01/10/1 作成  07/07/17 加筆修正 

南斜里駅



釧網本線 “南斜里駅” 畑の中にポツンとある駅に停まる列車は極少ない…

       

あのボロイ待合室はすっかり壊されてしまい、跡形も無くなっていた     コンクリ製のホームは、周囲を観察できるちょっとした展望台のようだ

  訪問日記  2001年8月12日 訪問  

  この駅の周囲には広大な畑が広がっているため、およそ秘境感に乏しい。 しかし、ここは大半の列車が通過してしまいうため、一日に停車する列車は下りが4本、上りに
 至ってはなんと2本だけしか停車しないのである。 そのため、ここへ列車を利用しての到達は非常に難しいといえるが、交通量の多い国道334号線からは近いため、車やバイク
 では比較的容易である。 以前は下欄で紹介したような待合室が存在していたが、ご覧の通りすっかり荒れ果ててしまったため、今回私が訪れた時にはすっかり撤去されて
 しまっていた。 そのため、ここには屋根やベンチという設備が全く無く、ただコンクリート製のホームだけが畑の中にポツンと有るといった具合である。
 
 今回、私はここへ辿り着くまでの話は、前日訪れた留萌本線の真布駅から出発する所から始めようと思う。  板切れの短いホームと鄙びた待合室を持つ真布駅から、単行の
 キハ54系普通列車へと乗り込んだ私は、この線の始発駅となる深川へと戻ることで再びその行程をトレースすることになった。 まず、特急「ライラック9号」で旭川へ向かい、
 そこから石北本線の特快「きたみ」で網走方面へと進む。 上川までは割りと開けた土地だが、その先は石狩北見の分水嶺を越す深い山間に入る。 そこで、今年の6月30日を
 持って廃止されてしまった、“天幕駅”を観察するのだが、あの古い木造駅舎はすっかり取り壊されて跡形も無くなっていた。  しばらく運転席の脇で前方を注視していたが、
 運行時刻表にもこの駅の記載は既に無かった。(信号場として残った中越や奥白滝は記載されていた) 全く減速せずにあっけなく通り過ぎてしまい、次の中越に差し掛かる。
 ここも天幕と同日に廃駅となってしまったが、運良く?信号場として残されたために、駅舎はまだ現存している。  しかし、あの縁がボロボロに崩れていたコンクリート製の
 ホームはすっかり撤去されてしまっていた。 そして、更に先へ進んだ所にある上越信号場で、対向列車の特急「オホーツク6号」と交換するために停車した。 
 ここも遠い昔には駅であったが、過疎化により無住地となってしまったために、信号場へと格下げされてしまった経緯がある。 

 やがて、長い石北トンネル(4329m)に入って石狩北見の国境を越えて奥白滝へと抜けた。 ここもまた天幕・中越と同時に廃駅になってしまった駅で、出入り口や窓は板で
 打ち付けられてはいるものの、なんとか駅舎はだけは残っていた。 とある情報によると、地元でこの駅を保存しようという運動があったため、取り壊されずにそのまま残って
 いるようだ。 こうした運動は非常に有り難いが、できればこうなる前に少しでも利用して欲しかったと思う。 これはここに住んでいない私の勝手な考え方かも知れないが…

 こうして北見へ到着して今日最後となる釧網本線直通の緑行き最終列車へと乗り込んだ。 帰宅ラッシュで足の踏み場もおぼつかない程の超満員だが、何故かこの列車は
 単行で都心ならいざ知れず、それほどまでに混んでいるのだから、もう一両増結してはどうだろうかと思うほどだ。 やがて、多くの高校生は端野駅あたりで大勢降りて行き、
 車内も静寂を降り戻しつつあった。 そして、周囲も暗くなってようやく網走へと到着する。 ここで15分間の停車。 駅前のローソンで食料調達。 空腹を満たすために車内で
 弁当を食し後の食料は今日一日を締め括る酒のつまみだ。 やがて停車して行く駅を重ねる度に車内は閑散として行き、結局終点の緑駅には私一人だけが降り立った。 
 今晩はここで駅寝である。 小奇麗な外観をした駅舎の前にはなんと水道があり、駅寝には絶好の環境だ。 更に直ぐ近くには日帰り温泉もあり、駅前に作られた公園のトイレ
 も綺麗で、もう至ぜり尽せりといった感じだ。 (但し温泉は21:00までの営業で、入れなかった…泣)

