01/06/16 作成  07/07/21 加筆修正

薩摩高城駅



鹿児島本線 “薩摩高城駅” 集落からは遠く、海辺にひっそりと佇んでいるような駅である

        

駅のすぐ脇には東シナ海を望み、とても開放感に溢れている         駅名標は国鉄時代そのものである木製タイプ残っている

        

駅の裏手にドライブインが1軒あり、すぐ脇には国道3号線が通る      上り線ホームから海岸の砂丘へは徒歩1分。 散歩には最高だ


   訪問日記   2001年5月12日 訪問

  この駅は、鹿児島本線の阿久根〜川内間にある小駅で、開設されたのは戦後となった昭和27年5月1日、この線区にある駅としては比較的新しい駅である。 周囲にある
 人家はすぐ脇を通る国道3号線沿いに1軒のドライブインが存在するだけで、駅を中心にして街や集落が形成されているわけではない。 恐らくこの駅は、増発される列車に
 対応して列車の行き違いや、優等列車の待避を目的とした信号場としての役割が主だったと推測される。 また、一番近い集落からは約600m近く離れており、この駅を利用
 するに当たっては、国道3号線の脇を延々と歩いてくる必要があるため、利用者は非常に少ないと思われる。 

 そして、この駅の立地条件は非常に自然味豊かな土地柄にあって、小規模な砂丘を越えると広大な東シナ海を望む海岸へ出れる。 地形的には入り江の様になっており、
 その湾内には魚の養殖場がある。  また、この砂丘地帯は小高い丘になっていて、その周囲をぐるりと一周できる歩道があり、ゆっくりと歩いておよそ10分程で探勝できる
 ので、ここへ訪問された方は是非歩いてみることをお勧めする。

 今回私はこの駅を訪問するに当たり、深夜となった博多駅より夜行特急「ドリームつばめ」の自由席に乗車した。 鳥栖、大牟田あたりまでは帰宅が遅くなったサラリーマンで
 非常に混雑していたが、やがて熊本あたりではその姿を見ることは無くなった。 旅の疲れが出てきたせいか、うっすらと寝てはまた起きることを度々繰り返し、もうろうとした
 意識のなかで川内駅到着のアナウンスを何とか聞きとって、早朝の5:16にようやく列車を降りた。 川内からは6:00に出る始発電車に乗って、3駅先にあるこの“薩摩高城駅”
 で下車した。 清清しい朝の空気を胸一杯に深呼吸し、気だるい体を励ましながら、いよいよ周囲の探索を開始することにする。 上り線ホームにあるすっかり風化してしまった
 待合所のベンチに荷物を置き、その脇から茂みを分け入って行く道を発見し、その先へ歩みを進めることにした。 靴の中に砂が入りこんで来るが、構わずそのまま進むと
 間も無く小高い丘の頂上へ出る。 そこから眺める展望は遠くに甑列島の姿を望むダイナミックな東シナ海を一望し、そして感動した。 素晴らしい! 
 気だるかった眠気も吹っ飛び、すっかりここが気に入ってしまう。  眼下に一人の男が吊り竿を持って砂浜の海岸を歩く姿を横目に、この砂丘をぐるっと一周して駅へと戻った。
 
 そして今度は国道3号線へと出てみたが、そこはかなり交通量が多く、今一つ雰囲気が悪い。 集落の見えるところまで坂を降りて行ったが、取りたて見所も有るわけでは無く、
 すぐに駅へと引き返して来た。 そんな、朝の散歩を充分に堪能して、しばらくすると水俣行きの普通列車がやって来たので乗車する。 しかし、ここでは直ぐに発車せずに
 後続の特急「つばめ2号」へ進路を譲ることになる。 ガンメタリックの渋い塗装をした787系が高速で駆け抜けて行った。 こうして急がない旅は、往年の475系急行型電車で
 運行される普通列車で、一つ一つの駅に停まりながら、ゆっくりと北上して行くのであった。

 この駅は九州新幹線の開業によって、鹿児島本線から「肥薩おれんじ鉄道」の駅へ変わりました。 ここを走る列車も電化こそされてはいますが、すべて単行の
 気動車となり、少しばかりの寂しさもありますが、この先も末長く頑張ってほしいものです。