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ナチズムって、たぶんフーリガンとも関係があると思うんですよ

:これでアンアンが有害図書特集を組んだら、これはかなり格が上がると思いますけどね。

:最高!

:むかしはそういう雑誌だった。でもマガジンハウスって会社自体は、ちょっと弱腰な会社だしな。

:あとは、でかくなりすぎてるという。やっぱりでかくなりすぎると、身動き取れないところもあるんだろうなと思う。

:廃刊にする可能性っていうのもありますね。

:ああ。それはなんかあれみたいですね、ユダヤ系団体につつかれて廃刊になるみたいな。

:マルコポーロ。あんな規模で出してた雑誌がポッと廃刊ですから。面倒だから、廃刊にするかもしれない。

:でも、廃刊にするほうがいくつかある選択肢の中でまだましな方なのかな? 雑誌はつづけるけど、もう二度とセックス特集やらないとかよりは。どうなんだろう、そんな事ないか。

:廃刊は、無条件降伏に等しいと思います。

:なるほどね。確かに。

:どっちにしても、あんまり希望的な観測は持てないような気がしますね。この(新聞に載っているマガジンハウスの)コメントからして。ヘンなオビつけたりして(笑)

:(笑)だってアンアンって、さっき言った話の流れでいけば、ノンポリ、そしていわゆる古い人や左翼的な人とかとは違うっていう感じの、我々的な80年代的な若者像を体現していたわけじゃないですか、ある意味で。それがなんかこのような事になってしまうという、そういう意味でも非常に興味がありますよね。

:ただ言いたい事言ってきたつもりでいたが、そういうふうになってた、ってことですよね。事実として。それに対して文句を言いたい。行政に対してね。システムとか。他人事どころか、俺よりコケにされてる人だから、山形県の若者は。言うべき時が来てる。目前に迫ってるんじゃなくって…、もう来ちゃった。

:来ちゃった、っていう言い方はいいな(笑)。

:だってクリミナル・ジャスティス・アクトの段階まで来ちゃってる。

:マスコミとかにオウムを規制する法律ですよ、作らないと危険ですよ、とか煽らせといて成立させて。その法律の拡大解釈と、一方で進んでる自主規制みたいなのの集積が組み合わさったらと考えたら、かなり恐いな。

:もう、文句言うことからぐらいしか始められないと思いますしね。俺も本当にどういう作戦が有効なのか今だに掴みきれてないですけど、文句言う事をやめたら一番最悪だろうな、って事はわかりますからね。

:そりゃ、そうでしょう。

:ガタガタ言いますよ、本当に。権利主張するっていう。

:権利主張とりあえず聴き直そうかな(笑)。それもクラッシュ・ヴァージョンではなくて、プライマル・ヴァージョンで(笑)。

:反復ビートで踊りながら。そう、クリミナル・ジャスティスと全く同じ文面の法案が通ったら世界的に笑っちゃうところですけど、でもできますよ。全然可能ですよ。そういう状態にあることは確かですね。この本(『Rave Traveller』)に書いてあることなんですけど、イギリスの若者とかも基本的に政治に関心があったわけじゃなく、むしろ無関心だったけれども、この法律にだけはマジで反対しなくちゃいけないと思ってるって。イギリス在住の人間からの手紙に書いてあった、みたいなことがここに…。今まさにこの国の状態がそうなんだって。

:で、今ボビーは“♪スワスティカ・ア〜イス”(スワスティカとはナチのカギ十字のこと)

:ナチズムって、たぶんフーリガンとも関係があると思うんですよ。

:えっ、何と?

:フーリガン。彼等サッカーのサポートのシングルとか…

:出してますよね(「The Big Man And The Scream Team Meet The Barmy Army Uptown」。ザ・ビッグ・マンとは、おそらくエイドリアン・シャーウッドのこと。バーミー・アーミーは、彼のユニット。ちなみにバーミー・アーミーは、サッカーの場面が大きくフィーチャーされたイラストをジャケットに使ったアルバムを今から10年ほど前に出している)。

:彼等にとって、実はネオナチっていうのは結構身近なもんなんですよね。

:確かに、確かに。そういうフーリガン的な人にはネオナチが多いってことですか?

