミニケート』2001年3・4月号に長岡義幸「出版界・ホントのほんと 77 「青少年健全育成」の御旗の下で・・・。」という記事が掲載される。

3月21日
 都議会文教委員会が「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」を審議。

 REVOLVER JUNKIES 〜メディア規制をブッ壊す会〜が、「「東京都青少年健全育成条例改定」連続反対イベント ボンバイエ!! トキオ!!」を開催。

3月22日
 REVOLVER JUNKIES 〜メディア規制をブッ壊す会〜が都庁脇にて条例改定反対イベントを開催。しかし、民主党都議会議員の通報により中止に追い込まれる。

 出版流通対策協議会が東京都青少年健全育成条例改定に反対する声明を発表。

3月23日
 都議会文教委員会で「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」が原案通り可決される。

 REVOLVER JUNKIES 〜メディア規制をブッ壊す会〜が、新宿中央公園にて条例改定反対レイヴを開催。

3月26日
 『Title』2001年5月号に清野栄一「青少年健全育成条例とある作家の戦い」という記事が掲載される。清野氏は「テレビや新聞は条例改正や国会の法案を今さらのように「表現の自由の問題」だと報じていた。表現の自由はあたりまえだが、問題はそんなことじゃない。私たちは朝が来るまで、鶴見の本と自殺や、自分たちの死生観、英語のrightsや日本語の自由の話をした。大声で言い合っては黙り、頷き、怒り、もう会えない誰かのことを思い出して泣いた。それはこの本が、ひとりの人間の痛烈な思いを書き表した、文学だからだ。有害でも、毒でもいいから、私はそれを読んで、話したいのだ」と記している。

3月28日
 YA(ヤングアダルト)サービス研究会が「「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(東京都議会 平成13年第1回定例会第53号議案)に反対するアピール 」を発表。
「「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(東京都議会 平成13年第1回定例会第53号議案)に反対するアピール
http://www.jca.apc.org/tomonken/seisyounen.html

3月29日
 都議会本会議で「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」が可決される。都議会議員120人のうち福士敬子議員(自治市民’93)のみが条例案に反対した。

 『新文化』が「都青少年条例改定に 流対協が反対声明」という記事を掲載。

3月30日
 『東京新聞』が「新年度予算など117議案を可決 都議会閉会」という記事を掲載。『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』にも同様の記事が掲載された。

4月1日
 『出版ニュース』2001年4月上旬号に、東京都書店商業組合が3月2日付で発表した「東京都青少年健全育成条例改正案に間する要望」が掲載される。

4月2日
 日本出版労働組合連合会が「「東京都青少年の健全育成に関する条例」の改定・強化に抗議する声明」を発表。

4月3日
 『民間放送』が「青少年健全育成条例改正が成立 東京都議会」という記事を掲載。

4月5日
 『新文化』に橋本健午「有害図書規制 出倫協はいま何をすべきか? 「法制化と自主規制」攻防の繰り返しを断ち切れ」という記事が掲載される。この他、「都の青少年健全育成条例 改正案が可決成立」や「出版労連 都条例改定に抗議 四重視項目の声明文発表」という記事も掲載されている。

4月7日
 『創』2001年5月号に長岡義幸「規制強化の改定 青少年条例が都議会で成立!」という記事が掲載される。

4月13日
 出版流通対策協議会が「東京都青少年条例の改定案成立に抗議する」を発表。「管理と罰則で社会を治めようという方向にまた大きな一歩を踏み出したこの改正案の成立に対して、私たちは抗議します」としている。

4月14日
 『インパクション』124号に要友紀子「「子ども」という大義名分─メディア規制の欺瞞と規範強化」という記事が掲載される。東京都が「不健全」図書の指定事由に「著しく自殺又は犯罪を誘発するおそれのあるもの」を追加したのは「安直な"対策"」であると批判。「『完全自殺マニュアル』があることが自殺を招くのではなくて、自殺を止められるようなものが(その人にとっては)社会にないというべき」であり、「生を持続させるためには何がインセンティブとなるのか、それを作り出すにはどうすればいいかを真剣に考えなければいけない」と主張している。

4月19日
 別冊ぱふ『コミック・ファン』12号の「CF情報局」に、「東京都青少年条例が強化改定へ」という記事が掲載される。

4月21日
 『出版ニュース』2001年4月下旬号に深田卓「東京都青少年条例が改悪された」という記事が掲載される。出版流通対策協議会と日本出版労働組合連合会が発表した東京都青少年条例の規制強化に対する抗議声明も掲載されている。

