01/9/4 作成 07/08/19 加筆修正
立木駅

山陰本線 “立木駅” 山間に佇む静かな駅の夕暮れは、虫の鳴き声と共に訪れる・・・

周囲の人家は僅か数軒だけ 列車本数は多いが、主要道から遠く離れているので、とても静か 駅前にはこんな小さな沢があり、自然環境も良い
訪問日記 2001年8月8日 訪問
この駅は、山陰本線の始発駅である京都駅から、約一時間半ほどで到達できる場所にある。 そこから更に近い秘境駅として同路線の“保津峡”という駅もあり、こちらは
僅か約20分ほどで行けるので、非常に身近な存在である。 しかしその“保津峡駅”は渓谷探勝を目的とした完全な観光駅と言えなくもない。 その点、この“立木駅”は、
一般的には殆ど知られてはいないためか、駅の周囲は特に大きな開発の跡も見受けられず、人家も数軒が散在しているに過ぎない。 そして、駅前には小さな沢の流れを
見ることができ、主要道からも遠く離れているのでとても閑静な雰囲気である。
駅は列車の交換を目的とした2面2線の長いホームに、駅舎が撤去されてしまった跡地に、小さなカプセル型の待合室が存在している。 この小さな待合室のベンチには地元の
主婦が製作されたと思われるお手製の座布団が用意されており、この駅がとても愛されていることがヒシヒシと伝わってくる。 ふらっと訪れた旅人の心さえも和ませるその
雰囲気には思わず胸が熱くなる思いを抱いてしまう。
今回、私は18きっぷでの日本一周を成し遂げる旅の途上にあり、山陰本線の普通列車を使いながら進路を北に向け、ゆっくりと進んでいった。 その途中、以前訪れた“居組”
と“餘部”を訪問した後、“久谷”で降りて実地調査(惜しくもランク外・・・)をしながら、じわりじわりとその歩みを進めて行った。 その山陰本線の起点となる幡生駅から始まった
その長い旅路も、終点の京都駅までほど近い綾部駅でその終焉を迎えた。 その先は、北陸本線へバトンタッチさせる為、舞鶴線と小浜線を乗り継いで敦賀駅へと渡る計画だ。
その前にその綾部駅から僅か2駅先にあるこの駅を、思い切って訪問することとなった。 事前に得た貴重な情報を元に不安半分で降り立ってみると、そこには日常の煩わしさを
忘れさせてくれるような、長閑な空間が広がっていた。
ほんの30分程度の滞在時間ではあったが、日本一周という強い自己満足の達成と、それに伴ったプレッシャーを感じさせるこの旅に少々疲れていたのかも知れない。
やはり記録だけに没頭するような旅では、ある種の脅迫観念からか、何だか心が落ち着かないことが度々ある。 そして、幾ら会社から正規に貰えた休みではあっても、10日間も
フラフラと旅を続けていると、日頃から忙しく追い立てられていて、嫌気の差すこともある職場でさえも何だか心配になってくるから不思議なものだ。 やはり自分は一介のしがない
サラリーマンであることを思い知らされる。 「旅人とは言っても、格好だけで真の旅人にあらず」 と改めて悟ってしてしまった。 まあ、こうして自分勝手な旅が出来るのも、普段
から会社勤めして頂いたサラリーがあってのことだ。 休み明けで出社したら、少しは張り切って仕事しようか? なんて、柄にもないことを考えていた…