2001/1/12 作成

北剣淵駅

  

  

  再訪日記  2009年1月17日 訪問
 
  この北剣淵駅もまた8年振りに再訪となった。前回は列車での訪問とはいえ、隣の士別駅からタクシーで訪れたため、少しばかり不本意であった。しかし、今回は完全に
 列車で降り、列車で立ち去る“駅訪問の王道”を成し遂げることが出来た。そうは言うものの、私が住む広島県からこの北の台地はあまりに遠い。そのため、新千歳空港ま
 で全日空(マイレージ)を使ったことを白状しよう。新千歳空港駅で、早速JRのチケットを購入する。今回使用した切符は、札幌・道北ゾーンきっぷだ。ゾーン入り口の南千歳
 から最初に201km以上となる、函館本線の野田生までの往復乗車券(2割引き)を掛け捨てとして、合計15210円を支払った。
 ※ちなみに帰り券はゾーン使用終了後、手数料210円を差し引きの払い戻しで、2890円を返却してもらった(笑)
  
 青春18きっぷ1枚(11,500円)の期間ではあるが、料金にもほとんど差が無い。しかも特急(自由席)が使えるため、プランの自由度が広がり、目標の駅で降りるチャンスも
 増える。こうして、快速“エアポート151号”から変身した特急“スーパーカムイ35号”で旭川にきて、旭川ターミナルホテルに投宿。ここはエレベーターの目の前が改札口な
 ので、早朝の列車でも苦にならない鉄道旅行の穴場的な宿である。しかもネットの事前予約(じゃらん)で一泊4000円という安さだったことを付け加えておく。

 前置きが長くなった。こうして旭川を6:05に発車した列車は、夜明け前をひた走り、定刻の7:12にこの北剣淵駅へたどり着く。暖房の効きすぎた車内に慣れた体に、寒波が
 容赦なく襲う。顔がひきつるように痛いが、これでも例年よりもずいぶん暖かく、せいぜいマイナス5度だ。ホームで三脚をセットしながら待合室に目をやると、以前に穴の開
 いた扉はトタン板ですっかり修繕されていた。何故かホッとする。満身創痍の姿を晒していたため、いずれ取り壊されてしまうのでは?と危惧していたが、どうやら杞憂だっ
 たようだ。こうした味わい深い郷愁を誘う待合室は、ぜひ大切して欲しいと思う。一通り撮影をしていると、士別方面から雪煙を上げながら通過列車がやって来た。駅名標と
 同じデザインは、白い雪をベースとしていて実にJR北海道らしいカラーだ。個人的にも気に入っている。こうして2時間あまりを過ごし、名寄へ向けて列車で立ち去ることにし
 た。列車のドアが閉まり、曇ったガラスから小さくなっていく木造の待合室を見ていると、「また来いよ」と呼んでいる気がしてならなかった。


宗谷本線“「北剣淵駅” 林に囲まれた清々しい雰囲気に、板切れホームがポツリと佇む。

      

左右を林に挟まれた真っ直ぐな線路が続く    待合室は木造で老朽化が激しく、扉に穴が開いている(レンズが曇った…)    駅のホームは、踏切に来ないと見えない   

   訪問日記   2001年1月1日 訪問

  この駅は、宗谷南線(旭川-名寄間)にある駅では一番秘境感のある駅である。駅は鉄道林に囲まれており、車道からは全く見えない。駅の周囲には人家が3軒ほどが
 見えるだけ。脇にある踏み切りも交通量が多いとは言えず、とても静かな雰囲気を保っている。また、宗谷北線(名寄-稚内間)と比較して、こちらは列車本数こそ多いが、
 ここに停車する列車は下り4本上り3本と少ない。待合室はご覧の通り、古い木造のもので、扉は破れて穴が開いているので隙間風が入り放題でとても寒い。おまけに開
 閉がキツくて、ガタガタと両手でこじる必要があるため苦労した。そんな待合室内にも駅ノートがある。利用者が少ないため、あまり書き込みは無いが、ここで駅寝をした人
 も居たようだ。

 今回、この駅の訪問には、前夜「智東駅」※現在は廃駅 に泊まった。翌朝は4.7km離れた隣の“日進駅”まで、天塩川を眺めながら徒歩で到達。そこから朝一番の列車に
 乗り、隣の士別駅までやって来た。しかし、士別駅からこの北剣淵駅に停まる都合の良い列車が無い。更に線路距離では3.7kmだが、車道を経由すれば更に長い距離とな
 ってしまうため、止む無くタクシーを使うことにした。士別駅からおよそ10分程度で途中、コンビニに寄ってもらい、朝食を調達しながらこの駅へ2250円かけて到着した。やは
 りタクシーは楽で、何だか癖になってしまいそうであった。駅に到着してからは例によって一通り周囲の観察と撮影を済ませると、この古い待合室へこもって弁当の朝食を食
 べる。備え付けてある駅ノートへ書き込みをしながら、来るべき列車を待っていた。そのうちに風雪が強まり、室内へ扉の穴から、容赦なく雪が舞い込んで来た。やがて列車
 がやって来る時間に近づいたので、外へ出て列車を待つことにした。これは前日訪問した“南下沼駅”で、待合室の扉がなかなか開かずに閉じ込められ、危うく乗り遅れそう
 になった経験から学習したためだ。板切れのホームの上で、時折吹き付ける風に震えながら、ようやくやって来た列車に乗り、この静かな林に挟まれた小駅を後にした。