2016/03/27 作成

台湾の秘境駅訪問 その2

台東線の山里(シャンリー)站を通過する莒光(ジューグアン)號。EL牽引の客車急行に鼓動が高まる!


    旅程2日目 2016年3月19日 新左營(シンズゥオーイン)站から瑞穂(ルイスイ)站の温泉宿へ

   昨夜のドタバタ劇の興奮も冷めやらぬ、朝5:30に起床。5時間ぐらいしか眠れていないが、もうあんな行列に並ぶのは嫌だから、早めの行動に出ることにした。今日こそは無事にと祈りながら…
  ところが、天使は微笑むどころか、私を地獄へ突き落とそうとしているのか、このあとトンでも無いことが待ち受けていた!

              

           高雄地下鉄の生態園站                 コインが出て来る自動券売機              ホームと路線案内図                 高鐵左營站 兼 台鉄新左營站


    宿を出て、地下鉄の生態園站へ3分ほど歩く。新しい路線なのか最近出来たような様子。エスカレーターを降りると、ここが高鐵左營站の隣であることが判明。運賃(20元)を確認して自動券売
   機にお金を入れると、切符の代わりに紺色のプラスチックのコインが出てきた。ICチップが埋め込まれているようで、これを自動改札機の指定された反応部に当てると改札のバーが開く仕組みだ。
   改札を出るときにはコイン投入口に入れるとバーが開くようになっている。そのコイン、記念に貰えるかどうかは知らないが、ゲームのソレとにていて、コレクション的な欲求など起こるべくもない。
   列車はホームドアなので写真は撮れなかったが、何の変哲もない地下鉄。私は都会の鉄道にさしたる興味はない。すぐに台鉄の新左營站へと着いた。ちなみに、高鐡の左營站と連絡しているが、
   台鉄の左營站は隣にある別の駅だ。極めて紛らわしく、初心者泣かせの名称である。会社が別だと、互いに何の配慮もなくこうなるのだろう。そして、今日は台鉄に乗るため、早速窓口で特急の
   自強(ズーチャン)號や普悠瑪(プユマ)號の座席指定をお願いすることにした。

              

           出札口でパスを提示するとき、一緒にこんなメモを出すと、不可解な中国語会話を避けることも可能だ!     列車の指定を受けると係員が記入してくれる


    ところが、スーパー特急の普悠瑪號411次の瑞穂(ルイスイ)→宜蘭(イーラン)の指定が一杯で取れないという。この列車と太魯閣(タロコ)號は基本的に全指定で立席券は発行されない。
   従って一本前の自強號407次にするのだが、時刻表を取りだそうと焦ってザック開けようと振り返った際、カメラ(ニコンD300+16-85mmVR)が落下!!! ガラス片が粉々に散った。。。(泣)
   初めてのカメラ落下事件。ショックのあまり全身から血の気が引き、悪い汗が噴出した。ただ不幸中の幸いか、被害はフィルターのみでレンズは無傷。カメラ本体の動作にも影響はないようで
   ミラー上のゴミは空撮り数回で目立つゴミは飛んだ様子。気分も物理的なものに比例して相当に落ち込んだ。それでも、幸いにして生レンズで撮影が続けられること、そして金銭的にもD700の
   予備機となる10年選手で、個人的にはほぼ原価焼却済みであったことが救いであった。LCCに乗るために荷物を極限までに抑えたことが効奏したことは言うまでもなく、これがD700とf2.8通し
   レンズだったら?なんて考えたくもない。
   

                 

     R100型の電気式DLが牽引する客車列車の復興(フ-シン)號  いよいよディープな鉄道旅行の始まりだ!   台東行きのサボも往年の20系客車を彷彿させる    この車両は47年選手だった      


    カメラ事件を悔やんでも、時間は待ってはくれない。先発の自強號(407次)も残り1席しかなく何とか確保。流石に休日とあって人気が高い。さっそくホームに上がって乗車予定の復興(フーシン)
   號781次に乗車。ブレーキのエアーがシュゥと抜け、並形自連のショックとともに、ゆっくり静かに走り出す、この何ともジェントルな佇まい!鉄道ファンとして全身に満足感がみなぎる瞬間である。
   市の中心である高雄(カオシュン)、屏東(ピントン)、潮州(チャオツォウ)などに停車しながら、どんどん南下。そしてかつて日本統治時代に最南端駅であった枋寮(ファンリャオ)に到着し下車。
   ここまでは屏東線だったが、先は険しい中央山脈を越える南廻線となる。何でも8070mの中央トンネルは難工事を極め、開通したのは1991年でつい四半世紀前のこと。台湾が鉄道で一周でき
   るようになった歴史はまだ浅い。  


              

      枋寮站からはトヨタ・ウィッシュのタクシーに乗車    内獅(ネイシー)站に立ち寄る。   ほとんど乗降はないようで、痛々しい廃墟となっていた。    ホームは開放的な雰囲気で気分が良い
 