:みたいです。そういうのは、ヨーロッパでは一番の、若いやつら自身の問題でもあるんじゃないですかね。

:20年前のイギリスで、パンクのギグにネオナチのスキンヘッズが大勢集まってどうこう…ナショナル・フロント対ロック・アゲインスト・レイシズム、みたいな(笑)。あと、ちょっと前にクーラーシェイカーがステージのセットにスワスティカを使ったってだけで、ボロクソに叩かれたことがあるんですけど。

:YMOもね。

:そうそう。で、クリスピアンだっけ、彼の場合どういう意図があるのかっていうのは実際のところわかんないし、本人は皮肉のつもりでとか言ってるんだけど。だけど、それ使ったってだけでムチャクチャ叩かれてるから、日本の君が代ほどじゃないけど、ヨーロッパで、イギリスでスワスティカなんてタイトルをつけるっていうのはかなり勇気がいると思うんですよね。いくらそれに反対してても、タイトルだけ見て誤解するヤツがいる…ってのは日本特有のことなのかな(笑)?

:マジで議論されてると思いますよ。身近なことだから。なんかラヴ・パレードの反対運動として、ネオナチのやつらが中心になってファック・パレードやってたし…。ベルリンの本屋に行ったら、売れてるんですよね、ナチス入門とか、ヒトラー入門とかっていう本が。やっぱりスキンヘッドで黒い格好してドーベルマン連れてるみたいな人種がゴロゴロいて、そいつら自由とは反対の考え持ってて。サッカー好きのやつらでも、俺達はそういうやつらは違うって反対したい気持ちがあるんじゃないですかね。実際、そういうファション・ナチのフーリガン、ナチズム式の敬礼とかやる事ありますから。身近な問題として言ってるんじゃないんですか。

:議論される素地があるっていう。

:社会に対して文句をつける時期を過ぎてしまうよ、って。

:例えば日本だったら、ナチズムじゃないけど、小林よしのりに誰かが抗議してもいいと思うんですけどね(笑)。

:足でけるのもいいと思います。出版業界はオウム事件が起きて、小林よしのりはオウムの擁護をする、いや反オウムにまわらない人間を片っ端からバッシングして、そういうことが書けない状態に至りましたからね。

:宅八郎さんとか。

:そん時に評論家の人達の中には、全く戦前と同じ感じじゃねぇかっていうことを言ってた人がいましたから。

:そうか、その頃からそういうことやってたんですよね、彼は。

:で、今『戦争論』でしょう。肯定でしょう、戦争を。大東亜戦争肯定。ごうまんはよくないことです。

:気分的なものとしてあれを読んじゃって、ま、そうだよとか思っちゃう人が大勢いたら…実際あの本、すごく売れたんすよね。そういう状況ってのは、ネオナチ・フーリガンと同じような状態と言えなくもない。いろんな県とか市とかマスコミがつるんで、小林よしのりがあの時評論家周辺でやってたようなことを現実社会でやっちゃってるわけですからね。

:オウムに関わった人の人権を侵害してる。生きるなって言ってるのと同じですよね。住めないんでしょ、どこにも。電気とかも引けないらしいんですよ。ライフラインを止められちゃうんですよ。

:住民登録できないうえに…。まさに人権問題ですよ。

:人間扱いされてないんですよ。

:それって、なんかおかしいよね。マスコミって、そういう事をやってるからオウムを取り締まる法律を作るべきって、すぐ作れ、みたいな論調になってたじゃないですか。なんか、なんか全然本末転倒みたいな。

:だから、なんでもできちゃう状況になってて…。今でも、カッターナイフで、タイホ的なことやってますよ。オウムと関係ない人にも。

:ですよね。そのうち俺達のような人間も、非国民とか言って石投げらたりして。


権利主張

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