トピック21
NHKスペシャル「奇跡の詩人」パート2  〜日木流奈くんについて〜
 

 パート2は、NHKの土曜スタジオパーク釈明後の経過を、論文形式でまとめていきます
 それ以前の経過については、
  NHKスペシャル「奇跡の詩人」日木流奈くんについて
 又、参考リンクは、
  NHKスペシャル「奇跡の詩人」参考リンク集
で御願いします。

 ある理学療法士の方からのメールも参考にして下さい。

 

 

1.NHK釈明前の推移

 今回の騒動、当初の予想を超えて大きくなっていきました。その原因は三つあると思います。

 

 さて、一連の問題の中でも、非科学的な番組を流したNHKについては、酌量の余地がありません。NHKへの批判の内容は、大きく分けて二つあります。

  1. 母親の口から聞こえてくる言葉は、流奈くん本人のものであるようには見えないのだが、それを番組内でキチンと検証しなかった。
  2. ドーマン法やFCのリスクを説明しなかった為、視聴者に無用の誤解を与えた。

 で、これらの批判から、「あの講演会は、ニューエイジが主催だぞ」とか「障害児の親が、ドーマン法のリスクを認識しなくなる」などの批判が派生していった訳です。NHKも無視出来なくなって、ホームページ上で釈明を行いました。
 しかし、この釈明はツッコミどころ満載であった為に火に油を注ぐ結果になり、週刊新潮週刊文春の批判記事でもしっかりと活用されてしまったのが皮肉です。

 こうしたなか、「NHKが土曜スタジオパークで釈明するぞ」という情報がネット上でだけリークされました。これは読売新聞の(多)氏に電話した2ちゃんねらが明らかにしたものです(NHK本部スレpart19の120参照)。この(多)氏は、放送前に番組賞賛記事を書いていた人です。ちなみに、放送後の5/5に「『奇跡の詩人』に感動、疑問の声」を書いたのは、(な)氏です。注目すべきはこの時点では、TVでの釈明の情報がまだマスコミには出ていなかったという事。マスコミは確かなソースがあるまで報道出来ませんが、ネットではそんな事はお構いなしに流れてしまいます。


 NHKのTV釈明が一般に知られるのは、5/9の海老沢NHK会長の定例会見です。以下の記事を読んで下さい。

  朝日  毎日 ZAKZAK記事第二弾 時事

 海老沢会長は、「現場に反響を聞いたところ、感動したとの意見もある一方で、疑問を呈する意見もあった」とコメントし、番組責任者は「映像を分析したところ、文字盤は子供(流奈君)の意思で動かしていることを確認した」と説明したそうです(zakzak記事より)。

 さて、どうなる事やら・・・。

 

2.NHK釈明の概要

 5月11日午後1時50分「土曜スタジオパーク」が始まりました。しばらくはアイドルへのインタビューなどでイライラしましたが、2時過ぎ、釈明コーナーが始まりました。以下にその時の釈明映像集がアップされています。

 しかし論点を明らかにする為に、NHKの釈明をテキストでまとめる事にしましょう。同時にツッコミを入れる「と学会方式」はここではとりません。

1.問題提起

 最初に番組の一部が映った後、山元チーフプロデューサー(以下、山元CPと表記)が現れ、番組への疑問は、以下の2点である事を明らかにしました。

  1. あんなに早い動きで本当に文字を指しているんですか?
  2. 書いているのは本当に流奈くんなんですか?

 この2点は、「私達が最初に確認する点(山元CP)」であり、それらをどのように検証したかの紹介に映ります。

2.確かに文字を指し示している事の検証

 まず、流奈くんが母親の助けを借りて「他力本願(たりきほんがん)」を指すシーンが映ります。ちなみに、このシーンは説明用に再編集したもので、説明している声も録音用の音声でした。
 まず最初は普通の速さで。でもこれではよく分からないというので、スローモーションの映像が映ります。
 「た」[り]は確かに指しています。次に「きの辺り」を指します。ここで少し間が空いた後、「ほ」はキチンと打っています。「ん」は全然ダメ。「かの辺り」「ん」は全然ダメ。

 この映像だと分かりにくいが、実は、母親と流奈くんの間には以下の約束事があります。

 で、この後、再度スローシーンが流れ、上記約束に従って確かに「たりきほんかん」と打たれている事を確認します。

3.本当に流奈くんが指している事の検証

 流奈くんが文字盤を使い始めて間もない頃のシーンが映ります。流奈くんはアーウー声を出しています。今よりもたどたどしい様子で母親は流奈くんの腕を下から支え持ち、流奈くんはパタパタ文字を指しています。「お母さんは手を支えているだけ。流奈くんは自分の意志で文字を指しているという事がお分かり頂けるのではないかと思います」という説明が入ります。
 「かれはわたしにいいま」まで打つと、しばらく間があり、お母さんが「いいま」までいい? と聞くと、流奈くんが「はい」の文字を指します。「彼は私に言いました」という文章を指していたのです。