5月25日
 「有害社会環境」の規制を問いただす青年会議が、東京都生活文化局都民協働部青少年課へ「東京都青少年健全育成条例の「改定」に対する抗議声明」を提出。

6月6日
 『全国書店新聞』が「区分陳列の方法示す 都青少年条例」という記事を掲載。

7月1日
 改定版「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(区分陳列に係る規定は除く)が施行される。

7月10日
 東京都は新条例に対応した「東京都青少年の健全な育成に関する条例第5条、第8条及び第14条の規定に関する認定基準」を決定。

 『噂の真相』2001年8月号に山崎京次「ついに石原版「青少年健全育成条例」が施行」という記事が掲載される。

 第2回「石川県有害図書等の罰則強化に関する専門家会議」が開かれ、「懲役刑の導入を検討することが妥当ではないか」という意見が出される。なお、石川県では『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定されている。

7月11日
 『北國新聞』が「有害図書の懲役刑 検挙実績で判断 県専門家会議」という記事を掲載。

7月18日
 神奈川県が「青少年保護育成条例に定める有害図書類の取扱いについて」を発表。包括指定の基準となる図書類や青少年保護育成条例の周知状況が公表された。なお、神奈川県では『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定されている。

7月19日
 『新文化』に「出倫協 不健全図書に関して出版ゾーニング委を設置」という記事が掲載される。

7月23日
 第3回「石川県有害図書等の罰則強化に関する専門家会議」が開かれ、8月中旬、知事に意見書を提出することが決定される。

7月24日
 『北國新聞』が「有害図書で知事に意見書提出へ 県専門家会議」という記事を掲載。

8月6日
 『ず・ぼん』第7号(ポット出版)に長岡義幸「ながおかの意見 「有害」「不健全」図書は誰が、どうやって決めているのか」が掲載される。

8月18日
 『北國新聞』が「投げたボール……○そのまま帰る 懲役刑に専門家も両論 有害図書罰則強化で意見書 「知事が判断を」」という記事を掲載。

9月14日
 『日本経済新聞』が「石川県 有害本売ったら懲役も 青少年条例の改正案提出へ」という記事を掲載。

 『北國新聞』が「有害図書規制 健全な環境のために」という社説を掲載。石川県が「有害図書」販売の罰則に懲役刑を導入する条例案をまとめたことに対し、「罰則強化による抑止効果を期待するだけに終わらず、周知活動などを通じて県民に全国初の規制に踏み切った事情、趣旨をよく説明し、青少年を取り巻く環境を良くする機運を盛り上げてほしい」と主張している。

9月19日
 『産経新聞』が「石川県 有害図書販売に懲役刑 条例改正案議会に提出 「罰金は抑止不十分」」という記事を掲載。

10月4日
 『新文化』が「都の改正青少年条例 区分陳列義務10月から施行 アダルト本 陳列手段5項目規定」という記事を掲載。区分陳列義務に対する出版倫理懇話会(出倫懇)の対応を報じた「出倫懇 販売萎縮に懸念 取協に販売協力要請」という記事も掲載されている。

10月6日
 『北國新聞』が「改正青少年条例など可決 県議会9月定例会閉会」という記事を掲載。

10月11日
 『新文化』が「東京都 10月の不健全図書 "残虐性助長"書籍も」という記事を掲載。

11月7日
 『創』2001年12月号に長岡義幸「知らぬ間にメディア規制は進んでいる! 策定された青少年環境規制「指針」の中身」という記事が掲載される。

12月18日
 宮城県議会は「有害図書」の指定事由に「自殺」と「犯罪」を追加することなどを盛り込んだ「青少年保護条例の一部を改正する条例」を可決した。

 

2002年(平成14年)

3月4日
 太田房江・大阪府知事は府議会で青少年健全育成条例についての質問を受け、「自殺や犯罪を誘発するような情報やインターネット等新たな媒体への対応については、より一層の取り組みが必要」「今後、法制面を含めさまざまな角度から検討をし、平成十四年度内を目途に条例改正など必要な対策を講じてまいります」と答弁した。

5月1日
 『教育と医学』2002年5月号に高岡健、高田知二「青少年に映る「うつ」の時代」が掲載される。『完全自殺マニュアル』を愛読する青年の例が紹介されている。なお、青少年の自殺企図について「絶望のみが含まれているとは必ずしもいえず、希望への契機もまた見出すことができる場合があることを、忘れてはならないだろう」と指摘している。

7月5日
 太田房江・大阪府知事は府青少年問題協議会に対し、「時代の変化に対応した青少年育成環境の整備について」諮問した。

7月6日
 『毎日新聞』(大阪版)に「府が健全育成条例改正へ諮問 インターネット普及などで」という記事が掲載される。記事によると大阪府は5日、府青少年問題協議会に条例改定を諮問。現行の青少年条例で規制対象とされていないインターネットのほか、自殺や犯罪を誘発しかねない書籍、出会い系サイト紹介誌などを規制すべきかどうか議論するという。