   ここからは各駅(普快車・区間車)は1日あたり2往復しかないため、タクシー利用も致し方ない。枋寮からタクシーに乗り換えて内獅(ネイシー)へ向かい、写真を撮ってから枋山(ファンシャン)
   站で下車する行程を、タクシーの運転手へ無事に筆談とジェスチャーで伝えることが出来た!奇妙な自信が付いてしまうが、決して語学力が向上した訳ではないので、調子に乗らぬように自戒
   したい(笑) 内獅站だが、早速ながら日本の秘境駅ランキングを基準に採点してみると…、駅の周りに十軒以上の人家があること(秘境度1)、自然豊かだが、山間という風情ではなく、普通の
   荒れ地(雰囲気1)。
列車の停車は一日あたり上り2本下り2本のみで著しく厳しい(列車到達難易度18)。外界からのアクセスは国道から入ってすぐのため容易(外部到達難易度1)。駅舎は大き
   めだが廃墟。路線は新しく鉄道遺産的要素は見られない(鉄道遺産指数2) 総合評価の合計は23ポイントで、順位的には101~105位に達するが、これは列車到達難易度が著しく高いためで、
   通常的な判断では150位程度と見られる。それでもロケーション的には、羽越本線の桂根クラスあたりと判断され、海が見える開放的な雰囲気は素晴らしい。 


              

      駅舎は立派だが無人駅。  瓦屋根の上屋が洒落れているが、広いホームは片側しか使われていない。  内部は荒れている。 周囲に人家は少なく、正面は国道を挟んで海しかない。  


   次にいよいよ台湾ナンバーワンの秘境駅と言われる枋山(ファンシャン)站に向かう。何を持ってナンバーワンなのかというと、実は台湾にも、「鐡猫さん」という私のような秘境駅訪問家がいて、
   日本の小幌や坪尻にも訪れている。私は彼から貴重な情報を得るだけではなく、その行動力に感激し、今回の旅を決断したのである。ちなみに先ほど訪れた内獅站は7位にランクしている。
   http://jp-shitman.blogspot.jp/p/blog-page_4424.html

   タクシーは片側2車線の国道を左折し、突然狭い急坂を上り始めた。屈曲した道を登りつめたところに、大きな郊外型レストハウスのような立派な駅舎と大きなロータリーが見えた。そう、ここが
   枋山(ファンシャン)站であった。3月の半ばとはいえ、気温30℃の蒸し暑いなか、とうとう台湾最南端の駅に到達したのである!

              

     立派な駅舎に広大なロータリーは大いなる無駄遣いか?   実態は不気味な廃墟で、待合室は閉鎖されている   埃をかぶったプラベンチがもの悲しい    駅正面から見える広大な風景が印象的


   ここからは普快車(プークワイチャー)3671次に乗るため、タクシーに別れを告げた。まだ時間があるため、ゆっくりと散策しよう。まず秘境駅調査のランキング視点で紹介すると、付近に人家は
   見えないが、決して無人地帯ではない(秘境度6)。自然豊かでマンゴー畑などが散在し、駅のすぐ脇は霊園と見られる(雰囲気6)。列車の停車は一日あたり上り2本下り2本のみでかなり厳しい
   (列車到達難易度18)。駅までの車道は屈曲する急坂だが舗装路である(外部到達難易度6)。駅舎は立派だが著しい廃墟。路線も新しく、鉄道遺産的には側線跡が残る程度(鉄道遺産指数3)。
   総合評価の合計は39ポイントとなり、順位的には48位になる。しかしながら、ロケーション的には判断が難しく、強いて言えば日高本線の浜田浦か浜厚真クラスに該当しそうだ。

   ただし、列車到達難易度が著しく高いために50位以内に入るが、通常的な判断ではランキングの100位に届くかどうか。改めて日本の秘境駅のレベルが高いことを再認識した次第。やはり駅
   の施設が廃墟であっても立派過ぎて、北海道の簡素な板張りホームと、うら寂れた待合室には足元にも及ばない。ここは敢えて厳しい見方をしておきたい。


              

     ホームは広く長大編成でも停まれそうだが、およそ人の姿を見ない。   枋寮方面は海に向かって延びている。   台東方面はトンネルが口を開ける。     旧型客車の普快車(プークワイチャー)


    地下連絡道をくぐってホームに上がり散策する。時折、特急自強號や急行莒光號などが高速で通過するので注意したいところ。特に莒光號や普快車を牽引するR100形の電気式DL(アメリ
    カ製)は物凄い轟音で大迫力だ。コンクリート製の立派な上屋を過ぎると青空が広がって実に気持ちが良い。農家の人が何の木だか知れぬが、消毒液を噴霧していたが、しばらくして何処か
    へ行ってしまった。その後、クルマ(SUV)で誰かがやってきて、中国語で声を掛けられたが当然解らず「シェシェー、リーベン!」※すみません日本人です みたいな事を返すと何処かへ行っ
    てしまった。情けない話だが、旅の目的が人的交流ではなく、秘境駅訪問なので勘弁して下さい(笑)そんな調子で、しばらく時間をつぶしていると、乗車予定の普快車3671次がやって来た。
    旧型客車ゆえに手動でドアを開けると、まさにタイムスリップしたかのようなレトロな車内が待っていた。