2016/03/26 作成

台湾の秘境駅訪問 その1



かつての日本最南端駅だった枋寮(ファンリャオ)にて、乗って来た「復興號」を撮影

 
   はじめに。

   昨今、私は旅人として悩ましい日々を送っていた。国内のJR路線は先日開業した北海道新幹線を除いて完乗している。おまけに私のライフワークである、“秘境駅訪問”も、鉄道だけでなくクル
  マやオートバイなどの手段を含めた、2回目以降の“再訪”もほぼ終了の域に達した。だが、今後は再訪したくとも北海道や東北では、利用者の少ない秘境駅が廃駅ラッシュに巻きこまれている
  ことは今日の報道で周知の通りだ。それらを血筋を上げて旅人が何やかんやと言う前に、そもそも地元の利用者が離れてしまった結果である。実に残念なことであるが、過疎地の運命ゆえ仕方
  が無いといえば反論のしようもない。

  そんな流れの中で、ブルートレインだけでなく、最後の客車夜行「急行はまなす」まで廃止されてしまった。もはや、鉄道旅行の楽しさと豊かさは、スピードと合理化という大義名分をかざしながら
  鉄道ファンたちの心理は無慈悲に踏みにじられている。それも時代の流れ故に、経営側から見れば単なる懐古趣味で、経費ばかり掛かる上に利益の阻害要因として片付けられている様子だ。
  かつて、オフロードバイクで全国の林道を野宿しながら走った日々が、舗装化と自然保護による通行禁止になって行くという悪夢が、今まさに蘇ってきている。本当に無機質で嫌な時代になったも
  のである。

  私は旅に関しては、ハングリーなタイプであると自負している。しかし、事は海外旅行だ。英語は単語こそ覚えていれば何とかなると思い込んでいたが、いざ現地で説明しようとしても稚拙な文法
  では中々通じず、ただ尻込みするばかり。それは私を含め、多くの日本人が同じ思いを抱いているに違いない(そう思いたい)。それなら最初から英語なんて通じないところへ行けば良いのだ。
  我が国だって漢字の国だし、意思疎通などは筆談で何とかなる。人生は挑戦するからこそ価値があるのだ! と、偉そうに自分を諌めるが、正直なところ内心ドキドキである(笑) これでも長年
  鉄道ファンをやってきたので、現地の時刻表の読み方、列車の乗り方など大方は理解できるので問題はない。細かい点は、現地の人を観察して、真似をすれば良いだけである。


   旅程1日目 2016年3月18日 広島の自宅から、台湾高鐡の左營(ズゥオーイン)站近く?の宿まで

  
  こうして、広島の自宅をクルマで8時半ごろ出発。中国道の高田ICから九州道の須恵ETC出口まで320kmを約4時間をかけてひたすら走り、福岡空港国際線ターミナルの駐車場へお昼過ぎに
  着いた。搭乗するのはタイガーエアというLCCで、往復17,500円という破格のフライトである。出発は15:50でまだまだ時間があるけど、早めに空港内のチェックカウンターで座席を指定してもらう。
  その後、手荷物検査を済ませようと列に並んでいたところ、人的ニアミス事件が起きた。何と、大陸の婆さんとおぼしき3人が列車の如く連結したような状態から、フルノッチで割り込んで来たのだ!
  思わず“口ポカーン”。。。あまりにも醜悪かつ滑稽な姿に文句を言う気も失せ、限りなく底辺的な民度に、ぷっw と嘲笑を浴びせるしか反撃の手段がなかった。しかし、あんな婆さんが機内でトラ
  ブルでも起こされたら、それこそナッツリターンものだ。さらに出発ロビーでは、大声の中国語で誰かを呼び続ける爺さんを見た。ノースフェースのジャケットを着て、少しはお洒落なのかと思いきや、
  そこには「THE NOBLE FACE」と書いてあった。何とまぁ“凶器みたいな顔”して、“高貴な顔”という服を着ているギャップに、危うく飲んでいたお茶を高圧噴射するところであった。けれども、高貴な
  顔の服の人はともかく、上陸した先があんな人達ばかりだったらどうしようか?台湾人は行儀が良いとは聞いていたが、いささか心配になって来た。


       

     福岡空港国際線ターミナル駐車場(1000円/日)          まさにタイガースファン向け?のカラーリング(笑)


   それでも無事に機内に入り、LCC特有の膝密着的座席ピッチに身もだえしながら指定されたイスに滑り込んだ。しかし、滑走までの順番待ちが長く、16:10ごろになってようやく離陸するが、まもな
  くかなり強い揺れとともに乱気流に巻き込まれた。そのせいか、後は何やらエンジンの出力を低くして、タラタラと飛んでいる様子。やはり予感は当たって、桃園(タオユェン)空港には、予定時刻の
  18:10どころか19:20過ぎにようやく着陸。1時間以上も遅れたうえに、イミグレーションは長蛇の列。さらに、高鐵(新幹線)桃園までのバスも延々と並んで2台見送って、到底予定の列車には乗れ
  ずじまい。いやぁ〜予想外なことが次から次へと襲ってくる。日本って本当に恵まれているんだなぁ、と実感するのであった(汗)


       

    高鐡桃園站(駅)は台鉄の同名駅とはまったく違う場所(バス20分)。   “對號座”とは指定席のこと。 


  さらに試練は続く。高鐵桃園でも類に漏れず長蛇の列。ようやく順番が来て5日間乗り放題の「高鐡台鐡・特級(こういう表記ね)ジョイントパス」こそ引き換え証とパスポートの提示で無事に渡され
  たが、新幹線の座席指定が取れず、後続の新幹線(891次)へ乗車することに。だが、実際は席が空いていれば座れること、おまけに自由席車があると知ったのは後の話。あぁー徒労だったか。
  の台湾新幹線はもろに700系のそれ。軌道の状態もすこぶる良く、至極快適で終点の高鐵左營站に到着。“ドームイン・ナイン・ナイツ”という格安宿まで地下鉄でひと駅だが、面倒だし疲れていたの
  でタクシーで行くことにした。だが、運転手に地図を見せても
?という表情。いささかこちらも不安になるが、OKというので乗車。ちょうど100元で着くが、どうやらそこはラブホテルの様相。あらまぁ。。。
  その宿の人につたない英語で聞くと、どうやら近くらしく、交差点の向こう側というから、歩いて行けが看板もなく、何やらさっぱり解らない。もう23:40にもなっているではないか!0:00で予約が流れる
  から本当に焦って来た。異国の地に来て速攻で宿なしかぃ(泣)


          

      扉は一番右の提灯の下でした(苦笑)      九夜(ナイン・ナイツ)ね。これだけじゃ解らないよ・・・       カウンターはお洒落だけど無人だった。


  ふと顔を上げると大きな建物が見えてそこは何と警察署ではないか!思わず飛びこんで、あれこれ事情を説明。警察官がホテルの連絡先にTELしてくれて、おまけに一緒に連れて行ってもらった。
  何と警察署から100mあまりのところにあって、そこは地元大衆食堂の2階らしく、黒い扉に小さく「NINE NIGTHS」と書いてあるだけだった。さっき通り過ぎたところではないか。これじゃ解らねーよ!
  宿主と連絡を取って頂いた警察官にドアのセキュリティ番号を押して開けてもらい、ようやく部屋に入ることが出来た。中は割合広くて快適だったが、街中のため外はうるさめ。蒸し暑いし、肉体的に
  も精神的にもグダグダで、シャワーを浴びてからは泥のように眠ってしまうのであった。