03/07/18 作成  07/07/13 加筆修正

曲沢駅



由利高原鉄道“曲沢駅” 田んぼの中にポツンと取り残されている  見通しは良いが風当たりは強い…

    

ホームの下は自転車置き場になっている    国鉄時代と同じ様式で駅名票が作られているのが良い    待合室はピッタリと締め切りが出来る

  訪問日記   2002年1月9日 訪問

  この駅は羽越本線の羽後本荘駅から分岐して矢島まで至る第3セクタ−経営の「由利高原鉄道」にある。 路線は昭和60年10月1日に国鉄矢島線からの継承により
 開業しているが、この曲沢駅の開業は平成元年10月29日となっており、国鉄時代から存在している駅ではない。 駅の周囲には大きく田園風景が広がっていて、
 人家はそこそこ見えるのだがそこまでの距離はおよそ500m以上はあると思われるため、駅だけが平野にポツンと残された状態にある。 そして、一面一線のシンプルな
 ホームにアルミサッシでピッタリと締め切りが出来る気密性の高い待合室は、この何の障害物の無い風景にあって、容赦なく叩きつける風雪からしっかりと身を守って
 くれるのであった。
 
 今回、私はこの駅を訪問するため、既に4回目となった北海道秘境駅訪問旅からの帰路の手段として南千歳駅から急行「はまなす」に乗車した。 予め指定券を用意して
 いなかった私は、願わくばゆったりと横になれる「のびのびカーペット車」で長旅の疲れを癒したかったが、生憎満席であったため、仕方なくリクライニング角度の浅い
 自由席車両に乗車して、窮屈な津軽海峡の一夜を過ごすことになった。 そして、早朝の青森駅で気だるい体を気遣いながら特急「いなほ8号」に乗り込んで、羽後本荘駅
 までの3時間あまりを睡眠時間の補充にあてた。 羽後本荘の駅前で食料の買出しを済ませ、いよいよこの駅のある「由利高原鉄道」の列車に乗り込んだ。
 列車は国鉄時代から残されている古い駅舎を持つ数々の駅に停車しながらゆっくりと走り、20分程でこの曲沢駅に到着した。 ここを降りたのは私一人だけで、通勤通学
 時間ではないとはいえ、利用者は決して多くはないだろう。 時折吹き付ける強い寒風に上着の襟を立てて防御しながら、周囲の観察を行ってみた。 
 “ん〜 何でこんなこんな所に駅を造ってしまったんだろうか?” それが素直な感想だ。 元々集落の中にあった駅ならともかく、新設された駅だとしても多少は利用者の
 利便性を考慮して造られるべきではないか?  駅を造るための土地取得とかに絡む諸事情があったかどうかは伺い知れないが、ホームの下に自転車置き場があるので、
 恐らくこの駅の利用者は寒風吹き荒ぶ中を自転車で行き来しているのだろうと想像する。
 
 小一時間あまりで次の矢島行きの列車がやって来たので乗車してこの駅に別れを告げる。 JR全線完乗を目指していた私ではあったが折角だから終点の矢島までの乗車を
 果たした。 そしてパラパラと2枚程度の写真を撮った後はもう何もすることも無く、再び乗ってきた列車に戻るとすぐに折り返しで発車した。 そして、この曲沢駅にも再び
 停車したが、やはり予想通り誰も降りず誰も乗らなかった・・・