猫さんの保健室


   猫をいかに飼うべきか?

 ここを訪れる方の多くは、おそらく既に猫さんと暮らしている方だと思います。都会の真ん中のマンション暮らしの猫さん、田舎で野原や畑をのんびり歩き回る猫さん、いろんなお家に出入りして遊んでもらっている猫さんなど、様々な形で猫さんと暮らしてらっしゃる事と思います。ところで、近年何かと話題になっているのが、その猫の飼い方。おそらく今でも多くの方が、猫さんはいえとそとを自由に歩き回っている、いわゆる放し飼いの方が多いのでは、と思います。

 放し飼いの方の多くはほとんどが次のような意見を持っていらっしゃいます。「猫は自由に歩き回るから猫。それを閉じこめるなど可哀想」「自然のままにするのが一番いいわ」「猫がどーしても外に出たがるから、家に閉じこめておけない」「運動不足になる」。確かにワタシも、庭や畑の中でのんびりくつろぐ猫さんを見ると、心なごむことがあります。、、、だけど、昭和3、40年代の車の少ない時期や、住宅事情が今ほど厳しくなかった頃に比べ、猫さん達が外で楽しく遊んで暮らせる条件はかなり厳しくなっているといえます。特に、車による事故は確実に増えているはずで(ワタシの勤め先の病院でも、頻繁に交通事故の犬や猫が訪れます)体の小さい猫たちにとって、車というのは恐怖の対象でしかないと思われます。都会のみならず、どんな地方に行っても、道路で無惨な姿になった猫を見かけることは珍しくありません。そういう危険にさらされて遊ぶ猫たちの姿は、果たして自由といえるのでしょうか?

 また、猫はモノを捕らえる習性に秀でているゆえ、他の家に迷惑を及ぼすことも少なくありません。よそのお宅で大事に飼っているペットである鳥さんやハムスターさんを、こっそり忍び込んで命の危険にさらすことも少なくありません。そういうふうに他に迷惑をかけてまで、猫の自由というのは必要なのでしょうか?

 猫たちは道路を通る車の恐さも十分に理解せず、外の環境にいろんな危険が潜んでいることも知らずに、出ていっているのです。そして、一度外に行くことを覚えた猫さん達は、どんどん縄張りを広げたり、あるいは遊ぶ楽しさのみゆえに外に行くことをやめられなくなります。しかし、猫さんは最初からだそうと思わなければ、外にしいて出ていこうとは思わないモノだったりするのです。ワタシのウチにも非常に沢山の猫さんが居て、中には拾い猫を大きくなってから保護したモノもおりますが、皆室内の飼育になれ、しいて外に出ようと思ったりして居ません。飼い主さんがしっかりした意志を持っていれば、猫さんもそれになれてくれるのです。

 室内飼育というのは、確かに猫にとって本意ではないことと思いますし、それに伴う不自由もたくさんあると思います(ストレスから起こる問題行動というのも、最近話題になっております)。だけど、猫さんの命を危険から守り、長く楽しくおつきあいしていくためには、今は室内飼育という方法がむしろ適切ではないか、と考えております。出来る限り不自由さを感じないように快適に暮らす工夫をして、猫さんと長く楽しくおつきあいしていきたいもの、と私は思っております。

猫が快適に室内で暮らすために心がけて上げたいこと

見晴らしのいい場所を作ってあげる

 猫は外を見るのが好きで、眺めるだけでも気が紛れるようですし、見晴らしのいい日当たりの良い窓辺は、猫さんが昼寝するのによい場所です。

猫のトイレ

 猫のトイレは縄張りの役目もあるので、1匹に1つ以上必要といわれています。また、トイレが遠くにあったり汚れていて我慢してしまうとオシッコの病気を起こすこともあるので、出来るだけ綺麗にして、要所要所に置いて上げましょう。

爪とぎ

 猫は習性上、必ず爪を研ぎますが、していい場所としていけない場所を教えて上げる必要があり、またきっちり教えるとよけいなところでは爪とぎしなくなったりもします。変なところで爪を研ぎそうになったら、爪を研いでいい場所(あるいは爪とぎ板)にこまめに連れていって教えて上げて下さい。 

おもちゃ

 いろんなおもちゃがあるので、退屈しないように色々与えてみて下さい。

飛び回れる空間

 猫は高いところに上がったりおりたりして遊ぶことも好きですので、タンスとか棚に上れるようにして上げると良いでしょう。(市販の猫玩具の猫の上がれる高いポールなんかもいいかも)

暗くてもぐれるところ

 猫は暗いところも結構好きです。一人になる時間も必要なので、そういう孤独になれるところも作って上げましょう。

猫友達

 これはいずれまた別に書きますが、やはり同じ種類の動物とコミュニケーションを取る方が、猫にとっても良いようなので(社会性というのが最近行動学の面からも重視されています)、出来るならば、猫友達(複数飼育)して上げると良いと思います。

食事

 室内飼育は何だかんだ言っても猫の動きに制限が加わるので、太りやすくなる傾向があります。だもんで、適切なフードを適切な量与えるようにして上げて下さい。また、人間と密着した生活をしていると、人間の食べるものも多く食べるようになりますが、栄養のバランスが悪くなるので、出来るだけキャットフードだけにして上げて下さい。それから、毛玉対策として、猫の草を育てて与えたり、毛玉除去用のサプリメントなどを与えると良いと思います。

健康診断

 室内飼育していても、かかる病気というものはたくさんありますので、定期的な健康診断は必要です。また、避妊手術や去勢手術もいろんな意味でしておいた方がいいと思います。

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