『人格改造マニュアル』の書評

「本書はアブナサが売りの「鬼畜系」の同類なのだろうか。その一面もなくはないが、全体のトーンは真摯な人生論以外の何物でもない」(三浦俊彦「BOOK REVIEW 鶴見済『人格改造マニュアル』」/『文藝』1997年春季号より)


1.三浦俊彦「BOOK REVIEW 鶴見済『人格改造マニュアル』」/『文藝』1997年春季号
http://russell-j.com/miurat/jinkaku.htm

2.鴻上尚史「ドン・キホーテのピアス 117 “同世代”としての深い感動を与える本」/『SPA!』1997年2月19日号

一部抜粋

 『人格改造マニュアル』は、『完全自殺マニュアル』より、一歩、たくましい発想です。
 死ぬ前に、人格を改造しようという感覚は、感動的にタフです。
 世の中は、相変わらず「どうでもいいこと」で溢れ返っている、と鶴見さんは書きます。そして“けれどもただひとつ、いつの時代にも、どんな人にとっても、どうでもよくない問題が残ってしまう可能性がある。「どうやって生きていくか」というどうでもよくない、重い重い問題が”。
 そして、鶴見さんは、クスリや洗脳、サイコセラピーなどの詳細なマニュアルを解説して、これらを使って人格を変えようと書きます。そうすれば、“「どう生きるか」なんてことは「どうでもいいこと」になり、生きることが楽チンになる”と書くのです。
 これ以上は、本を買って読んで欲しく思います。ただ、この感動的な本が、どの書店でも、他のマニュアル本と同じ棚にあることが、僕にはもどかしい。この本は、教育や思想、哲学、宗教の棚に置かれるべきです。この本は、想像できないぐらい多くの人を救える本だと思うのです。

鶴見済『人格改造マニュアル』
(太田出版、1996年)

3.鴻上尚史「ANIMA&ANIMUS ●毎回違う筆者が綴る私の読書生活」/『週刊朝日』1997年3月21日号

一部抜粋

 時間がないので、読む本は緊急のものになります。どうしても、はやく読みたいものから片づけていきます。
 鶴見済『人格改造マニュアル』(太田出版)を読んで、著者の前作『完全自殺マニュアル』を思い出しました。
 両方とも、名著です。名著なのに、書評で正しく分析されたことがない著作です。『完全自殺マニュアル』をさんざん攻撃して騒いだバカワイドショーは、『人格改造マニュアル』を取り上げたらどうだと思っています。

 


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