00/2/22 作成  07/07/20 加筆修正

押角駅

深い山 清らかな流れ そして板切れだけのホーム 最も自然に近い駅と言って良いだろう

       

過ぎ去って行く列車 雪に埋もれた右手側は過去にあった駅への鉄路     国鉄タイプの駅名標が残る    書き直した跡が剥げている

       

   左手の堤はスイッチバックの加速線として使われていた    勾配は33‰にもなる凄まじさだ    列車は3往復/日で折り返しでの訪問が基本

       

元駅舎があった所は現在、川の水を利用した養魚場     番犬が3匹吠える     対岸へ渡る欄干が片方だけの腐りかけた橋

  訪問日記  2000年2月19日 訪問

  今回の秘境駅訪問は東北地方ということで、全国でも北海道の次に“秘境駅”とされる駅が多い地域である。 特に岩手県のこの辺りは山深い地域を列車が通っており、
 更にレベルの高い秘境駅が期待できるので非常に楽しみである。 そして週末となり、たった2日間ではあるが、JR東日本きってのトクトクきっぷである “ウィークエンドフリー
 きっぷ” を利用してこの“押角駅”へやって来た。 まず、出発となった大宮駅から混んでいた東北新幹線E2系の「やまびこ1号」で仙台駅へおよそ1時間半で降り立つ。
 「エラク速いなぁー」久々に乗った新幹線は、変な恐怖感と早朝という組み合わせで気分が優れない。  どうやら私のような人種には向いていない乗り物のようだ。
 
 しかし、仙台から乗ったキハ40系の快速「南三陸1号」のボックスを陣取り、空腹をおにぎりで満たすと実に快適な気分になってきた。<ハハハ  そして気仙沼線と大船渡線、
 三陸鉄道南リアス線、山田(海)線と次々に未乗線区を乗り潰して行った。 そして宮古で岩泉線直通である待望の“キハ52”へ乗車する。 この形式は全国でも希少となった
 キハ20系列の生き残りで、ドアは手で開けるタイプ。 今となってはここ岩手県の山田線、岩泉線、花輪線と山形県の米坂線、新潟県の大糸線ぐらいしか走っていない貴重な
 車両なのである。 ただ、この岩手地区の“キハ52”はリニューアルされており、非冷房ながら小奇麗な内装だった。 途中、茂市駅に23分停車した後にいよいよ全国でも屈指の
 廃止対象線区と言われる「岩泉線」へと入る。 岩手刈屋、中里、岩手和井内などはどれも味わい深い駅に停車しながらだんだん山深く、30‰クラスの急勾配を2エンジンが
 唸なりを上げ、いよいよ目的である“押角駅”へと到着する。

 当然降りたのは私一人だけであった。 狭い山間にタイフォンが響き渡り、単行のキハ52が遠ざかっていく… う〜ん この瞬間の孤独感。 何と表現したら良いか判らないが、
 最高の気分である。 とにかくこの界隈にいるのは私だけ!  そしてこの駅は昔スイッチバック駅であり、その遺構を偲ぶべく周辺を探索する。 元駅本屋があった所は川の水
 を利用した養魚場となっていて、昔の名残りは殆ど見当たらない。 おまけに番犬が3匹居て、そのうち1匹が放し飼いとなっており、五月蝿いほど吠えながら勢い良く向かって
 きやがった。 この挑戦的な態度に向かって私の取った行動はというと、犬の数倍ほどのデカイ声を張り上げ、棒切れを振り回して逆ギレしながら追い回してやった(爆&危)。
 「ウッセーゾ コノ クソ犬ぅぅぅ!」 何だか日頃のストレスをこの犬に向かって激しく当たり散らしてしまった(反省)。  おかげで、犬は恐れをなして後退して行った。 
 あとで空しく遠吠えしていたが…(寂)

 そして今度は反対側の岩肌を削ってまで作った力作の「加速線」の部分へと向かう。 藪をよけながら堤を歩いてみる。 この狭い山間にある急勾配の為、ここまでの苦労が
 必要だったとは… しばし絶句。 SLが走っていた時に是非乗ってみたかったものである。 その後、辺りも暗くなり腹も減ったのでホームの上でラーメンを作って食べる。 
 名付けて「押角ディナー」?である。 マルタイの棒ラーメンとんこつ味が空腹に染み渡る。  う〜ん満足  そして食後のコーヒーは一応“レギュラー”という「こだわり」である。 
 そんなこんなで約2時間の間は結構充実していた。 その後やってきた列車に乗車すると、力強いエンジン音を山峡に響かせて、ゆっくりと発進して行った…