01/10/8 作成 07/07/11 加筆修正
五十石駅
釧網本線“五十石駅” 通過ばかりのこの駅へ午後の日差しが降り注ぎ、まったりとした時間が流れている
待合室は元車掌車で質素なものだが、脇にそびえる立派な木は駅としての風格を物語る。 くっきりと澄み切った青空は大自然の豊かさの象徴といえる。
訪問日記 2001年8月12日 訪問
この駅は、釧網本線の中でも比較的通過列車の多い駅である。 そのため、列車を使っての訪問は非常に難しい部類に属しており、それだけに降り立った時の
征服感は大きいものがある。 駅の周囲に一般的な人家は3軒ほどで非常に少ないが、交通量の多い国道脇にはドライブインもあったりするので、 それほど秘境感に
溢れている訳ではない。 駅はご覧の通り一面一線の単純な棒駅であるが、その脇には使われなくなって久しい側線があり、その昔はそれなりに重要な位置付けの駅
であったものと想像される。 駅前の広場に聳え立つ一本の大木にもその面影にも現れていて、くっきりと澄み切った青い空は豊かな大自然を感じさせるものだ。
今回、私は北海道へ上陸してから、この釧網本線の秘境駅を一つ一つ丹念に訪問していた。 先程は細岡駅から乗り込んだ臨時観光列車である「くしろ湿原ノロッコ号」は
ほぼ満員の乗客を乗せて、終点の塘路で全員の乗客が降りる。 おびただしい数に上る観光客は、普段人気の無い秘境駅ばかり降り立っている私の旅にとって、
いささか場違いな雰囲気ではあるがこれも観光産業で成り立っている同路線を守る為と思えば、返って嬉しい気持ちも込み上げてくるから不思議なものである。
そして、この五十石駅へ向かうためには更に後続の普通列車へと乗り継いで行く必要がある。 ようやくやって来た列車はそれなりに混みあっていたが、実際にこの駅へ
降り立ったのは私一人だけであった。 多くの乗客の視線を一気に集めて独りホームに降り立つ。 過ぎ去って行く列車を見送りながら、例によって周囲の観察を開始した。
駅周辺の撮影を済ますが、折り返す列車までの時間はまだ一時間半もある。 そこで、国道沿いにある一軒のドライブインへ昼食を摂るたに向った。 そこで発見したのは、
「温泉あり」の看板。 そういえば長いこと風呂に入っていない。 焼肉定食を食した後は、300円を払って温泉へと浸かる。
つるつるとした泉質は中々温浴効果の高いものがあり、久しぶりに心身共にリフレッシュ出来て少しばかりの幸せを感じた。
こうして、風呂上りの私は午後の日差しが強い中を飄々と歩いて駅へと向かう。 何もすることは無い。 ただ列車を待つだけの時間が過ぎて行く。 こんな大いなる時間の
浪費を、そしてその価値を、果たして誰が認めてくれるのであろうか? “時は金なり” そんな言葉が脳裏をよぎる。
金なんて無闇に稼がなくたって良いじゃないか。 その答えは直ぐに出た。 “果報は寝て待て” 結果的に出てきた私の最終結論だ。
半ば怠け者を自覚するも、せっかくの休日はこうして過ごすのが良いのでは? そう思った午後の空であった。