00/8/26  作成  07/07/18 加筆修正

新郷駅

伯備線“新郷駅” 集落から離れた山間に、列車交換だけが目的と思われる駅が存在していた…

      

深夜の新郷駅   有効長の長い退避線を備え、上下それぞれ対面式ホームに待合室がある    下り線ホームは崖下にあり、少し恐怖を感じた

  訪問日記  2000年8月12日 駅寝訪問

  この駅は、陰陽連絡のメインルートとなっている伯備線にある“新郷駅”である。 ここは列車交換の駅であるとともに、何故か早朝に発車する上り列車の始発駅にも
 なっている不思議な駅である。 ただ、停泊するような設備は無く、何処かの駅からわざわざ回送されてくるらしいが、この列車に始発から乗る客は恐らく皆無であろう。
 周囲は山深く、ここから見える人家は3軒ほどで、利用者は極少ないと簡単に判断できる。 また、有効長の長い待避線を備えており、長大編成のコンテナ貨物列車との
 交換も可能と思われる。 そして、上下線ホームにそれぞれ小さな待合室があり、駅寝に最適な造り付けの長椅子が備え付けられている。 また閑静な雰囲気と合わせ、
 落書き一つない待合室はとっても居心地が良かった。
 
 今回、中国秘境駅訪問旅として、昨晩は東京発の「ムーンライトながら」で車中泊し、山陰本線・因美線・姫新線と延々乗り継いで山陰入りして来た。 途中に2駅程“餘部”
 と“居組”の秘境駅訪問をこなして、深夜ここに駅寝をすべくやってきたのである。 訪問するまでは何となく地図上で周囲に人家が少なそうな印象もあり、“もしや…?”と
 考えられたが、ネット上で検索しても有力な情報も得られないまま行き当たりばったりで出向くことになった。 結構そんな駅に限って以外に人家が多くて落胆するケースが
 多いため、正直期待するのが間違いだとタカを括っていた。

 しかし、訪問してみて少し驚いた。 古い駅舎こそ残ってはいないものの、以外と山奥で中々の雰囲気ではないか! 私の感?を信じて良かった(^^; と思った瞬間でもあり、
 更に一晩の宿として申し分の無い設備と環境を備えていたので、とても気に入ってしまった。 夜中に一通り駅周辺の調査を終えて、今日一日の疲れが出たのか臨時の
 夜行快速の「ムーンライト八重垣」を見送ったのを最後に、程無く自動消灯して深い眠りに落ちたのであった。

 翌朝、暫く周囲の散策をして判ったことは、この駅は集落から約1km程度も離れていることと、駅前に「新郷駅開設30周年記念碑」なるものが立っていることを確認する。
 ただ、この記念碑は昭和57年度建立のため、駅の開設から既に50年は経っているという勘定になる。 そして、何故か「新郷駅の歌」という記念碑?も併設されていたのには
 苦笑してしまった。 ただ、記念碑の裏にかいてあった通り、地元の方々の熱烈なる陳情の末に、信号場兼仮乗降場から正式な駅への昇格がなされて永年の願いが叶った
 ものの、駅は何故か集落より500mも山奥へ移設してしまった。  時代の流れかいつしか利用者も少なくなり、更に追い討ちを掛けるかの如く合理化による無人化と、それに
 伴う駅舎解体という、波瀾に満ちた歴史を経て現在に至っているのである。 
 やがて、米子行きの始発列車がやってきて乗車し、一晩の安らぎを与えてくれたこの閑静な駅に感謝しつつ、後にしたのであった。