司会者 「確かにゆっくりだけど指し示しているようだ」
山元CP「流奈くんは今でも母親無しで文字を指せるんだけど、戻す事が出来無い。お母さんはそれを戻している。こういった訓練を6年間続けた結果、母親は流奈くんの手の微妙な動きを察知出来るようになり、今のような方法を身に付けた」
司会者 「母親が読み取れないという事はないのか」
山元CP「そのようなシーンは度々目にした」

 という事で、流奈くんが「常識にとらわれずに」を指すシーンが映ります。まず「しようしき」と流奈くんが指しますが、これはなかなか分かり辛く、母親は「常識かな?」とききます。そうすると流奈くんは「はい」と答えました。
 次に、「とらわれつ」と指します。そうすると最後の文字が「つ」なのか「づ」なのか分からないので、母親がそれを流奈くんにききます。そうしたら流奈くんは「に」とうったので、この時点で母親は「とらわれづに」だと諒解したのです。

 山元CPは、この手のシーンが日常的に行われている事を「何度も見ています」と言っています。

4.母親が勝手に指して勝手に読んでいるだけではない事の説明

 最大の問題である「母親が自分で指して、自分で読み上げているのではないか」という疑問を、司会者が山元CPにぶつけました。山元CP曰く「流奈くんに自分の意志がある場面を何度も見ている。流奈くんだけが知っていて母親は知り得ない話を、いつもの速さで指し示す、という場面は過去半年間、何度かあった。こういう事の積み重ねから、流奈くんに意志や理解力があるという事を確認した」と言う事です。

5.2000冊の本を読んでいる事の説明

 流奈くんはかなりの速さで本を読めるそうです。ある時、流奈くんは印刷したばかりの原稿のゲラを読んでいましたが、この後、記憶を元にして、読み返さずに校正を父親と行ったそうです。
 流奈くんのケースではないが、すばやく読んで記憶していく、というケースがあるのは専門家も認めていて、脳機能の面からアプローチされている。取材の過程で、脳障害を扱う医者の間でも、高い能力を示す子供がいる、という事が知られている。今回の番組はあくまで流奈くん個人のケースであって、全ての場合に当てはまる訳ではない。今後も流奈くんを見守っていきたい。

 

3.NHK釈明の問題点

 問題点に入る前に、まずNHKの方。ここを覗いていらっしゃるみたいですから(証拠)、敢えて書きます。これは一歩間違えば、流奈くんの人権にかかわる問題である事をしっかりと認識して下さい。もしFCが母親の妄想であった場合、流奈くんの意見表明権などが全て奪われてしまうどころか、自らが考えてもいない事柄を自分の言葉だと勝手に流布されてしまうのです。自分が意志決定する事も出来ず、母親の潜在願望に沿って生きていかねばならないのです。「今後も流奈くんを見守っていきたい」のなら、第三者による検証を是非とも検討して頂きたいものです。もし本当であったならそれで問題は無いだろうし、間違いであったなら、児童相談所などの専門家に任せれば良いのです。

 さて問題点です。既にネットワークでは大量の書き込みがなされていて、どれも、その通りだと頷くものばかりです。まあ専門的に検証する事は、その道の達人にお任せするとして、ここでは私の感じた問題点をフランクに述べていく事にしましょう。

  1. 疑問点の整理の仕方が変。一点目の「あんなに早い動きで本当に文字を指しているんですか?」は、二点目の「書いているのは本当に流奈くんなんですか?」の派生として出てきた疑問である。よって別項目として分けるのはおかしい。一方で、ドーマン法が意見の分かれる民間療法である事はバッサリと切り捨て、触れもしなかった。
     
  2. 第三者の視点が全くなく、司会と山元CPが二人で話しているだけ。
     
  3. 流奈くん、全然「たりきほんがん」て指してないよ。強いて言うなら「たるきほをかろ」かな? いくら「ん」は左端を指せば良いと言っても、しっかりと「ろ」を指している時まで「ん」と解釈するの? 常に母親が言葉を考えチェックしている、という事を逆に示してしまったような気がする。
     
  4. NHKさんは流奈くん6歳の時の映像で「お母さんは手を支えているだけ。流奈くんは自分の意志で文字を指しているという事がお分かり頂けるのではないかと思います」とおっしゃるけど、全然、お分かり頂けません。手を母親が誘導しているように見えるし、流奈くんは文字盤を見ていないし。本放送では確か、ブラインドタッチはかなり長い時間をかけて修得したものなのに、この映像によるとFCを始めて間も無い頃に既にブラインドタッチをしている事になります。これは矛盾でしょう。
     
  5. 「しようしき」から、何故そんなにすぐに「常識」という単語が思いつくかな?
     
