01/10/9 作成 07/07/10 加筆修正
赤井川駅
函館本線 「赤井川駅」 待避線を含んだ駅構内は結構広いが、ここを訪れる人はきっと誰も居ないだろう…
待合室はこじんまりとした割と新しめのモノだが、内部は結構汚かったのが残念。 小鳥のさえずりが響く静かな朝は、清々しい雰囲気に溢れている。
駅前の風景はこんな感じで何も無く、未舗装路の先に人家がちらほらと有った。 乗ってきた列車は、私一人を置いて去って行く…
訪問日記 2001年8月13日 訪問
この赤井川駅は北海道の大動脈といえる函館本線の根元にあたる所に位置しており、その周囲には風光明媚な大沼公園、そして雄峰・駒ケ岳を望む大自然豊かな
場所にある。 しかし、これほどの観光資源に恵まれながらも、この駅には殆ど人気というものが無い。 人家も7〜8軒軒が遠くに見えるに過ぎず、比較的交通量の多い
国道5号線からも700m以上も離れているため、全くと言って良いほど車の音が聞こえてこない。 そんな場所だから、小鳥のさえずり一つとっても余計な雑音が入らないため、
とてもクリアに聞こえてくる。
そんな場所にある駅なので利用者こそ多くはないが、この駅を通過する列車の本数は特急列車を中心に数多くある。 そのために上下列車との交換の他、特急列車などの
待避でも使われることが多い。 現在では、ほとんど信号場としての役割だけに過ぎないが、もともとここは同路線に多い信号場を格上げされて開設された駅では無い。
その歴史は古く、明治37年10月15日の当初から正式な“駅”として開設されており、その当時はかなりの乗客でにぎわったと想像される。
今回、日本一周秘境駅訪問旅という行程の中で、この駅が北海道最後の訪問駅となった。 釧網本線の秘境駅訪問を終えた私は、釧路で根室本線の普通列車に乗り換えて
ノンビリとした旅を楽しんでいた。 途中の古瀬駅で降りようとはしたが、時間的制約から今回は諦めざるを得なかったのが残念であったが、その代わりに上厚内〜浦幌間にある
謎の信号場と言われる“常豊信号場”で、列車交換のために停車するという珍しい経験が出来た。 ここはただの信号場ではなく、なんと上下線にそれぞれ短いながらも
ホームがあり、駅名標もしっかりと立っているのである。 数分の停車時間であったが、血眼になって撮影を続ける私は、周囲の空気から思いっきり浮いた存在となってしまった。
運転士氏にこの信号場には何故ホームがあるの? という素朴な疑問を投げかけてみたが、彼も首を傾げて「何んででしょうかね〜?」と逆に聞かれてしまう始末だ。
何に使いたかったのか不明だが、恐らくこの人家の全く無い山林と原野の中にあって、JR化となって同種の多くが“駅”として昇格された訳だが、利用者が見込めないため、
信号場のまま取り残されたと推測される。 ここが国鉄時代にに仮乗降場として認知され、時刻表にも載っていていたならば、間違いなく一流の秘境駅になったであろう。
こうして帯広まで進んだ私は、夕飯に豚丼の駅弁を調達し、快速「狩勝」の車内で食べる。 この弁当は紐を引っ張ると容器が熱くなる加熱剤の入ったタイプである。
確かにアツアツな弁当を食べられて実に幸せなのだが、大柄の容器はいかんせん底上げ著しく、中身の量は実に少ない。 しかし、結構美味い部類の駅弁で、こんがりと
焼きあがったジューシーな豚だけでなく、絶妙な味のタレが染みたご飯は本当に感動するほど美味かった。 そんなこんなで辺りはすっかりと暗くなってから新得駅へと到着した。
降り立った駅は何だか賑やかだ。 そう、あの長万部でも体験したが、同じように駅前広場で夏祭りの真っ最中であった。 出店も多く、思わず「たこ焼き」なんか買ってしまい、
待合室でビールの友としてソレをつつく。
すっかりお腹も良くなり、特急「スーパーとかち10号」で隣のトマム駅まで進む。 この誰も居ない駅の近くには、あのバブル時代のの申し子といえる「アルファリゾートトマム」が
その摩天楼級といえる建造物を深い山林の中に聳え立たせている。 その場違いともいえるその姿は、なんとも無気味な様相を呈していた。
ここで降りたのには秘境駅訪問というより、次の南千歳まで進むために運賃・料金節約上において、このまま「スーパーとかち10号」で新夕張駅を降りるよりも、このトマムで降りて
後続の特急「スーパーおおぞら12号」に乗車したほうが結果的に安上がりになることを発見したためである。 新得から一気に南千歳まで乗り通してしまっては、4,170円と
高価なものになってしまう。 しかも、その列車は新夕張にも追分にも停車しない。
乗車券類のみで利用できる特例区間(新得〜新夕張間)を前者の列車で新夕張で降りた場合、その先へ乗り継ぐ列車はどうしようも無いくらい遅い時間となってしまう。
そうなれば札幌へも辿り着けないばかりか、その後の買出しも絶望的となってしまうのだ。 ・・・となれば、この山の中にある駅で下車して、トマム→南千歳までは100kmまでの
特急料金と運賃の合計2,890円を払い、その後続列車へ乗車した方がトクという結論になった。 まあ、これもゲームのようなものだが、そんな楽しみを見出せるのも時刻表マニア
だから出来ることなので、こんなややこしいことなど普通なら敬遠されてしまうであろう。
待合室が虫だらけのトマム駅をこうして出発し深夜の楓駅を過ぎ去り、南千歳へ定刻に到着。 ここからは快速「エアポート」で札幌へと向かい、食料調達も無事に果たすことが
できたのである。 そして今夜の宿となった18きっぷ族ご用達の夜行快速「ミッドナイト」号に乗車する。 今期から車両が変わり、特急型のキハ183系が使われることになった。
だが、以前使われていたキハ27系のカーペットカーやドリームカーは車齢が高いので廃車という運命を辿ることとなってしまったのは非常に残念である。
まあ、これも古いとは言え、まがりなりにも特急型車両である。 簡易リクライニングシートに身をよじって一夜を過ごす。
そして早朝の森駅で早々と降り、普通列車へと乗り換えた。 この列車は途中、姫川駅で列車交換のため数分間の停車をしながら、ようやくこの赤井川駅へと到着した。
早朝の空気は実に清々しく、こうした静かな環境は荒んだ人の心さえもを癒してくれる。 子供の頃に戻ったような感覚で駅周囲の探索を行い、満員だった昨夜の夜行列車で
吸ってきたその悪い空気を、思いっきり深呼吸して入れ替えた。
しばらく待合室で休んだ後で隣の大沼公園駅へと歩いていくことにしようか。 ザックを背負う体にも少しだけ力がみなぎって来た…