01/03/15 作成  07/07/11 加筆修正

初田牛駅

根室本線 “初田牛駅” 辺り一面荒涼とした原野が広がるこの駅に、一体何の用があって降りるのか…(自分)

      

背後には鉄道防風林が林立している   駅待合室は割と新しいプレハブ製(思いっきり逆光です…)

      

駅前の風景はこんな感じ  その先には果てしなく原野が続いている…   列車に轢かれ、線路に横たわる“エゾシカ”(合掌)


  訪問日記   2001年3月10日 訪問

  この駅は、根室本線は末端にある釧路〜根室区間の通称“花咲線”という名の路線にある“初田牛駅”である。 周囲には人家が一軒だけあり、無線中継施設と
 思われる設備が見えるほかは、荒涼とした原野が広がっているだけである。
 更にこの駅は、普通列車でも通過が非常に多く、訪問するに当てってプラン作成時から頭を悩ませた駅であった。 特に夕刻であれば、それなりに組み合わせられる
 列車もあるのだが、午前中に訪問するとなると非常にマニアックな手法を取らざるを得ない。

 今回、私は第4回北海道秘境駅訪問旅として、この地に「北斗星ニセコスキー号」で上陸したのは昨日のことだ。 そして、「張碓駅」の訪問の後に札幌から特急
 「スーパーおおぞら5号」を池田で降り、「尺別駅」と「上厚内駅」の訪問を果たした。 当初の計画では釧路から夜行特急の「おおぞら14号」で深夜に新得駅で交換する
 同じく夜行特急の「おおぞら13号」で釧路へとトンボ返り(通称:タッチダウン)するつもりだった。 しかし流石に疲労していたので、ここは無理をせずに釧路で
 ビジネスホテルに泊まることにした。 そして迎えた早朝5:30に宿を後にして、釧路駅に停車している快速「はなさき」に乗りこんだ。 だが、この列車はここに停車しない。
 そのため、一端根室まで乗り通すこととした。 風光明媚なこの路線は、山越え、湖の辺り、そして太平洋を遠くに望む原野地帯など、大自然の中を突っ切って行く感じで、
 車窓から目が離せないほど素晴らしい。

 そして、根室駅で10分のインターバルの後、降り返す列車でいよいよこの駅へと向かった。 しかし、その列車で事件は起こった。 昆布盛駅より発車して直ぐ、
 “エゾシカ”が線路に飛び出してそのまま轢かれてしまった。 急ブレーキが掛かったので前を見たら、もう目の前に鹿が居てゴツンという鈍い音とともに列車の後方へと
 去っていった。 少し衝撃的だったのは、子供が3人ほど運転席の脇で事故現場を目撃していたことだった。 だが、所詮地元の子なので、この手のことは多分大丈夫
 だろうと推測する。 それが感受性の強い都会の子であったら、ちょっと後が厄介かな〜と思った。
 運転士は鹿の接触事故があった旨を、調査のため5〜6分遅れると放送した。 たまたま乗車していた保線関係者らしき人がやってきて、青いゴム手袋を装着して車外へと
 降りて行った。 彼は鹿をそのままズルズルと引きずって林の中に捨てていた。 私も当然の処置だろうと見ていたが、子供(女の子)が「カワイソウ… そのままに
 したら死んじゃうよ…」 と、言ったことが胸に刺さった。 きっと“お墓”を造ってあげたかったのだろう… きっと優しい子なんだと感じ、運転士はその子に「大丈夫、さっき
 走って行ったよ」なんて言って安心させていた。 これで良いと思った。 (^^;
 
 さて、前置きが長くなったが、列車の運転は無事再開され初田牛駅に到着した。 当然降りたのは私一人、乗ってくる人も居ない。 しかし、ここはなんなんだ… 
 周囲には何も無いという表現がピッタリで、北海道らしい大自然の中、この駅はポツンとある。 両隣の駅へ駅間歩きをしようにも、厚床までは7.1km、別当賀に至っては
 8.5kmもありとても歩く気が起こらない。 朝の清清しい空気を深呼吸で入力するが、生憎の風邪で結局、咳き込むだけであったのが情けなかった。 周囲の撮影を終えると、
 待合室で備え付けてあった駅ノートへと書きこんだ。 そして小一時間ぼーとしていたが、やがて1台の車がやってきた。 乗っていたのは駅員さんで、恐らく根室駅に勤務
 している職員であろうか、そこに着くなりホームの雪掻きを始めた。  暫くすると根室行きの列車がやってきたので乗りこみ、この原野にある駅を後にした。 
  その後、再び根室駅へと降り立ち、駅前にあるスーパーで今夜の駅寝(ちほく高原鉄道:川上駅)の為に食料調達をする。 そして、また降り返しとなる快速「はなさき」へと
 乗車して釧路へと向かったのであるが、急に疲れが出てきて外の景色を眺める訳でなく、完全に寝入ってしまったのであった…