  6. 学術レベルの本を読む天才が、何で「とらわれづ」なんて誤った仮名遣いをするの? 否定の「ず」は歴史的仮名遣いでも「ず」であって、「づ」と書く事はまずありません。そこらの小学生でも間違えないと思うのですが。
     
  7. 「流奈くんだけが知っていて母親は知り得ない話を、いつもの速さで指し示す、という場面は過去半年間、何度かあった。」と言われますが、その時の映像はおろか、シチュエーションさえも示しません。「俺達は見た。だから信じろ」では、映像に関わる者としては失格ではないでしょうか。
     
  8. 「読み返さずに校正を父親と行った」とあるが、校正も母親が介しているのだとすれば、何の説明にもなっていないエピソードである。
     
  9. 「脳障害を扱う医者の間でも、高い能力を示す子供がいる、という事が知られている」がサバン症候群の事を指しているのなら、お門違いだよ。医者を持ち出すのであれば、実際に医者をスタジオに連れてこないと。

 尚、これについては、ある理学療法士の方からのメールを参照。

 

4.NHK釈明後のマスコミ報道

 釈明後、マスコミは以下のような報道をしました。zakzakはかなり懐疑的、朝日と毎日は中立です。

 どうやら北米での再放送は中止されるようですね。やっぱり「放送してはヤバイ」という意識なのでしょう。

 また、週刊現代が5/25号で、擁護記事を載せます。題は「奇跡の詩人−日木流奈クンの母親が涙の反論」です。ここを参照。週刊現代は講談社で、NHKの放送と合わせて「ひとが否定されないルール」を出版した当事者ですから、擁護記事になるのは当然です。
 実は、2ちゃんでコテハンになってしまった414タンによって、週刊記事の記事がNHK本部スレッドパート27に既にアップされています。記事は、感動の声⇒批判記事を載せた文春・新潮への回答⇒まとめ、という流れです。ここで色々と言っていてはキリがないので、重要な文言だけをアップしておきましょう。

>現在の心境から聞かせてください。
>千史 複雑な心境です。流奈の言葉を受けとめてくださる方がこんなにいらっしゃるというのを知ったことは、すごくありがたいんです。 今回も雑音(批判)が出るのはわかっていたので、それは仕方ない、受けとめようと思っていたのですが、突然家に(マスコミの人間)押し掛けられたりすると・・・・。

>ドーマン法はかなりハードで、人によっては合わないとか、悪化する人の方が多いとか、 流奈君に運動能力面の効果が出ていないなどの批判もあります。
>千史 ドーマン法によって肉体的にも良くなっている方はいらっしゃるんです。 流奈の場合はかなり重度の障害だったので、なかなかそこまではいっていません。でも、健康面では、何かというと、すぐに入院していたのが、ずいぶん改善されました。

>日木さん夫妻の「友人」に、アメリカで国外退去処分となったラジニーシという教祖が開いた新興宗教の信者がいて、一家はスポークスマンとなっているのではないか、といった批判も出ています。
> 千史 流奈の文章を読んで、来てくださった中に、そうした方はいます。ほかにも、ボランティアの中にはキリスト教の方もいれば仏教の方もいらっしゃいます。ただ、その方々が、もしわれわれに「こうしなきゃいけない」「こうするのが正しい」と押しつけてきたら、それは「ちょっと申し訳ないですが」と敬遠します。でも、現実にはそんなことありません。われわれは個人と個人として付き合っていて、全然問題はないんです。

「障害者の本というと、そのメッセージすべてを肯定的に捉えなければならないという <感動しなければ症候群>に陥る人が多いが、この本は無理に感動しようとしなくていい。著者も<感動>ではなく、同じ土俵に立った<共感>を求めているのではないか。 だからこそ、きちんとそのメッセージに向かい合い、是々非々で読んでみるべきで、
それこそが著者の願っていることだと思う」

 雑音か・・・。宗教とドーマン法についての考えは、個人の判断だから構わないけれど、「流奈くんの言葉は本当は誰の言葉か」だけは検証すべき。親が頑なになればなるほど、不幸になるのは流奈くんなのですから。

5月14日 SPA!(5/21号)⇒批判的

奇跡?やらせ?NHKスペシャルに疑惑浮上で異例の釈明

>ブラインドタッチをマスターしているという流奈くん。でも母親の
>持つ文字盤まで一緒に動いてちゃ意味ないのだが

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Screen/8349/048.html

 

パート1へ戻る  参考リンク集



  トピック目次

  ホーム