2016/04/03 作成

台湾の秘境駅訪問 その5



プッシュプル(PP)E1000形の自強號は韓国(現代ロテム)製の電車だ 瑞芳(ルイファン)站にて

     旅程3日目 2016年3月20日 瑞穂(ルイスイ)站から北投(ペイトゥ)温泉へ

     しばらく周囲を散策していると、突然空から飛行物体が降りて来た。大きな紙風船の中に火が付いているではないか! これは天燈と言われるもので、願い事を書いて飛ばすと、
    何やらご利益があるらしい。隣の十分あたりから飛ばされているようで、辺りにはいくつも残骸が落ちている。「宝くじが当たりますように」「連単100万が取れますように」などと、明
    らかに我が国民が書いたと見られる恥ずかしいブツを発見!ギャンブル依存症なのか知れないが、余所の国で叶いもしない願い事を書いて飛ばすなど、単なるゴミであり、強い
    ては自然破壊に加担している、と突っ込みを入れたいところ。雨上がりで大事には至らなかったが、飛ばされた天燈が竹林に落ちて燃え上がっているものもあった。正直、自分の
    家やクルマに飛んで来たらと思えば、許容し難い類の悪しき風習である。

             

         公用電話が渋すぎる!        願い事を書いた天燈が飛んで来て落下した     次から次へと飛んで来て山はゴミだらけ       おいおい、燃え上がったぞ!


     平渓線の望古站から折り返す列車に乗り、先ほど下車した三貂嶺站をやり過ごす。そのまま宜蘭線に入り、列車の実質的な起点となる瑞芳(ルイファン)站で下車した。今夜は北
    投(ペイトゥ)温泉に泊るため、MRTに乗るべく台北駅へ向かう。PP特急の自強號175次に乗車するが、静かな客車を期待するもデッキまで超満員で辟易。すかさず七堵(チードゥ)
    站で降り、10分後に発車する始発となる客車急行の莒光號523次に乗り換えた。これが正解で、台北までゆったりと座ってジェントルな客車列車の乗り味を堪能したのであった。 

             

    望古站から迎えの列車に乗る   往きにチェックした大華駅から延びる道は一体いずこへ?    莒光(ジューグアン)號の客車後端部     さすが始発だけあって車内はガラガラだった


     台湾の首都の台北站に着いたが、物凄い人、人、人… 中央の屋内広場にはおびただしい人数のイスラム系と思われる団体旅行者が地べたに座っていた。あまりの喧騒に自身の
    体調が急激に悪化。過呼吸ぎみになり、顔も青褪めて来た。実のところ私は心身的な広場恐怖症らしく、人混みが大の苦手。早くこの場を脱したい思いで、MRT(地下鉄)へと急いだ。
    当然ながら写真を撮る余裕もなく、自動券売機で例のコインをゲットして地下鉄へ乗り込んだ。混雑こそしているが、まだ車内の方がマシだ。40分ほどで北投に到着し、温泉の最寄り
    になる新北投へ向かう1駅だけの支線に乗り換え。ほぼ徐行といった状況で終点の新北投站で下車した。宿は夕飯を取っていないため、台湾ラーメン(牛骨)を食べるが、意外と旨か
    った。雨降りなのが難だが、目的の“鳳凰閣温泉館”までの1.5kmの坂道を傘をさして歩いてようやく到着した。
  

             

         やっぱり貸切風呂は最高!       部屋風呂も上質な硫黄泉が引かれている      濃厚な白硫黄をしっかり堪能


    宿へ着いて部屋にチェックイン。貸切風呂も格安で提供して頂きじっくり堪能。ここは肌に優しい弱酸性(ph4~5)の“白硫黄泉”のようだが、宿によってはより酸性度の強い(ph1.5~2)
    硫化水素系の“青硫黄泉”もあるらしい。もっとも、白硫黄といっても濃いため全身に沁みわたる素晴らしいお湯であった。流石は台湾を代表する銘泉だけはある。時間が遅いため外湯
    めぐりは叶わなかったが、それよりも体調の回復を最優先に、部屋風呂で湯治に専念することにした。悪化していた体調も一晩に3回、翌朝1回と、しっかり浸かった結果、だいぶ良くな
    った。


     旅程4日目 2016年3月21日 北投(ペイトゥ)温泉から帰国の途へ

    朝が明けた。今日は帰国しなくてはならない。タクシーを呼びたい旨を伝えると、何と新北投ではなく、乗り換え不要な北投まで送って頂けるというではないか!真に有り難い。さらに早朝
    の出発で朝食が間に合わないと伝えると、パンと牛乳の詰め合わせまで用意して頂いた。何とも優しい心遣いに感激!一夜めの左營でゴタゴタの際にお世話になった警察官、枋寮から
    枋山へ行く途中で内獅に寄って頂いたタクシー運転手、瑞穂の旅館の人、山里と三貂嶺の駅員、そして今回の宿の人たち。台湾の皆さんはとても親切だった。むしろ昨今の日本人の方
    がどうなの?と思いに至った。

    宿の送迎車(トヨタ・エスティマ)で北投で降ろしてもらった。MRTに乗って体調悪化の引き金になったあの忌まわしい台北站へ到着。日本では祝日でもこちらは平日。朝が早かったせいか
    特に人混みは気にならなかった。昨日異様にごった返していた屋内広場だが、黒と白の斜め碁盤みたいなデザインであったことを初めて知る。そして高鐵(新幹線)に乗って3日前にジョ
    イントパスを引き換えた桃園站にすんなり到着。後は掛け足になって申し訳ないが、バスに乗って空港、そしてLCCのタイガ―エアーで福岡空港に着いて無事に帰国した。

    今回の台湾旅行は秘境駅訪問がメインであったが、ローカル線も平渓の一部しか乗っていない。もちろん嘉義から出ている森林鉄道の阿里山森林行路も未乗車だ。次回は今回見送っ
    た秘境駅と合わせて台鐡全線乗車を目標に行きたいと、脳内であれこれと策略を練るのであった。