01/06/25  作成  07/07/12 加筆修正

上幌延駅



宗谷本線 “上幌延駅”  ホームに高く積もった雪が利用者の少なさを暗示しているかのようだ

     
 
この宗谷本線に数多い、貨車(車掌車)を待合室に転用している   煙突はあっても肝心なストーブは無い    駅名標は深い雪に埋まる


  訪問日記  2000年12月31日 訪問

 この駅は、宗谷本線の北部の拠点となっている幌延駅の隣にある駅だが、そこから5.2kmも離れているためか、“街”としては形成されず、一面酪農地帯といった様相である。
 周囲は当然人家は少なく、駅前とその付近に3軒ほどあるが、何れも酪農農家のようだ。 そしてこの駅もまた通過列車が非常に多く、一日のうちに下りは2本、上りは3本しか
 停車しないという凄まじいダイヤとなっている。 ふらりとやって来て、何も考えずに降りるというのは、時間的リスクが非常に大きい。 ただ、隣の南幌延までは3kmという比較的近い
 距離にあるため、その駅とセットで乗降するというのも一興であろう。

 今回、私は3回目となった北海道秘境駅訪問旅を続けていて、この駅に到達するにあたり、隣にある南幌延駅から約3kmの距離をを歩いてやって来た。 冬となったこの季節の
 夕方は早いもので、辺りはすっかりと冷え込んでいる。  列車を待つ間、貨車の待合室の中で今後の予定などをあれこれと検討していたが、大晦日となった今日、こうして独り
 北の大地でフラフラと放浪している自分を見つめ直してみる。  “こんなところで何をしてるんだ…?”
 そんな声を何度となく心の中で聞かされて、未だに正当な答えを出せないでいる。  自分の気持ちに正直に生きていることで、ささやかな満足感を得ている自分がいる。
 これを葛藤と呼んで良いものか? すっかり“世間ズレ”してしまった私は、このあと新世紀を迎えるのに、この線に存在する冬季閉鎖中の“智東駅”へ一夜を求めようとしている。
 しかし延々歩いた結果に到達出来ても待合室が施錠されていたら最悪だ。 妥協して名寄でちゃんと泊まる場所を探そうか?  だが、それは私らしくない旅だ。  最悪、締め出さ
 れても死なないだけの装備は持っている。こうして決意を新たにして、ホームの上で列車を待っているといると、雪壁の向こうから名寄行きの列車が静かにやって来た。
 こうして列車に乗り込むのだが、私以外の乗客はたった2人だけ。 やがて辺りはすっかり暗くなってしまい、闇を切り裂く一筋の光を頼りに、列車は力強く加速していった…