2008/01/07 作成

絵笛駅



日高本線 “絵笛駅” 辺り一面緑の牧場が広がり、馬の鳴き声が響いている。 ここは真に心癒される別天地である。

        

コンクリートで囲われた土盛りのホームに鉄パイプの柵がいまひとつ      ブロックを積んだ待合室を備える     踏み切りを渡る馬の姿が微笑ましい


    訪問日記   2007年6月9日 訪問

  ここは日高本線の絵笛駅という小駅ある。周囲は一面サラブレッドの牧場で人家は数軒しか存在せず、とても長閑な雰囲気だ。駅の構造は単純な一面一線で、コンクリートで
 囲われた土盛りのホームになっている。同じ路線にある大狩部駅とよく似るブロック造りの薄暗い待合室が備わっているが、内に入ると以外に広く、壁がレンガ風に茶色く塗装さ
 れていた。さらに、ゴミが一つ落ちていないうえに“駅ノート”もあり、その不気味な外観を見て殺風景な雰囲気を予想していたが、良い意味で裏切ってくれた。少し幅が狭いが、
 造り付けのベンチに座り、じっとしていると周囲の静けさのためか、意外にも居心地が良い。時折聞こえてくる馬の鳴き声が響き渡り、昼下がりの一時に眠気が容赦なく私を襲う
 のであった。さあモタモタしている場合じゃないぞ、私は“秘境駅訪問家”だ。観察を始めよう。外に出て一通り撮影していると、ちょうど牧場の馬が現れ、飼い主に連れ添われな
 がら踏切を渡って行くではないか。偶発的なシャッターチャンスに嬉々としてしまい、待合室で居眠りをしなくて良かったと、胸を撫で下ろすのであった。 

 今回の旅は、いつもながらの秘境駅訪問旅ではない。広島という地は余りにも遠すぎだ。おまけに2泊3日の駆け足の旅ということもあって、止む無く飛行機を使うことになった。
 広島空港を午後に出発する直行便に乗り、内心ハラハラしながら新千歳空港に着陸した。空港近くのレンタカー事務所で受け取った、黄金色をしたダイハツ“ブーン”という、色も
 呼び名も“蜂”みたいな小型車が今回の旅の相棒となった。こうして、“蜂車”を運転しながら国道235号線を一路南下して行くのであるが、その途中で“浜田浦”“大狩部”といった
 以前に訪れた秘境駅にも立ち寄っていたので、その歩みは遅々としたものになった。しかし、最近のレンタカーはカーナビも標準装備となっていて、国道から離れているにも関わ
 らず、以外にもあっさりと見つけることが出来た。

 クルマを降りると全身を清清しい空気に包まれる。そして、静寂の中に馬の鳴きが一声、「ひひ〜ん ひん・・・」何て長閑なんだ。普段、窓も無い工場の中でストレスを抱えながら
 忙しく働く身にとっては、本当に心が癒され、薄っすらと涙が出そうになった。だが、こうしたのどかな風景とは裏腹に北の台地は産業も経済も厳しい現実がある。それでも、少し
 ぐらいは人間らしく、そして動物らしい生き方がしたいものだ。しばし感慨に耽りながら、やがて時計に目をやると、思いのほか長い時間が過ぎている事に気が付いた。さあ、この
 地上の楽園から出発だ。現実へと戻るべく、再び国道235号線を走り、浦河のビジネスホテルへと向うのであった。