2001/03/28 改訂

旧白滝駅

誰も来ることの無い駅のホームに列車は静かに停車した   そして足跡も残さず去って行く…

      

駅名標のとなりに発車時刻がある。ただ下り1本、上り3本の列車しか書かれていない。  特急「オホーツク」はあっけなく通り過ぎてしまった

  観察日記   1999年12月11日 特急通過時と停車時の2回観察

  いきなり冒頭に奇妙なことを述べるが、頭に“新”と付く駅は数多くあるが、反対に“旧”と付く駅はとても珍しい。そんな駅が北海道の石北本線にある。ここは、普通列車でも
 一部は通過し、1日に下り1本、上り3本しか停車しない。1面1線のホームの上には、古い木造の待合室が、草原を渡る風に吹かれている。もともと、この地域にはじめて入植者
 が入ったのはこの辺り。しかし、痩せた土地と厳しい気象条件に阻まれ、大正時代に現在の白滝に集落を移転したため、当地を「旧白滝」と呼ぶようになった。1947(昭和22)年
 2月11日に仮乗降場としてスタートし、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化を機に、正式な駅へ昇格。開けた土の利を生かした酪農も行われているが、離農者は後を絶
 たない。厳しい気候だけでなく、同時に世の中の冷たさも感じてしまうのであった。

 それでは観察模様をお伝えしよう。まず、特急“オホーツク3号”で遠軽まで乗車した時のことだ。駅は古い待合室と一面一線の短いホームがあるだけの簡素なものとなってい
 る。巻き上げる風雪の中、注意していたつもりだったがあっけなく通りすぎてしまい、後追いでなんとか撮影できただけで、少し悔しい思いをした。そして留辺蘂で折り返して、暗
 くなってしまったが今度は停車する普通列車で撮影することができた。上白滝を過ぎてから私一人の乗客となった時に運転士と話をしたが、この駅には高校生が一人だけ定期
 利用しているそうだ。残念ながら今日は土曜日で学生の姿を伺うことは出来なかった。

    

ホームは除雪はしっかりされている     しかし雪だらけ… 今度は無雪期にやってこよう    駅名票の脇に簡易な停車時刻表が立っている

   訪問日記   2001年3月11日 訪問

  さて、この石北本線に存在する一連の白滝シリーズのなかに有って、唯一駅舎が無い駅といえばこの“旧白滝駅”以外にない。ただ、古めかしい待合室が残っているあたり、
 当初から無人駅であったと容易に想像が付く。事実、この駅は昭和22年に仮乗降場として開設しており、駅員が配置されたことは無い。そしてこの“旧”と冠する名称は、上記
 にも記したが、この地に開拓団が早くから入って中心的な役割を果たしたことに由来している。ただし、大正時代には既に現在の白滝地区へ中心が移っているようである。周囲
 は牧草地のほかはビートや麦などの畑地となっていて、人口密度は極端に少ない地域だ。更に停車する列車は下り1本,上り3本のみであり、列車を利用しての訪問は難しい
 部類に属している。

 今回、私はレンタカーを使って隣の下白滝駅を訪問した後に、この駅へやって来た。この場所も国道333号線沿いにあるので、容易に発見することができた。車を降りて古い待
 合室に入ると造り付けの椅子の上に「駅ノート」を発見。国道沿いという地理的条件もあってか“ライダー”や“ドライバー”の書きこみが非常に多いようだ。列車で訪れた人は殆ど
 居ないようで、解ってはいるものの複雑な気持ちになった。かくいう私もその一人であるので偉そうな口は叩けないのであるが、今度この駅を訪れた際には、全て列車か徒歩で
 訪問してみようと思うのであった。