9月30日
 『朝日新聞』夕刊に「山本襄治さんと読者が考える 自殺は罪か」という特集記事が掲載される。記事によると、朝日新聞が「自殺は罪か」をテーマに意見を募集したところ、10代〜90代までの読者から180通の投稿があり、「罪ではない」とする内容が多かったという。

11月20日
 大阪府青少年問題協議会が開催され、青少年育成環境問題特別委員会のまとめた報告書について協議した。公表された会議要旨によると、次のようなやりとりがあったという。

○P2の「A自殺の方法を詳細に記した図書類について」の中の「もっとも、自殺の方法は〜留意する必要がある。」とあるが、この点について、特別委員会でどのような議論があったのか、説明してほしい。

○有害図書類としての取扱いについては、犯罪の方法を詳細に記した図書類と自殺の方法を詳細に記した図書類とでは、委員の中でも意見が異なった。犯罪の方法を詳細に記した図書類と比べて、自殺の方法を詳細に記した図書類が直接自殺に結びつくとも言い難い。また、自殺件数も犯罪件数と比較にならない。犯罪が低年齢化していることなどから、犯罪の方法を詳細に記した図書類についての見直しをメインに考え、今回は、自殺の方法を詳細に記した図書類については有害図書類の中には入れないが、今後の社会情況によっては検討の余地があると考える。

○犯罪を誘発する本や自殺の方法を詳細に記した本を子どもから規制で隠すのは、いたちごっこだと思う。幼い頃から、子どもにそれらを見せて、それらを題材に議論する教育方法が青少年の育成環境としてよいと考える。その点、特別委員会でどのような議論があったのか。

○特別委員会での議論の中でそのような意見もあったが、そういった教育方法だけでなく、規制も必要であると考えている。

なお、報告書「時代の変化に対応した青少年育成環境の整備について」のうち、「自殺」にかかわる部分は次のとおり。

 A自殺の方法を詳細に記した図書類について

 自殺の方法を詳細に記したマニュアル本については、それが必ずしも自殺に結びつくとはいい難く、むしろ、自殺は本人の心の問題とも考えられる面があり、現在、青少年の自殺が大きな社会問題となっているという状況ではないということや、自殺は法的には犯罪とまではならないことも考慮すれば、そのようなマニュアル本を青少年健全育成条例上の有害図書類とするコンセンサスは現時点では得られていないと考えられる。

 もっとも、自殺の方法は殺人等に転用できることから、そのような内容が掲載されている図書類は犯罪を誘発するような図書類と位置づけられる可能性があることに留意する必要がある。

 自殺については、それ自体が犯罪というものではないが、生命を断つ行為として否定されるべきものであり、自殺の方法を詳細に記したマニュアル本は、生命の尊厳を軽視しているものといえることから、青少年や社会に及ぼす影響などについて今後とも注視していくことを求めたい。

11月23日
 『毎日新聞』(大阪版)に「府青少年問題協 “犯罪本”有害図書類に 2月議会で条例改正へ」という記事が掲載される。記事によると、府青少年問題協は22日、殺人や薬物使用などの方法を詳細に記した図書類を「有害図書類」に含めるべきだとする答申をまとめ、府に提出したという。一方、自殺のマニュアル本については、「自殺は本人の心の問題」などどして「有害図書類」とすることを見送ったという。このほか答申では、インターネット上の「有害情報」について、受信者側で情報を遮断できるフィルタリングに関する情報を府が府民に提供するよう求めているという。

 

2005年(平成17年)

3月18日
 愛知県議会は「有害図書類」の指定事由に「自殺」を追加することなどを盛り込んだ「愛知県青少年保護育成条例の一部を改正する条例」を可決した。施行は2005年7月1日から。

6月28日
 平成17年度第1回愛知県青少年保護育成審議会が開催され、『完全自殺マニュアル』の「有害図書類」指定が審査される。審議会は「書籍「完全自殺マニュアル」の内容は、自殺を誘発する恐れがあるため、青少年に閲覧等させることは健全な育成を阻害すると認められるので、有害図書類として指定する必要がある」と知事に答申した。

7月8日
 愛知県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

2009年(平成21年)

2月10日
 長崎県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

10月30日
 福島県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

2010年(平成22年)

5月25日
 宮城県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

2014年(平成26年)

1月14日
 京都府で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

9月16日
 大分県で『完全自殺マニュアル』が「有害図書」に指定される。

 

 

<関連リンク>
著者自身が語る『完全自殺マニュアル』
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/suicidemanual/speak/author.htm

『完全自殺マニュアル』はどう語られたか
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/suicidemanual/speak/others.htm


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