 暫く周囲の観察をしていたところ、一台の車がやって来た。 そこから降りたのは、なんとネットで知り合った北見在住のヤベッチさんであった。 彼は以前に、この南斜里駅
 (下欄参照)を含み、ちほく高原鉄道の秘境駅の詳細情報を頂いた御本人である。 小一時間ほどの時間であったが話題の一つ一つに花が咲き、色々情報交換したりしながら
 時は過ぎて行く。 しかもビールとつまみまで届けて頂き、本当に感謝の限りである。 この北の大地での孤独な旅人に、ここまで持て成してくれるとは誠に有り難いものである。
 (本当にありがとうございました) やがて、彼と別れてしまうと独りになったこの待合室は、かなり寂しいものとなってしまった。  

 さて、そろそろ寝床の準備をしよう。 しかし、この抜群の駅寝環境を誇るこの駅に、ただ一つだけ弱点があった。 割と広めの待合室にあるベンチは生憎、例の4連プラベンチ
 しかなかったのだ。 しかし、私は負けたりしない。 ここは一発簡易ベッド仕様として互いに向かい合わせ、更にサーマレスト製のエアマットを広げる。 このマットの凹凸吸収性
 は抜群で、ゴロ石の河原でテントを張っても快適な寝床を提供してくれる、リーサルウエポン的熟睡マシンなのだ。 こうして熟睡の夜をマッタリと過ごし、早朝のさわやかな目覚め
 を迎えた。 サンドイッチの朝食とモーニングコーヒー、駅前の水道で顔を洗って歯を磨き、何だか人前な暮らしぶりじゃないか? と長旅を続けている私は当たり前の感覚さえも
 欠如していたのであった。
 
 こうして、この駅を始発とする上り普通列車が網走方面から回送されて来て乗車する。 そして3駅目となるこの南斜里駅へと降り立った。 この駅への乗降チャンスは早朝は
 この一回だけ。 後は夕方に上下合わせて2回のチャンスだけである。 やはり停車本数の少ないことは、他の計画を視野に入れて何とか訪問する機会を捻出しているわけなので、
 時間がふんだんに有るならいざ知れず、これはかなり難しい技を必要とするのだ。(笑)  そして、突然畑の中に放り出された感覚は、実に異質だ。 遠くを走る車の群れは、
 およそこちらの方には関心が無い。 更にその国道を見渡しているとなんと、“ローソン”が見えるではないか! 秘境駅もコンビニ時代の到来か? 複雑な思いを胸を抱きつつ、
 今度は18分後にやって来る下り普通列車へと乗車して釧路方面へと向かう。 遠のいて行くコンクリートのホームは、何も語ってはくれない。 しかし、通過ばかりの駅でも、
 時刻表に載っていて日々停車しているレッキとした駅であれば少なくとも私は彼らを「秘境駅」と呼び、熱きエールを送り続けるであろう…


     

凄まじい荒れ方の待合室は半壊していてドアが開かず、使用できない   見渡す限りの広大な畑、ただし国道沿いにある為、交通量が多くて今一つ…


 やべっちさんの訪問記録   2000年8月某日 以下受信メールより抜粋して掲載。

 時刻表を見ていて、やたらと本数が少ないので、根北線跡調査を兼ねて足をのばしてみました。 国道334からの分岐点で早速発見できいってみました。 車のたくさん走る音も聞こえ、
 秘境的にはポイントが低いかも。 確かに、豊住と同じく畑の中にたたずんでいるのですが、車がいっぱい走っているのが、遠くに見渡せてしまうのはどうかと思ってしまいました。
 プラスになるポイントとしては、本数が少ないのと、半壊している待合室くらいでしょうか。 この待合室、変形の為ドアが開かず、トタンの剥がれた部分から進入を図りましたが、
 あいにく“蜘蛛の巣”に行く手を阻まれてしまいました。


  そして、私の感想です

 この度は、「ちほく高原鉄道」から「釧網本線」の秘境駅まで足を伸ばしての調査、大変お疲れさまでした。 そして、私の勝手な都合により、掲載が大変遅れてしまい、ご迷惑おかけ
 しました。 さて、この“南斜里駅”ですが、停車する列車は下り4本で上りに至っては僅か2本だけという寂しい駅で、私も同線の列車に乗っていていつもあっさりと通過してしまう為、
 状況が良く判りませんでした。 今回、やべっちさんの調査でこの駅の詳細が明らかになってきたため
、独立したページで紹介することにしました。 そしてこの駅は、ご覧の通り広大な
 畑の中にポツンと存在し、半壊している待合室が不気味な様相を呈していますね。 秘境という風情には乏しいのですが、列車停車数の少なさと、こういった廃物アイテム?で
 ポイントを得ているためランキング入りさせました。 >詳細情報誠に有難うございました。 これからも宜しくお願いします m(__)m